JP2576658B2 - 車両の旋回制御装置 - Google Patents

車両の旋回制御装置

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JP2576658B2 JP2036278A JP3627890A JP2576658B2 JP 2576658 B2 JP2576658 B2 JP 2576658B2 JP 2036278 A JP2036278 A JP 2036278A JP 3627890 A JP3627890 A JP 3627890A JP 2576658 B2 JP2576658 B2 JP 2576658B2
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  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、車両の旋回時に発生する横加速度を操舵軸
の回転角速度により予測して機関の駆動トルクを迅速に
低減させ、車両の旋回動作を安全に行い得るようにした
旋回制御装置に関する。
<従来の技術> 旋回路を走行中の車両には、その走行方向と直角な方
向の横加速度に対応した遠心力が発生するため、旋回路
に対する車両の走行速度が高すぎる場合には、タイヤの
グリップ力の限界を越えて車体が横滑りを起こす虞があ
る。
このような場合、機関の出力を適切に下げて旋回路に
対応した旋回半径で車両を安全に走行させることは以外
と難しいものであり、特に旋回路の出口が確認できない
ような場合や、或いは旋回路の曲率半径が次第に小さく
なっているような場合には、極めて高度な運転技術が要
求される。
いわゆるアンダーステアリング傾向を有する一般的な
車両においては、車両に加わる横加速度の増大に伴って
操舵量を漸増させる必要があるが、この横加速度が各車
両に特有の或る値を越えると、操舵量が急増して先にも
述べたように安全な旋回走行が困難となったり、或いは
不可能となる特性を持っている。特に、アンダーステア
リング傾向の強いフロントエンジン前輪駆動形式の車両
においては、この傾向が顕著となることは周知の通りで
ある。
このようなことから、車両の横加速度を検出し、車両
が旋回困難或いは旋回不能となる旋回限界の前に、運転
者によるアクセルペダルの踏み込み量とは関係なく強制
的に機関の出力を低下させ、車速の増加即ち車両の横加
速度を抑えて車両の姿勢を適切に保ちつつ、この旋回路
を安全に走り抜けることができるようにした出力制御装
置が考えられ、運転者が必要に応じてこの出力制御装置
を利用した走行と、アクセルペダルの踏み込み量に対応
して機関の出力を制御する通常の走行とを選択できるよ
うにしたものが発表されている。
このような観点に基づいた車両の旋回制御に関するも
のの内、従来知られているものは例えば車両のヨーレー
ト等に基づいて機関の駆動トルクを制御するようにした
ものである。
つまり、車両の高速急旋回中に主として発生するヨー
イング等は、車速が高く且つ急旋回なほどそれらの量も
急激に増大する傾向を持つため、振動センサや加速度セ
ンサ等によってヨーレートが検出されたり、或いはこれ
らが所定値を越えた場合に機関の駆動トルクを低減させ
るようにしている。
<発明が解決しようとする課題> 旋回中における車両のヨーレート等に基づいて機関の
駆動トルクを制御する従来の旋回制御装置では、振動セ
ンサや加速度センサ等によって車両のヨーレート等を検
出しているため、車両のヨーレート等が実際に発生して
からでないと機関の駆動トルクを制御することはできな
い。
従って、従来の旋回制御装置を組み込んだ車両では、
制御遅れを避けることが根本的にできず、車両の横加速
度を抑えて車両の姿勢を適切に保ちつつこの旋回路を安
全且つ確実に走り抜けることが場合によっては不可能と
なる虞があった。
<課題を解決するための手段> 一般に、走行中の車両が高速で旋回路に突入する場
合、運転者は低速で走行している場合よりも早めに操舵
を開始する。そして、当然のことながら操舵量の時間変
化、つまり操舵軸の回転角速度も高速で旋回路に突入す
る場合の方が、低速で旋回路に突入する場合の方よりも
大きくなるのが普通である。換言すれば、運転者は常に
先の走行状況を予測し、車両を高速で旋回させる場合に
は車両を低速で旋回させる場合よりも素早い操舵を行う
のである。
従って、車両の旋回初期における操舵軸の回転角速度
が大きいほど、旋回中に発生する車両の横加速度が大き
くなると考えられる。そこで、本発明者らは車両の旋回
初期における操舵軸の回転角速度の大きさと、旋回中の
車両に発生する横加速度の最大値との関係について種々
実験した結果、第7図に示すような相関関係のあること
を突き止めた。
本発明は、以上のような知見に基づいてなされたもの
であり、第一番目の本発明による車両の旋回制御装置
は、運転者による操作とは独立に機関の駆動トルクを低
減させるトルク制御手段と、操舵軸の回転量を検出する
操舵角センサと、この操舵角センサからの検出信号に基
づいて前記操舵軸の回転角速度を算出する操舵角速度演
算手段と、この操舵角速度演算手段で算出された前記操
舵軸の回転角速度に基づいて車両に発生する横加速度の
最大値を予測する横加速度予測手段と、この横加速度予
測手段により予測された前記横加速度の最大値と予め設
定した安全に旋回できる横加速度の基準値とを比較する
比較手段と、前記横加速度予測手段により予測された前
