JP2576666B2 - 車両の出力制御方法 - Google Patents

車両の出力制御方法

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【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は旋回中の車両の路面状態に応じて機関の駆動
トルクを迅速に低減させ、車両を安全に走行させるよう
にした車両の出力制御方法に関する。
<従来の技術> 車両の走行中にその運転状態、即ち、視界や気象、路
面の状況が急激に変化したり、滑り焼すい低摩擦係数の
路面、例えば雪路や凍結路等の路面を車両が走行する場
合、駆動輪が空転して車両の操縦が極めて困難となる。
このような場合、駆動輪が空転しないように運転車が
アクセルペダルの踏み込み量を調整し、機関の出力を微
妙に制御することは、熟練者であっても非常に難しいも
のである。
同様に、旋回路を走行中の車両には、その走行方向と
直角な方向の横加速度に対応した遠心力が発生するた
め、旋回路に対する車両の走行速度が高すぎる場合に
は、タイヤのグリップ力の限界を越えて車体が横滑りを
起こす虞がある。
このような場合、機関の出力を適正に下げて旋回路に
対応した旋回半径で車両を安全に走行させるためには、
特に旋回路の出口が確認できないような場合、或いは旋
回路の曲率半径が次第に小さくなっているような場合、
極めて高度な運転技術が要求される。
いわゆるアンダーステアリング傾向を有する一般的な
車両においては、車両に加わる横加速度の増大に伴って
操舵量を漸増させる必要があるが、この横加速度が各車
両に特有の或る値を越えると、操舵量が急増して先にも
述べたように安全な旋回走行が困難となったり、或いは
不可能となる特性を持っている。特に、アンダーステア
リング傾向の強いフロントエンジン前輪駆動形式の車両
においては、この傾向が顕著となることは周知の通りで
ある。
このようなことから、駆動輪の空転状態を検出し、駆
動輪の空転が発生した場合には、運転者によるアクセル
ペダルの踏み込み量とは関係無く、強制的に機関の出力
を低下させたり、或いは車両の横加速度を検出し、車両
が旋回困難或いは旋回不能となる旋回限界の前に、運転
者によるアクセルペダルの踏み込み量とは関係無く、強
制的に機関の出力を低下させるようにした出力制御装置
が考えられ、運転者が必要に応じてこの出力制御装置を
利用した走行と、アクセルペダルの踏み込み量に対応し
て機関の出力を制御する通常の走行とを選択できるよう
にしたものが発表されている。
このような観点に基づいた車両の出力制御に関するも
のの内、従来知られているものは例えば駆動輪の回転数
と従動輪の回転数とを検出し、これらの回転数の差を駆
動輪のスリップ量とみなし、このスリップ量に応じて機
関の駆動トルクを制御したり、或いは車両のヨーイング
量(以下、これをヨーレートと呼称する)等に基づいて
機関の駆動トルクを制御するようにしたものである。
つまり、後者の方法において車両の高速急旋回中に主
として発生するヨーイング等は、車速が高く且つ急旋回
なほどそれらの量も急激に増大する傾向を持つため、振
動センサや加速度センサ等によってヨーレートが検出さ
れたり、或いはこれらが所定値を越えた場合に機関の駆
動トルクを低減させるようにしている。
<発明が解決しようとする課題> 旋回中における車両のヨーレート等に基づいて機関の
駆動トルクを制御する従来の旋回制御装置では、振動セ
ンサや加速度センサ等によって車両のヨーレート等を検
出しているため、車両のヨーイング等が実際に発生して
からでないと機関の駆動トルクを制御することはできな
い。
従って、従来の旋回制御装置を組み込んだ車両では、
制御遅れを避けることが根本的にできず、車両の横加速
度を抑えて車両の姿勢を適切に保ちつつこの旋回路を安
全且つ確実に走り抜けることが場合によっては不可能と
なる虞があった。
本発明はこのような問題点を解決するものであって、
車両旋回時における安全性及び安全性の向上を図ること
を目的とする。
<課題を解決するための手段> 上述の問題点を解決するための本発明の車両の出力制
御方法は、スタビリティファクタが線形域にある時の該
スタビリティファクタよりも僅かに大きい所定値を路面
摩擦係数毎に予め設定し、車両の操舵輪の舵角と車両の
横加速度と車速とを検出してスタビリティファクタを求
める演算を行い、該スタビリティファクタ演算値と前記
所定値とを比較して一致したときの横加加速度を検出し
て該検出値から路面の摩擦係数を推定し、路面摩擦係数
毎に予め設定されたマップから前記路面摩擦係数の推定
値と一致した路面摩擦係数のマップを選択して、該選択
したマップに基づいて旋回中の車両の加わる横加速度の
大きさに応じた機関の目標駆動トルクを設定し、該機関
の駆動トルクが該目標駆動トルクとなるように制御する
ようにしたことを特徴とするものである。
<作用> まず、スタビリティファクタが線形域にある時のこの
スタビリティファクタよりも僅かに大きい所定値を路面
摩擦係数毎に予め設定する一方、車両の操舵輪の舵角と
車両の横加速度と車速とを検出してスタビリティファク
タを求める演算を行い、このスタビリティファクタ演算
値と所定値とを比較する。そして、この演算値と所定値
が一致したときの横加速度を検出してこれから路面の摩
擦係数を推定する。次に、乾燥路や湿潤路、雪路など用
に路面摩擦係数毎に予め設定されたマップから路面摩擦
係数の推定値と一致した路面摩擦係数のマップを選択
し、これに基づいて機関の目標駆動トルクを設定する。
そして、機関の駆動トルクがこの目標駆動トルクとなる
