JP2575924B2 - フォーカス制御装置 - Google Patents

フォーカス制御装置

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JP2575924B2
JP2575924B2 JP2122193A JP12219390A JP2575924B2 JP 2575924 B2 JP2575924 B2 JP 2575924B2 JP 2122193 A JP2122193 A JP 2122193A JP 12219390 A JP12219390 A JP 12219390A JP 2575924 B2 JP2575924 B2 JP 2575924B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、光ビームスポットが光記録媒体上で合焦状
態を形成するように、光ビームスポットの光記録媒体上
での収束状態を検出してこの検出結果に基づいてフォー
カス制御を行うフォーカス制御装置に関し、例えば、レ
ーザ光源を利用して光学的に記録媒体上に信号を記録す
ると共にこの記録された信号を再生する光学式記録再生
装置において利用される。
従来の技術 従来のフォーカス制御装置としては、例えば特開平1
−89034号公報に記載されているように、制御系の中に
ゲイン調整手段を介在させ、一定の外乱信号に対する応
答信号により、ループゲイン或いは位相差を直接求めて
これらが規定の値となるように調整するものである。第
10図はこのような従来のフォーカス制御装置の構成を示
すブロック図である。以下これを用いて従来のフォーカ
ス制御について説明する。
半導体レーザ等の光源1より発生した光ビーム8は、
カップリングレンズ2で平行光にされた後、偏光ビーム
スプリッタ3で反射され、λ/4板4(λは光ビームの波
長)を通過し、対物レンズ5によって集光され、モータ
6によって回転している光ディスク7上に照射される。
そして、光ディスク7にて反射された光ビームは、対物
レンズ5、λ/4板4、及び偏光ビームスプリッタ3を通
過し、集光レンズ9を介し分割ミラー10で2方向に分割
される。分割された一方の光ビーム11は2分割構造の光
検出器12に入力される。光検出器12の出力A,Bは各々プ
リアンプ13A,13Bで増幅された後、差動増幅器14に入力
され、ナイフエッジ法により、差動増幅器14の出力から
フォーカスずれ信号(応答信号)を得ることができる。
また分割ミラー10で分割された他方の光ビーム15は、
2分割構造の光検出器16に入力されており、この光検出
器の出力C,Dの差出力をとるように構成すれば、ディス
ク7上の光ビームスポットがトラックに追従するように
制御するためのトラッキングずれ信号を得ることができ
るが、本発明とは直接関係しないので説明を省略する。
フォーカスずれ信号はフォーカス制御系の位相を補償
するための位相補償回路17、制御系のゲインを調整する
ための合成回路18およびゲイン調整回路19、電力増幅す
るための駆動回路20を介し、フォーカス制御素子21に入
力されている。フォーカス制御素子21は、光ディスク7
上で光ビームスポットが合焦状態を形成するように対物
レンズ5をフォーカス方向に駆動する。
次に、この従来のフォーカス制御系におけるループゲ
インの調整について説明する。
装置の電源が投入されたり、あるいはディスク7が交
換されると、光ディスク7が回転し、光源1から光ビー
ム8が照射され、フォーカス制御及びトラッキング制御
がかかる。
外乱発生回路30は一定周波数の外乱信号を合成回路18
に入力し、制御系に外乱を加える。その外乱信号及び応
答信号をA/D変換器22,23を介してマイクロコンピュータ
24に取り込む。マイクロコンピュータ24はその二つの信
号を演算処理し、入力した外乱信号とその応答信号の比
(以下、ループゲインと称する)或いは入力した外乱信
号とその応答信号の位相差(以下、位相差と称する)を
測定する、その測定したループゲイン或いは位相差に応
じて、ゲイン調整回路19を動作させ、フォーカス制御系
が所定のループゲインとなるように調整を行っていた。
即ち、従来の技術においては、以上のように、外乱信
号と応答信号により直接にループゲイン或いは位相差を
求めてゲイン調整を行ていた。
発明が解決しようとする課題 ところで、ループゲイン或いは位相差を求める場合
に、ノイズの影響を小さくし調整精度をあげるために、
高速フーリエ変換(以下、FFTと呼ぶ)を適用してお
り、その演算式は、以下に示す通りである。
