JP2576885B2 - 可撓性膜堰 - Google Patents

可撓性膜堰

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JP2576885B2 JP12564588A JP12564588A JP2576885B2 JP 2576885 B2 JP2576885 B2 JP 2576885B2 JP 12564588 A JP12564588 A JP 12564588A JP 12564588 A JP12564588 A JP 12564588A JP 2576885 B2 JP2576885 B2 JP 2576885B2
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、農業用水の取水のための堰等に用いられる
可撓性膜堰に関するものである。
従来の技術 河川等を横切って布設される可撓性膜堰01は、帯状袋
体の上流側側部を取付金具04により河床および河岸に緊
密に固定し、その袋体内部に気体または液体を給入・排
出して起立・倒状を行ない水量の調整をなすものであ
る。
しかるに第9図に断面図で図示するように、起立時に
膜堰01の外周面が滑らかであると、膜堰01を越えた水流
は、膜堰01の下流側表面の低い高さ部分Pまで外周面に
沿って流れ込み、同部分P付近で膜堰01の表面から剥離
していく。
この水流の剥離点P付近では膜堰01の表面に働らく外
圧力は負圧として作用するので、堰高Hより上流側水位
Huがさらに高くなり、膜堰01を越えた水流が有するエネ
ルギーが大きくなると、前記膜堰01の表面に働らく負圧
も増大する。
水流の剥離点Pは僅かな流れの乱れによって位置変動
を生じるのでかかる点Pに働らく負圧が大きい状態で位
置変動があると膜堰01に振動が生じる。
振動が大きくなると袋体に異常な力が加わって破損の
おそれが生じる。
そこでかかる振動を防止するために第10図に図示する
ように膜堰01の表面に水流と直角な方向に指向した突条
たるフィン02を設けた例がある。
フィン02を有することで膜堰01を越えた水流は常に該
フィン02から剥離されることにより剥離点の移動に基づ
く膜堰01の振動を防止することができる。
このときフィン02の下方にエアーチャンバー03が形成
されるが、このエアーチャンバー03の通気性を良くして
おくことで外表面の負圧の増大を防止し上流側水位Huが
上昇しても振動を抑制することができる。
フィン02の効果についての振動実験の結果を第12図に
グラフで示す。
横軸は堰高Hに対する上流側水位Huの比Hu/Hであり、
縦軸は堰径方向の加速度(振動)を示している。
破線aがフィンのない膜堰、実線bがフィンのある膜
堰についての振動の大きさを示しており、明らかにフィ
ンを設けた方が振動が小さくなっていることがわかる。
なお上流水位がさらに上昇し越流量が増すと、第11図
に図示するようにエアーチャンバー03は消滅する。
エアーチャンバーが形成されている状態の水流を完全
水脈と称し、エアーチャンバーが完全に消失した状態の
水流を不完全水脈と称すると第10図は完全水脈を示して
おり、第11図は不完全水脈を示している。
Hu/Hがある程度大きい値のときにエアーチャンバーが
消失し、完全水脈から不完全水脈に移行するときは、特
に振動が急激に大きくなるようなことはない。
解決しようとする課題 しかしエアーチャンバー03が通気性が悪い状態でフィ
ン02の突出長が足りないと、例えば堰高Hに対するフィ
ン02の突出長lが2.5%程度であると、第12図に一点鎖
線cで示すようにHu/Hが約1.5付近で大きな振動を発生
する。
これはl/Hが2.5%であると大略Hu/Hが1.5付近でエア
ーチャンバーが消失しはじめるからで、この完全水脈か
ら不完全水脈へ移行する遷移領域でフィンとしての効果
を果さなくなり特に大きな振動が発生するもので、完全
にエアーチャンバーが消滅した後に越流が増しても以後
は振動が大きくなることはない。
かかる完全水脈から不完全水脈に移行する遷移領域に
おける振動を防止するためにはフィン02の突出長lを堰
高Hに対して約10%以上としなければならないことが実
験より明らかとなっている。略10%の突出長を有する従