ように機関の駆動トルクを低減させる。
<実 施 例> 以下、図面に基づいて本発明の実施例を詳細に説明す
る。
第1図及び第2図に本発明の一実施例に係る車両の出
力制御方法を実施するための前輪駆動形式の車両の概略
構造を、第3図にスロットル弁の駆動機構を示す。
第1図及び第2図に示すように、機関11の燃焼室12に
連結された吸気管13の途中には、この吸気管13によって
形成される吸気通路14の開度を変化させ、燃焼室12内に
供給される吸入空気量を調整するスロットル弁15を組み
込んだスロットルボディ16が介装されている。第1図及
び第3図に示すように、スロットルボディ16にはスロッ
トル弁15を一体に固定したスロットル軸17の両端部が回
動自在に支持されている。吸気通路14内に突出するこの
スロットル軸17の一端部には、アクセルレバー18とスロ
ットルレバー19とが同軸状をなして嵌合されている。
前記スロットル軸17とアクセルレバー18の筒部20との
間には、ブシュ21及びスペーサ22が介装され、これによ
ってアクセルレバー18はスロットル軸17に対して回転自
在となっている。更に、スロットル軸17の一端側に取り
付けた座金23及びナット24により、スロットル軸17から
アクセルレバー18が抜け外れるのを未然に防止してい
る。又、このアクセルレバー18と一体のケーブル受け25
には、運転者によって操作されるアクセルペダル26がケ
ーブル27を介して接続しており、アクセルペダル26の踏
み込み量に応じてアクセルレバー18がスロットル軸17に
対して回動するようになっている。
一方、前記スロットルレバー19はスロットル軸17と一
体に固定されており、従ってこのスロットルレバー19を
操作することにより、スロットル弁15がスロットル軸17
と共に回動する。又、アクセルレバー18の筒部20にはカ
ラー28がこれと同軸一体に嵌着されており、前記スロッ
トルレバー19の先端部には、このカラー28の一部に形成
した爪部29に係止し得るストッパ30が形成されている。
これら爪部29とストッパ30とは、スロットル弁15が開く
方向にスロットルレバー19を回動させるか、或いはスロ
ットル弁15が閉まる方向にアクセルレバー18を回動させ
た場合に相互に係止するような位置関係に設定されてい
る。
前記スロットルボディ16とスロットルレバー19との間
には、スロットルレバー19のストッパ30をアクセルレバ
ー18の爪部29に押し付けてスロットル弁15を開く方向に
付勢するねじりコイルばね31が、スロットル軸17に嵌合
された筒状をなす一対のばね受け32,33を介し、このス
ロットル軸17と同軸状をなして装着されている。又、ス
ロットルボディ16から突出するストッパピン34とアクセ
ルレバー18との間にも、アクセルレバー18の爪部29をス
ロットルレバー19のストッパ30に押し付けてスロットル
弁15を閉じる方向に付勢し、アクセルペダル26に対して
ディテント感を付与するためのねじりコイルばね35が前
記カラー28を介してアクセルレバー18の筒部20にスロッ
トル軸17と同軸状をなして装着されている。
前記スロットルレバー19の先端部には、基端をアクチ
ュエータ36のダイヤフラム37に固定した制御棒38の先端
部が連結されている。このアクチュエータ36内に形成さ
れた圧力室39には、前記ねじりコイルばね31と共にスロ
ットルレバー19のストッパ30をアクセルレバー18の爪部
29に押し付けてスロットル弁15を開く方向に付勢する圧
縮コイルばね40が組み込まれている。そして、これら二
つのばね31,40のばね力の和よりも、前記ねじりコイル
ばね35のばね力のほうが大きく設定され、これによりア
クセルペダル26を踏み込むか、或いは圧力室39内の圧力
を前記二つのばね31,40のばね力の和よりも大きな負圧
にしない限り、スロットル弁15は開かないようになって
いる。
前記スロットルボディ16の下流側に連結されて吸気通
路14の一部を形成するサージタンク41には、接続配管42
を介してバキュームタンク43が連通しており、このバキ
ュームタンク43と接続配管42との間には、バキュームタ
ンク43からサージタンク41への空気の移動のみ許容する
逆止め弁44が介装されている。これにより、バキューム
タンク43内の圧力はサージタンク41内の最低圧力とほぼ
等しい負圧に設定される。
これらバキュームタンク43内と前記アクチュエータ36
の圧力室39とは、配管45を介して連通状態となってお
り、この配管45の途中には非通電閉塞型の第一のトルク
制御用電磁弁46が設けられている。つまり、このトルク
制御用電磁弁46には配管45を塞ぐようにプランジャ47を
弁座48に付勢するばね49が組み込まれている。
又、前記第一のトルク制御用電磁弁46とアクチュエー
タ36との間の配管45には、スロットル弁15よりも上流側
の吸気通路14に連通する配管50が接続している。そし
て、この配管50の途中には非通電時開放型の第二のトル
ク制御用電磁弁51が設けられている。つまり、このトル
ク制御用電磁弁51には配管50を開放するようにプランジ
ャ52を付勢するばね53が組み込まれている。
前記二つのトルク制御用電磁弁46,51には、機関11の
運転状態を制御する電子制御ユニット54(以下、これを
ECUと呼称する)がそれぞれ接続し、このECU54からの指
令に基づいてトルク制御用電磁弁46,51に対する通電の
オン,オフがデューティ制御されるようになっており、
本実施例ではこれら全体で本発明のトルク制御手段を構
成している。
例えば、トルク制御用電磁弁46,51のデューティ率が
0%の場合、アクチュエータ36の圧力室39がスロットル