但し A:サンプリングした信号の実数部 B:サンプリングした信号の虚数部 N:サンプル数 Wj:サンプリングデータ(外乱信号のサンプル値或いは
応答信号のサンプル値) この結果によりループゲイン及び位相差を求めると、
ループゲインPは また位相差Qは Q=TAN-1(Ay/By)−TAN-1(Ax/Bx) …第4式 但し、係数yは応答信号、係数xは外乱信号を示す。
このように実際にループゲインPを求める場合は、四
則演算の他に平方根および対数計算が必要であり、また
位相差Qを求める場合も逆正接関数の計算が必要であ
る。
このため、実際にマイクロコンピュータ上でこの計算
を実現するためには、数値計算用の専用ハードウェアを
内蔵するか、或いは外付けで具備するか、又は関数テー
ブルをROM上に作成しなければならない。ハードウェア
を具備する方法は装置のコストの点で、あるいは回路の
実装の点で制約を受けるため、容易に実現することは困
難であり、また関数テーブルを作成する場合において
も、メモリ容量が増加して実際に動作させる調整プログ
ラムが制約を受け、さらに計算を行う都度ROMにアクセ
スしなければならないため、調整時間が長くかかるとい
う欠点を有していた。
課題を解決するための手段 本発明は、光ビームスポットが光記録媒体上で合焦状
態を形成するように、光ビームスポットの光記録媒体上
での収束状態を検出して、この検出結果に基づいてフォ
ーカス制御を行うファーカス制御手段と、前記フォーカ
ス制御手段のゲインを変化させるゲイン可変手段と、前
記フォーカス制御手段に対し、その応答信号との位相が
90度となる外乱信号を印加する外乱印加手段と、前記外
乱印加手段の外乱信号と前記フォーカス制御手段の応答
信号により前記フォーカス制御系の伝達関数の実数部を
演算する実数部演算手段とを有し、前記実数部演算手段
は演算結果が略0となるようにゲイン可変手段のゲイン
を調整するように構成したフォーカス制御装置である。
また本発明は、光ビームスポットが光記録媒体上で合
焦状態を形成するように、光ビームスポットの光記録媒
体上での収束状態を検出して、この検出結果に基づいて
フォーカス制御を行うファーカス制御手段と、前記フォ
ーカス制御手段のゲインを変化させるゲイン可変手段
と、前記フォーカス制御手段に対し、その応答信号との
位相が90度となる外乱信号を印加する外乱印加手段と、
前記外乱印加手段の外乱信号と前記フォーカス制御手段
の応答信号により前記フォーカス制御系の伝達関数の虚
数部を演算する虚数部演算手段とを有し、前記虚数部演
算手段は演算結果が略々所定の値となるようにゲイン可
変手段のゲインを調整することを特徴としたフォーカス
制御装置である。
作用 上記の構成においては、フォーカス制御系における伝
達関数の実数部或いは虚数部を求め、その値が略0或い
は略所定値になるようにループゲイン切替手段を切り替
えて、ループゲインを調整している。即ち、ループゲイ
ン調整のためにループゲインや位相差を直接求めること
をしない。
ループゲインや位相差を直接求める演算式に比べる
と、上記の伝達関数における実数部或いは虚数部を求め
る演算式においては、演算する項目が少なくなったた
め、演算速度が速くなり、ループゲインの調整時間を短
縮することができる。また平方根、逆正接関数の演算の
ための専用ハードウェアを具備する必要はなく、標準的
なマイクロコンピュータを適用して容易にフォーカス制
御系のループゲインの自動調整を実現することができ
る。
なお、フォーカス制御系における最適なループゲイン
は、当該制御系に固有のものとして定まっている。
実 施 例1 請求項第1項の発明の一実施例を第1図乃至第7図に
基づいて説明すれば、以下の通りである。
第1図はフォーカス制御装置を示す概略構成図であ
る。なお、フォーカス制御系については、従来と同様の
構成を有するので、説明の重複を避けるため、同一の部
材には同一の部材には同一の符号を付記してその説明を
省略している。また、本実施例では、反射項を検出して
フォーカス制御しているが、透過光を検出するようにし
てもよい。さらに、光ディスク7は、光磁気記録型や相
変化型等を問わず、光学的に信号の記録再生ができる光
記録媒体であればよい。
マイクロコンピュータ24′は、外乱印加手段24′aを
内蔵し、そのポートAよりフォーカス制御系のループゲ
インが最適とした場合に外乱信号と応答信号との位相差
が略−90゜となる周波数fAの外乱信号を合成回路18を介
してフォーカス制御系に印加すると共に、前記の外乱信
