JPH0979060A - 駆動力制御装置 - Google Patents

駆動力制御装置

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Publication number
JPH0979060A
JPH0979060A JP7233100A JP23310095A JPH0979060A JP H0979060 A JPH0979060 A JP H0979060A JP 7233100 A JP7233100 A JP 7233100A JP 23310095 A JP23310095 A JP 23310095A JP H0979060 A JPH0979060 A JP H0979060A
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JP
Japan
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vehicle
drive torque
target
vehicle height
control
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Application number
JP7233100A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Fujii
啓史 藤井
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Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
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Publication date
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Auxiliary Drives, Propulsion Controls, And Safety Devices (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 車高変化による目標前後加速度の変化を考慮
していないので、車高が大きく変化した場合、出力制御
遅れや制御早効き等が起こり、出力制御が適正に行えな
いことがある。 【解決手段】 車両68の車高を検出する車高検出手段
73,74と、車高調整手段77と、操舵角を検出する
操舵角検出手段70と、車体速度Vを検出する車体速度
検出手段66,67と、操舵角検出手段70と車体速度
検出手段66,67とからの情報により目標横加速度を
算出する目標横加速度算出手段1と、目標横加速度算出
手段1と上記車高検出手段77からの各情報に基づいて
目標前後加速度を算出する目標前後加速度算出手段2
と、目標横加速度算出手段1と目標前後加速度算出手段
2とから求められ、駆動トルクを制限する制御閾値を車
高に応じて変更する制御手段3とを備えたことを特徴と
する駆動力制御装置10。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の旋回時に発
生する横加速度と車両の車高変化に伴い変化する目標前
後速度に応じて機関の駆動トルクを迅速に低減させ、車
両の旋回動作を安全に行なうことを可能とする駆動力制
御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】旋回路を走行中の車両には、その走行方
向と直角な方向の横加速度に対応した遠心力が発生する
ため、旋回路に対する車両の走行速度が高過ぎる場合に
は、タイヤのグリップ力の限界を超えて車体が横滑りを
起こすおそれがある。このような場合、機関の出力を人
的に適正に下げて旋回路に対応した旋回半径で車両を安
全に走行させることは難しいものであり、特に旋回路の
出口が確認できないような場合や、或いは旋回路の曲率
半径が次第に小さくなっているような場合には、極めて
高度な運転技術が要求される。いわゆるアンダーステア
リング傾向を有する一般的な車両においては、車両の加
わる横加速度の増大によって操舵量を漸増させる必要が
あるが、この横加速度が各車両に特有の或る値を超える
と、操舵量が急増して旋回性能を超えてしまう特性を持
っている。特にフロントエンジン前輪駆動形式の車両に
おいては、この傾向が顕著となることを周知の通りで
る。
【0003】そこで、車両の横加速度を検出し、車両が
旋回困難な或るは旋回不能となる旋回限界前に、運転者
のアクセルペダルの踏み込み量とは関係なく強制的に機
関の出力を低下させ、車速の増加即ち車両の横加速度を
抑えて車両の姿勢を適正に保ちつつ、旋回路を安全に走
行できるようにした出力制御装置が考えられいる。例え
ば、特開平3−258939号公報に記載の駆動力制御
装置では、車両の旋回時に発生する推定横加速度を操舵
角センサと車速センサからの出力信号に基づいて演算
し、この横加速度の大きさに応じた機関の目標駆動トル
クを設定し、この目標駆動トルクに現在の駆動トルクが
なるように補正している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、サス
ペンションのストロークを油圧等を用いて可変自在とし
た車高調整機構付き車両が知られている。このような車
高調整機構付き車両では、路面の状態や車両の状態に応
じて車高を変化させている。このように車両の車高が大
きく変ることは、車両の重心高が変化することとなり、
旋回中の左右車輪間で生じる加重移動量が変化して操舵
角センサと車速センサからの信号と一定の閾値により演
算して求められる推定横加速度に対する目標前後加速度
が大きく変化してしまうこととなる。
【0005】このような特性を有する上述した車両に従
来の駆動力制御装置で駆動力制御を行った場合、車高変
化による目標前後加速度の変化を考慮しないで、一律の
車高として算出しているので、車高が大きく変化した場
合、出力制御が適正に行われないことが考えられる。例
えば、目標前後加速度を算出するに当たり、高い車高に
あった閾値を用いた場合、車高が低車高となった場合に
速く出力制御が行われ、逆に低い車高にあった閾値を用
いた場合、車高が高車高となった場合に出力制御が遅く
なり、旋回時の駆動トルクが遅れて車両が不安定な状態
となることが考えられる。本発明の目的は、車高変化が
あっても常に適切な時期に駆動トルクの出力制御を行え