弁15よりも上流側の吸気通路14内の圧力とほぼ等しい大
気圧となり、スロットル弁15の開度はアクセルペダル26
の踏み込み量に一対一で対応する。逆に、トルク制御用
電磁弁46,51のデューティ率が100%の場合、アクチュエ
ータ36の圧力室39がバキュームタンク43内の圧力とほぼ
等しい負圧となり、制御棒38が第1図中、左斜め上方に
引き上げられる結果、スロットル弁15はアクセルペダル
26の踏み込み量に関係なく閉じられ、機関11の駆動トル
クが強制的に低減させられた状態となる。このようにし
て、トルク制御用電磁弁46,51のデューティ率を調整す
ることにより、アクセルペダル26の踏み込み量に関係な
くスロットル弁15の開度を変化させ、機関11の駆動トル
クを任意に調整することができる。
前記ECU54には、機関11に取り付けられて機関回転数
を検出するクランク角センサ55と、スロットルボディ16
に取り付けられてスロットルレバー19の開度を検出する
スロットル開度センサ56と、スロットル弁15の全閉状態
を検出するアイドルスイッチ57とが接続し、これらクラ
ンク角センサ55及びスロットル開度センサ56及びアイド
ルスイッチ57からの出力信号がそれぞれ送られる。
又、機関11の目標駆動トルクを算出するトルク演算ユ
ニット(以下、これをTCLと呼称する)58には、前記ス
ロットル開度センサ56及びアイドルスイッチ57と共にス
ロットルボディ16に取り付けられてアクセルレバー18の
開度を検出するアクセル開度センサ59と、駆動輪である
左右一対の前輪60,61の回転速度をそれぞれ検出する前
輪回転センサ62,63と、従動輪である左右一対の後輪64,
65の回転速度をそれぞれ検出する後輪回転センサ66,67
と、車両68の直進状態を基準として旋回時における操舵
軸69の旋回角を検出する操舵角センサ70と、車両68の旋
回時における横加速度を検出するリニアGセンサ75とが
接続し、これらセンサ59,62,63,66,67,70,75からの出力
信号がそれぞれ送られる。
ECU54とTCL58とは、通信ケーブル71を介して結ばれて
おり、ECU54からは機関回転数やアイドルスイッチ57か
らの検出信号の他に吸入空気量等の機関11の運転状態の
情報がTCL58に送られる。逆に、TCL58からはこのTCL58
にて演算された目標駆動トルクに関する情報がECU54に
送られる。
第4図に本実施例の車両の出力制御方法のフローチャ
ートを、第5図に操舵軸の中立位置学習補正制御のフロ
ーチャートを、第6図に学習値の補正状態の一例を表わ
すグラフ、第7図に旋回制御演算方法を表わす演算ブロ
ック、第8図にスタビリティファクタを説明するための
グラフ、第9図に路面の摩擦係数を説明するためのグラ
フ、第10図にそのフローチャートを示す。
本実施例では、第4図に示すように、乾燥路等のよう
に摩擦係数の比較的高い路面(以下、これを高μ路と呼
称する)での旋回制御を行った場合の機関11の目標駆動
トルクTOHと、凍結路や雪路等のように摩擦係数の比較
的低い路面(以下、これを低μ路と呼称する)での旋回
制御を行った場合の機関11の目標駆動トルクTOL、湿潤
路等のように摩擦係数が前述の高μ路と低μ路の間に位
置する路面(以下、これを中μ路と呼称する)での旋回
制御を行った場合の機関の目標駆動トルクTOMとをTCL58
にて常に並行して演算し、これら3つの目標駆動トルク
TOH,TOM,TOLから最適な最終目標駆動トルクTOを選択
し、機関11の駆動トルクを必要に応じて低減できるよう
にしている。
具体的には、図示しないイグニッションキーのオン操
作により本実施例の制御プログラムが開始され、M1にて
まず操舵軸旋回位置の初期値δm(o)の読み込みを行うと
共に各種フラグのリセット或いはこの制御のサンプリン
グ周期である15ミリ秒毎の主タイマのカウント開始等の
初期設定を行う。
そして、M2にて各種センサからの検出信号に基づいて
TCL58は車速V等を演算し、これに続いて前記操舵軸69
の中立位置δをM3にて学習補正する。この車両68の操
舵軸69の中立位置δ、前記イグニッションキーのオン
操作の度に初期値δm(o)が読み込まれるが、この初期値
δm(o)は車両68が後述する直進走行条件を満たした場合
にのみ学習補正され、イグニッションキーがオフ状態と
なるまでこの初期値δm(o)が学習補正されるようになっ
ている。
次に、TCL58はM4にて高μ路の旋回制御を行った場合
の機関11の目標駆動トルクTOHと、中μ路での旋回制御
を行った場合の機関の目標駆動トルクTOHと、低μ路で
の旋回制御を行った場合の機関11の目標駆動トルクTOL
から最適な最終目標駆動トルクTOを後述する方法で選択
したのち、M5にて機関11の駆動トルクがこの最終目標駆
動トルクTOとなるように、ECU54は一対のトルク制御用
電磁弁46,51のデューティ率を制御し、これによって車
両68を無理なく安全に走行させるようにしている。
このように、機関11の駆動トルクをM8にて主タイマの
カウントダウンが終了するまで制御し、これ以降はM9に
て主タイマのカウントダウンを再び開始し、そしてM2か
らこのM9までのステップを前記イグニッションキーがオ
フ状態になるまで繰り返すのである。
操舵軸69の中立位置δをM3のステップにて学習補正
する理由は、車両68の整備時に前輪60,61のトーイン調
整を行った場合や図示しない操舵歯車の摩耗等の経年変
化によって、操舵軸69の旋回量と操舵輪である前輪60,6
1の実際の舵角δとの間にずれが発生し、操舵軸69の中
立位置δが変わってしまうことがあるためである。
この操舵軸69の中立位置δを学習補正する手順を表
