JP2576081Y2 - はしご装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【０００１】 【産業上の利用分野】本考案は地下鉄工事、その他の工
事現場において使用され、昇降時に恐怖感がなく、万一
の場合にも安全であるはしご装置に関し、特に、降り始
め時にも恐怖感がなくしかも安全であり、また作業者の
昇降後に据付けたままで極めて容易に折畳むことができ
て資材の吊下げ搬入、搬出等の邪魔にならないととも
に、夜間などの作業中断時に復工板を敷設する際に該復
工板の下方空間内に据付けたままで容易に格納すること
ができ、しかも使用場所に合せた設置が容易であること
を特徴とするものである。 【０００２】 【従来の技術】従来、出願人はこの種のはしご装置とし
て、特願昭６０年第１８５３３６号に示される装置を提
供している。 【０００３】該装置は、本体の側材に適当間隔をあけて
安全枠（背当て枠）が設けられたものであり、昇降時に
恐怖感がなく、万一の場合にも安全である効果が得られ
るものであった。 【０００４】しかしながら、上記装置では本体の上部の
手摺には何ら背当て枠が設けられていなかったので、降
り始め時には恐怖感があり、必ずしも安全であるとは言
えないものであった。 【０００５】そこで、本体の上部の手摺にも背当て枠を
設けることも考えられるが、この場合にあっては、作業
空間に余裕がないときには資材を搬入する際や内部の土
砂等を搬出する際などに手摺の背当て枠が邪魔になった
り、夜間などの作業中断時に復工板を敷設する際に手摺
の背当て枠が邪魔になったりする欠点がある。 【０００６】 【考案が解決しようとする課題】本考案は上記従来技術
の欠点を除去するもので、昇降時に恐怖感がなく、万一
の場合にも安全であるとともに、降り始め時にも恐怖感
がなくしかも安全であり、さらに作業者の昇降後に据付
けたままで極めて容易に折畳むことができて資材の吊下
げ搬入、搬出等の邪魔にならないとともに、夜間などの
作業中断時に復工板を敷設する際に該復工板の下方空間
内に据付けたままで容易に格納することができ、しかも
使用場所に合せた設置が容易なはしご装置を提供しよう
とするものである。 【０００７】 【課題を解決するための手段】上記の問題点を解決する
ため、本考案は、アングル材の角部を内側後方として平
行に設けられた側材、該両側材間に適当間隔をあけて設
けられた踏棒、上記両側材の内側片幅に折り曲げられ、
両端が該両側材の内側片に適当間隔をあけて軸止めされ
るとともにそれぞれ吊材で連結された背当て枠、上記両
側材の内側片上端にそれぞれ２ケ所ボルト止めされた連
結杆、該連結杆の上端に両側端下方をそれぞれ２ケ所ボ
ルト止めして取付けられた背当て枠付手摺体、該背当て
枠付手摺体と上記背当て枠の最上段間に設けられ、最上
段の背当て枠を水平に保持する吊材及び上記両側材の背
面片適位置にボルト止め自在のクランプからなる構成と
したものである。 【０００８】 【作用】本考案では垂直に立ててはしご部の最上段の背
当て枠を水平に保持すると、同時にそれに習って下段の
背当て枠も略水平に保持され、はしご部の各背当て枠が
昇降者の背部に位置する。したがって、昇降時に恐怖感
がないものであり、誤って足あるいは手をすべらせても
背部が背当て枠に押当てられて落下が防止され、安全で
あるものである。 【０００９】また、はしご部の上方には背当て枠付手摺
体が設けられているため、降り始め時であっても、同様
に恐怖感がなく、安全であるものである。 【００１０】そして、本考案によれば、はしご部の側材
の上端に連結杆が２ケ所ボルト止めされ、該連結杆の上
端に背当て枠付手摺体の両側端下方が２ケ所ボルト止め
され、さらに上記背当て枠付手摺体と上記背当て枠の最
上段間に吊材が設けられているため、連結杆の上端の２
ケ所の止め部のうち１ケ所を外すと、他の１ケ所を中心
として背当て枠付き手摺体が回動自在となり、また、は
しご部の側材の上端の２ケ所の止め部のうち１ケ所を外
すと、他の１ケ所を中心として背当て枠付手摺体が連結
杆と一体に回動自在となるものである。 【００１１】さらに、はしご部の側材の上端の止め部が
復工板の下方に位置するとともに、連結杆の上端の２ケ
所ボルト止めが復工板の上方に位置するように据付けて
おけば、第１に、背当て枠付手摺体を地面側に回動させ
ることができ、同時にはしご部の最上段の背当て枠が引
き上げられ、下段の背当て枠も本体と略平行に折畳まれ