る駆動力制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、請求項1記載の
発明では、車両の車高を検出する車高検出手段と、車両
の車高を調整する車高調整手段と、車両の操舵角を検出
する操舵角検出手段と、車両の車体速度を検出する車体
速度検出手段と、上記操舵角検出手段と車体速度検出手
段とからの情報により目標横加速度を算出する目標横加
速度算出手段と、この目標横加速度算出手段と車高検出
手段からの各情報に基づいて目標前後加速度を算出する
目標前後加速度算出手段と、目標横加速度算出手段と目
標前後加速度算出手段とから求められ、駆動トルクを制
限する制御閾値を上記車高に応じて変更する制御手段と
を備えている。請求項2記載の発明では、上記制御閾値
は、車高が低車高時よりも高車高時程低く設定したこと
を特徴とする。
【0007】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を用いて説明
する。図1は、前輪駆動形式の車両に駆動力制御装置1
を適用したものであり、図2に車両の概略構成を示す。
符号11で示す機関の燃焼室12に連結された吸気管1
3の途中には、この吸気管13によって形成される吸気
通路14の開度を変化させ、燃焼室12内に供給される
吸入吸気量を調整するスロットルボディ16が介装され
ている。筒状をなすスロットルボディ16には、図3に
示すようにスロットル弁15を一体に固定したスロット
ル軸17の両端部が回動自在に支持されている。吸気通
路14内に突出するスロットル軸17の一端部には、ア
クセルレバー18とスロットルレバー19とが同軸状を
なして嵌合されている。
【0008】スロットル軸17とアクセルレバー18の
筒部20との間には、ブッシュ21及びスペーサ22が
介装され、これによってアクセルレバー18はスロット
ル軸17に対して回転自在とっている。さらに、スロッ
トル軸17の一端側に取り付けた座金23及びナット2
4によりスロットル軸17からアクセルレバー18が抜
け外れを防止している。アクセルレバー18と一体のケ
ーブル受25には、運転者によって操作されるアクセル
ペダル26がケーブル27を介して接続しており、アク
セルペダル26の踏み込み量に応じてアクセルレバー1
8がスロットル軸17に対して回動するようになってい
る。
【0009】一方、スロットルレバー19はスロットル
軸17と一体に固定されていて、このスロットルレバー
19を操作することにより、スロットル弁15がスロッ
トル軸17と共に回動するようになっている。また、ア
クセルレバー18の筒部20には、カラー28がこれと
同軸一体に嵌着されており、スロットルレバー19の先
端部には、このカラー28の一部に形成した爪部29に
係止可能なストッパ30が形成されている。これら爪部
29とストッパ30とは、スロットル弁15が開く方向
にスロットルレバー19を回動させるか、或いはスロッ
トル弁15が閉まる方向にアクセルレバー18を回動さ
せた場合に相互に係止するような位置関係に設定されて
いる。
【0010】スロットルボディ16とスロットルレバー
19との間には、スロットルレバー19のストッパ30
をアクセルレバー18の爪部29に押し付けてスロット
ル弁15を開方向に付勢するねじりコイルバネ31がス
ロットル軸17に嵌合された筒状をなす一対のバネ受け
32,33を介し、このスロットル軸17と同軸状をな
して装着されている。スロットルボディ16から突出す
るストッパピン34とアクセルレバー18との間にも、
アクセルレバー18の爪部29をスロットルレバー19
のストッパ30に押し付けてスロットル弁15を閉方向
に付勢し、アクセルペダル26に対してディテント感を
付与するたるのねじりコイルバネ35がカラー28を介
してアクセルレバー18の筒部20にスロットル軸17
と同軸状に装置されている。
【0011】スロットルレバー19の先端部には、基端
をアクチュエータ36のダイヤフラム37に固定した制
御棒38の先端部が連結されている。このアクチュエー
タ36内に形成された圧力室39には、ねじりコイルバ
ネ31と共にスロットルレバー19のストッパ30をア
クセルレバー18の爪部29に押し付けてスロットル弁
15を開方向に付勢する圧縮コイルバネ40が組み込ま
れている。そして、これら二つのバネ31,40のバネ
力の和よりも、ねじりコイルバネ35のバネ力のほうが
大きく設定され、これによりアクセルペダル26を踏み
込むか、或いは圧力室39内の圧力を前記二つのバネ3
1,40のバネ力の和よりも大きな負圧にしない限り、
スロットル弁15は開かないようになっている。
【0012】スロットルボディ16の下流側に連結され
た吸気通路14の一部を形成するサージタンク41に
は、図1,図2に示すように接続配管42を介してバキ
ュームタンク43が連通しており、このバキュームタン
ク43と接続配管42との野間には、バキュームタンク
43からサージタンク41への空気の移動のみを許容す
る逆止弁44が介装されている。これにより、バキュー
ムタンク43内の圧力はサージタンク41内の最低圧力
とほぼ等しい負圧に設定される。
【0013】これらバキュームタンク43とアクチュエ
ータ36の圧力室39とは、配管45を介して連通状態
となっており、この配管の途中には、非通電時閉塞型の
第1のトルク制御用電磁弁46が設けられている。つま
り、このトルク制御用電磁弁46には、配管45を塞ぐ
ようにプランジャ47を弁座48に付勢するバネ49が
組み込まれている。
【0014】また、第1のトルク制御用電磁弁46とア
クチュエータ36との間の配管45には、スロットル弁
15よりも上流側の吸気通路14に連通する配管50が
接続している。この配管501の途中には、非通電時閉
塞型の第2のトルク制御用電磁弁51が設けられてい
る。つまり、このトルク制御用電磁弁51には、配管5
0を開放するようにプランジャ52を付勢するバネ53
が組み込まれている。
【0015】この2つのトルク制御用電磁弁46,51
には、機関11の運転状態を制御する電子制御ユニット
54(以下、「ECU54」と記す)が接続し、このE
CU54からの指令に基づいてトルク制御用電磁弁4
6,51に対する通電のオン/オフがデューティ制御さ
れるようになっている。
【0016】例えば、トルク制御用電磁弁46,51の
デューティ率が0%の場合、アクチュエータ36の圧力
室39がスロットル弁15よりも上流側の吸気通路14
内の圧力とほぼ等しい大気圧となり、スロットル弁15
