JP2575338B2 - 生物学的液体中の遊離リガンドの測定方法および測定用キット - Google Patents

生物学的液体中の遊離リガンドの測定方法および測定用キット

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JP2575338B2 JP7010194A JP1019495A JP2575338B2 JP 2575338 B2 JP2575338 B2 JP 2575338B2 JP 7010194 A JP7010194 A JP 7010194A JP 1019495 A JP1019495 A JP 1019495A JP 2575338 B2 JP2575338 B2 JP 2575338B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、血液中の遊離
ホルモン量など、生物学的液体中の遊離リガンド量を正
確かつ高い信頼性で測定することのできる測定方法およ
び測定用キットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】この数年間、平衡透析法は血清中の遊離
ホルモンの測定に用い得る唯一の方法であり、しかも、
最近に至るまで信頼性のある唯一の方法でもあった。こ
の平衡透析法は、前記測定において、正確度の低さ、煩
雑さ等のいくつかの欠点を免れなかった。しかし、特
に、この方法の結果は、用いたトレーサーの純度に大き
く依存するものである。
【0003】Ellis とEkins,R.は、彼等の論文[Direct
Measurement by Radioimmunoassayof the Free Thyroi
d Hormone Concentration in Serum.(Acta Endocr.(Kb
H.) Suppl. 177:106.1973)]において、遊離ホルモン決
定の直接法を明らかにした。この論文は、平衡透析法に
大きな進歩をもたらせた。すなわち、この論文により、
血清透析物中の遊離リガンドレベルをラジオイムノアッ
セイ(RIA)で直接に測定できるようになり、その結
果、トレーサーの純度上の問題点を解決することが可能
となった。この方法は、今や多くの人により遊離ホルモ
ン測定の頼りとなる方法と考えられている。しかしなが
ら、この方法においても、まだ測定に長時間を要し、操
作者依存的であり、この方法はほとんどの小規模実験室
では実用に適さないものである。
【0004】ここで、遊離ホルモン濃度の決定に用いら
れる間接的な方法を簡単に紹介すると、次のようであ
る。すなわち、テストステロン/ステロイドホルモン結
合性グロブリン(SHBG)比法、サイロキシン(T
4)/サイロイド結合性グロブリン(TBG)比法、遊
離T4インデックス[トリヨードサイロニン(T3)ア
ップテイクとT4に基づく]法および遊離アンドロジェ
ンインデックス法である。
【0005】Ekins.R. は(Free Thyroid Hormones; P
roceedings of the InternationalSymposium held in V
enice, December1979 72〜92)において、“ダイレクト
ダイナミック法”の概念を紹介している。この方法で
は、抗遊離リガンド抗体が透析中の生物学的液体と直接
接触するように用いられている。これは、いわゆる“イ
ムノエキストラクション”法とよばれるものの基礎を構
成するものである。
【0006】このような方法の第1のものが、U.S.Pate
nt第4046870号で述べられている。この方法は、
2チューブイムノアッセイ法によりT4の結合タンパク
からT4特異抗体へのT4の転位率を測定する方法であ
る。この方法は、分析上および臨床上のいくつかの欠点
を免れず、これら欠点により他の遊離T4インデックス
測定法と実質的に差がない。
【0007】また、クリニカルアッセイ社(Cambridge,
MA 02139)により提供された第2の方法は、本当
のイムノエキストラクション法である。この方法は、1
本のチューブを用いた2段階の連続的(逆滴定)技術で
ある。この方法では、血清試料は、固定化抗体とインキ
ュベート(保温、保持)される。そして、続いて洗浄ス
テップの後、固定化抗体中の非占有部位を標識したリガ
ンドを用いて“逆滴定”する。この方法では、血清は標
識されたリガンドと接触しない。しかし、この方法は理
論と違って低感度および正確さの低さを免れず、しかも
両反応とも正確なタイミングを必要とする。
【0008】生物学的試料中の遊離リガンド濃度の決定
のために1段階イムノエキストラクション法が遊離リガ
ンド測定法の発展の次のステップとして開発された。こ
れらの方法では、標識リガンドの内因性結合体からの分
離には物理的分離法ではなく化学的分離法を用いる。こ
の目的をなし遂げるためにいくつかのアプローチが採用
された。その詳細を以下に示す。
【0009】始めの技術は、与えられたリガンドの構造
を化学的に変化させることにより、このリガンドの内因
性結合体との結合を減少あるいは消滅させる方法であ
る。この方法については、ステロイドホルモンに関して
後に詳細に説明する(後述の遊離テストステロンの説明
部分を参照)。また、甲状腺ホルモンの場合、Ross,J.
E. とTapley,D.F. は、(Effect of various analogues
on the binding globulin and prealbumin ,Endocrino
logy 79:493,1966)においては、TBG
(サイロイド結合性グロブリン)のT4への結合が、T
4分子上の3’部位にかなり大きな置換を行なえば、阻
害されることを示した。これに加え、Schall,R.F. 等
は、(An enzymelabeled immunoassay for the measure
ment of unsaturated thyroid hormone binding capaci
ty in serum and plasma,Clin. Chem.25:1078
(abstract) 1979)において、そして、Kleinhamme
r.G.等は、(Enzyme immunoassay for determination o
f thyroxine binding index Clin.Chem.24:103
3,1978)において、各々独立にTBGはワサビダ
イコン(horseradish)のペルオキシダーゼによって標識
されたT4とは結合体形成ができないことを示した。こ
の事実はCorning Glaas Works 社のU.S.Patent No.44
10633に示された1段階イムノエキストラクション
法の基礎をなすものである。すなわち、これは、遊離サ
イロキシン(T4)と、遊離3,5,3’−トリヨード
サイロニン(T3)の測定中にワサビダイコンのペルオ
キシダーゼがT4、T3およびT3の放射標識体に化学
的に結合するためである。
【0010】これに加え、上記初期の技術は、下記報告
においてT3とT4が内因性結合タンパクと最もよく結
合するには、以下の1.2.3.に示す分子構造を必要
とすることも明らかにした。ここで内因性結合タンパク
とは、TBG、サイロイド結合性プレアルブミン(TB
PA)、アルブミンである。Snyder,S.M. 等(Bindingof
thyroid hormones and their analogues to thyroxine
-globullin in humanserum,J.Biol.chem.251:6989,197
6);Stering,K.等(Equilibrium dialysis studies of
the binding of thyroxine by human serum albumin,J.