るため、十分な作業スペースが得られ、資材の吊下げ搬
入、搬出等の邪魔にならないものである。 【００１２】また、第２に、背当て枠付手摺体を連結杆
とともに作業空間側、すなわち開口側に回動させること
ができ、その開口部を覆う復工板を敷設する際に背当て
枠付手摺体が邪魔にならず、該復工板の下方空間内に格
納することができるものである。 【００１３】さらに、本考案では側材の両方がアングル
材で構成され、しかもその角部を内側後方として平行に
設けたため、背当て枠の取付け及びクランプの取付け作
業等が容易であり、さらにクランプの取付け位置を設置
場所に合わせて自由に変更できるものである。 【００１４】 【実施例】以下、図面に示す実施例に基づいて本考案を
説明する。 【００１５】図１の如く、本体１は側材２，２ａとその
間に適当間隔をあけて設けられた踏棒３で構成されてい
る。 【００１６】本考案では、製作の容易化を図って側材
２，２ａとして角部を内側後方としたアングル材が使用
されている。そして、上記側材２，２ａの内側片に、該
内側片幅に折り曲げられた背当て枠６，６ａの両端を軸
止め４するとともに、該背当て枠６，６ａ間がそれぞれ
吊材５で連結されてはしご部ａが構成される。 【００１７】また、図面実施例の場合、上記吊材５は可
撓性素材、具体的にはチエーンで構成されており、自由
に変形させられる。もっとも、背当て枠６，６ａにそれ
ぞれブラケットを設け、その間に吊杆の上下端をピンで
止着するようにしてもよい。本考案では、上記はしご部
ａの両端材２，２ａの上端にそれぞれ連結杆７，７ａが
２ケ所ボルト止め８される。 【００１８】図面実施例の場合、連結杆７，７ａの下端
ははしご部ａの側材２，２ａの上端面を跨ぐように構成
され、側材２，２ａの上端に設けたブラケット９，９ａ
にそれぞれ２ケ所ボルト止め８されている。もっとも、
連結杆７，７ａの下端を側材２，２ａの上端面を跨ぐよ
うに構成せず、上記ブラケット９，９ａを使用しないで
直接に側材２，２ａの上端にボルト止めしてもよいもの
である。なお、図面実施例の場合、連結杆７，７ａの間
にも踏棒３が設けられている。 【００１９】さらに、本考案では、上記連結杆７，７ａ
の上端に背当て枠付手摺体ｂの両側端下方が２ケ所ボル
ト止め１０される。 【００２０】図面実施例の場合、背当て枠付手摺体ｂは
手摺体１１，１１ａと該手摺体１１，１１ａの側面に両
端がそれぞれ固着された適数の背当て枠１２とから構成
されており、上記手摺体１１，１１ａの下端にブラケッ
ト１３が設けられ、該ブラケット１３が上記連結杆７，
７ａの上端にそれぞれ２ケ所ボルト止め１０されてい
る。 【００２１】また、図中、１４は各背当て枠１２間を連
結した補強杆である。なお、図中、１５はアングル材か
らなる側材２，２ａの背面片にボルト止めされたクラン
プで、適宜取付け位置を変更できるようになっている。
それらは具体的には上記背面片にボルト止め用の穴を適
当間隔をあけておくことにより行われる。 【００２２】また、１６は必要に応じて設けられる脚部
であり、不使用時に積み重ね等を容易とするためのもの
である。 【００２３】図１には使用場所に応じて本考案のはしご
装置のはしご部を２つ連結した例が示されている。 【００２４】かように延長を必要とする場合のために巾
の異なる２種類のはしご部ａ，ａ’を準備することが望
ましい。 【００２５】すなわち、図１において上方のはしご部ａ
の巾内に下方のはしご部ａ’が入り込むように構成され
ている。そして、下方のはしご部ａ’の上端に吊材１７
を介してフック１８を設けてはしご部ａ，ａ’を連結し
ている。 【００２６】そして、さらに連結を必要とする場合に
は、はしご部ａ’の下方にはしご部ａを連結すればよい
ものである。図中、１９は補助はしごである。 【００２７】上記構成の本考案は、工事現場の梁材２０
にクランプ１５が取付けられて安定させられて使用され
る。図２の場合、矢板２１を押えている梁材２０にクラ
ンプ１５が取付けられており、矢板２１の上部には復工
板２２が設けられている。 【００２８】そして、本考案では、図１及び図２の如
く、はしご部ａの最上段の背当て枠６ａを水平に保持す
ると、同時にそれに習って下段の背当て枠６も略水平に
保持され、はしご部ａの各背当て枠６，６ａが昇降者の
背部に位置する。したがって、昇降時に恐怖感がないも
のであり、誤って足あるいは手をすべらせても背部が背
当て枠６，６ａに押当てられて落下が防止され、安全で