の開度はアクセルペダル26の踏み込み量に一対一で対
応する。逆に、トルク制御用電磁弁46,51のデュー
ティ率が100%の場合、アクチュエータ36の圧力室
39がバキュームタンク42内の圧力とほぼ等しい負圧
となり、制御棒38が図1中、左斜め上方に引き上げら
れる結果、スロットル弁15はアクセルペダル26の踏
み込み量に関係なく閉じられる。このようにしてトルク
制御用電磁弁46,51ののデューティ率を調整するこ
とにより、アクセルぺダル26の踏み込み量に関係なく
スロットル弁15の開度を変化させ、機関11の駆動ト
ルクを任意に調整することができる。
【0017】ECU54には、機関11に取り付けられ
て機関回転数を検出するクランク角センサ55と、スロ
ットルボディ16に取り付けられたてスロットルレバー
19の開度を検出するスロットル開度センサ56と、ス
ロットル弁15の全閉状態を検出するアイドルスイッチ
57とが接続し、これらクランク角センサ55、スロッ
トル開度センサ56、アイドルスイッチ57からの出力
信号がそれぞれ入力される。
【0018】機関11の目標駆動トルクを算出するトル
ク演算ユニット(以下、「TCL」と記す)58には、
スロットル開度センサ56、アイドルスイッチ57と共
にスロットルボディ16に取り付けられてアクセルレバ
ー18の開度を検出するアクセル開度センサ59、駆動
輪である左右一対の前輪60,61の回転速度をそれぞ
れ検出する前輪回転センサ62,63、従動輪である左
右一対の後輪64,65の回転速度をそれぞれ検出する
後輪回転センサ66,67、車両68の直進状態を基準
として旋回時における操舵軸69の旋回角を検出する操
舵角検出手段としての操舵角センサ70、及び車両68
の車高を検出する車高検出手段としての車高センサ7
2,73とが接続しており、これら各センサからの出力
信号がそれぞれ入力される。
【0019】ECU54とTCL58とは通信ケーブル
71を介して結ばれており、ECU54からは機関回転
数やアイドルスイッチ57からの検出信号の他に吸入吸
気量等の機関11の運転状態の情報がTCL58に送ら
れる。逆にTCL58からは、このTCL58にて演算
された目標駆動トルクに関する情報がECU54に送ら
れる。
【0020】図2に示す車両68の各車輪61,62,
64,65は、図4に示すように、ショックアブソーバ
74とコイルスプリング75とからなるサスペンション
76を介して車両基部と接続している。このサスペンシ
ョン76には、車高調整機構77が設けられている。サ
スペンション76は、周知のストラット型のものが用い
られている。ショックアブソーバ74の一端74aは車
両基部に固定されていて、他端74bは車輪側に固定さ
れた油圧シリンダー78内に摺動自在に収納されてお
り、その先端にピストン79が形成されている。
【0021】車高調整機構77は、図5に示すように上
述した油圧シリンダー78とこのシリンダーへの作動流
体回路80及び油圧シリンダー78への作動流体量を個
別に制御する複数の制御弁81から構成されている。こ
の実施例では、作動流体として油Oを用いている。作動
流体回路80は、供給路82と回収路83とからなり、
それぞれ制御弁81を介して、ピストン79によって分
割される油圧ピントンの上室78Aと下室78とに接続
されている。供給路82上には、油圧タンク84から油
Oを吐出させるポンプ85、供給路82内の異物を取り
除くフィルタ86、ポンプ85側からの送油だけを送油
可能とするチェック弁87、路内油圧を検出すし、設定
圧力によりオンオフ信号を出力する圧力センサ88及び
アキュレータ89を順に配置されている。また、チェッ
ク弁87よりポンプ85側に位置する供給路82と回収
路83との間には、リリーフ弁90を介装されたバイパ
ス路91が設けられている。
【0022】制御弁81は電磁弁であって、圧力センサ
88やポンプ85と共に図示しないコントローラに接続
している。コントローラには、図示しない車高調整用の
スイッチが接続されている。車高スイッチは、基準車高
に対して車高を上げるアップスイッチと車高を下げるダ
ウンスイッチとを有し、アップスイッチがオン状態とな
ると、下室78Bに油圧を供給するように制御弁81を
制御し、ダウンスイッチがオン状態となると、上室78
Aに油圧を供給するように制御弁81を制御するように
なっている。
【0023】この車高調整機構77による車高変化は、
車高センサ73,74により検出される。車高センサ7
3,74は、図示しない車両基部に固定されていて、揺
動自在な検出アームがショックアブソーバ74側に取り
付けられており、車両停止時におけるショックアブソー
バ74の位置を検出アームの動きから検出して車高情報
としてTCL58に出力している。ここでは、TCL5
8には、高車高時と低車高時とに対応する制御閾値H
1、H2がそれぞれ図14に示すマップに記憶されてお
り、車高センサ73,74からの出力が高車高時HH
あると制御閾値Haを選択し、車高センサ73,74か
らの出力が高車高時HLであると制御閾値Hbを選択す
るようになっている。
【0024】ここで、本実施例における大まかな制御の
流れを図6に示す。本実施例では、旋回制御を車高変化
に応じて出力制御をするようになっており、高車高時と
低車高時にあった機関11の目標駆動トルクTOHをTC
L58にて演算し、これら2つの目標駆動トルクTOH
ら最適な最終目標駆動トルクTOを選択し、機関11の
駆動トルクを必要に応じて低減できるようになってい
る。
【0025】具体的には、図示しないイグニッションキ
ーのオン操作により本実施例の制御プログラムが開始さ
れ、M1にて先ず操舵軸旋回位置の初期値δm(0)の読み
込みを行なうと共に、各種フラグのリセットあるいはこ
の制御のサンプリング周期である15ミリ秒毎の主タイ
マのカウント開始等の初期設定を行なう。そして、M2
において、各種センサからの検出信号に基づいてTCL
58は、車速V等を演算し、これに続いて操舵軸69の
中立位置δMをM3にて学習補正する。この車両68の
操舵軸69の中立位置δMは、イグニッションキーオン
操作の度に初期値δm(0)が読み込まれるが、この初期値
δm(0)は車両68が後述する直進走行条件を見たした場
合にのみ学習補正され、イグニッションキーがオン状態
となるまで、この初期値δm(0)が学習補正されるように
なっている。
【0026】次に、TCL58は、M4にて車高センサ
73,74からの車高信号を取り込み車高の変化に対応