Clin.lnvest.41:1021,1962) 1.L−アラニン側鎖構造 2.4’−ヒドロキシル基の存在(主にTBPAとアル
ブミンの結合) 3.内側と外側のリング(3,5,3’および5’部
位)における2個所のハロゲン置換の存在
【0011】数百のT3およびT4アナログ(類似化合
物)が合成され、甲状腺ホルモン結合性タンパクとの結
合活性が調べられた。
【0012】U.S.Patent No.4366143と、このパ
テントのヨーロッパでの対応パテントNo.002610
3では、幅広く、これらのアナログを、遊離ホルモンを
測定するための抗体の連続的滴定にではなく、同時に用
いる単純なイムノエキストラクションにおけるトレーサ
ーとして使用する用法が記されている(以下、これらの
パテントをアマーシャム・パテントと記す)。
【0013】活性なアラニン側鎖は、T4とT3のTB
Gへの最適結合に必要とされる。すなわち、アラニン側
鎖のアミノ基が必要不可欠である。上記アマーシャム・
パテントに書かれているアナログは、アラニン側鎖を修
飾したT3およびT4である。理論上は、これらのアナ
ログのTBGへの結合は無視できるが、T3とT4分子
上の4’−ヒドロキシル基が活性で残されている限り、
アルブミンとTBPAとに有意に結合する。アルブミン
とTBPAのサイロニンへの結合が特に生理的条件下で
は定量的であることは、下記において既に確立されてい
る。
【0014】Stering ,K.(Molecular structure of thy
roxine in relatin to its bindingby human serum alb
umin ,J.Clin .lnvest. 43:1721,1964)、およびPages
等(Binding of thyroxine and thyroxine analogs to
human serum prealbumin,Biochem.12:2773,1973)。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】前記アマーシャムのパ
テントがアルブミンとTBPAとのサイロニンへの結合
の重要さを認識しなかったことが、このパテントの技術
を生物学的液体中の遊離T3、遊離T4の真の測定には
不適当なものにしている。事実、このパテントに則った
市販試薬では、遊離ホルモンの測定結果の読み間違いと
不正確さが見られる。これは特に、血液中のアルブミン
レベルにおける顕著な変化により特徴づけられるいくつ
かの病理状態で著しい。
【0016】最近の文献により、アルブミン濃度が前記
アマーシャムの測定法により得られた遊離T4濃度と直
接に関連していることが示されている。さらに、前記ア
マーシャムの方法は、妊娠第3期やひどい非甲状腺疾患
にかかっている患者では誤った低値の遊離T4の結果を
与えることがよく報告され、一方、遺伝性異アルブミン
過サイロキシン血症の場合、T4が異常に血流中のアル
ブミンに結合するため、誤った高目の遊離T4レベルが
得られることがよく報告されている。
【0017】妊娠中、特に第3期においては、血流中の
アルブミンは正常時より低い。アマーシャムの標識T4
アナログトレーサーは、アルブミンとTBPAに非常に
多くの量(99%以上)結合するため、アマーシャムの
測定法では、第3期期間中において、正常の遊離T4値
よりも低い値が得られる。つまり、T4抗体と結合し得
るより多くのアナログトレーサーが存在し、その結果、
高い結合を産み、見掛けの値が低くなる。
【0018】非エステル化遊離脂肪酸は、アルブミンに
結合している標識アナログと置換し得る。そして、さら
に、これらは、妊娠中において正常値より高い濃度で循
環している。これは、前記アマーシャム法で測定した妊
娠中の遊離T4値が所期の値より低くなることを説明し
ている。そして、見掛け上の遊離T4レベルは、アルブ
ミンの標識アナログへの結合が存在する場合には期待さ
れるよりもずっと低い値であることになる。
【0019】この状況はヘパリン療法の場合にもよく示
されており、この場合は非エステル化遊離脂肪酸が有意
に上昇している。アマーシャム法によりヘパリン処理し
た患者で測定した場合、遊離T4とT3のレベルは正常
レベルより低く示される。同じ問題は、非甲状腺性の疾
患でも起こり、この場合、アマーシャム法で得られた遊
離T3とT4の値は、直接平衡透析法と比べた場合、正
常甲状腺群における値より有意に低くなる。
【0020】このアマーシャムのパテントの手法は、遊
離リガンドレベルの測定において、誤りと不正確な方法
であると明らかにされることにより研究者達によって不
充分な技術であるとされている。
【0021】
【課題を解決するための手段】本願発明者は、上記問題
点を解決するために鋭意研究を重ねたところ、リガンド
アナログトレーサーと、ある種の内因性タンパク、例え
ば生物学的液体中のアルブミン、との結合から生じる問
題を解明した。そして、この問題は、特定の化学的結合
阻害試薬の使用により克服されることを知見した。
【0022】本発明は上記知見に基づいてなされたもの
で、技術上に大きな進歩をもたらすものであり、本発明
により始めてより真実に近い遊離リガンドの濃度が測定
可能となる。
【0023】本発明の測定方法は、生物学的液体中に内
因性結合タンパクとそれに結合したテストステロンリガ
ンドが存在する場合に、遊離テストステロンリガンドと
結合テストステロンリガンドとの平衡をくずすことな
く、遊離テストステロンリガンドの濃度を測定する方法
であって、(a)サリチラート、2,4−ジニトロフェノールおよ
び8−アニリノ−1−ナフタレンスルホン酸の非存在下
において、(i)上記内因性結合タンパクのうちの少な
くとも1つのタンパクと結合するがそれ以外の内因性結
合タンパクとは化学的構造のために結合しない性質を有
するリガンドアナログトレーサーと、(ii)遊離テス
トステロンリガンドと結合テストステロンリガンドとの
間の平衡を崩さないような遊離テストステロンリガンド
に対する親和定数および選択性を備えた特異的リガンド
結合体と、(iii)タンパク結合テストステロンリガ
ンドからテストステロンリガンドを解離させることなく
リガンドアナログトレーサーと少なくとも一つの他の内
因性結合タンパクとの間の反応をブロックするのに十分
な濃度の、少なくとも一つの他の内因性結合タンパクに
対するリガンドアナログトレーサーの結合を阻害するス
ルホブロモフタレイン(SBP)とを含む生物学的液体
試料を保持する工程、 (b)上記特異的リガンド結合体に結合した上記リガン
ドアナログトレーサーと、上記特異的リガンド結合体に
結合していない上記リガンドアナログトレーサーとを分
離する工程、および (c)上記生物学的液体中の遊離テストステロンリガン
ドの濃度を測定する工程からなることを特徴とする。
【0024】また本発明の測定用キットは、生物学的液
体中に内因性結合タンパクとそれに結合したテストステ
ロンリガンドが存在する場合に、遊離テストステロンリ
ガンドと結合テストステロンリガンドとの平衡をくずす
ことなく、遊離テストステロンリガンドのみを測定する
測定用キットであって、(i)上記内因性結合タンパクのうちの少なくとも1つ
のタンパクと結合するがそれ以外の内因性結合タンパク
とは化学的構造のために結合しないリガンドアナログト
レーサーと、 (ii)遊離テストステロンリガンドと結合テストステ
ロンリガンドとの間の平衡を崩さないような遊離テスト
ステロンリガンドに対する親和定数および選択性を備え