記横加速度の最大値が前記基準値よりも大きな場合に前
記機関の駆動トルクが低下するように前記トルク制御手
段の作動を制御する電子制御ユニットとを具えたもので
ある。
又、第二番目の本発明による車両の旋回制御装置は、
運転者による操作とは独立に機関の駆動トルクを低減さ
せるトルク制御手段と、操舵軸の回転量を検出する操舵
角センサと、この操舵角センサからの検出信号に基づい
て前記操舵軸の回転角速度を算出する操舵角速度演算手
段と、この操舵角速度演算手段で算出された前記操舵軸
の回転角速度に基づいて車両に発生する横加速度の最大
値を予測する横加速度予測手段と、この横加速度予測手
段により予測された前記横加速度の最大値と前記車両の
速度とに基づいて前記車両の目標とする前後加速度を推
定する目標前後加速度推定手段と、この目標前後加速度
推定手段により推定された前記車両の目標とする前後加
速度に基づいて前記機関の目標駆動トルクを設定するト
ルク設定手段と、前記機関の駆動トルクが前記トルク設
定手段にて設定された目標駆動トルクとなるように前記
トルク制御手段の作動を制御する電子制御ユニットとを
具えたものである。
なお、機関の駆動トルクを低下させるトルク制御手段
としては、点火時期を遅らせたり吸入空気量や燃料供給
量を少なくしたり、或いは燃料供給を中止したりするこ
とが一般的であるが、特殊なものとしては機関の圧縮比
を下げるようにしたもの等も採用することができる。
<作用> 車両が旋回路に突入すると、運転者は操舵を開始す
る。この時、操舵角速度演算手段は操舵角センサからの
検出信号に基づいて旋回直前における操舵軸の回転角速
度を算出し、この旋回直前における操舵軸の回転角速度
に基づいて横加速度予測手段が車両に発生する横加速度
の最大値を予測する。
そして、第一番目の発明では予測された横加速度の最
大値と予め設定した基準値とを比較手段によって比較
し、予測された横加速度の最大値が基準値よりも大きな
場合にのみ、電子制御ユニットは運転者による操作とは
関係なく、機関の駆動トルクが低下するようにトルク制
御手段の作動を制御する。
又、車両が直進中の場合や横加速度の最大値が基準値
よりも大きくないと比較手段が判断した場合、電子制御
ユニットはトルク制御手段を作動させず、運転者の操作
に基づいて機関の運転が行われる。
一方、第二番目の発明では予測された横加速度の最大
値と車両の速度とに基づいて、目標前後加速度推定手段
が車両の目標とする前後加速度を推定し、この目標前後
加速度に基づいてトルク設定手段が機関の目標駆動トル
クを設定する。そして、機関の駆動トルクがこの機関の
目標駆動トルクとなるように、電子制御ユニットは運転
者による操作とは関係なく、機関の駆動トルクが低下す
るようにトルク制御手段の作動を制御する。
又、車両が直進中等の場合には第一の本発明と同様
に、電子制御ユニットはトルク制御手段を作動させず、
運転者の操作に基づいて機関の運転が行われる。
<実施例> 本発明による車両の旋回制御装置を前輪駆動形式の車
両に応用した一実施例の概念を表す第1図及びその車両
の概略構造を表す第2図に示すように、機関11の燃焼室
12に連結された吸気管13の途中には、この吸気管13によ
って形成される吸気通路14の開度を変化させ、燃焼室12
内に供給される吸入空気量を調整するスロットル弁15を
組み込んだスロットルボディ16が介装されている。第1
図及び筒状をなすこのスロットルボディ16の部分の拡大
断面構造を表す第3図に示すように、スロットルボディ
16にはスロットル弁15を一体に固定したスロットル軸17
の両端部が回動自在に支持されている。吸気通路14内に
突出するこのスロットル軸17の一端部には、アクセルレ
バー18とスロットルレバー19とが同軸状をなして嵌合さ
れている。
前記スロットル軸17とアクセルレバー18の筒部20との
間には、ブシュ21及びスペーサ22が介装され、これによ
ってアクセルレバー18はスロットル軸17に対して回転自
在となっている。更に、スロットル軸17の一端側に取り
付けた座金23及びナット24により、スロットル軸17から
アクセルレバー18が抜け外れるのを未然に防止してい
る。又、このアクセルレバー18と一体のケーブル受け25
には、運転者によって操作されるアクセルペダル26がケ
ーブル27を介して接続しており、アクセルペダル26の踏
み込み量に応じてアクセルレバー18がスロットル軸17に
対して回動するようになっている。
一方、前記スロットルレバー19はスロットル軸17と一
体に固定されており、従ってこのスロットルレバー19を
操作することにより、スロットル弁15がスロットル軸17
と共に回動する。又、アクセルレバー18の筒部20にはカ
ラー28がこれと同軸一体に嵌着されており、前記スロッ
トルレバー19の先端部には、このカラー28の一部に形成
した爪部29に係止し得るストッパ30が形成されている。
これら爪部29とストッパ30とは、スロットル弁15が開く
方向にスロットルレバー19を回動させるか、或いはスロ
ットル弁15が閉まる方向にアクセルレバー18を回動させ
た場合に相互に係止するような位置関係に設定されてい
る。
前記スロットルボディ16とスロットルレバー19との間
には、スロットルレバー19のストッパ30をアクセルレバ
ー18の爪部29に押し付けてスロットル弁15を開く方向に
付勢するねじりコイルばね31が、スロットル軸17に嵌合
された筒状をなす一対のばね受け32,33を介し、このス