号に対する前記フォーカス制御系の応答信号をA/D変換
器22によりサンプリング測定する。そして、この応答信
号と前記外乱信号とに基づき前記制御系における伝達関
数の実数部を算出し、この算出された実数部が略0とな
るようにゲイン切替回路25におけるスイッチ群25a…を
切り替えて所定の抵抗値を選択してループゲインを切り
替えるようになっている。
フォーカス制御系に入力された外乱信号とその応答信
号によって求められるフォーカス制御系の閉ループ伝達
関数の周波数特性を、ボード線図上に表すと第2図のよ
うになる。またこれをナイキスト線図上に表すと第3図
のようになる。フォーカス制御系が最適なループゲイン
のとき、所定の周波数fAで−90゜の位相になるので、周
波数fAの信号を入力したとき、第2図上及び第3図上の
点Aに位置するようにゲインを調整すればよい。
ここで、−90゜の位相の点Aは、第3図のナイキスト
線図上では実数部は0となり、虚数部は所定値となる。
この関数より実際にループゲインあるいは位相差を求め
なくても簡単に調整点を見つけることができる。
先に述べたように、外乱信号および応答信号の実数部
及び虚数部は下記に示すFETの演算式より求めることが
できる。
但し A:サンプリングした信号の実数部 B:サンプリングした信号の虚数部 N:サンプル数 Zj:サンプリングデータ(外乱信号Xj或いは応答信号Yj
のサンプル値) ここで、外乱信号をAX+BXi、応答信号をAY+BYiで表
すと閉ループの伝達関数Gは G=(AY+BYi)/(AX+BXi) ={AXAY+BXBY+(AXBY−BXAY)i} /(AX 2−BX 2) …第7式 と展開できる。
但し、係数yは応答信号、係数xは外乱信号を、また
iは虚数(i2=−1)示す。
先に述べたように位相が−90゜となるA点において
は、伝達関数の実数部は0となるので、マイクロコンピ
ュータ24′によってAX、BX、AY、BYの各々の値を第5式
及び第6式を用いて求め、AXAY+BXBY≒0となるように
フォーカス制御系のループゲインを変化させて調整す
る。
第7図は、フォーカス制御系のループゲインを変化さ
せて調整する処理を示すフローチャートであり、第4
図、第5図はループゲインの調整を完了するまでのフォ
ーカス制御系の伝達関数の周波数特性の変化をボード線
図及びナイキスト線図でそれぞれ示したものである。ま
た、第6図は、最適なループゲインの状態で−90゜の位
相となる周波数でのループゲイン変化に対する実数部の
値の変化を示したものである。これらの図面を用いて、
ループゲイン調整の手順についてさらに詳しく説明す
る。
例えば、電源投入時、或いは光ディスク7の交換時に
フォーカス制御系のゲインを調整するようプログラムさ
れているとする。この電源投入時若しくは光ディスク7
の交換時、マイクロコンピュータ24′は先ず初期設定を
行う(S1)。マイクロコンピュータ24′は、周波数fAの
外乱信号を合成回路18を介してフォーカス制御系に印加
すると共に、この外乱信号をサンプリングする(S2)。
印加された信号はフォーカス制御系を一巡し、差動増幅
器14の出力よりフォーカスずれ信号として応答があらわ
れる。この応答信号は、位相余裕を確保してフォーカス
制御系を安定させるための位相補償回路17を通過し、A/
D変換器22によってサンプリングされる(S3)。サンプ
リングされた各々のデータはマイクロコンピュータ24′
に入力され、マイクロコンピュータ24′は前記の外乱信
号における第5式および第6式の演算を実行すると共
に、前記入力した応答信号における第5式および第6式
の演算を実行する(S4〜S7)。次に、サンプリング回数
であるjをインクリメントし(S8)、jがN−1になる
までステップ2〜7を繰り返す(S9)。そして、ステッ
プ10において、伝達関数Gの実数部を求める演算を実行
する。この演算結果において、例えば、フォーカス制御
系のループゲインが最適な状態から小さい方にずれてい
るとする。このとき周波数特性は、例えば、第4図及び
第5図上のaのような特性を示している。その結果よ
り、マイクロコンピュータ24′は周波数fAに対応する点
がA1点の位置にあることを認識する。
演算を実行した後、マイクロコンピュータ24′は、求
めた実数部の値が略0より小さいので、その差に応じた
信号をゲイン切替手段25に出力し、フォーカス制御系の
ループゲインを大きくなる方向に変化させる(S11)。
この操作は、ゲイン切替回路25の抵抗値を選択すること
で行うことができる。
その後再度、マイクロコンピュータ24′は、応答信号