た特異的リガンド結合体と、 (iii)タンパク結合テストステロンリガンドからテ
ストステロンリガンドを解離させることなく、リガンド
アナログトレーサーと前記少なくとも一つの他の内因性
結合タンパクとの間の反応をブロックするのに十分な濃
度の、上記少なくとも一つの他の内因性結合タンパクに
対するリガンドアナログトレーサーの結合を阻害するス
ルホブロモフタレイン(SBP)とから構成されること
を特徴とする。
【0025】以下、この発明をさらに詳しく説明する。
この発明は、アマーシャムのパテントの欠点に注目し、
そのアナログ法で生じる遊離甲状腺ホルモン測定におけ
る矛盾を、効果的に解決しようとしたものである。
【0026】この発明では、アラニン側鎖が修飾されて
いるT3およびT4の標識されたアナログを用いる。特
に、TBGと結合しないようにα−アミノ基が修飾され
ている。さらに、これらの標識アナログがアルブミンお
よびTBPAと結合するのを防げるようなステップが加
えられている。このことは、注意深く選ばれた一つまた
は複数の外因性化学物質により達せられる。これらの物
質は単独または組み合わせでアルブミンおよびTBPA
の末結合部位に結合して、これらの結合タンパクの結合
部位を飽和させ、サイロニンアナログや非エステル化遊
離脂肪酸等の他の内因性因子との結合能力を無くしてし
まうことができる。これらの化学物質は、TBGとは結
合せず、しかも、その濃度をこれらの化学物質がアルブ
ミンまたはTBPAに結合しているどのようなホルモン
とも置き変わらないように設定しなければならない。
【0027】アルブミンとT4の結合定数は、約500
000である(この数字は、アルブミン分子中のT4の
結合部位が1ヶ所であること、見掛け上の結合定数、す
なわち、複合体生成方向への平衡定数が5×105 l /
モルであること、という仮定に基づいて計算したもので
ある)。同様にして求めたアルブミンとT3との結合定
数は、約24600である。アルブミンは、アニオン性
の色素より遊離T3、T4あるいはそれらのアナログに
対して強い親和性を持つこと、さらに、T3、T4また
はそれらのアナログより遊離脂肪酸の方に強い親和性を
持つことがよく知られている。
【0028】アルブミンの単環芳香族化合物に対する結
合定数は比較的低く、高いものでも、11000(2,
4−ジニトロフェノール)、2800(サリチル酸塩)
などである。
【0029】イムノエクストラクションにおいて、生体
内(invivo )での平衡状態を試験管内(in vitro) で厳
密に保持するためには、生理的状態を厳密に保つ必要が
ある。このためには、pHは7.4でなければならな
い。このpHで、サイロニン分子は3つのイオン基を持
っている。すなわち、カルボキシル陰イオン、α−アミ
ノ陽イオン基、フェノール陰イオンである(このうちフ
ェノール陰イオンは、82%がイオン化している)。こ
のような生理的条件下にアルブミンまたはTBPAが置
かれた場合、比較的多数のアミノ陽イオン基を持つ電荷
の高いアルブミンができる。このアルブミン分子中のア
ミノ陽イオン基が、サイロニン分子中のフェノール陰イ
オンと結合する。このような相互作用が、前記アマーシ
ャムやコーニングの特許の方法における標識アナログが
アルブミンと結合してしまう主な原因である。
【0030】この発明においては、アルブミンとTBP
Aへの比較的高い結合定数を有する2,4−ジニトロフ
ェノール(DNP)とサリチル酸ナトリウムがこれらの
生理的pH条件下でイオン化され、アルブミンやTBP
A分子中のイオンと相互作用できるフェノール陰イオン
を供給するようにしたものである。2,4−ジニトロフ
ェノールまたはサリチル酸ナトリウムまたはこの両方が
過剰に存在した場合、標識T3とT4のアナログのアル
ブミンやTBPAへの結合は、実質的に不可能になる。
2,4−ジニトロフェノールおよび/またはサリチル酸
ナトリウムの適切な濃度設定によるアルブミンやTBP
Aへの標識T3とT4のアナログの結合を妨害する方法
は、遊離甲状腺ホルモンのイムノエクストラクションア
ナログ法において、アルブミンによって引き起こされる
誤った測定結果を除く効果的な手段である。
【0031】この発明では、他の多くの化学的結合阻害
剤も適用可能である。すなわち、リガンドのアナログト
レーサーと循環している内因性の結合タンパクとの好ま
しくない反応を阻害できる試薬として適用可能である。
例えば、モノアリール化合物に様々な置換基をつけたも
のが利用できる。このような化合物の置換基としては、
ニトロ基、カルボキシル基、カルボキシル塩等が含まれ
る。特に、フェノール性水酸基を有するモノアリール化
合物が有効である。他のよい化合物群としては、スルホ
ブロモフタレイン、オレンジレッド、ブロモクレシルブ
ルーなどの色素を挙げることができる。オレイン酸など
の炭素数5以上の高級脂肪酸も有効である。さらに、こ
の他の化合物も、この手法に利用可能である。例えば、
多くのアミノ酸(例えば、トリプトファンなど)は、ア
ルブミンに高い親和性を持つので、この発明の実施に有
効である。他の適切な化合物としては、内因性タンパク
から標識アナログを置換する一方、他の特異的な結合タ
ンパクには結合しないようなT3アナログ、T4アナロ
グ、テストステロンアナログがある。
【0032】この発明は、ヒト体液中に普通に見られる
遊離リガンドの同様なものに対しても、その濃度測定に
利用することができる。このような遊離リガンドとして
は、例えば、サイロキシン、トリヨードサイロニン、テ
ストステロン、コルチゾール、プロゲステロン、エスト
ラジオール、その他のホルモンおよびステロイド、また
は薬物あるいは薬物の代謝産物、ビタミンB12等のビ
タミン、毒素などが挙げられる。
【0033】リガンドの特異的結合体は、遊離のリガン
ドに結合できる。この特異的結合体は、遊離リガンドの
特異的抗体または他の結合物質である。また、様々の遊
離リガンドに対する特異的なリガンド結合物質は、一般
によく知られており、ここでは詳しく記載しない。
【0034】リガンドのアナログトレーサーは、検出
し、測定できるように標識されている。放射性標識は、
良く知られ、利用可能であり、その他に、このような実
験にこれまで利用されてきた標識、例えば、酵素、蛍光
物質、色素、化学発光物質など、リガンドのアナログト
レーサー分子内に入れられるものは、総て利用可能であ
る。
【0035】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明する。 (実施例I)まず、遊離リガンドが遊離甲状腺ホルモン
の場合について、全般的に説明し、続いて、各々の実施
例(1〜7)を示す。
【0036】L−サイロキシン(T4)と3,5,3’
−トリヨードサイロニン(T3)に対する抗体は、既知
の方法、例えば、牛血清アルブミンにT4とT3を結合
させたものを免疫原として用いて兎から得ることができ
る。
【0037】ジ・ヨードサイロニン(T2)とT3のア
ナログは、アラニン側鎖のα−アミノ基をスクシニル化
して各々N−L−ジ・ヨードサイロニンコハク酸アミド
と、N−L−トリヨードサイロニンコハク酸アミドをつ
くり、これらに通常の方法のヨード化を行ない、各々N
125 I−L−トリヨードサイロニンコハク酸アミド
と、N−125 I−L−サイロキシンコハク酸アミドとす
ることによって調製される。続いてこれらのトレーサー
を0.01M HEPES (N−2−ハイドロキシエチルピペ
ラジン−N’−エタンスルホン酸)緩衝液pH7.4
と、0.01%アジ化ナトリウムに混合する。そして、