ロットル軸17と同軸状をなして装着されている。又、ス
ロットルボディ16から突出するストッパピン34とアクセ
ルレバー18との間にも、アクセルレバー18の爪部29をス
ロットルレバー19のストッパ30に押し付けてスロットル
弁15を閉じる方向に付勢し、アクセルペダル26に対して
ディテント感を付与するためのねじりコイルばね35が前
記カラー28を介してアクセルレバー18の筒部20にスロッ
トル軸17と同軸状をなして装着されている。
前記スロットルレバー19の先端部には、基端をアクチ
ュエータ36のダイヤフラム37に固定した制御棒38の先端
部が連結されている。このアクチュエータ36内に形成さ
れた圧力室39には、前記ねじりコイルばね31と共にスロ
ットルレバー19のストッパ30をアクセルレバー18の爪部
29に押し付けてスロットル弁15を開く方向に付勢する圧
縮コイルばね40が組み込まれている。そして、これら二
つのばね31,40のばね力の和よりも、前記ねじりコイル
ばね35のばね力のほうが大きく設定され、これによりア
クセルペダル26を踏み込まない限り、スロットル弁15は
開かないようになっている。
前記スロットルボディ16の下流側に連結されて吸気通
路14の一部を形成するサージタンク41には、接続配管42
を介してバキュームタンク43が連通しており、このバキ
ュームタンク43と接続配管42との間には、バキュームタ
ンク43からサージタンク41への空気の移動のみ許容する
逆止め弁44が介装されている。これにより、バキューム
タンク43内の圧力はサージタンク41内の最低圧力とほぼ
等しい負圧に設定される。
これらバキュームタンク43内と前記アクチュエータ36
の圧力室39とは、配管45を介して連通状態となってお
り、この配管45の途中には非通電時閉塞型の第一のトル
ク制御用電磁弁46が設けられている。つまり、このトル
ク制御用電磁弁46には配管45を塞ぐようにプランジャ47
を弁座48に付勢するばね49が組み込まれている。
又、前記第一のトルク制御用電磁弁46とアクチュエー
タ36との間の配管45には、スロットル弁15よりも上流側
の吸気通路14に連通する配管50が接続している。そし
て、この配管50の途中には非通電時開放型の第二のトル
ク制御用電磁弁51が設けられている。つまり、このトル
ク制御用電磁弁51には配管50を開放するようにプランジ
ャ52を付勢するばね53が組み込まれている。
前記二つのトルク制御用電磁弁46,51には、機関11の
運転状態を制御する電子制御ユニット54(以下、これを
ECUと呼称する)がそれぞれ接続し、このECU54からの指
令に基づいてトルク制御用電磁弁46,51に対する通電の
オン,オフがデューティ制御されるようになっており、
本実施例ではこれら全体で本発明のトルク制御手段を構
成している。
例えば、トルク制御用電磁弁46,51のデューティ率が
0%の場合、アクチュエータ36の圧力室39がスロットル
弁15よりも上流側の吸気通路14内の圧力とほぼ等しい大
気圧となり、スロットル弁15の開度はアクセルペダル26
の踏み込み量に一対一で対応する。逆に、トルク制御用
電磁弁46,51のデューティ率が100%の場合、アクチュエ
ータ36の圧力室39がバキュームタンク43内の圧力とほぼ
等しい負圧となり、制御棒38が第1図中、左斜め上方に
引き上げられる結果、スロットル弁15はアクセルペダル
26の踏み込み量に関係なく閉じられ、機関11の駆動トル
クが強制的に低減させられた状態となる。このようにし
て、トルク制御用電磁弁46,51のデューティ率を調整す
ることにより、アクセルペダル26の踏み込み量に関係な
くスロットル弁15の開度を変化させ、機関11の駆動トル
クを任意に調整することができる。
前記ECU54には、機関11に取り付けられて機関回転数
を検出するクランク角センサ55と、スロットルボディ16
に取り付けられてスロットルレバー19の開度を検出する
スロットル開度センサ56と、スロットル弁15の全閉状態
を検出するアイドルスイッチ57とが接続し、これらクラ
ンク角センサ55及びスロットル開度センサ56及びアイド
ルスイッチ57からの出力信号がそれぞれ送られる。
又、機関11の目標駆動トルクを算出するトルク演算ユ
ニット(以下、これをTCLと呼称する)58には、前記ス
ロットル開度センサ56及びアイドルスイッチ57と共にス
ロットルボディ16に取り付けられてアクセルレバー18の
開度を検出するアクセル開度センサ59と、従動輪である
左右一対の後輪60,61の回転速度をそれぞれ検出する後
輪回転センサ62,63と、車両64の直進状態を基準として
旋回時における操舵軸65の操舵角を検出する操舵角セン
サ66とが接続し、これらセンサ59,62,63,66からの出力
信号がそれぞれ送られるようになっている。このTCL58
内には、操舵角センサ66からの検出信号に基づいて操舵
軸65の回転角速度ωを算出する操舵角速度演算手段67
と、この操舵角速度演算手段67で算出された操舵角65の
回転角速度ωに基づいて車両64に発生する横加速度の
最大値GYOを予測する横加速度予測手段68と、この横加
速度予測手段68により予測された横加速度の最大値GYO
と後輪回転センサ62,63からの検出信号により算出され
る車速Vとに基づいて車両64の目標とする前後加速度G
XOを推定する目標前後加速度推定手段69と、この目標前
後加速度推定手段69により推定された車両64の目標前後