す第5図に示すように、TCL58は後輪回転センサ66,67か
らの検出信号に基づき、C1にて車速Vを下式(1)によ
り算出する。
但し、上式においてVRL,VRRはそれぞれ左右一対の後
輪64,65の周速度である。
次に、TCL58はC2にて左右一対の後輪64,65の周速度差
(以下、これを後輪速差と呼称する)|VRL−VRR|を算出
する。
しかるのち、TCL58はC3にて車速Vが予め設定した閾
値VAより大きいか否かを判定する。この操作は、車両68
がある程度の高速にならないと、操舵に伴う後輪速差|V
RL−VRR|等が検出できないために必要なものであり、前
記閾値VAは車両68の走行特性等に基づいて実験等によ
り、例えば毎時20kmの如く適宜設定される。
そして、車速Vが閾値VA以上であると判定した場合に
は、TCL58はC4にて後輪速差|VRL−VRR|が予め設定し
た、例えば毎時0.1kmの如き閾値VBよりも小さいか否
か、つまり車両68が直進状態にあるかどうかを判定す
る。ここで、閾値VBを毎時0kmとしないのは、左右の後
輪64,65がタイヤの空気圧が等しくない場合、車両68が
直進状態であるにもかかわらず左右一対の後輪64,65の
周速度VRL,VRRが相違してしまうためである。
このC4のステップにて後輪速差|VRL−VRR|が閾値VB
下であると判定したならば、TCL58はC5にて現在の操舵
軸旋回位置δm(n)が操舵角センサ70により検出した前回
の操舵軸旋回位置δm(n-1)と同一であるかどうかを判定
する。この際、運転者の手振れ等による影響を受けない
ように、操舵角センサ70よる操舵軸69の旋回検出分解能
を例えば5度前後に設定しておくことが望ましい。
このC5のステップにて現在の操舵軸旋回位置δm(n)
前回の操舵軸旋回位置δm(n-1)と同一であると判定した
ならば、TCL58はC6にて現在の車両68が直進状態にある
と判断し、このTCL58に内蔵された図示しない学習用タ
イマのカウントを開始し、これを例えば0.5秒間継続す
る。
次に、TCU58はC7にて学習用タイマのカウント開始か
ら0.5秒経過したか否か、即ち車両68の直進状態が0.5秒
継続したかどうかを判定する。この場合、車両68の走行
当初においては学習用タイマのカウント開始から0.5秒
経過していないので、車両68の走行当社はC1からC7まで
のステップが繰り返されることとなる。
そして、学習用タイマのカウント開始から0.5秒が経
過したことを判断すると、TCL58はC8にて舵角中立位置
学習済フラグFHがセットされているか否か、即ち今回の
学習制御が初回であるか否かを判定する。
このC8のステップにて舵角中立位置学習済フラグFH
セットされていないと判断した場合には、C9にて現在の
操舵軸旋回位置δm(n)を新たな操舵軸69の中立位置δ
M(n)と見なしてこれをTCL58内のメモリに読み込み、舵
角中立位置学習済フラグFHをセットする。
このようにして、新たな操舵軸69の中立位置δM(n)
設定したのち、この操舵軸69の中立位置δM(n)を基準と
して操舵軸69の旋回角δを算出する一方、C10にて学
習用タイマのカウントがクリアされ、再び舵角中立位置
学習が行われる。
前記C8のステップにて舵角中立位置学習済フラグFH
セットされている、つまり舵角中立位置学習が二回目以
降であると判断された場合、TCL58はC11にて現在の操舵
軸旋回位置δm(n)が前回の操舵軸69の中立位置δM(n-1)
と等しい、即ち δm(n)=δM(n-1) であるかどうかを判定する。そして、現在の操舵軸旋回
位置δm(n)が前回の操舵軸69の中立位置δM(n-1)と等し
いと判定したならば、そのままC10のステップに戻って
再び次の舵角中立位置学習が行われる。
C11のステップにて現在の操舵軸旋回位置δm(n)が操
舵系の遊び等が原因となって前回の操舵軸69の中立位置
δM(n-1)と等しくないと判断した場合、現在の操舵軸旋
回位置δm(n)をそのまま新たな操舵軸69の中立位置δ
M(n)と判断せず、これらの差の絶対値が予め設定した補
正制限量Δδ以上相違している場合には、前回の操舵軸
82の中立位置δM(n-1)に対してこの補正制限量Δδを加
算或いは減算したものを新たな操舵軸69の中立位置δ
M(n)とし、これをTCL58内のメモリに読み込むようにし
ている。
つまり、TCL58はC12にて現在の操舵軸旋回位置δm(n)
から前回の操舵軸69の中立位置δM(n-1)を減算した値が
予め設定した負の補正制限量−Δδよりも小さいか否か
を判定する。そして、このC12のステップにて減算した
値が負の補正制限量−Δδよりも小さいと判断した場合
には、C13にて新たな操舵軸69の中立位置δM(n)を、前
回の操舵軸69の中立位置δM(n-1)と負の補正制限量−Δ
δとから δM(n)=δM(n-1)−Δδ と変更し、一回当たりの学習補正量が無条件に負側へ大
きくならないように配慮している。
これにより、何らかの原因によって操舵角センサ70か
ら異常な検出信号が出力されたとしても、操舵軸69の中
立位置δが急激には変化せず、この異常に対する対応
を迅速に行うことができる。
一方、C12のステップにて減算した値が負の補正制限
量−Δδよりも大きいと判断した場合には、C14にて現
在の操舵軸旋回位置δm(n)から前回の操舵軸69の中立位
置δM(n-1)を減算した値が正の補正制限量Δδよりも大
きいか否かを判定する。そして、このC14のステップに
て減算した値が正の補正制限量Δδよりも大きいと判断
した場合には、C15にて新たな操舵軸69の中立位置δ