T3、T4が検出されない0.1%活性炭吸着ヒト血清
アルブミン(CAHSA)と、後に示すような結合阻害
剤を加える。標準液の調製は、様々の量のT3またはT
4をT3および/またはT4の全く検出されないヒト血
清に加え、平衡透析法に対応させて濃度を測定して各々
の量を決定する。
【0038】T3とT4の抗血清は、ポリプロピレンチ
ューブ(12×75mm)の壁面にCatt,K. 等によって
(Solid phase radioimmunoassay in antibody-coated
tubes,Science158:1570,1967)に記載された方法によっ
て吸着(固定化)させる。
【0039】遊離T4の測定の場合は、50μlの標準
液または患者検体を抗T4抗体を塗布したチューブにピ
ペットで入れ、このチューブに1.0mlの標識T4ア
ナログ溶液を加える。そして、このチューブを37℃で
60分間保持する。その後、このチューブ中の液を捨
て、チューブに結合した放射能を測定する。結果は、検
量線より計算し、ng/dlで表示される。
【0040】遊離T3の測定の場合は、100μlの標
準液または患者検体を抗T3抗体を塗布したチューブに
ピペットで入れ、1.0mlのT3の標識アナログ溶液
を加える。このチューブを37℃で3時間保持し、チュ
ーブ内の液を捨て、放射能を測定する。結果を遊離T4
の場合と同様に計算し、pg/mlで表示される。
【0041】(実施例I−1)遊離T3または遊離T4
の測定系における抗体は、遊離ホルモンと、その輸送ホ
ルモンの生理的平衡に影響を与えないものでなければな
らない。この平衡は、その特異抗体を測定系に加えた場
合にも保持されなければならない。従って、抗体は遊離
の測定物との親和定数および特異性を考慮して選定する
ことが必須である。このような抗体はゆっくりした反応
動力学を持つべきである。
【0042】遊離T4の場合、250000倍に希釈し
た抗体(2.0ng IgG/チューブ)を用いた。ア
ルブミンとアルブミン阻害剤の存在下および非存在下で
のトレーサーの抗体への結合の影響を見るために、25
0000倍希釈(2.0ngIgG/チューブ)と、2
5000倍希釈(20.0ng IgG/チューブ)の
抗体塗布チューブを用意した。最大結合率は、前記遊離
T4の操作手順に従って決定した。その結果を表1に示
す。
【0043】
【表1】
【0044】・トレーサーAは、CAHSA、0標準液
ともに含まず(アルブミンを全く含まない系)。 ・トレーサーBは、CAHSAを添加せず、50μlの
0標準液由来1.0mgのアルブミン/チューブを含
む。 ・トレーサーCは、1mgのCAHSA/チューブを含
み、0標準液を含まず。 ・トレーサーDは、1mgのCAHSA/チューブと5
0μlの0標準液を含む。 ・トレーサーEは、1mgのCAHSA/チューブと5
0μlの0標準液と0.5mg/mlサリチル酸ナトリ
ウムを含む。 ・トレーサーFは、1mgのCAHSA/チューブと5
0μlの0標準液と5.0mg/mlサリチル酸ナトリ
ウムを含む。 ・トレーサーGは、1mgのCAHSA/チューブと5
0μlの0標準液と1mg/mlサリチル酸ナトリウム
と1mg/ml2,4−ジニトロフェノールを含む。 ・トレーサーHは、1mgのCAHSA/チューブと5
0μlの0標準液と25mg/mlサリチル酸ナトリウ
ムと0.15mg/ml2,4−ジニトロフェノールを
含む。
【0045】アルブミンまたは他のタンパクが存在しな
い場合、抗体の量はどちらでも、12 5I−T4・アナロ
グトレーサーの抗体への結合は同等である。トレーサー
Dに見られるように、トレーサーと0濃度標準液に由来
するアルブミンが2mg/チューブ存在する場合、アナ
ログトレーサーは、低濃度の抗体には結合せず、高濃度
の抗体にのみわずか9.4%結合する。アルブミンが1
mg/チューブだけ存在する場合、すなわち、トレーサ
ーBとトレーサーCとでは、低濃度抗体への結合は、そ
れぞれ2.6%、1.4%と無視できるぐらい低い。と
ころが、高濃度抗体に対しては、18.1%、15.0
%と明らかに結合している。これらの実験から以下の結
論が得られる。
【0046】1.2.0mg/チューブのIgG抗体が
存在しても、実質的に1〜2mg/チューブのアルブミ
ンはアナログトレーサーと結合する。 2.2.0mg/チューブのIgG抗体は、そのアナロ
グトレーサーに対する親和性がアルブミンのそれより低
い。 3.アルブミン阻害剤が存在すると、標識されたT4の
アナログトレーサーの抗体への結合が回復する。 同様の実験を遊離T3の測定に対しても行なった。その
結果を表2に示す。この表から明らかなように、遊離T
4の場合と同様の結論が導かれる。
【0047】
【表2】
【0048】・トレーサーAは、CAHSA、0標準液
ともに含まず(アルブミンを全く含まない系)。 ・トレーサーBは、CAHSAを含まず、100μlの
0標準液を含む。 ・トレーサーCは、1.0mgのCAHSA/チューブ
を含み、0標準液を含まず。 ・トレーサーDは、1.0mgのCAHSA/チューブ
と100μlの0標準液を含む。 ・トレーサーEは、1.0mgのCAHSA/チューブ
と100μlの標準液と1.0mg/mlサリチル酸ナ
トリウムを含む。 ・トレーサーFは、1mg/mlのCAHSA/チュー
ブと100μlの0標準液と5.0mg/mlサリチル
酸ナトリウムを含む。 ・トレーサーGは、1.0mg/mlのCAHSA/チ
ューブと100μlの0標準液と1.0mg/mlサリ
チル酸ナトリウムと1.0mg/ml2,4−ジニトロ
フェノールを含む。 ・トレーサーHは、1.0mg/mlのCAHSA/チ
ューブと100μlの0標準液と25mg/mlサリチ
ル酸ナトリウムと0.15mg/ml2,4−ジニトロ
フェノールを含む。
【0049】このように、遊離ホルモンの測定に用いら
れる抗体の濃度が重要であるから、抗体がホルモンを内
因性タンパクから奪わないように注意深く濃度を決定し
なければならない。アマーシャムとコーニングの特許に
おいては、遊離T3、遊離T4の測定に用いられる抗体
の濃度が示されていない。しかしながら、両者の特許に
は、アルブミンの阻害剤について言及していないので、
前記実験から推察すると、両者の特許では、抗体とアナ
ログトレーサーをうまく結合させるために、かなり高濃
度の抗体を使用しているものと考えられる。
【0050】(実施例I−2)実施例I−1に基づい
て、T3抗体およびT4抗体の濃度は、各々5.5ng
/チューブ、2.0ng/チューブと決定した。次に、
遊離T3と遊離T4法で使用するアルブミン阻害剤の至
適濃度を決めるため、以下の表3〜10に示す化合物を
各表に示すように様々な濃度でアナログトレーサーに添
加した[各々のトレーサーは1mg/mlのCAHSA
(活性炭吸着ヒト血清アルブミン)を含んでいる]。そ
して、0標準液を各々のチューブに加え、最大結合率を
測定した。
【0051】本発明は、もちろん表3〜10の例に限定
されるものではない。抗体濃度が一定の場合、トレーサ
ーの結合率は、アルブミン阻害剤の濃度の増加に伴っ
て、プラトーに達するまで増加する。このことは、適当
な濃度のアルブミン阻害剤の使用により、T3およびT
4標識アナログのアルブミンへの結合を排除できること
を示している。
【0052】
【表3】
【0053】
【表4】
【0054】
【表5】
【0055】
【表6】
【0056】
【表7】
【0057】
【表8】
【0058】
【表9】
【0059】
【表10】