加速度GXOに対応する機関11の目標駆動トルクTOを設定
するトルク設定手段70とが組み込まれている。
ECU54とTCL58とは、通信ケーブル71を介して結ばれて
おり、ECU54からは機関回転数やアイドルスイッチ57か
らの検出信号等の機関11の運転状態の情報がTCL58に送
られる。逆に、TCL58からはこのTCL58にて演算された目
標駆動トルクTOに関する情報がECU54に送られる。
本実施例の主たる制御プログラムの概略を表す第4図
に示すように、図示しないイグニッションキーのオン操
作により、本実施例の制御プログラムが開始され、M1に
てまず初期設定用の車両64の操舵軸65の旋回位置δ
読み込みを行うと共に各種フラグのリセット或いはこの
制御のサンプリング周期である15ミリ秒毎の主タイマの
カウント開始等の初期設定が行われる。
そして、M2にて各種センサからの検出信号に基づいて
TCL58は車速V等を演算し、これに続いて前記操舵軸65
の中立位置δをM3にて学習補正する。この車両64の操
舵軸65の中立位置δは、前記イグニッションキーのオ
ン操作の度に初期値が読み込まれるが、この初期値は車
両64が後述する直進走行条件を満たした場合にのみ設定
され、イグニッションキーがオフ状態となるまでこの初
期値が学習補正されるようになっている。
そして、M4にてTCL57は操舵角速度演算手段67により
操舵軸65の回転角速度ωを算出し、この操舵角速度演
算手段67で算出された操舵軸65の回転角速度ωに基づ
いて車両64に発生する横加速度の最大値GYOを横加速度
予測手段68にて予測し、この横加速度予測手段68により
予測された横加速度の最大値GYOと後輪回転センサ62,63
による車両64の速度Vとに基づいて、目標前後加速度推
定手段69が車両64の目標とする前後加速度GXOを推定
し、この目標前後加速度GXOに基づいてトルク設定手段7
0が機関11の目標駆動トルクTOを設定し、この目標駆動
トルクTOをM5にてECU54に出力する。これにより、ECU54
は一対のトルク制御用電磁弁46,51のデューティ率を制
御し、旋回路に対して車両64を無理なく安全に走行させ
るようにしている。
このように、機関11の駆動トルクをM6にて主タイマの
カウントダウンが終了するまで制御し、これ以降はM7に
て主タイマのカウントダウンを再び開始し、そしてM2か
らこのM7までのステップを前記イグニッションキーがオ
フ状態になるまで繰り返すのである。
操舵軸65の中立位置δをM3のステップにて学習補正
する理由は、車両64の整備時に前輪72,73のトーイン調
整を行った場合や図示しない操舵歯車の磨耗等の経年変
化によって、操舵軸65の旋回量と操舵輪である前輪72,7
3の実際の舵角との間にずれが発生し、操舵軸65の中立
位置δが変わってしまうことがあるためである。
この操舵軸65の中立位置δを学習補正する手順を表
す第5図に示すように、TCL58は後輪回転センサ62,63か
らの検出信号に基づき、S1にて車速Vを下式(1)によ
り算出する。
但し、上式においてVRL,VRRはそれぞれ左右一対の後
輪60,61の周速度である。
次に、TCL58はS2にて左右一対の後輪60,61の周速度差
(以下、これを後輪速差と呼称する)|VRL−VRR|を算出
する。
しかるのち、TCL58はS3にて車速Vが予め設定した閾
値VAより大きいか否かを判定する。この操作は、車両64
がある程度の高速にならないと、操舵に伴う後輪速差|V
RL−VRR|等が検出できないために必要なものであり、前
記閾値VAは車両64の走行特性等に基づいて実験等によ
り、例えば毎時20kmの如く適宜設定される。
そして、車速Vが閾値VA以上であると判定した場合に
は、TCL58はS4にて後輪速差|VRL−VRR|が予め設定し
た、例えば毎時0.1kmの如き閾値VBよりも小さいか否
か、つまり車両64が直進状態にあるかどうかを判定す
る。ここで、閾値VBを毎時0kmとしないのは、左右の後
輪60,61がタイヤの空気圧が等しくない場合、車両64が
直進状態であるにもかかわらず左右一対の後輪60,61の
周速度VRL,VRRが相違してしまうためである。
このS4のステップにて後輪速差|VRL−VRR|が閾値VB
下であると判定したならば、TCL58はS5にて現在の操舵
軸旋回位置δが前回の操舵軸旋回位置δN−1と同一
であるかどうかを判定する。この際、運転者の手振れ等
による影響を受けないように、操舵角センサ66による操
舵軸65の旋回検出分解能を例えば5度前後に設定してお
くことが望ましい。
このS5のステップにて現在の操舵軸旋回位置δが前
回の操舵軸旋回位置角δN−1と同一であると判定した
ならば、TCL58はS6にて現在の車両64が直進状態にある
と判断し、このTCL58に内蔵された図示しない学習用タ
イマのカウントを開始し、これを例えば0.5秒間継続す
る。
次に、TCL58はS7にて学習用タイマのカウント開始か
ら0.5秒経過したか否か、即ち車両64の直進状態が0.5秒
継続したかどうかを判定する。この場合、車両64の走行
当初においては学習用タイマのカウント開始から0.5秒
経過していないので、車両64の走行当初はS1からS7まで
のステップが繰り返されることとなる。
そして、学習用タイマのカウント開始から0.5秒が経
過したことを判断すると、TCL58はS8にて舵角中立位置
学習済フラグFSがセットされているか否か、即ち今回の
学習制御が初回であるか否かを判定する。