した旋回制御を行なった場合の機関11の目標駆動トル
クTOHを演算する。そして、M5にてTCL58はこれ
ら目標駆動トルクTOHから最適な最終目標駆動トルクT
Oを後述する方法で選択したのち、機関11の駆動トル
クがこの最終目標駆動トルクTOとなるように、ECU
54が一対のトルク制御用電子弁45,51のデューデ
ィ率を制御し、これによって車両68を無理なく安全に
走行させるようにしている。
【0027】このような機関11の駆動トルクをM6に
て主タイマのカウントダウンが終了するまで制御し、こ
れ以降はM7にて主タイマのカウントダウンを再び開始
し、そしてM2からこのM7までのステップをイグニッ
ションキーがオフ状態になるまで繰返すこととなる。
【0028】操舵軸69の中立位置δMをM3のステッ
プにて学習補正する理由は、車両68の整備時に前輪6
0,61のトーイン調整を行なった場合や図示しない操
舵歯車の摩耗等の経時変化によって、操舵軸69の旋回
量と操舵輪である前輪60,61の実際の舵角δとの間
にずれが発生し、操舵軸69の中立位置δMが変わって
しまうことがあるためである。
【0029】この操舵軸69の中立位置δMを学習補正
する手順を図8に示す。TCL58は、後輪回転センサ
66,67からの検出信号に基づき、C1にて車速Vを
数1により算出する。
【0030】
【数1】
【0031】但し、数1においてVRL,VRRは、そけぞ
れ左右一対の後輪64,65の周速度である。
【0032】次に、TCL58は、C2にて左右一対の
後輪64,65の周速度差(以下、「後輪速差」と記
す)|VRL−VRR|を算出する。しかる後TCL58は
C3にて車速Vが予め設定した速度閾値VAより大きい
か否かを判定する。この操作は、車両68がある程度の
高速にならないと、操舵に伴う後輪速差|VRL−VRR
等が検出できないために必要なものであり、この速度閾
値VAは車両68の走行特性等に基づて実験等により、
例えば、毎時20Km/hの如く適宜設定される。
【0033】そして、車速Vが速度閾VA以上であると
判断した場合には、TCL58はC4にて後輪速差|V
RL−VRR|が予め設定した、例えば毎時0.1km/h
の如き閾値VBよりも小さいか否か、つまり車両68が
直線状態にあるかどうかを判定する。ここで閾値VB
毎時0km/hとしないのは、左右の後輪64,65が
タイヤの空気圧が等しくない場合、車両68が直進状態
であるにもかかわらず、左右一対の後輪64,65の周
速度VRL,VRRが相違してしまうためである。
【0034】このC4のステップにて後輪速差|VRL
RR|が閾値VB以下であると判定したならば、TCL
58はC5にて現在の操舵軸旋回位置δm(n)が操舵角セ
ンサ64により検出した前回の操舵軸旋回位置δm(n-1)
と同一であるかどうかを判定する。この際、運転者の手
振れ等による影響を受けないように、操舵角センサ70
による操舵軸69の旋回検出分解能を、例えば5度前後
に設定しておくことが望ましい。C5のステップにて現
在の操舵軸旋回位置δm(n)が前回の操舵軸旋回位置δ
m(n-1)と同一であると判定したならば、TCL58はC
6にて現在の車両68が直進状態にあると判断し、この
TCL58に内蔵された図示しない学習用タイマのカウ
ントを開始し、これを例えば、0.5秒間継続する。
【0035】次に、TCL58はC7にて学習用タイマ
のカウント開始から0.5秒経過したか否か、すなわ
ち、車両68の直進状態が0.5秒経過したかどうかを
判定する。この場合、車両68の走行当初においては学
習用タイマのカウント開始から0.5秒経過していない
ので、車両68の走行当初はC1からC7までのステッ
プが繰り返されることとなる。
【0036】そして、学習用タイマのカウント開始から
0.5秒経過したと判断すると、TCL58はC8にて
舵角中立位置学習済フラグFHがセットされているか否
か、すなわち今回の学習制御が初回であるか否かを判定
する。このC8ステップにて舵角中立位置学習済フラグ
舵FHがセットされていないと判断した場合には、C9
にて現在の操舵軸旋回位置δm(n)を新たな操舵軸69の
中立位置δM(n)と見做してこれをTCL58内のメモリ
に読み込み、舵角中立位置学習済フラグFHをセットす
る。このようにして、新たな操舵軸69の中立位置δ
M(n)を設定したのち、この操舵軸69の旋回角δHを算
出する一方、C10にて学習用タイマのカウントがクリ
アされ、再び舵角中立位置学習が行なわれる。
【0037】C8のステップにて舵角中立位置学習済フ
ラグFHがセットされている、つまり舵角中立位置学習
が2回目以降であると判断された場合、TCL58はC
11にて現在の操舵軸旋回位置δm(n)が前回の操舵軸6
9の中立位置δM(n-1)と等しい、即ち δm(n)=δM(n-1) であるかどうかを判定する。そして現在の操舵軸旋回位
置δm(n)が前回の操舵軸69の中立位置δM(n-1)と等し
いと判断したならば、そのままC10のステップに戻っ
て再び次の舵角中立位置学習が行なわれる。
【0038】C11のステップにて現在の操舵軸旋回位
置δm(n)が操舵系の遊び等が原因となって前回の操舵軸
69の中立位置δM(n-1)と等しくないと判断した場合、
現在の操舵軸旋回位置δm(n)をそのまま新たな操舵軸6
9の中立位置δM(n)と判断せず、これらの差の絶対値が
予め設定した補正制限量Δδ以上相違している場合に
は、前回の操舵軸69の中立位置δM(n-1)に対してこの
補正制限量Δδを減算あるいは加算したものを新たな操
舵軸69の中立位置δM(n)とし、これをTCL58内の
メモリに読み込むようにしている。
【0039】つまり、TCL58は、C12にて現在の
操舵軸旋回位置δm(n)から前回の操舵軸69の中立位置
δM(n-1)を減算した値が予め設定した負の補正制限量−
Δδよりも小さいか否かを判定する。そして、このC1
2のステップにて減算した値が負の補正制限量−Δδよ
りも小さいと判断した場合には、C13にて新たな操舵
軸69の中立位置δM(n)を、前回の操舵軸69の中立位
置δM(n-1)と負の補正制限量−Δδとから δM(n)=δM(n-1)−Δδ と変更し、一回当たりの学習補正量が無条件に負側へ大
きくならないように配慮している。これにより、何らか
の原因によって操舵角センサ70から異常な検出信号が
出力されたとしても、操舵軸69の中立位置δMが急激
には変化せず、この異常に対する対応を迅速に行なうこ
とができる。
【0040】一方、C12のステップにて減算した値