【0060】(実施例I−3)この遊離T3、T4の測
定系においては、アルブミンが影響を及ぼさないことを
示すため、以下の実験を行なった。5人の健常者および
5人の妊娠第3三月期の女性よりなる10人分の血清を
集め、各々を4分割した。そのうち3つには、活性炭吸
着ヒト血清アルブミン(CAHSA)の凍結乾燥物を各
々終濃度10、20、50mg/mlとなるように添加
した。この4つをさらに2分割し、遊離T3と遊離T4
を4種の異なるトレーサー(表11および12)を用い
て二重測定を行なった。
【0061】
【表11】
【0062】
【表12】
【0063】そして、健常者(N=5)のアルブミン濃
度の各々の平均をとり、4種の添加したアルブミン濃度
に対してトレーサー毎にプロットした(図1ないし図1
6)。以上の実験により、遊離T3、遊離T4の測定に
おいて、トレーサーIVの条件で測定を行なえば、5.0
g/dlまでのアルブミンの添加(全量としては約8g
/dl)でも全く影響を受けないことが明らかとなっ
た。
【0064】(実施例I−4)前記標識された遊離T
3、遊離T4アナログトレーサーにTBG(サイロイド
結合グロブリン)が結合するかどうかを決定するため、
実施例3で述べたトレーサーIVを用いて以下の実験を行
なった。T3とT4を全く含まないTBGを各々0標準
液に所定濃度加え、各遊離T3、遊離T4を測定した。
測定された結合率(B/B0 ) を表13に示す。
【0065】
【表13】
【0066】(実施例I−4a)実施例3のトレーサー
IVを用い、0標準液へのアルブミンの添加の影響を確
認した。T3とT4を全く含まないCAHSAを各遊離
T3とT4に対する0標準液に所定濃度添加した。表1
4に測定した結合率(B/B0 )を示す。
【0067】
【表14】
【0068】実施例4および4aからトレーサーIVを
用いれば、アナログトレーサーは、TBGにもアルブミ
ンにも結合しないことが示された。
【0069】(実施例1−5)アルブミン結合性の色素
であるスルホブロモフタレインも高濃度では、T3、T
4からアルブミン分子を奪うことができる。低濃度のス
ルホブロモフタレインは、T3およびT4のアナログト
レーサーのアルブミンへの結合を阻止できない。ヨード
化したT4アナログを上記のように調製した後、5つに
分割し、その各々に表15に示す色素を添加した。
【0070】
【表15】
【0071】各々の測定は同一条件下で、20検体で行
なった。トレーサー1を標準として各トレーサーの実験
データを表示した(表16、17)。0.05%スルホ
ブロモフタレインを用いたトレーサー3の結果は、トレ
ーサー1の結果とよく相関している。ただし、トレーサ
ー1の場合と比べて20%程低値となる。トレーサー4
を用いると、トレーサー1の場合とよい相関をとるが、
遊離T4値はかなり高くなる。これは高濃度のスルホブ
ロモフタレインによってアルブミンからT4の遊離が起
きているためと推察される。
【0072】
【表16】
【0073】
【表17】
【0074】トレーサー5で用いたオレイン酸もアルブ
ミンとトレーサー結合を阻止することが部分的には可能
である。しかし、このトレーサーを用いた検体の測定
は、トレーサー1の場合とあまりよい相関を示さない。
オレイン酸は高濃度(1mmol/l以上)では、アル
ブミンに結合した内因性のT4を遊離させてしまう。
【0075】(実施例I−6)遊離T3と遊離T4の測
定系における遊離脂肪酸の影響を調べるため、患者検体
を凍結乾燥し、様々の濃度のオレイン酸を加えた蒸留水
で再構成した。これらの検体に対し遊離T3、遊離T4
を上記操作法に従って測定した。この時、実施例I−3
に記載した4種のトレーサーの各々について測定を行な
った。表18と表19にデータを要約したが、遊離T4
の測定では、トレーサー1は明らかにアルブミンに結合
しており、オレイン酸によってアルブミン上のトレーサ
ーが置き変わり、遊離T4値が見掛け上低値となってい
ることが判る。トレーサーIIと、IIIもアルブミンへの
結合が起こっているが、その程度は低い。しかしなが
ら、トレーサーIVは実施例I−3でも示したように、ア
ルブミンの影響を全く受けず、従って、オレイン酸の影
響も全く受けないことが判る。
【0076】遊離T3でも遊離T4と同様の結果が得ら
れ、トレーサーIVでは、非エステル化遊離脂肪酸の影
響を全く受けないことから実施例I−3の結果を確認す
ることができた。
【0077】
【表18】
【0078】
【表19】
【0079】(実施例I−7)上記の遊離T4の測定結
果が妊娠および非甲状腺疾患に影響されないことを示す
ため、185人の甲状腺正常者、25人の妊娠第1三ケ
月期、49人の第3三ケ月期および14人の非甲状腺疾
患患者について、実施例3のトレーサーIVを用いて測
定を行なった。表20および第17〜21図に要約した
ように、統計的にも臨床的にも妊婦および非甲状腺疾患
患者と甲状腺正常者とは、遊離T4に変化がなかった。
このことから、適当なアルブミン阻害剤の添加により生
体内でのアルブミン量の変化に影響を受けずに遊離T4
値を測定できることが確認された。
【0080】
【表20】
【0081】なお、前記実施例1では、遊離リガンドが
遊離甲状腺ホルモンの場合で、そのアナログトレーサー
としてN−125 I−L−トリヨードサイロニンコハク酸
アミドとN−125 I−L、サイロキシンコハク酸アミド
とを用いたが、同様にして、N−125 I−Lトリヨード
サイロニンコハク酸イミドとN−125 I−Lサイロキシ
ンコハク酸イミドも使用可能である。
【0082】次に、遊離リガンドが遊離テストステロン
である場合の実施例を示す。 (実施例II)ステロイド分子は、分子中のA環B環の両
方または一方が、結合タンパクと結合していることが既
に知られている(Forest,M. 等 in Physiological Pep
tides and New Trends in Radioimmunology." C.A. Biz
ollon, ed., Amsterdam : Elsevier/North Holland Bio
chemical Press, 1981, p249-266) 。A環とB環の一方
または両方を化学的に変化されることにより、殆どのス
テロイド(テストステロン、プロゲステロン、エストラ
ジオールなど)を内因性の結合体への結合を阻止するこ
とができる。以下、テストステロンをこれらの一例とし
て選んで説明する。
【0083】テストステロンのアナログである6−ハイ
ドロキシテストステロン−19−カルボキシメチルエー
テルヒスタミンは、通常の手法により合成され、125
で標識される。このアナログトレーサーを、1mg/m
lの活性炭吸着ヒト血清アルブミン(CAHSA)と、
0.01%のアジ化ナトリウムを含む0.01M HE
PES緩衝液pH7.4に溶解する。これに以下の実施
例に示すように阻害剤を添加した。
【0084】抗テストステロン抗体は、ステトステロン
−19−カルボキシメチルエーテルを牛血清アルブミン
に結合させたものを免疫原として兎の中で作製し、遊離
T4および遊離T3の項で説明したのと同様の方法で、
12×75mmのポリプロピレンチューブの管壁に固定
化する。遊離テストステロンの標準液は、様々な量のテ
ストステロンをテストステロンを含まないヒト血清に添
加し、直接平衡透析法により遊離テストステロン値を測
定してpg/mlの単位で表した。遊離テストステロン
の測定には、50μlの標準液または患者検体を抗テス
トステロン抗体を塗布したチューブに入れ、続いて1.