このS8のステップにて舵角中立位置学習済フラグFS
セットされていないと判断した場合には、S9にて現在の
操舵軸旋回位置δを新たな操舵軸65の中立位置δ
見なしてこれをTCL58内のメモリに読み込み、舵角中立
位置学習済フラグFSをセットする。なお、この時の学習
値δは第4図中のS1のステップでの初期設定における
操舵軸65の旋回位置δから現在の操舵軸旋回位置δ
を減算した値、つまり δ=|δ−δN| となる。
このようにして、新たな操舵軸65の中立位置δを設
定したのち、この操舵軸65の中立位置δを基準として
操舵軸65の旋回角δを算出する一方、S10にて学習用
タイマのカウントがクリアされ、再び舵角中立位置学習
が行われる。
前記S8のステップにて舵角中立位置学習済フラグFS
セットされている、つまり舵角中立位置学習が二回目以
降であると判断された場合、TCL58はS11にて現在の操舵
軸旋回位置δが前回の操舵軸65の中立位置δと等し
い、即ちδ=δであるかどうかを判定する。そし
て、現在の操舵軸旋回位置δが前回の操舵軸65の中立
位置δと等しいと判定したならば、そのままS10のス
テップに戻って再び次の舵角中立位置学習が行われる。
S11のステップにて現在の操舵軸旋回位置δが操舵
系の遊び等が原因となって前回の操舵軸65の中立位置δ
と等しくないと判断した場合、TCL58はS12にて前回の
操舵軸65の中立位置δから現在の操舵軸旋回位置δ
を減算した値の絶対値が前回の学習値δよりも大きい
かどうかを判定する。
本実施例では、S12のステップにて前回の操舵軸65の
中立位置δから現在の操舵軸旋回位置δを減算した
値の絶対値が前回の学習値δよりも大きいと判断した
場合、この現在の操舵軸旋回位置δをそのまま新たな
操舵軸65の中立位置δと判断せず、S13のステップに
て現在の操舵軸旋回位置δから予め設定した、例えば
操舵角センサ66の検出分解能に相当する5度程度の補正
量Δδを減算したものを新たな操舵軸65の中立位置δ
とし、これをTCL58内のメモリに読み込むようにしてい
る。
これにより、何らかの原因によって操舵角センサ66か
ら異常な検出信号が出力されたとしても、操舵軸65の中
立位置δが急激には変化せず、迅速に操舵軸65の中立
位置δを収束させることができる。
一方、S12のステップにて前回の操舵軸65の中立位置
δから現在の操舵軸旋回位置δを減算した値の絶対
値が前回の学習値δよりも小さいと判断した場合、こ
の現在の操舵軸旋回位置δをそのまま新たな操舵軸65
の中立位置δと判断せず、S14のステップにて現在の
操舵軸旋回位置δに前記補正量Δδを加算したものを
新たな操舵軸65の中立位置δとし、これをTCL58内の
メモリに読み込むようにしている。
これにより、何らかの原因によって操舵角センサ66か
ら異常な検出信号が出力されたとしても、操舵軸65の中
立位置δが急激には変化せず、操舵角65の中立位置δ
の変動を少なくすることができる。
このようにして操舵軸65の中立位置δを学習補正し
た後、運転者が旋回制御を行った場合の機関11の目標駆
動トルクTOを演算する。
この車両64の旋回制御の演算ブロックを表す第6図に
示すように、TCL58内の操舵角速度演算手段67は操舵軸6
5の操舵初期における操舵軸旋回角δからその回転角
速度ωを算出し、次いでTCL58内の横加速度予測手段6
8が第7図に示す如きマップから回転角速度ωに対応
した旋回中の車両64に発生する最大横加速度の予測値G
YOを読み出す。
このようにして予測横加速度GYOを求めたならば、こ
の予測横加速度GYOと現在の車速Vとから目標とする車
両64の前後加速度GXOを算出するが、本実施例では第8
図に示す如きマップからこの目標前後加速度GXOを読み
出すようにしている。そして、この目標前後加速度GXO
に対応する機関11の基本駆動トルクTBを下式(2)によ
り算出する。
但し、TLは車両64の横加速度GYの関数として求められ
る路面の抵抗であるロードロード(Road−Load)トルク
であり、本実施例では第9図に示す如きマップから求め
ている。
次に、基本駆動トルクTBの採用割合を決定するため、
この基本駆動トルクTBに重み付けの係数αを乗算して補
正基本駆動トルクα・TBを求める。重み付けの係数α
は、車両64を旋回走行させて経験的に設定するが、例え
ば0.6程度前後の数値を採用する。
一方、クランク角センサ55により検出される機関回転
数NEとアクセル開度センサ59により検出されるアクセル
開度θとを基に運転者が希望する要求駆動トルクTD
第10図に示す如きマップから求め、次いで前記重み付け
の係数αに対応した補正要求駆動トルクを要求駆動トル
クTDに(1−α)を乗算することにより算出する。例え
ば、α=0.6に設定した場合には、基本駆動トルクTB
希望駆動トルクTDとの採用割合が6対4となる。
従って、機関11の目標駆動トルクTOは下式にて算出さ
れる。
TO=α・TB+(1−α)・TD ・・・(3) 車両64には、旋回制御を運転者が選択するための図示
しない手動スイッチが設けられており、運転者がこの手
動スイッチを操作して旋回制御を選択した場合、以下に
説明する旋回制御の操作を行うようになっている。
この旋回制御用の目標駆動トルクTOを決定するための
制御の流れを表す第11図に示すように、C1にて前述のよ
うにして各種データの検出及び演算処理により、目標駆
動トルクTOが算出されるが、この操作は手動スイッチの
操作に関係なく行われる。