M(n)を前回の操舵軸69の中立位置δM(n-1)と正の補正制
限量Δδとから δM(n)=δM(n-1)+Δδ と変更し、一回当たりの学習補正量が無条件に正側へ大
きくならないように配慮している。
これにより、何らかの原因によって操舵角センサ70か
ら異常な検出信号が出力されたとしても、操舵軸69の中
立位置δが急激には変化せず、この異常に対する対応
を迅速に行うことができる。
ただし、C14のステップにて減算した値が正の補正制
限量Δδよりも小さいと判断した場合には、C16にて現
在の操舵軸旋回位置δm(n)を新たな操舵軸69の中立位置
δM(n)としてそのまま読み出す。
従って、前輪60,61を旋回状態のままにして停車中の
車両68が発進した場合、この時の操舵軸69の中立位置δ
の変化状態の一例を表す第6図に示すように、操舵軸
69の中立位置δの学習制御が初回の時、前述したM1の
ステップにおける操舵軸旋回位置の初期値δm(o)からの
補正量は非常に大きなものとなるが、二回目以降の操舵
軸69の中立位置δはC13,C14のステップにおける操作
により、抑えられた状態となる。
このようにして操舵軸69の中立位置δを学習補正し
た後、操舵軸旋回角δと車速Vに基づいて機関11の駆
動トルクを規制する車両68の旋回制御を行う。
この車両68の旋回制御に際し、TCL58は操舵軸旋回角
δと車速Vとから、車両68の目標横加速度GYOを算出
し、車両68が極端なアンダーステアリングとならないよ
うな車体前後方向の加速度、つまり目標前後加速度GXO
をこの目標横加速度GYOに基づいて設定する。そして、
の目標前後加速度GXOと対応する機関11の目標駆動トル
クを求め、これら目標駆動トルクをECU54に出力する。
ところで、車両68の横加速度GYは後輪速差|VRL−VRR|
を利用して実際に算出することができるが、操舵軸旋回
角δを利用することによって、車両68に作用する横加
速度GYの値の予測が可能となるため、迅速な制御を行う
ことができる利点を有する。
しかしながら、操舵軸旋回角δと車速Vとによっ
て、機関11の目標駆動トルクを求めるだけでは、運転者
の意志が全く反映されず、車両68の操縦性の面で運転者
に不満の残る虞がある。このため、運転者が希望してい
る機関11の要求駆動トルクTdをアクセルペダル26の踏み
込み量から求め、この要求駆動トルクTdを勘案して機関
11の目標駆動トルクを設定することが望ましい。又、15
ミリ秒毎に設定される機関11の目標駆動トルクの増減量
が非常に大きな場合には、車両68の加減速に伴うショッ
クが発生し、乗り心地の低下を招来することから、機関
11の目標駆動トルクの増減量が車両68の乗り心地の低下
を招来する程大きくなった場合には、この目標駆動トル
クの増減量を規制する必要もある。
更に、路面が高μ路か中μ路か、あるいは低μ路かな
どによって、機関11の目標駆動トルクを変えないと、例
えば低μ路を走行中に高μ路用の目標駆動トルクで機関
11を運転した場合、前輪60,61がスリップして安全な走
行が不可能となってしまう虞がある。そのため、TCL58
は高μ路用の目標駆動トルクTOHと中μ路用の目標駆動
トルクTOMと低μ路用の目標駆動トルクTOLとをそれぞれ
算出しておくことが望ましい。
第7図に示すように、TCL58は一対の後輪回転センサ6
6,67の出力から車速Vを前記(1)式により演算すると
共に操舵角センサ70からの検出信号に基づいて前輪60,6
1の舵角δを下式(2)より演算し、この時の車両68の
目標横加速度GYOを下式(3)より求める。
但し、ρは操舵歯車変速比、lは車両68のホイール
ベース、Aは車両のスタビリティファクタである。
このスタビリティファクタAは、周知のように車両68
の懸架装置の構成やタイヤ特性等によって決まる値であ
る。具体的には、定常円旋回時にて車両68に発生する実
際の横加速度GYと、この時の操舵軸69の操舵角比δH
HO(操舵軸69の中立位置δを基準として横加速度GY
0近傍となる極低速走行状態での操舵軸69の旋回角δHO
に対して加速時における操舵軸69の旋回角δの割合)
との関係を表すグラフにおける接線の傾きとして表現さ
れる。つまり、横加速度GYが小さく車速Vが余り高くな
い領域では、スタビリティファクタAがほぼ一定値とな
っているが、横加速度GYが所定値を越えると、スタビリ
ティファクタAが急増し、車両68は極めて強いアンダー
ステアリング傾向を示すようになる。
以上のようなことから、本実施例においてスタビリテ
ィファクタAを高μ路用の目標駆動トルクTOHを算出す
る場合にはAH=0.0015、中μ路用の目標駆動トルクTOM
を算出する場合にはAM=0.003、低μ路用の目標駆動ト
ルクTOLを算出する場合にはAL=0.005を採用する。
従って各目標横加速度は以下の式にて求められること
となる。
このようにしてそれぞれ目標横加速度GYH,GYM,GYL
算出したならば、この目標横加速度GYH,GYM,GYLと車速
Vとから目標前後加速度GXOを求めるが、本実施例では
この目標前後加速度GXOを予めTCL58に記憶された各マッ
プから読み出している。このマップは目標横加速度GYO
の大きさに応じて車両68が安全に走行できるような目標
前後加速度GXOを車速Vと関係付けて表したものであ
り、試験走行結果等に基づいて設定される。従って、こ
のマップは各路面ごとに設定されている。
また、同図に示すように、TCL58は車速Vと舵角δと
車両のホイールベースl、更に、リニアGセンサ75から
出力された実横加速度GYとに基づいて下式(7)からス
タビリティファクタAを算出する。
第8図に示すように、右側の曲線は乾燥舗装路などの