0mlのヨード化した6−ハイドロキシテストステロン
−19−カルボキシメチルエーテルヒスタミン・アナロ
グ溶液を加える。このチューブを37℃で4時間保持
し、その後、内容液を捨てて、チューブに付着した放射
能を測定する。結果は標準曲線より計算する。
【0085】(実施例II−1)阻害剤の遊離テストステ
ロン測定に対する効果を調べるため、20検体を上記の
方法で測定した。スルホブロモフタレイン(SBP)の
添加または無添加に対し、サリチル酸ナトリウム、2,
4−ジニトロフェノーロル(DNP)、8−アニリノ−
1−ナフタレンスルホン酸(ANS)を様々の濃度で加
えて測定を行なった。各のトレーサーに対する測定値
(平均)を表21に示した。また、トレーサー間の相関
について表22に示した。
【0086】
【表21】
【0087】
【表22】
【0088】この結果よりスルホブロモフタレイン(S
BP)を添加しない場合、遊離テストステロン値が14
%程上昇することが判る(AおよびA’)。これは、S
BPがアルブミン結合したテストステロンを奪うことな
く、アナログトレーサーのアルブミンへの結合を阻害す
るからである。
【0089】さらに重要な点としてサリチル酸(塩)、
2,4−ジニトロフェノール、ANSは、アルブミンお
よび/またはSHBG(Sex Hormon Binding Globuli
n; 性ホルモン結合性グロブリン)からテストステロン
を奪ってしまうことも判った。
【0090】(実施例II−2)遊離テストステロン測定
におけるアナログトレーサーの効率をチェックするた
め、アナログトレーサーであるヨウ素化された6−ハイ
ドロキシテストステロン−19−カルボキシメチルエー
テルヒスタミンと、通常のトレーサーであるヨウ素化さ
れたテストステロン−19−カルボキシメチルエーテル
ヒスタミンとを遊離テストステロン測定について患者検
体を用いて比較を行なった。
【0091】トレーサーは前記のように、10μg/m
lのスルホブロモフタレインを加えて調製した。両トレ
ーサーが同等の感度を示すように、ポリプロピレンチュ
ーブ内壁に固定化する抗体の量を調節した。患者の検体
数は20であり、そのテストステロン平均値(pg/m
l)と両者の相関式を表23に示す。
【0092】
【表23】
【0093】この結果は、アナログトレーサーである6
−ハイドロキシテストステロン−19−カルボキシメチ
ルエーテルヒスタミン−125 Iが内因性の結合物(SH
BG等)に結合せず、一方、テストステロン−19−カ
ルボキシメチルエーテルヒスタミン−125 Iは結合する
ことを示している。従って、アナログトレーサーに比
べ、通常のトレーサーでは、約50%高いテストステロ
ン測定値となる。
【0094】(実施例II−3)遊離テストステロン測定
系における性ホルモン結合性グロブリン(SHBG)レ
ベルの影響を調べるため、活性炭処理したヒト血清にS
HBGを400μg/ml(正常値の10倍レベル)加
えて測定を行なった。上記の方法で遊離テストステロン
を測定すると、結合率B/B0 は99%であった。
【0095】活性炭により血清中のテストステロンは完
全に吸収されるので、遊離テストステロン値は0とな
る。従って、B/B0 はSHBGの有無と無関係に10
0%となるはずである。この結果は、前記アナログトレ
ーサーが高濃度のSHBGに結合しないことを示してい
る。
【0096】(実施例II−4)血清中のアルブミン濃度
が上昇した場合の遊離テストステロン測定に対する影響
を調べるため、3種の凍結乾燥した検体を0、1.0、
2.0、3.0g/dlのアルブミン水溶液で再溶解し
た。すべての検体は実施例II−3と同じトレーサーを
用い、同時に測定し、表24の結果を得た。
【0097】
【表24】
【0098】この結果は、この遊離テストステロン測定
系は、アルブミンのレベルが大きく上昇しても臨床上な
んら影響を受けないことを示している。3.0g/dl
のアルブミンを加えた試料では、全測定系で7g/dl
という非常に高いレベルのアルブミンを含んでいること
が注目される。
【0099】(実施例II−5)いくつかの患者検体に対
して、実施例II−3と同じトレーサーを用い、遊離テス
トステロンを活性炭処理前と処理後で測定した。表25
には処理前の遊離テストステロン濃度をpg/mlで、
処理後の遊離テストステロン濃度を結合率(%B/B
0 )で表した。
【0100】
【表25】
【0101】この結果、検体の活性炭処理により遊離テ
ストステロン値は、アナログ法で測定した場合、ほとん
ど0、つまり、ほぼ100%の結合率(B/B0 )とな
っていることが判る。活性炭処理は、テストステロンを
はじめとする他のステロイド類および低分子物質を取り
除き、アルブミン、SHBGや他の結合タンパクは除か
ない。従って、この実験は、アナログ法による遊離テス
トステロンの測定が結合タンパク等のレベルに影響され
ないことを示している。
【0102】(実施例II−6)非エステル化遊離脂肪酸
(NFEA)は、アルブミンに対する結合定数がテスト
ステロンより大きい。このことを様々の量のオレイン酸
を3種類の検体に添加する実験で確認した。遊離テスト
ステロン測定に対するこの効果について表26に示し
た。
【0103】
【表26】
【0104】
【発明の効果】以上説明したように 本発明の測定方法
は、生物学的液体中に内因性結合タンパクとそれに結合
したテストステロンリガンドが存在する場合に、遊離テ
ストステロンリガンドと結合テストステロンリガンドと
の平衡をくずすことなく、遊離テストステロンリガンド
の濃度を測定する方法であって、(a)試料となる生物学
的液体を、上記内因性結合タンパクのうちの少なくとも
1つのタンパクと結合するがそれ以外の内因性結合タン
パクとは化学的構造のために結合しない性質を有するリ
ガンドアナログトレーサー、および上記リガンドと上記
リガンドアナログトレーサーに対して特異的に結合する
特異的リガンド結合体とともに保持する保持工程と、
(b)上記特異的リガンド結合体と結合した上記リガンド
アナログトレーサーと、上記特異的リガンド結合体と結
合していない上記リガンドアナログトレーサーとを分離
する分離工程と、(c)上記生物学的液体中の遊離リガン
ドの濃度を決定する測定工程とからなる生物学的液体中
の遊離テストステロンリガンドの濃度の測定方法におい
て、上記特異的リガンド結合体は、5×105l/mo
l以下の結合定数を有し、上記工程(a)では、置換基
を持つモノアリール有機化合物、色素、脂肪酸、および
アミノ酸よりなる群から選択された少なくとも1種の特
異的化学阻害剤を、すべての上記内因性結合タンパクか
ら上記テストステロンリガンドを解離させずに、上記ア
ナログトレーサー結合性内因性結合タンパクから上記リ
ガンドアナログトレーサーを解離させる濃度に調整し、
その調整された特異的化学阻害剤を、上記生物学的液
体、上記リガンドアナログトレーサー、および上記特異
的リガンド結合体とともに保持することを特徴とする生
物学的液体中の遊離テストステロンの濃度の測定方法で
ある。
【0105】また本発明の測定用キットは、生物学的液
体中に内因性結合タンパクとそれに結合したテストステ
ロンリガンドが存在する場合に、遊離テストステロンリ
ガンドと結合テストステロンリガンドとの平衡をくずす
ことなく、遊離テストステロンリガンドのみを測定する