次に、C2にて車両64が旋回制御中であるかどうか、つ
まり旋回制御中フラグFCがセットされているかどうかを
判定する。最初は旋回制御中ではないので、旋回制御中
フラグFCがリセット状態であると判断し、C3にて後輪6
4,65の回転差により算出される実際の横加速度GYに0.05
gを加えることにより予め設定した閾値よりも予測横加
速度GYOが大きいか否かを判定する。
なお、この閾値を(GY+0.05g)と設定したのは、制
御のハンチングを防止するためのヒステリシスとしてで
あり、実際の横加速度GYは下式にて算出される。
但し、bは後輪60,61のトレッドである。
前記C3のステップにて予測横加速度GYOが閾値を(GY
+0.05g)より大きい、即ち車両64が旋回制御中である
と判断すると、TCL58はC4にてTCL58に内蔵された図示し
ない旋回制御用タイマをカウントアップするが、この旋
回制御用タイマのカウント時間は例えば5ミリ秒であ
る。そして、旋回制御用タイマのカウントが完了するま
では、後述するC6以降のステップに移行し、15ミリ秒毎
に前記予測横加速度GYOと実際の横加速度GYとを演算し
てC3の判定操作を繰り返す。つまり、前回制御用タイマ
のカウント開始から0.5秒が経過するまでは、C6,C7のス
テップを経てC8のステップに移行し、TCL58は目標駆動
トルクTOとして機関11の最大トルクを出力し、これによ
りECU54はトルク制御用電磁弁46,51のデューティ率を0
%側に低下させる結果、機関11は運転者によるアクセル
ペダル26の踏み込み量に応じた駆動トルクを発生する。
予測横加速度GYOが閾値を(GY+0.05g)より大きい状
態が0.5秒継続しない場合、TCL58は車両64が旋回路を走
行中ではないと判断し、C9にて旋回制御用タイマのカウ
ントをクリアしてC6〜C8のステップに移行する。
予測横加速度GYOが閾値を(GY+0.05g)より大きい状
態が0.5秒継続すると、C10にてアイドルスイッチ57がオ
フ状態か否かを判定し、アイドルスイッチ57がオン状
態、即ちアクセルペダル26が運転者によって踏み込まれ
ていないと判断した場合には、旋回制御には移行せずに
C9にて旋回制御用タイマのカウントをクリアし、C6〜C8
のステップに移行してTCL58は目標駆動トルクTOとして
機関11の最大トルクを出力し、これによりECU54がトル
ク制御用電磁弁46,51のデューティ率を0%側に低下さ
せる結果、機関11は運転者によるアクセルペダル26の踏
み込み量に応じた駆動トルクを発生する。
このC10のステップにてアイドルスイッチ57がオフ状
態、即ちアクセルペダル26が運転者によって踏み込まれ
ていると判断した場合、C11にて旋回制御中フラグFC
セットされる。次に、C6にて舵角中立位置学習済フラグ
FSがセットされているか否か、即ち操舵角センサ66によ
って検出される操舵角の信憑性が判定される。
C6のステップにて舵角中立位置学習済フラグFSがセッ
トされていると判断すると、C7にて旋回制御通フラグFC
がセットされているか否かが再び判定される。ここで、
C11のステップにて旋回制御中フラグFCがセットされて
いる場合には、C12のステップにて先に算出された
(3)式の目標駆動トルクTOが旋回制御用の目標駆動ト
ルクTOとして採用される。
前記C6のステップにて舵角中立位置学習済フラグFC
セットされていないと判断すると、舵角の信憑性がない
のでC8のステップに移行し、C1にて先に算出された
(3)式の目標駆動トルクTOを採用せず、TCL58は目標
駆動トルクTOとして機関11の最大トルクを出力し、これ
によりECU54がトルク制御用電磁弁46,51のデューティ率
を0%側に低下させる結果、機関11は運転者によるアク
セルペダル26の踏み込み量に応じた駆動トルクを発生す
る。
一方、前記C2のステップにて旋回制御中フラグFCがセ
ットされていると判断した場合には、C13のステップに
移行する。
このC13〜C16のステップでは、今回算出した目標駆動
トルクTONと前回算出した目標駆動トルクTON−1との
差ΔTが増減許容量TKよりも大きいか否かを判定し、増
減いずれの場合でもこれが増減許容量TK以内であれば、
今回算出した目標駆動トルクTONをそのまま採用し、Δ
Tが増減許容量TKを越えている場合には、目標駆動トル
クを増減許容量TKにて規制する。
つまり、目標駆動トルクTOを減少させる場合には、C1
5にて今回の目標駆動トルクTONを TON=TON−1−TK として目標駆動トルクTOに採用し、目標駆動トルクTO
増大させる場合には、C16にて今回の目標駆動トルクTON
を TON=TON−1+TK として目標駆動トルクTOに採用する。
以上のようにして目標駆動トルクTOが設定されると、
TCL58はC17にてこの目標駆動トルクTOが運転者の要求駆
動トルクTDよりも大きいか否かを判定する。
ここで、旋回制御中フラグFCがセットされている場
合、目標駆動トルクTOは要求駆動トルクTDよりも大きく
ないので、C9のステップに移行し、旋回制御用タイマの
カウントをクリアしてC6,C7のステップに移行し、ここ
で舵角中立位置学習済フラグFSがセットされていると判
断され、更に旋回制御中フラグFCがセットされていると
判断されると、目標駆動トルクTOがそのまま旋回制御用
の駆動トルクTOとして決定される。
又、前記C17のステップにて目標駆動トルクTOが運転