をA/D変換器22によってサンプリングし、同様の演算を
実行し、伝達関数Gの実数部を求める。このとき周波数
fAに対応する点は今度は例えばA2点の位置にあり、第5
図中のbのような周波数特性となり、求めた実数部の値
は0より大きいので、その差に応じた信号をゲイン切替
手段25に出力し、フォーカス制御系のループゲインが小
さくなる方向に変化させる(S12)。この処理を繰り返
すことで、フォーカス制御系のゲインを変化させ、周波
数fAに対応する点はA3、A4、A5と移動していき、目標位
置であるA5点に達する。A5点は、伝達関数Gの実数部の
値が略0に等しくなった点である。このとき周波数特性
は、第5図上のeのような特性を示しており、周波数fA
で位相は略−90゜に等しくなるので、調整を完了する。
ところで、ループゲインの変化に対する実数部の値の
変化は、第6図に示すように調整の目標点であるA5点付
近ではA5点を通る直線にほぼ近似できる。したがって略
になる点を、前記のステップを何回も繰り返すことで捜
し出さなくとも、実数部の絶対値の等しい2点A3、A4の
中点を求めれば、その中点は実数部の値が0になる点に
略一致する。よってその中点に対応するループゲインを
設定し調整するようにすれば、速やかに精度良く調整点
を算出することができる。
実 施 例2 請求項第2項の発明に係る実施例を第8図および第9
図に基づいて説明する。なお、第1実施例で用いた第1
図乃至第5図をここで再び用いることとする。
本発明に係るフォーカス制御装置は、伝達関数Gにお
ける虚数部を演算し、その値が所定値Kとなるように制
御するものであり、マイクロコンピュータ24′内部での
演算において、第1実施例で示したAXBY−AXBYを算出す
るようになっている。
第2図に示す−90゜の位相の点Aは、ナイキスト線図
上では、前述の通り実数部は0となり、一方、虚数部は
所定値Kとなる。また、最適なループゲインの状態で−
90゜の位相となる周波数でのゲイン変化に対する虚数部
の値の変化は第8図のようになる。
上述したように位相が−90゜となるA点においては、
伝達関数の虚数部はKとなるので、AX、BX、AY、BYの各
々の値を第5式及び第6式を用いて求め、AXBY−AXBY
Kとなるようにフォーカス制御系のゲインを変化させて
調整する。
第4図、第5図、第8図、第9図を用いて、この実施
例におけるゲイン調整の手順についてさらに詳しく説明
する。
第1実施例と同様、電源投入時、或いは光ディスク7
の交換時にフォーカス制御系のゲインを調整するようプ
ログラムされているとする。この電源投入時、或いは光
ディスク7の交換時、マイクロコンピュータ24′は先ず
初期設定を行う(S21)。マイクロコンピュータ24′
は、周波数fAの外乱信号を合成回路18を介してフォーカ
ス制御系に印加すると共に、この外乱信号をサンプリン
グする(S22)。印加された信号はフォーカス制御系を
一巡し、作動増幅器14の出力よりフォーカスずれ信号と
して応答があらわれる。この応答信号は、位相補償回路
17を通過し、A/D変換器22によってサンプリングされる
(S23)。サンプリングされた各々のデータはマイクロ
コンピュータ24′に入力され、マイクロコンピュータ2
4′は前記の外乱信号における第5式および第6式の演
算を実行すると共に、前記入力した応答信号における第
5式および第6式の演算を実行する(S24〜27)。次
に、サンプリング回数であるjをインクリメントし(S2
8)、jがN−1になるまでステップ22〜27を繰り返す
(S29)。そして、ステップ30において、伝達関数Gの
虚数部を求める演算を実行する。この演算結果におい
て、例えば、フォーカス制御系のループゲインが最適な
状態から小さい方にずれているとする。このとき周波数
特性は、例えば、第4図及び第5図上のaのような特性
を示している。その結果よりマイクロコンピュータ24′
は周波数fAに対応する点がA1点の位置にあることを認識
する。
演算を実行した後、マイクロコンピュータ24′は、求
めた虚数部の値が略Kより大きいので、その差に応じた
信号をゲイン切替回路25に出力し、フォーカス制御系の
ループゲインを大きくなる方向に変化させる(S31)。
その後再度、マイクロコンピュータ24′は、応答信号
をA/D変換器22によってサンプリングし、同様の演算を
実行し、伝達関数Gの虚数部を求める。このとき周波数
fAに対応する点は今度は例えばA2点の位置にあり、第5
図中のbのような周波数特性となり、求めた虚数部の値