来のゴム堰(ゴム製の膜堰)010を第13図ないし第16図
に図示する。
第13図は起立時のフィン012部分の断面図であり、ゴ
ム堰010のゴム体011内部には補強のため帆布013が2層
ないし3層埋設されており、そのうち最外層の帆布がフ
ィン012の基端部で上流側および下流側ともに屈曲して
突条先端近くまで延設されている。
帆布の埋設状態はフィン012の上流側と下流側とでは
同じであるので、フィン012に何ら負荷が加わらない状
態では第13図に示すように膜堰外周面に対し垂直に突出
する。
該ゴム堰010の上流側水位Huの上昇に対する越流状態
を第14図ないし第16図に図示する。
第14図は越流がない状態でフィン012は堰外周面に対
し垂直に突出しているが、上流水位Huが上昇して越流す
ると第15図に図示するようにフィン012は水圧によって
若干屈曲するが、それでもなおその下方にエアーチャン
バー014を形成し振動の発生を防止している。
しかるに上流水位Huがさらに上昇し越流量が増えると
第16図に図示するように大きな水位によりフィン012は
その基端部より屈曲して倒れてしまい、フィンの効果を
失なってエアーチャンバーが消失する遷移領域で大きな
振動を生じることになる。
課題を解決するための手段および作用 本発明はかかる点に鑑みなされたものでその目的とす
る処は、越流量が増大しても有害な振動を防止できる可
撓性膜堰を供する点にある。
すなわち本発明は河川等を横切って布設される弾性体
からなる帯状袋体であって流体の給入・排出により起立
・倒状を行い倒状時の下流側側部が起立時に突条を形成
する可撓性膜堰において、前記突条の下流側基端部分の
曲げ剛性を上流側基端部分の曲げ剛性より強化した可撓
性膜堰である。
突条基端部の曲げ剛性を上流側より下流側を強化した
ので突条の突出長をある程度長くしても、越流による水
圧に耐えて常に屹立状態を維持でき、エアーチャンバー
が消失する遷移領域でも特に大きな振動を生じることな
く不完全水脈に移行することができる。
実 施 例 以下第1図ないし第5図に図示した本発明に係る一実
施例について説明する。
第1図は本実施例に係るゴム堰1の倒状状態を示す一
部欠截断面図である。
板状かつ長尺のゴム体2においてその一側縁部2aを残
してそれ以外の部分に剥離層2cが形成されている。
ゴム体2内部には綿,合成繊維,コード等からなる帯
状帆布が複数枚埋設されており、その一部の帆布4は剥
離層2cに沿って二つ折りに埋設され、同帆布4の上層に
1枚の帆布5,下層に2枚の帆布6がそれぞれ埋設されて
いる。
そして上層および下層の帆布5,6はゴム体2の側縁部2
aの先端近くまで延設されている。
かかるゴム体2をその側縁部2aを下流側に、対応する
他方の開放側側縁部2bを上流側に位置させてコンクリー
ト堰7上面に配設し、河川を横断するようにコンクリー
ト堰7に植設されたアンカーボルト8にゴム体2の開放
側側縁部2bが貫通され、さらに押え金具9が当てがわ
れ、押え金具9を貫通して上方に突出したアンカーボル
ト8の上端部にナット10が螺合されて開放側側縁部2bは
コンクリート堰7に確固として固定される。
開放側側縁部2bはコンクリート堰7の河床ばかりでな
く河川両岸に隣接した法面に至るまで水密に固着される
ので剥離層2cは密閉され袋状が形成される。
このようにして河川を横切って布設されたゴム堰1の
剥離層に流体を供給すると、ゴム体2は膨み、ゴム堰1
は起立する。
このとき下流側の側縁部2aは第2図に図示するように
ゴム体2の外表面に突出し長手方向に指向したフィン3
を形成する。
このフィン3の突出長lは堰高Hとの比において10%
程度である。
ゴム体2内には上層に1枚の帆布5,下層に2枚の帆布
6が埋設され、いずれも側縁部2aの先端近くまで延設さ
れているので、突出したフィン3の上流側基端部より下
流側基端部の方が曲げ剛性が強く、したがって第2図に
図示するように、ゴム体2の外表面よりフィン3は垂直
には突出せず、より上方へ向いて突出している。
かかるゴム堰1の起立状態における越流の状態を第3
図ないし第5図に図示し説明する。
第3図は河川の流れを完全に堰止めた状態を示してお
り、フィン3には何ら負荷が加わらず上方に向いて突出
している。