が、負の補正制限量−Δδよりも大きいと判断した場合
には、C14にて現在の操舵軸旋回位置δm(n)から前回
の操舵軸69の中立位置δM(n-1)を減算した値が正の補
正制限量Δδよりも大きいか否かを判定する。そして、
このC14のステップにて減算した値が正の補正制限量
Δδよりも大きいと判断した場合には、C15にて新た
な操舵軸69の中立位置δM(n)を前回の操舵軸69の中
立位置δM(n-1)と正の補正制限量Δδとから δM(n)=δM(n-1)+Δδ と変更し、一回当たりの学習補正量が無条件に正側へ大
きくならないように配慮している。
【0041】これにより、何らかの原因によって操舵角
センサ70から異常な検出信号が出力されたとしても、
操舵軸69の中立位置δMが急激には変化せず、この異
常に対する対応を迅速に行なうことができる。但し、C
14のステップにて減算した値が正の補正制限量Δδよ
りも小さいと判断した場合には、C16にて現在の操舵
軸旋回位置δm(n)を新たな操舵軸69の中立位置δM(n)
としてそのまま読み出す。従って、前輪60,61を旋
回状態のままにして停車中の車両68が発進した場合、
この時の操舵軸69の中立位置δMの変化状態の一例を
表す図7に示すように、操舵軸69の中立位置δMの学
習制御が初回の時、前述したM1のステップにおける操
舵軸旋回位置の初期値初期値δm(0)からの補正量は非常
に大きなものとなるが、二回目以降の操舵軸69の中立
位置δMは、C13,C15のステップにおける操作に
より抑えられた状態となる。
【0042】このようにして操舵軸69の中立位置δM
を学習補正した後、旋回制御を行なった場合の機関11
の目標駆動トルクを演算する。この車両68の旋回制御
に関し、TCL58は操舵軸旋回角δHと車速Vとか
ら、車両68の目標横加速度GY Oを算出し、車両68が
極端なアンダーステアとならないような車体前後方向の
加速度である目標前後加速度GXOを、この目標横加速度
YOと車高情報Hに基づく図11のマップに設定された
制御閾値Ha,Hb,Hcを選択して設定する。そし
て、この目標前後加速度GXOと対応する機関の目標駆動
トルクを算出する。
【0043】ところで、車両68の横加速度GYは、後
輪速差|VRL−VRR|を利用して実際に算出することが
できるが、操舵軸旋回角δHを利用することによって、
車両68に作用する横加速度GYの値の予測が可能とな
るため、迅速な制御を行なうことができる利点を有す
る。
【0044】しかしながら、操舵軸旋回角δHと車速V
及び車高情報Hとによって、機関11の目標駆動トルク
を求めるだけでは、運転者の意志が全く反映されず、車
両68の操縦性の面で運転者に不満の残るおそれがあ
る。このため、運転者の希望している機関11の要求駆
動トルクTdをアクセルペダル26の踏み込み量から求
め、この要求駆動トルクTdを勘案して機関11の目標
駆動トルクを設定することが望ましい。また、15ミリ
秒毎に設定される機関11の目標駆動トルクの増減量が
非常に大きな場合には、車両68の加減速に伴うショッ
クが発生し、乗り心地の低下を招来することから、機関
11の目標駆動トルクの増減量が車両68の乗り心地の
低下を招来する程大きくなった場合には、この目標駆動
トルクの増減量を規制する必要もある。
【0045】TCL58には、以上のような知見を考慮
した図9に示す旋回制御の演算ブロックを記憶されてい
る。この演算ブロックでは、TCL58は一対の後輪回
転センサ66,67の出力から車速Vを上述した式1に
より演算すると共に、操舵角センサ70からの検出信号
に基づいて前輪60,61の舵角δを数2により演算
し、この時に車両68の目標横加速度GYOを算出する目
標横加速算出手段としての数3により求める。
【0046】
【数2】
【0047】
【数3】
【0048】但し、ρHは操舵歯車変速比、lは車両6
8のホイールベース、Aは車両68のステビリティファ
クタである。このステビリティファクタは、周知のよう
に車両68の懸架装置の構成やタイヤの特性等によって
決まる値である。具体的には、定常円旋回時において車
両68に発生する実際の横加速度GYと、この時に発生
する操舵軸69の操舵角比δH/δHO(操舵軸69の中
立位置δMを基準として横加速度GYが0近傍となる極低
速走行状態での操舵軸69の旋回角δHOに対して加速時
における操舵軸69の旋回角δHの割合)との関係を表
す図10に示す接線の傾きで示す。すなわち、横加速度
Yが小さくて車速Vが余り高くない領域では、ステビ
リティファクタAがほぼ一定値(A=0.002)とな
っているが、横加速度GYが一定以上となると、ステビ
リティファクタAが急増して車両68は極めて強いアン
ダーステアリング傾向を示すようになる。このアンダー
ステアリング傾向は、車高が低い場合と高い場合とでも
異なる傾向となる。
【0049】以上のようなことから、図10を基にした
場合には、ステビリティファクタAを0.002以下に
設定し、上記数3により算出される車両68の目標横加
速度GYOをアンダーステアリング傾向の低い範囲内とす
るように、機関11の駆動トルクを制御する。なお、こ
のステビリティファクタAは、車高によって異なるの
で、図10の他に低車高用と高車高用のステビリティフ
ァクタAを予めマッピングマップを持っている。
【0050】このようにして目標横加速度GYOを算出し
たならば、予めこの目標横加速度GYOの大きさと車高情
報Hとに応じて設定された車両68の目標前後加速度G
XOをTCL58に予め記憶された目標前後加速度算出手
段2としての図11に示すマップから求める。
【0051】ここで、図12に示す制御手段3しての目
標前後加速度算出ルーチンに沿って目標前後加速度GXO
算出について説明する。このルーチンは、TCL58内
に記憶されている。先ず、T1にて目標横加速度GYO
車高情報Hを取り込み、T2にて車高状態を判別する。
T2にて車高情報Hが設定された基準高車HM以上であ
ると高車高時HHである判断してステップT3にて制御
閾値Haを選択し、ステップT4にて図11のマップの
H曲線から高車高に応じた目標前後加速度GX Oが選択
される。
【0052】一方、T2にて車高情報Hが設定された基
準高車HM以上でなければステップT5にて低車高時HL
であるか判別される。ここで、低車高時HLであると判
断されると、ステップT6に進み制御閾値Hbを選択
し、ステップT7にて図11に示すマップのHL曲線か
ら低車高に応じた目標前後加速度GXOが選択される。ス