定常円旋回における横加速度GYと操舵角比δSSOとの
関係を表わし、この路面のμ(摩擦係数)をμとする
と、横加速度GY(単位:g)はμを超えることはできな
い。そして、横加速度GYがμより或る程度小さく、且
つ、車速Vがあまり高くない領域では、スタビリティフ
ァクタAがほぼ一定値であり、リニアな関係の領域とな
っている。ところが、横加速度GYがμに近づくとスタ
ビリティファクタAが急に増加(悪化)し、車両は極め
て強いアンダーステアリング傾向を示すようになる。
また、同図中、他の曲線はそれぞれ摩擦係数がμ1
2(μ>μ>μ>μ)の雨で濡れた路面
(μ)、圧雪路面(μ)、氷上(μ)におけるGY
とδHHOとの関係を表わす。いずれの路面の場合も、
前記と同様、横加速度GYは路面μを超えられず、また路
面μに近づくとリニアな関係から外れてスタビリティフ
ァクタAが急増する。
第9図はスタビリティファクタAの急増が良く判るよ
うに、第8図を書き換え、縦軸をスタビリティファクタ
A、横軸を横加速度GYにとったものである。
第9図に示すように、曲線は路面摩擦係数がμ12,
μ3の場合の関係をそれぞれ表わしている。
そして、リニアな関係がある領域での標準的なスタビ
リティファクタより大きな所定の値A′(例えばA′=
0.005)となるときの横加速度GY,GY2,GY3,GY4を求める
と、それらは路面の摩擦係数μ123に極めて
近い値となる。即ち、GY1≒μ1,GY2≒μ2,GY3≒μ3,GY4
≒μとなる。
以上はアンダーステアリング傾向の車両についてであ
るが、オーバーステアリング傾向の車両についても同様
のことが言える。
従って、車両の操舵輪の舵角δ、車両の横加速度GY
び車速Vを検出し、検出した舵角δ、横加速度GY及び車
速Vに基づいてスタビリティファクタを求める演算を行
い、スタビリティファクタの演算値Aを、標準的なスタ
ビリティファクタより悪い所定値Aと比較することによ
り、スタビリティファクタの演算値Aが前記所定値A′
に一致したときの横加速度の検出値GYを、路面の摩擦係
数μと推定することができる。
このように、スタビリティファクタAを算出して路面
の摩擦係数μを推定することで現在旋回中の車両68の路
面状態を判定することができる。
第9図に示すように、各路面状態で路面の摩擦係数μ
(横加速度GY)の範囲を3つに区分する。即ち、凍結路
や雪路を含む0〜μの範囲を低μ路と設定し、湿潤路
を含むμ〜μの範囲を中μ路と設定し、乾燥路を含
むμ以上の範囲を高μ路と設定する。
従って、推定された路面の摩擦係数μが予め設定され
た3つの範囲0〜μA〜μB〜のいずれかにあ
るかで旋回中の車両の路面状態を判定し、この判定され
た路面状態に合う前述したマップを選択する。
そして、この選択されたマップから求められた目標前
後加速度GXOより機関11の基準駆動トルクTBを下式
(8)により算出する。
但し、TLは車両68の横加速度GYの関数として求められ
る路面の抵抗であるロードロード(Road−Load)トルク
であり、本実施例では第7図に示す如きマップから求め
ている。
次に、基準駆動トルクTBの採用割合を決定するため、
この基準駆動トルクTBに重み付けの係数αを乗算して補
正基準駆動トルクを求める。重み付けの係数αは、車両
68を旋回走行させて経験的に設定するが、高μ路では0.
6程度前後の数値を採用し、低μ路では係数αは高μ路
用の係数αよりも大きく、例えばα=0.8の如く設定さ
れるが、これは低μ路において運転者の要求に対する反
映割合を少なくし、危険性の高い低μ路を安全且つ確実
に旋回走行できるようにしたためである。
一方、クランク角センサ55により検出される機関回転
数NEをアクセル開度センサ59により検出されるアクセル
開度θとを基に運転者が希望する要求駆動トルクTd
マップから求め、次いで前記重み付けの係数αに対応し
た補正要求駆動トルクを要求駆動トルクTdに(1−α)
を乗算することにより算出する。例えば、α=0.6に設
定した場合には、基準駆動トルクTBと希望駆動トルクTd
との採用割合が6対4となる。
従って、機関11の高μ路用の目標駆動トルクTOHは下
式(9)にて算出される。
THO=α・TB+(1−α)・Td …(9) 同様にして、機関11の中μ路用の目標駆動トルク
TOM、あるいは低μ路の目標駆動トルクTOLも前記式
(8)にて算出される。
なお、上述した旋回制御の手順を簡素化するために運
転者の要求駆動トルクTdを無視することも当然可能であ
り、この場合には目標駆動トルクとして前記(7)式に
より算出可能な基準駆動トルクTBを採用すれば良い。
又、本実施例のように運転者の要求駆動トルクTdを勘案
する場合でも、重み付けの係数αを固定値とするのでは
なく、制御開始後の時間の経過と共に係数αの値を漸次
減少させたり、或いは車速に応じて漸次減少させ、運転
者の要求駆動トルクTdの採用割合を徐々に多くするよう
にしても良い。同様に、制御開始後のしばらくの間は係
数αの値を一定値にしておき、所定時間の係数後に漸次
減少させたり、或いは操舵軸旋回量δの増大に伴って
係数αの値を増加させ、特に曲率半径が次第に小さくな
るような旋回路に対し、車両68を安全に走行させるよう
にすることも可能である。
更に、上述した演算処理方法では、今回算出した目標
駆動トルクと前回算出した目標駆動トルクとの差が増減
許容量TKよりも大きいか否かを判定し、増減いずれの場
合でも増減許容量TK以内であれば、今回算出した目標駆
動トルクをそのまま採用し、増減許容量TKを越えている
場合には、目標駆動トルクを増減許容量TKにて規制して
いる。
例えば、車両68の目標前後加速度GXOを毎秒0.1gに抑