者の要求駆動トルクTDよりも大きと判断した場合でも、
次のC18にて操舵軸旋回角δが例えば20度未満ではな
いと判断された場合、車両64は旋回走行中であるので旋
回制御をそのまま続行する。
前記C17のステップにて目標駆動トルクTOが運転者の
要求駆動トルクTDよりも大きいと判断され、且つC18に
て操舵軸旋回角δが例えば20度未満であると判断され
た場合、車両64の旋回走行が終了した状態を意味するの
で、TCL58はC19にて旋回制御中フラグFCをリセットす
る。
このC19のステップにて旋回制御中フラグFCがリセッ
トされると、旋回制御用タイマをカウントする必要がな
いので、この旋回制御用タイマのカウントをクリアし、
C6,C7のステップに移行するが、C7のステップにて旋回
制御中フラグFCがリセット状態にあると判断されるた
め、C8のステップに移行してTCL58は目標駆動トルクTO
として機関11の最大トルクを出力し、これによりECU54
がトルク制御用電磁弁46,51のデューティ率を0%側に
低下させる結果、機関11は運転者によるアクセルペダル
26の踏み込み量に応じた駆動トルクを発生する。
なお、上述した旋回制御の手順を簡素化するために運
転者の要求駆動トルクTDを無視することも当然可能であ
り、この場合には目標駆動トルクとして前記(2)式に
より算出可能な基本駆動トルクTBを採用すれば良い。
又、上述した演算処理方法では、機関11の急激な駆動ト
ルクの変動による加減速ショックを防止するため、目標
駆動トルクTOを算出するに際して増減許容量TKによりこ
の目標駆動トルクTOの規制を図っているが、この規制を
目標前後加速度GXOに対して行うようにしても良い。こ
の場合の増減許容量をGKとした時、N回時における目標
前後加速度GXO Nの演算過程を以下に示す。
GXO N−GXO N−1>GKの場合、 GXO N=GXO N−1+GK GXO N−GXO N−1<−GKの場合、 GXO N=GXO N−1−GK なお、主タイマのサンプリングタイムを15ミリ秒とし
て目標前後加速度GXOの変化を毎秒0.1g以下に抑えたい
場合には、 GK=0.1・Δt となる。
このようにして旋回制御用の目標駆動トルクTOを算出
したのち、TCL58はこの目標駆動トルクTOをECU54に出力
する。
ECU54には、機関回転数NEと機関11の駆動トルクとを
パラメータとしてスロットル開度θを求めるためのマ
ップが記憶されており、ECU54はこのマップを用いて現
在の機関回転数NEとこの目標駆動トルクTOに対応した目
標スロットル開度θTOを読み出す。次いで、ECU54はこ
の目標スロットル開度θTOとスロットル開度センサ56か
ら出力される実際のスロットル開度θとの偏差を求
め、一対のトルク制御用電磁弁46,51のデューティ率を
前記偏差に見合う値に設定して各トルク制御用電磁弁4
6,51のプランジャ47,52のソレノイドに電流を流し、ア
クチュエータ36の作動により実際のスロットル開度θ
が目標値θTOに下がるように制御する。
一方、旋回制御中フラグFCがセットされていないと判
断したならば、TCL58は目標駆動トルクTOとして機関11
の最大トルクを出力し、これによりECU54がトルク制御
用電磁弁46,51のデューティ率を0%側に低下させる結
果、機関11は運転者によるアクセルペダル26の踏み込み
量に応じた駆動トルクを発生する。この場合、本実施例
では一対のトルク制御用電磁弁46,51のデューティ率を
無条件に0%にはせず、ECU54は実際のアクセル開度θ
と最大スロットル開度規制値とを比較し、アクセル開
度θが最大スロットル開度規制値を越える場合は、ス
ロットル開度θが最大スロットル開度規制値となるよ
うに、一対のトルク制御用電磁弁46,51のデューティ率
を決定してプランジャ47,52を駆動する。この最大スロ
ットル開度規制値は機関回転数NEの関数とし、ある値
(例えば、2000rpm)以上では全閉状態或いはその近傍
に設定しているが、これ以下の低回転の領域では、機関
回転数NEの低下に伴って数十%の開度にまで次第に小さ
くなるように設定してある。
このようなスロットル開度θの規制を行う理由は、
TCL58が機関11の駆動トルクを低減する必要性の有るこ
とを判定した場合の制御の応答性を高めるためである。
即ち、現在の車両64の設計方針は、車両64の加速性や最
大出力を向上させるため、スロットルボディ16のボア径
(通路断面積)を極めて大きくする傾向にあり、機関11
が低回転領域にある場合には、スロットル開度θが数
十%程度で吸入空気量が飽和してしまう。そこで、アク
セルペダル26の踏み込み量に応じてスロットル開度θ
を全開或いはその近傍に設定するよりも、予め定めた位
置に規制しておくことにより、駆動トルクの低減指令が
あった時の目標スロットル開度θTOと実際のスロットル
開度θとの偏差が少なくなり、すばやく目標スロット
ル開度θTOに下げることができるからである。
このように、本実施例では予測横加速度GYOの大きさ
に応じて機関11の目標駆動トルクTOをきめ細かく算出し
たが、予測横加速度GYOがあらかじめ設定した固定の閾
値よりも大きな場合に、一義的に機関11の目標駆動トル
クTOを出力するすることも当然可能である。
つまり、第11図に示したフローチャートにおいて、予
測横加速度GYOと実際の横加速度GYに基づいて設定され
る閾値とを比較するC3のステップにて、この閾値を予め
設定した基準値(例えば、0.6g前後の固定値)とし、予