測定用キットであって、(i)上記内因性結合タンパクの
うちの少なくとも1つのタンパクと結合するがそれ以外
の上記内因性結合タンパクとは化学的構造のために結合
しない性質を有するリガンドアナログトレーサーと、(i
i)上記リガンドと上記リガンドアナログトレーサーに対
して特異的に結合し、その結合定数が5×105l/m
ol以下である特異的リガンド結合体と、(iii)置換基
を持つモノアリール有機化合物、色素、脂肪酸、および
アミノ酸よりなる群から選択され、すべての上記内因性
結合タンパクから上記テストステロンリガンドを解離さ
せずに、上記アナログトレーサー結合性内因性結合タン
パクから上記リガンドアナログトレーサーを解離させる
濃度に調整された少なくとも1種の特異的化学阻害剤と
から構成されることを特徴とする。
【0106】従って、本発明の生物学的液体中の遊離テ
ストステロンリガンドの測定方法および測定用キット
は、遊離テストステロンの正確な濃度測定に利用するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
遊離T3、遊離T4の測定系においては、アルブミンが
影響を及ぼさないことを示す本発明の実施例I−3を説
明するためのもので、各々横軸にCAHSA(活性炭吸
着ヒト血清アルブミン)濃度(mg/ml)を取り、縦
軸に遊離T3濃度(pg/ml)または遊離T4濃度
(mg/dl)を取って示したグラフ、
【図1】遊離T3の測定系においては、アルブミンが影
響を及ぼさないことを示す本発明の実施例I−3を説明
するためのもので、横軸にCAHSA(活性炭吸着ヒト
血清アルブミン)濃度(mg/ml)を取り、縦軸に遊
離T3濃度(pg/ml)を取って示したグラフであ
る。
【図2】遊離T3の測定系においては、アルブミンが影
響を及ぼさないことを示す本発明の実施例I−3を説明
するためのもので、横軸にCAHSA(活性炭吸着ヒト
血清アルブミン)濃度(mg/ml)を取り、縦軸に遊
離T3濃度(pg/ml)を取って示したグラフであ
る。
【図3】遊離T3の測定系においては、アルブミンが影
響を及ぼさないことを示す本発明の実施例I−3を説明
するためのもので、横軸にCAHSA(活性炭吸着ヒト
血清アルブミン)濃度(mg/ml)を取り、縦軸に遊
離T3濃度(pg/ml)を取って示したグラフであ
る。
【図4】遊離T3の測定系においては、アルブミンが影
響を及ぼさないことを示す本発明の実施例I−3を説明
するためのもので、横軸にCAHSA(活性炭吸着ヒト
血清アルブミン)濃度(mg/ml)を取り、縦軸に遊
離T3濃度(pg/ml)を取って示したグラフであ
る。
【図5】遊離T3の測定系においては、アルブミンが影
響を及ぼさないことを示す本発明の実施例I−3を説明
するためのもので、横軸にCAHSA(活性炭吸着ヒト
血清アルブミン)濃度(mg/ml)を取り、縦軸に遊
離T3濃度(pg/ml)を取って示したグラフであ
る。
【図6】遊離T3の測定系においては、アルブミンが影
響を及ぼさないことを示す本発明の実施例I−3を説明
するためのもので、横軸にCAHSA(活性炭吸着ヒト
血清アルブミン)濃度(mg/ml)を取り、縦軸に遊
離T3濃度(pg/ml)を取って示したグラフであ
る。
【図7】遊離T3の測定系においては、アルブミンが影
響を及ぼさないことを示す本発明の実施例I−3を説明
するためのもので、横軸にCAHSA(活性炭吸着ヒト
血清アルブミン)濃度(ng/ml)を取り、縦軸に遊
離T3濃度(pg/ml)を取って示したグラフであ
る。
【図8】遊離T3の測定系においては、アルブミンが影
響を及ぼさないことを示す本発明の実施例I−3を説明
するためのもので、横軸にCAHSA(活性炭吸着ヒト
血清アルブミン)濃度(mg/ml)を取り、縦軸に遊
離T3濃度(pg/ml)を取って示したグラフであ
る。
【図9】遊離T4の測定系においては、アルブミンが影
響を及ぼさないことを示す本発明の実施例I−3を説明
するためのもので、各々横軸にCAHSA(活性炭吸着
ヒト血清アルブミン)濃度(mg/ml)を取り、縦軸
に遊離T4濃度(mg/dl)を取って示したグラフで
ある。
【図10】遊離T4の測定系においては、アルブミンが
影響を及ぼさないことを示す本発明の実施例I−3を説
明するためのもので、各々横軸にCAHSA(活性炭吸
着ヒト血清アルブミン)濃度(mg/ml)を取り、縦
軸に遊離T4濃度(mg/dl)を取って示したグラフ
である。
【図11】遊離T4の測定系においては、アルブミンが
影響を及ぼさないことを示す本発明の実施例I−3を説
明するためのもので、各々横軸にCAHSA(活性炭吸
着ヒト血清アルブミン)濃度(mg/ml)を取り、縦
軸に遊離T4濃度(mg/dl)を取って示したグラフ
である。
【図12】遊離T4の測定系においては、アルブミンが
影響を及ぼさないことを示す本発明の実施例I−3を説
明するためのもので、各々横軸にCAHSA(活性炭吸
着ヒト血清アルブミン)濃度(mg/ml)を取り、縦
軸に遊離T4濃度(mg/dl)を取って示したグラフ
である。
【図13】遊離T4の測定系においては、アルブミンが
影響を及ぼさないことを示す本発明の実施例I−3を説
明するためのもので、各々横軸にCAHSA(活性炭吸
着ヒト血清アルブミン)濃度(mg/ml)を取り、縦
軸に遊離T4濃度(mg/dl)を取って示したグラフ
である。
【図14】遊離T4の測定系においては、アルブミンが
影響を及ぼさないことを示す本発明の実施例I−3を説
明するためのもので、各々横軸にCAHSA(活性炭吸
着ヒト血清アルブミン)濃度(mg/ml)を取り、縦
軸に遊離T4濃度(mg/dl)を取って示したグラフ
である。
【図15】遊離T4の測定系においては、アルブミンが
影響を及ぼさないことを示す本発明の実施例I−3を説
明するためのもので、各々横軸にCAHSA(活性炭吸
着ヒト血清アルブミン)濃度(mg/ml)を取り、縦
軸に遊離T4濃度(mg/dl)を取って示したグラフ
である。
【図16】遊離T4の測定系においては、アルブミンが
影響を及ぼさないことを示す本発明の実施例I−3を説
明するためのもので、各々横軸にCAHSA(活性炭吸
着ヒト血清アルブミン)濃度(mg/ml)を取り、縦
軸に遊離T4濃度(mg/dl)を取って示したグラフ
である。
【図17】遊離T4の測定結果が妊娠および非甲状腺疾
患に影響されないことを示す本発明の実施例I−7を説
明するためのもので、横軸に遊離T4濃度を取り、縦軸
に頻度を取って示したグラフである。
【図18】遊離T4の測定結果が妊娠および非甲状腺疾
患に影響されないことを示す本発明の実施例I−7を説
明するためのもので、横軸に遊離T4濃度を取り、縦軸
に頻度を取って示したグラフである。
【図19】遊離T4の測定結果が妊娠および非甲状腺疾
患に影響されないことを示す本発明の実施例I−7を説
明するためのもので、横軸に遊離T4濃度を取り、縦軸
に頻度を取って示したグラフである。
【図20】遊離T4の測定結果が妊娠および非甲状腺疾
患に影響されないことを示す本発明の実施例I−7を説
明するためのもので、横軸に遊離T4濃度を取り、縦軸