えたい場合には、前記(8)式を利用して となる。
このように、上述した演算処理方法では、機関11の急
激な駆動トルクの変動による加減速ショックを防止する
ため、目標駆動トルクTOH,TOM,TOLを算出するに際して
増減許容量TKによりこの目標駆動トルクTOH,TOM,TOL
規制を図っているが、この規制を目標前後加速度GXO
対して行うようにしても良い。この場合の増減許容量を
GKとした時、n回時における目標前後加速度GXOnの演算
過程を以下に示す。
GXOn−GXO(n-1)>GKの場合、 GXOn−GXO(n-1)+GK GXOn−GXO(n-1)<−GKの場合、 GXOn−GXO(n-1)−GK なお、主タイマのサンプリングタイムを15ミリ秒とし
て目標前後加速度GXOの変化を毎秒0.1gに抑えたい場合
には、 GK=0.1・Δt となる。
第10図に示すフローチャートに基づいて旋回制御の流
れを説明する。
H1のステップにて前述した式(7)に基づいてスタビ
リティファクタAを演算し、演算値が算出されたならば
H2のステップに移行する。H2のステップではスタビリテ
ィファクタの演算値Aと予め設定されたスタビリティフ
ァクタの所定値A′とを比較し、両者が一致したときの
実際の横加速度GYをGセンサ75より検出してこれを路面
の摩擦係数μであると推定する。推定値μが求められる
とH3のステップに移行して現在旋回中である車両68の路
面状態を判定する。即ち、H3のステップで0<μ<μ
であればH4のステップに移行し、低μ路であると判定さ
れる。そして、H5のステップで低μ路用のマップから目
標前後加速度GXOを求め、H6のステップにて目標駆動ト
ルクTOLを設定する。
また、H3のステップにて0<μ<μでなければH7の
ステップに移行する。H7のステップでμ<μ<μ
あればH8のステップに移行し、中μ路であると判定され
る。そして、H9のステップで中μ路用のマップから目標
前後加速度GXOを求め、H10のステップにて目標駆動トル
クTOMを設定する。
また、H7のステップにてμ<μ<μでなければH1
1のステップに移行する。H11のステップでμ<μであ
ればH12のステップに移行し、高μ路であると判定され
る。そしてH13のステップで高μ路用のマップから目標
前後加速度GXOを求め、H14のステップにて目標駆動トル
クTOHを設定する。
以上のようにTCL58は路面の摩擦係数の推定値μに基
づいて3つのマップから最適なマップを選択した後に目
標駆動トルクTOを設定し、これをECU54に出力する。
ECU54には、機関回転数NEと機関11の駆動トルクとを
パラメータとしてスロットル開度θを求めるためのマ
ップが記憶されており、ECU54はこのマップを用い、現
在の機関回転数NETこの目標駆動トルクTOSに対応した目
標スロットル開度θTOを読み出す。次いで、ECU54はこ
の目標スロットル開度θTOとスロットル開度センサ56か
ら出力される実際のスロットル開度θとの偏差を求
め、一対のトルク制御用電磁弁46,51のデューティ率を
前記偏差に見合う値に設定して各トルク制御用電磁弁4
5,51のプランジャ47,52のソレノイドに電流を流し、ア
クチュエータ36の作動により実際のスロットル開度θ
が目標値θTOに下がるように制御する。
なお、前述したH11のステップにてμ<μでなけれ
ばTCL58は最終目標駆動トルクTOとして機関11の最大ト
ルクTOを出力し、これによりECU54がトルク制御用電磁
弁46,51のデューティ率を0%側に低下させる結果、機
関11は運転者によるアクセルペダル26の踏み込み量に応
じた駆動トルクを発生する。この場合、本実施例では一
対のトルク制御用電磁弁46,51のデューティ率を無条件
に0%にはせず、ECU54は実際のアクセル開度θと最
大スロットル開度規制値とを比較し、アクセル開度θ
が最大スロットル開度規制値を越える場合は、スロット
ル開度θが最大スロットル開度規制値となるように、
一対のトルク制御用電磁弁46,51のデューティ率を決定
してプランジャ47,52を駆動する。この最大スロットル
開度規制値は機関回転数NEの関数とし、ある値(例え
ば、2000rpm)以上では全閉状態或いはその近傍に設定
しているが、これ以下の低回転の領域では、機関回転数
NEの低下に伴って数十%の開度にまで次第に小さくなる
ように設定してある。
このようなスロットル開度θの規制を行う理由は、
TCL58が機関11の駆動トルクを低減する必要性の有るこ
とを判定した場合の制御の応答性を高めるためである。
即ち、現在の車両68の設計方針は、車両68の加速性や最
大出力を向上させるため、スロットルボディ16のボア径
(通路断面積)を極めて大きくする傾向にあり、機関11
が低回転領域にある場合には、スロットル開度θが数
十%程度で吸入空気量が飽和してしまう。そこで、アク
セルペダル26の踏み込み量に応じてスロットル開度θ
を全開或いはその近傍に設定するよりも、予め定めた位
置に規制しておくことにより、駆動トルクの低減指令が
あった時の目標スロットル開度θTOと実際のスロットル
開度θとの偏差が少なくなり、すばやく目標スロット
ル開度θTOに下げることができるからである。
なお、上述の実施例において、高μ路旋回制御用,中
μ路旋回制御用,低μ路旋回制御用にそれぞれ目標横加
速度GYOから目標前後加速度GXOを求めるマップを構成
し、これをTCL58に記憶しておくようにしたが、これに
限らず、例えば、マップに相当する関数式によって目標
前後加速度GXOを求めるようにしてもよい。
また、このマップの数も3種類としたが2つでもよ
く、多数でもよいものである。