テップT5で低車高HLと判断されなければ、ここでは
基準車高HMであるとしてステップT8で基準制御閾値
Hcが選択され、ステップT9で図11に示すマップの
M曲線から基準車高に応じた目標前後加速度GXOが選
択される。これら車高に応じて算出された目標前後加速
度GXOにより、機関11の基準駆動トルクTBを数4を
用いて算出する。
【0053】
【数4】
【0054】但し、数4においてWbは車体重量、rは
前輪60,61の有効半径、TLは車両68の横加速度
Yの関数として求められる路面の抵抗であるロードロ
ード(Rord−rord)トルクであり、本実施例で
は、図13に示すマップから求めている。また、ρm
図示しない変速機の変速比、ρd差動歯車の減速比であ
る。次に基準駆動トルクTBの採用割合を決定するため
に、この基準駆動トルクTに重み付けの係数αを乗算
して補正基準駆動トルクを求める。重み付けの係数α
は、車両68を旋回走行させて経験的に設定する。
【0055】一方、クランク角センサ55により検出さ
れる機関回転数Nとアクセル開度センサ59により検
出されるアクセル開度θAとを基に運転者が希望する要
求駆動トルクTdを図14に示すマップから求め、次い
で前記重み付けの係数αに対応した補正要求駆動トルク
を要求駆動トルクTdに(1−α)を乗算することによ
り算出する。例えば、α=0.6に設定した場合には、
基準駆動トルクTBと要求駆動トルクTdとの採用割合が
6対4となる。従って、機関11の目標駆動トルクTOH
は、数5によって算出される。
【0056】
【数5】
【0057】車両68には、旋回制御を運転者が選択す
るための図示しない手動スイッチが設けられており、運
転者がこの手動スイッチを操作して旋回制御を選択した
場合、以下に説明する旋回制御の操作を行なうようにな
っている。
【0058】この旋回制御用の目標駆動トルクTOHを決
定するための制御の流れ図15に示すフローチャートに
沿って説明する。先ずステップH1にて上述した各種デ
ータの検出及び演算処理により目標駆動トルクTOHが算
出されるが、この操作は前記手動スイッチの操作とは関
係なく行なわれる。次にステップH2にて車両68が旋
回制御中であるかどうか、つまり旋回制御中フラグFCH
がセットされているかどうか判定する。最初は、旋回制
御中否ではないので、旋回制御中フラグFCHがリセット
状態であると判断し、ステップH3にて目標駆動トルク
OHが予め設定した閾値、例えば(Td−2)以下であ
るか否かを判断する。つまり、車両68の直進状態でも
目標駆動トルクTOHを算出することができるが、その値
は運転者の要求駆動トルクTdよりも遥かに大きいのが
普通である。しかしこの要求駆動トルクTdが車両68
の旋回時には一般的に小さくなるので、目標駆動トルク
OHが閾値(Td−2)以下となった時を旋回制御の開
始条件として判定するようにしている。なお、この閾値
(Td−2)と設定したのは、制御のハンチングを防止
するためのヒステリシスとしてである。
【0059】ステップH3で目標駆動トルクTOHが閾値
(Td−2)以下であると判断すると、TCL58はス
テップH4にてアイドルスイッチ57がオフ状態となる
か否か判定する。このステップH4にてアイドルスイッ
チ57がオフ状態、すなわち、アクセルペダル26が運
転者によって踏み込まれていると判断した場合、ステッ
プH5にて旋回制御中フラグFCHがセットされる。次に
ステップH6にて舵角中立位置学習済フラグFHがセッ
トされているか否か、操舵角センサ70によって検出さ
れた操舵角δの信憑性が判断される。ステップH6に
て、舵角中立位置学習済フラグFHがセットされている
と判断すると、ステップH7にて旋回制御中フラグFCH
がセットされているか否かが再度判定される。
【0060】以上の手順では、ステップH5にて旋回制
御中フラグFCHがセットされているので、ステップH7
では、旋回制御中フラグFCHがセットされていると判断
され、ステップH8にて先に算出した値、すなわちステ
ップH1での目標駆動トルクTOHが、旋回制御用の目標
駆動トルクTOHとして採用される。
【0061】一方、ステップH6にて舵角中立位置学習
済フラグFHがセットされていないと判断すると、数2
にて算出される舵角δの信憑性がないので、数5にて算
出された目標駆動トルクTOHを採用せず、TCL58は
目標駆動トルクTOHとして機関11の最大トルクをステ
ップH9にて出力し、これによりECU54がトルク制
御用電磁弁46,51をデューティ率0%側に低下させ
る結果、機関11は運転者によるアクセルペダル26の
踏み込み量に応じた駆動トルクを発生する。
【0062】また、ステップH3にて目標駆動トルクT
OHが閾値(Td−2)以下でないと判断すると、旋回制
御に移行せずにステップH6或いはステップH7からス
テップH9に移行する。そして、TCL58は目標駆動
トルクTOHとして機関11の最大トルクを出力し、これ
によりECU54がトルク制御用電磁弁46,51のデ
ィーディ率を0%側に低下させる結果、機関11は運転
者によるアクセルペダル26の踏み込み量に応じた駆動
トルクを発生する。
【0063】同様に、ステップH4にてアイドルスイッ
チ57がオン状態、すなわちアクセルペダル26が運転
者によって踏み込まれていないと判断した場合にもTC
L58は目標駆動トルクTOHとして機関11の最大トル
クを出力し、これによりECU54がトルク制御用電磁
弁46,51のディーディ率を0%側に低下させる結
果、機関11は運転者によるアクセルペダル26の踏み
込み量に応じた駆動トルクを発生して旋回制御には移行
しない。
【0064】上記ステップH2にて旋回制御中フラグF
CHがセットされていると判断した場合には、ステップH
10にて今回算出した目標駆動トルクTOHと前回算出し
た目標駆動トルクTOH(n-1)との差ΔTが予め設定した
増減許容量TKよりも大きいか否かを判定する。この増
減許容量TKは、乗員に車両68の加減速ショックを感
じないで程度のトルク変化量であり、例えば車両68の
目標前後加速度GXOを毎秒0.1gに抑えた場合には、
上記数4を利用して下記数6となる。
【0065】
【数6】
【0066】前記ステップH10にて今回算出した目標
駆動トルクTOHと前回算出した目標駆動トルクT
OH(n-1)との差ΔTが、予め設定した増減許容量TKより
も大きくない判断されると、ステップH11にて今回の
目標駆動トルクTOHと前回算出した目標駆動トルクT
OH(n-1)との差ΔTが負の増減許容量TKよりも大きいか