はKより小さいので、その差に応じた信号をゲイン切替
回路25に出力し、フォーカス制御系のループゲインを小
さくなる方向に変化させる(S32)。この処理を繰り返
すことで、フォーカス制御系のゲインを変化させ、周波
数fAに対応する点はA3、A4、A5と移動していき、目標位
置であるA5点に達する。A5点は、伝達関数Gの虚数部の
値が略Kに等しくなった点である。このとき周波数特性
は、第5図上のeのような特性を示しており、周波数fA
で位相は略−90゜に等しくなるので、調整を完了する。
なお、第1・第2の実施例においては、マイクロコン
ピュータ24′自体がその外乱印加手段24′aにてそのポ
ートから外乱信号を制御系に加えるように構成している
ので、外乱信号のデータはマイクロコンピュータ24′が
認識しており、従来例で示したA/D変換器23で取り込ま
なくてもマイクロコンピュータ24′内部で処理すること
で演算を実行できる。また、フォーカス制御系に加える
外乱信号のデータをマイクロコンピュータ24′内部に、
実数部、虚勢部の値でテーブル状に格納しておけば、外
乱信号のFETの演算を省略することができるので、ルー
プゲイン調整時間を一層短縮することができる。
さらに、第1・第2の実施例において、マイクロコン
ピュータ24′に入力される各々のサンプリング点の振幅
値の平均、あるいは演算後の実数部或いは虚数部の値の
平均をとり、その平均値によって調整を行うことにより
調整精度を向上させることができる。また、マイクロコ
ンピュータ24′のポートより外乱信号を制御系に入力す
るように構成したが、FETの演算を実行することによっ
て矩形波状の外乱信号を入力しても、求める実数部ある
いは虚数部の値は正弦波状の外乱信号を入力した場合と
略等しく、精度良く調整を実現できる。
そして、第1・第2の実施例では、電源投入直後或い
は、光ディスク7の交換時にフォーカス制御系のループ
ゲインの調整を実行するように構成したが、マイクロコ
ンピュータ24′の持つ時間計測機能を用いて、装置が起
動した時の所定の時間毎に、または所定の時間、図示し
ないホストCPUより記録再生の命令が送られてこなかっ
たとき、ループゲインの調整を実行するように構成して
もよい。
また、ホストCPUから記録或いは再生の指令が発生し
たときに、或いは記録媒体上に記録すべき信号を正しく
記録できなかったり、又は記録されている信号を再生で
きなかったときに、ループゲインの調整を実行し、この
ループゲインの調整後に、再度信号の記録又は再生を行
うように構成すれば、より安定した記録、再生を行うこ
とが可能となる。
さらに、圧電素子等を用いた加速度センサやサーミス
タ等の温度センサを、光ディスク装置に取り付け、上記
センサによって当該装置に振動、衝撃が加わったことを
検出した時に、又は装置内の温度が変化したことを検出
した時に、ループゲインの調整を実行するように構成す
れば、装置の使用時の温度変化、外部からの振動や衝撃
等により調整の状態がずれても速やかに対応することが
できる。
また、本装置におけるフォーカス制御系のループゲイ
ンの切替えは、ゲイン切替回路25によって実現している
が、デジタル制御系においては演算結果に応じてディジ
タルフィルタの係数を変えることで、さらに容易にルー
プゲインの切替えが行なえる。即ち、他のループゲイン
切替手段を用いる場合でも、本発明は適用できる。
発明の効果 以上説明したように本発明によれば、容易にフォーカ
ス制御系のループゲインの調整を行うことができ、調整
のための専用の演算回路あるいはメモリ等のハードウェ
アを削減することができる。またソフトによる演算の負
担が軽減され、調整時間を短くすることができる。これ
により標準のマイクロコンピュータによって簡単に自動
調整を実現することが可能となり、低コストで信頼性の
高い装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第7図は本発明の一実施例を示すものであ
って、第1図はフォーカス制御装置の構成を示すブロッ
ク図、第2図は第1図のフォーカス制御系の閉ループの
伝達関数の周波数特性を示すボード線図、第3図はフォ
ーカス制御系の閉ループの伝達関数の周波数特性を示す
ナイキスト線図、第4図は調整による周波数特性の推移
を説明するためのボード線図、第5図は調整による周波
数特性の推移を説明するためのナイキスト線図、第6図
は調整による実数部の値の推移を示す特性図、第7図は
フォーカス制御装置における処理の流れを示すフローチ
ャート、第8図および第9図に本発明の他の実施例を示