更に、上述した本実施例の低μ路旋回制御において、
低μ路を判定するための実横加速度GYをGセンサ75によ
って求めたが、計算式によって求めてもよいものであ
る。
例えば、定常旋回時において、実横加速度GYは、 GY=V2/d (Vは車速,dは旋回半径) として算出される。
そして、車両が右に旋回している場合において、旋回
の中心をMOとし、旋回の中心MOから内輪側までの距離を
d1とし、トレッドをΔdとし、内輪側の車輪速度をV1と
し、外輪側の車輪速度をV2とした場合に、 V2/V1=(Δd+d1)/d1 とされる。
更に、上記式を変形して 1/d1=(V2−V1)/Δd・V1 とされる。そして、内輪側を基準とすると求心加速度GY
は GY=V12/d1 =V12・(V2−V1)/Δd・V1 =V1・(V2−V1)/Δd として算出される。
<発明の効果> 以上実施例を挙げて詳細に説明したように本発明の車
両の出力制御方法によれば、スタビリティファクタが線
形域にある時のこのスタビリティファクタよりも僅かに
大きい所定値を路面摩擦係数毎に予め設定する一方、車
両の操舵輪の舵角と車両の横加速度と車速とを検出して
スタビリティファクタを求める演算を行い、このスタビ
リティファクタ演算値と所定値とを比較して一致したと
きの横加速度を検出してこれから路面の摩擦係数を推定
し、路面摩擦係数毎に予め設定されたマップから路面摩
擦係数の推定値と一致した路面摩擦係数のマップを選択
し、これに基づいて機関の目標駆動トルクを設定し、機
関の駆動トルクがこの目標駆動トルクとなるように制御
するようにしたので、旋回中の路面状態を随時検出して
それに応じて機関の駆動トルクを低減させることで車両
の横加速度の増大を防止することができる。その結果、
車両旋回時における安定性及び安全性を向上させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に係る車両の出力制御方法を
実施するための機関の制御系を表わす概略構成図、第2
図はその概念図、第3図はそのスロットル弁の駆動機構
を表す断面図、第4図はその制御の全体の流れを表すフ
ローチャート、第5図は操舵軸の中立位置学習補正制御
の流れを表すフローチャート、第6図は操舵軸の中立位
置を学習補正した場合の学習値の補正状態の一例を表す
グラフ、第7図は旋回制御の演算方法を表わすブロック
図、第8図はスタビリティファクタを説明するための横
加速度と操舵角比との関係を表わすグラフ、第9図は路
面の摩擦係数を説明するための横加速度とスタビリティ
ファクタの関係を表わすグラフ、第10図は旋回制御のフ
ローチャートである。 また、図中の符号で、11は機関、12は燃焼室、13は吸気
管、14は吸気通路、15はスロットル弁、17はスロットル
軸、18はアクセルレバー、19はスロットルレバー、26は
アクセルペダル、27はケーブル、29は爪部、30はストッ
パ、36はアクチュエータ、38は制御棒、42は接続配管、
43はバキュームタンク、44は逆止め弁、45,50は配管、4
6,51はトルク制御用電磁弁、54はECU、55はクランク角
センサ、56はスロットル開度センサ、57はアイドルスイ
ッチ、58はTCL、59はアクセル開度センサ、60,61は前
輪、62,63は前輪回転センサ、64,65は後輪、66,67は後
輪回転センサ、68は車両、69は操舵軸、70は操舵角セン
サ、71は通信ケーブル、75はGセンサであり、Aはスタ
ビリティファクタ、GXOは目標前後加速度、GYOは目標横
加速度、GYは実横加速度、GYHは高μ路用横加速度、GYM
は中μ路用横加速度、GYLは低μ路用横加速度、gは重
力加速度、TOHは高μ路用目標駆動トルク、TOHは中μ路
用目標駆動トルク、TOLは低μ路用目標駆動トルク、TO
は最終目標駆動トルク、TBは基準駆動トルク、Tdは要求
駆動トルク、Vは車速、θはアクセル開度、θはス
ロットル開度、θTOは目標スロットル開度、δは前輪の
舵角、δは操舵軸の旋回角、δは操舵軸中立位置で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋口 雅幸 東京都港区芝5丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内 (72)発明者 伊藤 政義 東京都港区芝5丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−253228(JP,A) 特開 昭62−10437(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スタビリティファクタが線形域にある時の
    該スタビリティファクタよりも僅かに大きい所定値を路
    面摩擦係数毎に予め設定し、車両の操舵輪の舵角と車両
    の横加速度と車速とを検出してスタビリティファクタを
    求める演算を行い、該スタビリティファクタ演算値と前
    記所定値とを比較して一致したときの横加速度を検出し
    て該検出値から路面の摩擦係数を推定し、路面摩擦係数
    毎に予め設定されたマップから前記路面摩擦係数の推定
    値と一致した路面摩擦係数のマップを選択して、該選択
    したマップに基づいて旋回中の車両の加わる横加速度の
    大きさに応じた機関の目標駆動トルクを設定し、該機関
    の駆動トルクが該目標駆動トルクとなるように制御する
    ようにしたことを特徴とする車両の出力制御方法。
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