否かを判定する。ステップH11にて今回の目標駆動ト
ルクTOHと前回算出した目標駆動トルクTOH(n-1)との
差ΔTが、負の増減許容量TKよりも大きいと判断する
と、今回算出した目標駆動トルクTOHと前回算出した目
標駆動トルクTOH(n-1)との差の絶対値|ΔT|が増減
許容量TKよりも小さくなる。よって、算出された今回
の目標駆動トルクTOHをそのままステップH8での算出
値として採用する。
【0067】また、ステップH11にて今回の目標駆動
トルクTOHと前回算出した目標駆動トルクTOH(n-1)
の差ΔTが負の増減許容量TKよりも大きくないと判断
すると、ステップH12にて今回の目標駆動トルクTOH
を下記数7にて修正し、これをステップH8での算出値
として採用する。
【0068】
【数7】
【0069】つまり、前回算出した目標駆動トルクT
OH(n-1)に対する下げ幅を増減許容量TKで規制し、機関
11の駆動トルク低減に伴う減速ショックを少なくす
る。
【0070】一方、前記ステップH10にて今回算出し
た目標駆動トルクTOHと前回算出した目標駆動トルクT
OH(n-1)との差ΔTが、増減許容量TK以上であると判断
されると、ステップH13に進んで今回の目標駆動トル
クTOHと下記数8により設定する。
【0071】
【数8】
【0072】つまり、駆動トルクの増大の場合にも前述
の駆動トルク減少の場合と同様に、今回算出した目標駆
動トルクTOHと前回算出した目標駆動トルクTOH(n-1)
との差ΔTが増減許容量TKを超えた場合には、前回算
出した目標駆動トルクTOH(n−1)に対する上げ幅
を増減許容量Tで規制し、機関11の駆動トルク増大
に伴う減速ショックを少なくするのである。
【0073】このように、目標駆動トルクTOHの増減量
を規制した場合の操舵軸旋回角δHと目標前後加速度G
XOと目標駆動トルクTOHと実際の前後加速度GXとの変
化状態を図16に破線で示し、同図に実線で示す目標駆
動トルクTOHの増減量を規制しなかった場合よりも、実
際の前後加速度GXの変化は滑らかとなり、加減速ショ
ックが解消されていることが判る。
【0074】以上のようにして目標駆動トルクTOHが設
定されると、TCL58はステップH14にてこの目標
駆動トルクTOHが運転者のの要求駆動トルクTdよりも
大きいか否かを判定する。ここで、旋回制御中フラグF
CHがセットされている場合には、目標駆動トルクTOH
運転者の要求駆動トルクTdよりも大きくないので、ス
テップH15にてアイドルスイッチ57がオン状態か否
かを判定する。
【0075】このステップH15のステップにてアイド
ルスイッチ57がオン状態でないとは判断されると、旋
回制御を必要としない状態にあるので、前記ステップH
6に移行する。そして、このステップH6にて舵角中立
位置学習済フラグFHがセットされていると判断し、さ
らにステップH7で旋回制御中フラグFCHがセットされ
ていると判断すると、ステップH1またはステップH1
2あるいはステップH13で採用された算出値が旋回制
御用の目標駆動トルクTOHとして採用される。
【0076】また、ステップH14で目標駆動トルクT
OHが運転者の要求駆動トルクTdよりも大きいと判断し
た場合、車両68の旋回走行が終了した状態を意味する
ので、TCL58はステップH16にて旋回制御中フラ
グFCHをリセットする。同様に、ステップH15でアイ
ドルスイッチ57がオン状態であると判断されると、ア
クセルペダル26が踏み込まれていない状態であるの
で、ステップH16に移行して旋回制御中フラグFCH
リセットする。
【0077】このステップH16で旋回制御中フラグF
CHがリセットされると、TCL58は目標駆動トルクT
OHとして機関11の最大トルクをステップH9で出力
し、これによりECU54がトルク制御用電磁弁46,
51のデューティ率を0%側に低下させる結果、機関1
1は運転者によるアクセルペダル26の踏み込み量に応
じた駆動トルクを発生する。
【0078】なお、上述した旋回制御の手順を簡素化す
るために運転者の要求駆動トルクTdを無視することも
当然可能である。この場合には、目標駆動トルクとして
前記数4により算出可能な基準駆動トルクTBを採用す
れば良い。また、本実施例のように運転者の要求駆動ト
ルクTdを勘案する場合でも重み付けの係数αを固定値
とするのではなく、図17に示すように、制御開始後の
時間の経過と共に係数αの値を漸次減少させたり、或い
は図18に示すように車速に応じて漸次減少させ、運転
者の要求駆動トルクTdの採用割合を徐々に多くするよ
うにしても良い。同様に、図19に示すように制御開始
後のしばらくの間は係数αの値を一定値にしておき、所
定時間の経過後に漸次減少させたり、或いは操舵軸旋回
量δHの増大に伴って係数αの値を増加させ、特に曲率
半径が次第に小さくなねような旋回路に対し、車両68
を安全に走行させるようにすることも可能である。
【0079】上述した演算処理方法では、機関11の急
激に駆動トルクの変動による変速ショックを防止するた
め、目標駆動トルクTOHを算出するに際して増減許容量
Kによりこの目標駆動トルクTOHの規制を図っている
が、この規制を目標前後加速度GXOに対して行なうよう
にしても良い。この場合の増減許容量をGKとした場
合、n回転時における目標前後加速度GXOの演算過程を
以下に示す。GXO(n)−GXO(n-1)>GKの場合、 GXO(n)=GXO(n-1)+GKXO(n)−GXO(n-1<−GKの場合、 GXO(n)=GXO(n-1)−GK なお、主タイマのサンプリングタイムわ15ミリ秒とし
て目標前後加速度GXOの変化を毎秒0.1gに抑えた
場合には、 G=0.1・ΔT となる。
【0080】旋回制御用の目標駆動トルクTOHを算出し
たのち、TCL58はこの車高に応じて算出した目標駆
動トルクTOHを用いて最適な最終目標駆動トルクTO
選択し、これをECU54に出力する。このように車高
センサ73,74から車高情報Hに応じてTCL58に
設定された制御閾値Ha、Hb、Hcを選択すること
で、車高情報を考慮した目標横加速度GYOに対する目標
前後加速度GXOを算出できる。
【0081】車高変化に応じた目標前後加速度GXOを算
出できるということは、図12に示すように、高車高時
には符号Bで示す高車高制御域で駆動トルク制御を行な
うことができ、低車高時には、符号Cで示す低車高制御
域で駆動トルク制御を行なうことができこととなる。例
えば、従来の駆動力制御装置が車高変化を考慮していな