に頻度を取って示したグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−194364(JP,A) 特開 昭60−38654(JP,A) 特開 昭57−133354(JP,A) 特開 昭58−86461(JP,A) 特表 昭60−501674(JP,A) 米国特許3928553(US,A) 欧州特許出願公開89806(EP,A) 欧州特許出願公開15687(EP,A)

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生物学的液体中に内因性結合タンパクと
    それに結合したテストステロンリガンドが存在する場合
    に、遊離テストステロンリガンドと結合テストステロン
    リガンドとの平衡をくずすことなく、遊離テストステロ
    ンリガンドの濃度を測定する方法であって、(a)サリチラート、2,4−ジニトロフェノールおよ
    び8−アニリノ−1−ナフタレンスルホン酸の非存在下
    において、(i)上記内因性結合タンパクのうちの少な
    くとも1つのタンパクと結合するがそれ以外の内因性結
    合タンパクとは化学的構造のために結合しない性質を有
    するリガンドアナログトレーサーと、(ii)遊離テス
    トステロンリガンドと結合テストステロンリガンドとの
    間の平衡を崩さないような遊離テストステロンリガンド
    に対する親和定数および選択性を備えた特異的リガンド
    結合体と、(iii)タンパク結合テストステロンリガ
    ンドからテストステロンリガンドを解離させることなく
    リガンドアナログトレーサーと少なくとも一つの他の内
    因性結合タンパクとの間の反応をブロックするのに十分
    な濃度の、少なくとも一つの他の内因性結合タンパクに
    対するリガンドアナログトレーサーの結合を阻害するス
    ルホブロモフタレイン(SBP)とを含む生物学的液体
    試料を保持する工程、 (b)上記特異的リガンド結合体に結合した上記リガン
    ドアナログトレーサーと、上記特異的リガンド結合体に
    結合していない上記リガンドアナログトレーサーとを分
    離する工程、および (c)上記生物学的液体中の遊離テストステロンリガン
    ドの濃度を測定する工程からなることを特徴とする生物
    学的液体中の遊離テストステロンリガンドの濃度の測定
    方法。
  2. 【請求項2】 上記工程(C)において、上記生物学的
    液体中の遊離テストステロンリガンドの濃度が、上記特
    異的リガンド結合体に結合した上記試料中のリガンドア
    ナログトレーサーと、上記特異的リガンド結合体に結合
    した既知の遊離テストステロンリガンド標準液中のリガ
    ンドアナログトレーサーとを比較することにより決定さ
    れることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 上記特異的リガンド結合体が上記遊離テ
    ストステロンリガンドの抗体であることを特徴とする
    求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 上記特異的リガンド結合体が固相に固定
    されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれ
    か一項に記載の方法。
  5. 【請求項5】 上記固相がポリプロピレンであることを
    特徴とする請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 上記リガンドアナログトレーサーが少な
    くとも一つの放射性原子、酵素、蛍光物質、発色団、あ
    るいは化学的発光物質で標識されていることを特徴とす
    請求項1ないし5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 【請求項7】 上記リガンドアナログトレーサーが、ヨ
    ウ素化された6−ハイドロキシテストステロン−19−
    カルボキシメチル・エーテルヒスタミンであることを特
    徴とする請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 上記保持を約37℃かつ約pH7.4で
    おこなうことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか
    一項に記載の方法。
  9. 【請求項9】 テストステロンリガンドを含まないヒト
    血清に種々の量のテストステロンリガンドを添加するこ
    とによって上記遊離テストステロンリガンド標準液を調
    製し、平衡透析によって測定して遊離リガンドの値を決
    定することを特徴とする請求項2記載の方法。
  10. 【請求項10】 生物学的液体中に内因性結合タンパク
    とそれに結合したテストステロンリガンドが存在する場
    合に、遊離テストステロンリガンドと結合テストステロ
    ンリガンドとの平衡をくずすことなく、遊離テストステ
    ロンリガンドの濃度を測定する測定用キットであって、 (i)上記内因性結合タンパクのうちの少なくとも1つ
    のタンパクと結合するがそれ以外の内因性結合タンパク
    とは化学的構造のために結合しないリガンドアナログト
    レーサーと、 (ii)遊離テストステロンリガンドと結合テストステ
    ロンリガンドとの間の平衡を崩さないような遊離テスト
    ステロンリガンドに対する親和定数および選択性を備え
    た特異的リガンド結合体と、 (iii)タンパク結合テストステロンリガンドからテ
    ストステロンリガンドを解離させることなく、リガンド
    アナログトレーサーと前記少なくとも一つの他の 内因性
    結合タンパクとの間の反応をブロックするのに十分な濃
    度の、上記少なくとも一つの他の内因性結合タンパクに
    対するリガンドアナログトレーサーの結合を阻害するス
    ルホブロモフタレイン(SBP)とから構成されること
    を特徴とする生物学的液体中の遊離テストステロンリガ
    ンドの測定用キット。
  11. 【請求項11】 上記特異的リガンド結合体が上記遊離
    テストステロンリガンドの抗体であることを特徴とする
    請求項10記載の測定用キット。
  12. 【請求項12】 上記特異的リガンド結合体が固相に固
    定されていることを特徴とする請求項10または11に
    記載の測定用キット。
  13. 【請求項13】 上記固相がポリプロピレンであること
    を特徴とする請求項12記載の測定用キット。
  14. 【請求項14】 上記リガンドアナログトレーサーが少
    なくとも一つの放射性原子、酵素、蛍光物質、発色団、
    あるいは化学的発光物質で標識されていることを特徴と
    する請求項10ないし13のいずれか一項に記載の測定
    用キット。
  15. 【請求項15】 上記リガンドアナログトレーサーが、
    ヨウ素化された6−ハイドロキシテストステロン−19
    −カルボキシメチル・エーテルヒスタミンであることを
    特徴とする請求項14記載の測定用キット。
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