すものであって、第8図は調整による虚数部の値の推移
を示す特性図、第9図はフォーカス制御装置における処
理の流れを示すフローチャート、第10図は従来のフォー
カス制御装置の構成を示すブロック図である。 1……光源、2……カップリングレンズ、3……偏光ビ
ームスプリッタ、4……λ/4板、5……対物レンズ、6
……モータ、7……光ディスク、9……集光レンズ、10
……分割ミラー、12,16……光検出器、13A……プリアン
プ、13B……プリアンプ、14……差動増幅器、17……位
相補償回路、18……合成回路、20……駆動回路、22……
A/D変換器、24′……マイクロコンピュータ、25……ゲ
イン切替回路。
フロントページの続き (72)発明者 芝野 正行 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭64−89034(JP,A)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光ビームスポットが光記録媒体上で合焦状
    態を形成するように、光ビームスポットの光記録媒体上
    での収束状態を検出して、この検出結果に基づいてフォ
    ーカス制御を行うファーカス制御手段と、 前記フォーカス制御手段のゲインを変化させるゲイン可
    変手段と、 前記フォーカス制御手段に対し、その応答信号との位相
    が90度となる外乱信号を印加する外乱印加手段と、 前記外乱印加手段の外乱信号と前記フォーカス制御手段
    の応答信号により前記フォーカス制御系の伝達関数の実
    数部を演算する実数部演算手段とを有し、 前記実数部演算手段は演算結果が略0となるようにゲイ
    ン可変手段のゲインを調整することを特徴としたフォー
    カス制御装置。
  2. 【請求項2】光ビームスポットが光記録媒体上で合焦状
    態を形成するように、光ビームスポットの光記録媒体上
    での収束状態を検出して、この検出結果に基づいてフォ
    ーカス制御を行うフォーカス制御手段と、 前記フォーカス制御手段のゲインを変化させるゲイン可
    変手段と、 前記フォーカス制御手段に対し、その応答信号との位相
    が90度となる外乱信号を印加する外乱印加手段と、 前記外乱印加手段の外乱信号と前記フォーカス制御手段
    の応答信号により前記フォーカス制御系の伝達関数の虚
    数部を演算する虚数部演算手段とを有し、 前記虚数部演算手段は演算結果が略々所定の値となるよ
    うにゲイン可変手段のゲインを調整することを特徴とし
    たフォーカス制御装置。
  3. 【請求項3】時間測定手段を有し、所定の時間毎にゲイ
    ン可変手段のゲインを切り換え調整することを特徴とし
    た請求項1または請求項2記載のフォーカス制御装置。
  4. 【請求項4】時間測定手段を有し、信号の記録あるいは
    再生を行わない時間が所定の時間を越えたときにゲイン
    可変手段のゲインを切り換え調整することを特徴とした
    請求項1または請求項2記載のフォーカス制御装置。
  5. 【請求項5】光記録媒体上に記録されている信号を再生
    できなかったときにゲイン可変手段のゲインを調整した
    後、前記の記録されている信号の再生を再度行うように
    したことを特徴とした請求項1または請求項2記載のフ
    ォーカス制御装置。
  6. 【請求項6】光記録媒体上に記録すべき信号を正しく記
    録できなかったときにゲイン可変手段のゲインを調整し
    た後、前記の記録すべき信号の記録を再度行うようにし
    たことを特徴とした請求項1または請求項2記載のフォ
    ーカス制御装置。
  7. 【請求項7】フォーカス制御手段を具備した装置に加わ
    る振動、衝撃を検出する加速度検出手段を有し、加速度
    検出手段の加速度信号が所定の大きさをこたえたときに
    ゲイン可変手段のゲインを調整することを特徴とした請
    求項1または請求項2記載のフォーカス制御装置。
  8. 【請求項8】フォーカス制御手段を具備した装置内部の
    温度を検出する温度検出手段を有し、温度検出手段によ
    り装置内部の温度が所定値を上回ったことを検出したと
    きにゲイン可変手段のゲインを調整することを特徴とし
    た請求項1または請求項2記載のフォーカス制御装置。
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