いので、図12に一点鎖線で示す低車高時のアンダース
テアリング特性に設定されていたとすると、車高変化が
大きくあった場合、アンダーステアリング特性が図12
に実線で示すように、低車高時のアンダーステアリング
特性よりも速く現れることとなり、低車高時のタイミン
グで旋回制御が行なわれると駆動トルク制御が遅れるこ
とになる。反対に、実線で示す高車高時のアンダーステ
アリング特性に設定されていたとすると、車高変化が少
ない場合にアンダーステアリング特性が一点鎖線で示す
ように、高車高時のアンダーステアリング特性よりも遅
く現れて高車高時のタイミングで旋回制御を行なうと、
駆動トルク制御が速く行なわれることとなる。
【0082】従って、車高に応じて旋回制御を行なわな
いと制御遅れや制御早効きがおこり旋回制御が安定しな
いが、この実施例のように、車高情報に応じて旋回制御
の制御閾値を選択することで、車両の車高にあった旋回
旋回制御を行なうことができ、制御遅れや制御早効きを
極めて少なくして最適な時期で旋回制御を行なうことが
できる。
【0083】本実施例では、乾燥路等の比較的摩擦係数
の高い高μ路や湿潤路等の比較的摩擦係数の低い低μ路
等の路面状況により機関11の目標駆動トルクを変えて
いないが、例えば低μ路を走行中に高μ路の目標駆動ト
ルクで機関11を運転した場合、前輪60,61がスリ
ップするしてしまう場合も考えられる。そこで、TCL
58には高μ路用の目標駆動トルクと低μ路用の目標駆
動トルクとをそれぞれ算出しておくことが望ましい。さ
らに、高μ路と低μ路との二種類の旋回制御用の目標駆
動トルクを算出するだけでなく、高μ路と低μ路との中
間の路面に対する旋回制御用の目標駆動トルクを算出
し、これらの3つの目標駆動トルクから最終的な目標駆
動トルクを選択するようにしても良い。
【0084】加えて、この実施例では、車両68の前後
に車高センサ73,74を備えているので、車高センサ
73と74との出力差から車両の前後傾斜を測定し、例
えば車両68の前方側が後方側より上がっている場合、
登り状態と判断して車両68の平地走行時よりも旋回制
御を早めに行ない、車両68の後方前方側が前方側より
上がっている場合、下り状態と判断して車両68の平地
走行時よりも旋回制御を遅めに行なうように制御しても
よい。
【0085】すなわち、前輪駆動車の場合、登り状態で
あると前輪荷重が平地走行時よりも小さくなるので、前
輪にかけられる駆動トルクが少なくなり、旋回制御を平
地と同じタイミングで行なうと旋回限界に速く達してし
まい制御遅れ(アンダーステアリング傾向大)となって
しまう。反対に、下り状態であると前輪荷重が平地走行
時よりも大きくなるので、前輪にかけられる駆動トルク
が多くなり、旋回制御を平地と同じタイミングで行なう
と旋回限界のずいぶん手前で駆動トルク制御が行なわ
れ、十分な駆動トルクが旋回中に駆動輪(前輪)に与え
ることができなくなるからである。
【0086】
【発明の効果】本発明によれば、車両の旋回時に発生す
る横加速度の大きさを、舵角センサ、車速センサ及び車
高センサからの検出信号に基づいて演算し、この横加速
度の大きさに応じて機関の駆動トルクを低減させるよう
にしたので、車高情報を旋回制御のパラメータに使用し
ていない従来のものよりも、車両の重心移動に伴う横加
速度の大きさを推定することができる。この結果、車高
が大きく変化した場合であっても旋回時の制御遅れがほ
とんどなくなり、車両の横加速度を適切に抑えて旋回路
を安全且つ確実に走り抜けることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す駆動力制御装置の概略
構成図である。
【図2】駆動力制御装置の概念図である。
【図3】スロットル弁の駆動機構を示す断面図である。
【図4】車高調整機構の部分構成図である。
【図5】車高調整機構の構成を示す説明図である。
【図6】駆動力制御装置の制御全体の流れを示すフロー
チャートである。
【図7】操舵軸の中立位置を学習補正した場合の学習値
の補正状態の一例を示す線図である。
【図8】操舵軸の中立位置学習補正制御の流れを示すフ
ローチャートである。
【図9】目標駆動トルクを演算する手順を示すブロック
図である。
【図10】スタビリティファクタを説明するための横加
速度と増舵角比との関係を示す図である。
【図11】目標加速度と目標前後加速度と車高との関係
を示すマップである。
【図12】目標前後加速度算出ルーチンを示すフローチ
ャートである。
【図13】横加速度とロードロードトルクとの関係を示
すマップである。
【図14】機関回転数とアクセル開度と要求駆動トルク
との関係を示すマップである。
【図15】旋回制御の流れを示すフローチャートであ
る。
【図16】操舵軸旋回角と目標駆動トルクと前後加速度
との関係を示す図である。
【図17】制御開始後の時間と重み付けの係数との関係
を示す図である。
【図18】車速と重み付けの係数との関係を示す図であ
る。
【図19】制御開始後の時間と重み付けの係数との関係
を示す図である。
【符号の説明】
1 目標横加速度算出手段 2 目標前後加速度算出手段 3 制御手段 10 駆動力制御装置 66,67 車体速度検出手段 68 車両 70 操舵角検出手段 73,74 車高検出手段 77 車高調整手段 GYO 目標横加速度 GXO 目標前後加速度 Ha、Hb、Hc 制御閾値

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両の車高を検出する車高検出手段と、 上記車両の車高を調整する車高調整手段と、 上記車両のの操舵角を検出する操舵角検出手段と、 上記車両の車体速度を検出する車体速度検出手段と、 上記操舵角検出手段と車体速度検出手段とからの情報に
    より目標横加速度を算出する目標横加速度算出手段と、 上記目標横加速度算出手段と上記車高検出手段からの各
    情報に基づいて目標前後加速度を算出する目標前後加速
    度算出手段と、 上記目標横加速度算出手段と目標前後加速度算出手段と
    から求められ、駆動トルクを制限する制御閾値を上記車
    高に応じて変更する制御手段とを備えたことを特徴とす
    る駆動力制御装置。
  2. 【請求項2】上記制御閾値は、車高が停車高時よりも高
    車高時程低く設定したことを特徴とする請求項1記載の
    駆動力制御装置。
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