あるものである。 【００２９】さらに本考案では、はしご部ａの最上段の
背当て枠６ａと背当て枠付手摺体ｂ間に吊材２３が設け
られ、該吊材２３によって、はしご部ａの最上段の背当
て枠６ａが水平に保持されるようになっており、また、
後述の如く背当て枠付手摺体ｂを地面側に回動させた際
に、同時にはしご部ａの最上段の背当て枠６ａが引き上
げる如くされて折畳まれるようになっている。 【００３０】 【００３１】さらに、本考案では、はしご部ａの上方に
は背当て枠付手摺体ｂが設けられているため、降り始め
時であっても、同様に恐怖感がなく、安全であるもので
ある。 【００３２】さらにまた、本考案では、はしご部ａの側
材２，２ａの上端に連結杆７，７ａが２ケ所ボルト止め
８され、該連結杆７，７ａの上端に背当て枠付手摺体ｂ
が２ケ所ボルト止め１０されているため、連結杆７，７
ａの上端の２ケ所ボルト止め１０のうち１ケ所を外す
と、他の１ケ所を中心として背当て枠付手摺体ｂのみが
回動自在となり、また、はしご部ａの側材２，２ａの上
端の２ケ所ボルト止め８のうち１ケ所を外すと、他の１
ケ所を中心として背当て枠付手摺体ｂが連結杆７，７ａ
と一体に回動自在となるものである。 【００３３】したがって、はしご部ａの側材２，２ａの
上端の２ケ所ボルト止め８が復工板２２の下方に位置す
るとともに、連結杆７，７ａの上端の２ケ所ボルト止め
１０が復工板２２の上方に位置するように据付けておけ
ば、第１に、背当て枠付手摺体ｂを地面側に回動させる
ことができる。 【００３４】そして、本考案の場合には、このように背
当て枠付手摺体ｂを回動させると、図２に一点鎖線で示
すように、同時に吊材２３によってはしご部ａの最上段
の背当て枠６ａが引き上げられて折畳まれ、これに習っ
て下段の背当て枠６も吊材５を介して本体１と略平行に
折畳まれる。 【００３５】この結果、十分な作業スペースが得られ、
資材の吊下げ搬入、搬出等の邪魔にならないものであ
る。 【００３６】また、第２に、背当て枠付手摺体ｂを連結
杆７，７ａとともに作業空間側、すなわち、開口部側に
回動させることができるので、図２のニ点鎖線で示すよ
うに、開口部を覆う復工板２４を敷設する際に背当て枠
付手摺体ｂが邪魔にならず、該復工板２４の下方空間内
に格納できるものである。 【００３７】なお、格納、運搬等の取り扱い時には、上
記２ケ所ボルト止め１０を外して背当て枠付手摺体ｂを
取外し、はしご部ａの本体１を水平に倒し、最上段の背
当て枠６ａを本体１と平行に折畳めば他の背当て枠６も
将棋倒しの如く本体１側に折畳まれて薄板状となり場所
をとることがないものである。 【００３８】 【考案の効果】本考案によれば、昇降時に恐怖感がな
く、万一の場合にも安全であるとともに、降り始め時に
も恐怖感がなくしかも安全であり、さらに作業者の昇降
後に据付けたままで極めて容易に折畳むことができて資
材の吊下げ搬入、搬出等の邪魔にならないとともに、夜
間などの作業中断時に復工板を敷設する際に該復工板の
下方空間内に据付けたままで容易に格納することができ
る効果が得られるものである。 【００３９】さらに、本考案では側材の両方がアングル
材で構成され、しかもその角部を内側後方として平行に
設けた構成としたため、背当て枠の取付け及びクランプ
の取付け作業等が容易であり、さらにクランプの取付け
位置を設置場所に合わせて自由に変更できるものであ
る。

【図面の簡単な説明】 【図１】使用状態を示す全体斜視図である。 【図２】図１の側面図である。 【符号の説明】 １ 本体 ２，２ａ 側材 ３ 踏棒 ４ 軸止め ５ 吊材 ６，６ａ 背当て枠 ７，７ａ 連結杆 ８，１０ ２ケ所ボルト止め ａ はしご部 ｂ 背当て枠付手摺体

Claims (1)

1. (57)【実用新案登録請求の範囲】 １．アングル材の角部を内側後方として平行に設けられ
   た側材、該両側材間に適当間隔をあけて設けられた踏
   棒、上記両側材の内側片幅に折り曲げられ、両端が該両
   側材の内側片に適当間隔をあけて軸止めされるとともに
   それぞれ吊材で連結された背当て枠、上記両側材の内側
   片上端にそれぞれ２ケ所ボルト止めされた連結杆、該連
   結杆の上端に両側端下方をそれぞれ２ケ所ボルト止めし
   て取付けられた背当て枠付手摺体、該背当て枠付手摺体
   と上記背当て枠の最上段間に設けられ、最上段の背当て
   枠を水平に保持する吊材及び上記両側材の背面片適位置
   にボルト止め自在のクランプからなることを特徴とする
   はしご装置。