測横加速度GYOがこの基準値よりも大きいと図示しない
比較手段にて判定した場合に、予め設定した機関11の基
準駆動トルクTBに基づいて、目標駆動トルクTOを先の実
施例のように適宜補正するようにしても良い。
<発明の効果> 本発明の車両の旋回制御装置によると、操舵角センサ
からの検出信号に基づいて旋回操作の開始状態における
操舵軸の回転角速度を算出し、この回転角速度に基づい
て車両の旋回時に発生する最大の横加速度の大きさを予
測し、この予測横加速度が予め設定した基準値よりも大
きな場合には、機関の駆動トルクを運転者の操作とは関
係なく低減させたり、或いはこの予測横加速度に基づい
て機関の目標とする駆動トルクを設定し、機関の駆動ト
ルクがこの目標駆動トルクとなるように、運転者の操作
とは関係なく機関の駆動トルク低減させるようにしたの
で、車両に実際に発生するヨーレート等に基づいて横加
速度の大きさを検出する従来の方法よりも迅速に機関の
出力を低減させることができる。この結果、旋回時の制
御遅れが殆どなくなり、車両の横加速度を適切に抑えて
旋回路を安全且つ確実に走り抜けることが可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による車両の出力制御装置の一実施例の
機関の制御系の概略構成図、第2図はその概念図、第3
図はそのスロットル弁の駆動機構を表す断面図、第4図
はその制御の全体の流れを表すフローチャート、第5図
は操舵軸の中立位置学習補正制御の流れを表すフローチ
ャート、第6図は旋回制御用の目標駆動トルクを演算す
る手順を表すブロック図、第7図は車両の旋回初期にお
ける操舵軸旋回角速度と予測横加速度との関係を表すマ
ップ、第8図は予測横加速度と目標前後加速度と車速と
の関係を表すマップ、第9図は横加速度とロードロード
トルクとの関係を表すマップ、第10図は機関回転数とア
クセル開度と要求駆動トルクとの関係を表すマップ、第
11図は旋回制御の流れを表すフローチャートである。 又、図中の符号で11は機関、12は燃焼室、13は吸気管、
14は吸気通路、15はスロットル弁、17はスロットル軸、
18はアクセルレバー、19はスロットルレバー、26はアク
セルペダル、27はケーブル、29は爪部、30はストッパ、
36はアクチュエータ、38は制御棒、42は接続配管、43は
バキュームタンク、44は逆止め弁、45,50は配管、46,51
はトルク制御用電磁弁、54はECU、56はスロットル開度
センサ、57はアイドルスイッチ、58はTCL、59はアクセ
ル開度センサ、60,61は後輪、62,63は後輪回転センサ、
64は車両、65は操舵軸、66は操舵角センサ、67は操舵角
速度演算手段、68は横加速度予測手段、69は目標前後加
速度推定手段、70はトルク設定手段、71は通信ケーブ
ル、72,73は前輪であり、FCは旋回制御中フラグ、GXO
目標前後加速度、GYOは予測される横加速度の最大値、G
Yは実際の横加速度、gは重力加速度、TOは目標駆動ト
ルク、TBは基本駆動トルク、TDは要求駆動トルク、Vは
車速、θはアクセル開度、θはスロットル開度、θ
TOは目標スロットル開度、δは操舵軸の旋回角、ω
は操舵軸の回転角速度である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】運転者による操作とは独立に機関の駆動ト
    ルクを低減させるトルク制御手段と、操舵軸の回転量を
    検出する操舵角センサと、この操舵角センサからの検出
    信号に基づいて前記操舵軸の回転角速度を算出する操舵
    角速度演算手段と、この操舵角速度演算手段で算出され
    た前記操舵軸の回転角速度に基づいて車両に発生する横
    加速度の最大値を予測する横加速度予測手段と、この横
    加速度予測手段により予測された前記横加速度の最大値
    と予め設定した安全に旋回できる横加速度の基準値とを
    比較する比較手段と、前記横加速度予測手段により予測
    された前記横加速度の最大値が前記基準値よりも大きな
    場合に前記機関の駆動トルクが低下するように前記トル
    ク制御手段の作動を制御する電子制御ユニットとを具え
    た車両の旋回制御装置。
  2. 【請求項2】運転者による操作とは独立に機関の駆動ト
    ルクを低減させるトルク制御手段と、操舵軸の回転量を
    検出する操舵角センサと、この操舵角センサからの検出
    信号に基づいて前記操舵軸の回転角速度を算出する操舵
    角速度演算手段と、この操舵角速度演算手段で算出され
    た前記操舵軸の回転角速度に基づいて車両に発生する横
    加速度の最大値を予測する横加速度予測手段と、前記横
    加速度予測手段により予測された前記横加速度の最大値
    と前記車両の速度とに基づいて前記車両の目標とする前
    後加速度を推定する目標前後加速度推定手段と、この目
    標前後加速度推定手段により推定された前記車両の目標
    とする前後加速度に基づいて前記機関の目標駆動トルク
    を設定するトルク設定手段と、前記機関の駆動トルクが
    前記トルク設定手段にて設定された目標駆動トルクとな
    るように前記トルク制御手段の作動を制御する電子制御
    ユニットとを具えた車両の旋回制御装置。
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