第4図は上流水位Huがある程度上がり越流がある場合
を示しており、フィン3は水圧により下流側に押され
て、ゴム体2の表面に略垂直に突出し、その下方にはエ
アーチャンバー11が形成されて完全水脈をなしている。
したがって十分なフィン3の突出長に基づくエアーチ
ャンバー11によりゴム体2には振動が生じない。
第5図はさらに上流側水位が上がり越流量が増大した
ときの図である。
フィン3に加わる水圧はさらに増大し、若干下流側に
倒れるがなお屹立状態を維持しフィン3の十分な突出長
により下方にエアーチャンバー11を形成して、ゴム体2
の振動は抑制されている。
なおも越流量が増大し、エアーチャンバー11が消滅し
て不完全水脈となってもフィン3の屹立状態は維持され
るので完全水脈から不完全水脈への遷移領域において大
きな振動を生じないまま不完全水脈へ移行することがで
きる。
このようにフィン3の下流側基端部の埋設帆布量を上
流側基端部より多くして曲げ剛性を強化し、起立時の無
負荷状態におけるフィン3を上流側に若干倒れ気味にす
ることにより、越流により水圧がフィン3に加わったと
きに同水圧に抗する抵抗力を得ることができ、フィン3
の十分な突出長に拘らず完全水脈から不完全水脈へ至る
までフィン3を常時屹立状態に維持してゴム体2に有害
な脈動が生じるのを防止することができる。
フィンの下流側基端部の曲げ剛性を上流側より強くす
る別の例を第6図ないし第8図にそれぞれ図示する。
第6図図示の例は、ゴム体2の剥離層2cに沿った帆布
4より上層の帆布5に比べ下層の帆布6の厚さを増して
曲げ剛性を強化したものである。
第7図図示の例は、上層の帆布5が起立時にフィンを
形成する側縁部2aの内部までは延設されておらず上層の
帆布6のみが側縁部2aの先端近くまで延設された構造を
している。
したがって起立時に突出するフィンの基端部において
上流側の曲げ剛性は弱く、下流側の曲げ剛性は強い構造
となる。
第8図図示の例はゴム体2の剥離層2cが中央より上方
に寄った位置に形成されたものでゴム体2の剥離層2cよ
り下層の厚さt1が上層の厚さt2より厚い構造としフィン
基端部の下流側曲げ剛性を上流側より強くしている。
以上の各実施例いずれについてもフィンの突出長を十
分大きくとってなおかつ越流水圧に耐えて屹立状態を常
時維持することができ、振動を抑制することができる。
発明の効果 本発明は、可撓性膜堰の起立時に膜体表面に形成され
る突条の基端部において上流側より下流側の曲げ剛性が
強い構造とすることで、突条に十分な突出長を確保して
かつ越流の水圧に耐えて常時屹立状態を維持でき、膜堰
に生じる振動を常に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る一実施例のゴム堰倒伏時の状態を
示す一部欠截断面図、第2図は同ゴム堰起立時の要部断
面図、第3図ないし第5図は同ゴム堰における上流側水
位の変化に対する越流の状態をそれぞれ示した断面図、
第6図ないし第8図はそれぞれ別実施例のゴム堰の要部
断面図、第9図は突条を有しないゴム堰の越流の状態を
示す断面図、第10図および第11図は突条を有するゴム堰
の越流の別状態をそれぞれ示す断面図、第12図は振動実
験の結果をグラフに表わした図、第13図は従来の突条を
有するゴム堰の内部構造を示す要部断面図、第14図ない
し第16図は同ゴム堰における越流の状態をそれぞれ示し
た断面図である。 1……ゴム堰、2……ゴム体、2a……一側縁部、2b……
開放側側縁部、2c……剥離層、3……フィン、4,5,6…
…帆布、7……コンクリート堰、8……アンカーボル
ト、9……押え金具、10……ナット、11……エアーチャ
ンバー。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】河川等を横切って布設される弾性体からな
    る帯状袋体であって流体の給入・排出により起立・倒状
    を行い倒状時の下流側側部が起立時に突条を形成する可
    撓性膜堰において、前記突条の下流側基端部分の曲げ剛
    性を上流側基端部分の曲げ剛性より強化したことを特徴
    とする可撓性膜堰。
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