JP2575199Y2 - ホーン形スピーカ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、イコライザの取り付けを容易にかつ正確に
行い得る、脚部を植設したイコライザを備えたバックロ
ードタイプホーン形スピーカに関するものである。

〈従来の技術〉 従来、この種のホーン形スピーカは、第５図に示すよ
うに、磁気回路（06）のセンタポール（02）の上面に、
イコライザ（01）を取り付けてあり、その外側にイコラ
イザ（01）の外面と、小間隙を介してダイヤフラム（0
7）を配置してある。ダイヤフラム（07）の振動は、イ
コライザ（01）のプラグ（01a）と、台座（04）の間の
スロート部を通過して、センタポール（02）の中心に設
けたホーン孔（08）を通って、ホーン開口から音として
輻射される。

〈考案が解決しようとする課題〉 従って、従来のこの種のホーン形スピーカは、精密な
寸法を保持して、綿密に、かつ正確に組み立てられない
と、性能が出ないという問題があった。

そこで、本考案はかかる従来の課題を解決するため
に、組み立て時、高い精度が保てるとともに、容易に作
業ができるイコライザを備えたホーン形スピーカを提供
することを目的とする。

〈課題を解決するための手段〉 該目的を達成するための本考案の構成を、実施例に対
応する第１図乃至第４図を用いて説明すると、本考案
は、組み立て時、接着剤の乾燥工程中、イコライザ
（１）をセンタポール（２）上に保持して支持し、接着
剤が乾燥後、折り曲げ除去する複数の脚部（３），
（３）を、台座（４）の外周壁に植設したイコライザ
（１）を備えた構造としたホーン形スピーカである。

ダイヤフラム（７）とイコライザ（１）の隙間の小さ
い寸法が精密に一定でないと、ダイヤフラム型のスピー
カの性能は、能率、音質ともに設計どおりに出ないもの
であるから、スピーカ組み立て時、ダイヤフラム（７）
とイコライザ（１）の間隔を精密に保つことが肝要であ
る。そこで、従来の組み立て工程においては、種々の厚
さのスペーサ（09）を用意しておいて、イコライザ
（１）とそれを載置して固定する磁気回路（６）のプレ
ート（6a）の上面との間に、それ（09）を選んで挟んで
調節して固定していたので、組み立てに手数と時間を要
し、作業がし難く、成品の性能のバラツキが大きく、均
一なレベルを維持することが困難であったので、如何に
ダイヤフラム（７）とイコライザ（１）と間隔を一定の
狭い寸法に保持するかが問題点であった。本考案は、か
かる問題点を解決するために、イコライザ（１）の保持
構造に着目して、センタポール（２）の上に単に載置し
て、接着していたのを、センタポール（２）との間隔を
特に限定せず、その代わり、イコライザ（１）の構造を
改良して、プレート（6a）面との関係位置を特定するこ
とによって、ダイヤフラム（７）とイコライザ（１）の
間隔を精密に保つことを実現したものである。すなわ
ち、組み立て時、イコライザ（１）にガイドとなる脚部
（３），（３）を一体に成形しておき、このガイドを基
準にしてプレート（6a）の上面にイコライザ（１）を載
置して、イコライザ（１）とプレート（6a）の間隔を厳
密に一定にしておいて、イコライザ（１）とセンタポー
ル（２）との余裕を持った隙間に、組み立て前に塗布し
た接着剤が充満して乾燥するのを待って、ガイドとして
用済みの脚部（３），（３）を除去すると、イコライザ
（１）とプレート（6a）との関係位置が特定され、組み
立て時、ダイヤフラム（７）とイコライザ（１）の間隔
は、自動的に均一に狭い間隔を保持し得て、成品は設計
どおりのバラツキの少ない性能を保持し得るのである。
すなわち、センタポール（２）の仕上がり寸法誤差を間
隙の接着剤によって吸収して、ダイヤフラム（７）とイ
コライザ（１）との間隔を、自動的に均一に狭い間隔を
保持しせんとする構造である。

更に本考案は、台座（４′）の側面に穿設した凹部
（4a）内に、脚部（３），（３）の植設部が設けられて
いるイコライザ（１）を備えた構造としたホーン形スピ
ーカであり、また、植設部が他の部より細い脚部
（３′），（３′）を植設したイコライザ（１）を備え
た構造としたホーン形スピーカである。

〈作用〉 本考案は、このような構造としたものであるから、組
み立て時、磁気回路のセンタポールの上面に、イコライ
ザを取り付ける工程において、イコライザの台座とセン
タポールの接合部の段部に接着剤を塗着してセンタポー
ル（２）の接合部に、イコライザ（１）の台座を載置し
て嵌合して、イコライザ（１）の台座（４）に植設した
脚部（３），（３）を、磁気回路（６）のプレート（6
a）上に当接するまでイコライザ（１）を押圧して、接
着剤が乾燥する間、静置することによって、イコライザ
（１）は正確な位置に保持され、接着剤が乾燥すると、
そのままで精度よくセンタポール（２）とイコライザ
（１）が接着されて組み立てあがる。そして、組み立て
後、イコライザの脚部の植設部を折るなり、工具で切り
取るなりして容易に除去することができ、イコライザを
正確にセンタポールの上に取り付け得ることができるの
である。

〈実施例〉 以下本考案の実施例について図面に基づいて説明す
る。

図中第１図乃至第４図は、本考案の実施例を示す図
で、該実施例において、（１）はイコライザで、プラグ
（1a）と、台座（４）と、脚部（３），（３）とからな
り、プラグ（1a）と台座（４）の間は、スロート隙間を
介してリブ（５）で接続されている。台座（４）に放射
状に植設された複数の脚部（３），（３）の先端は、下
方へ少しく突出して安定良くしてある。

また、台座（４）の下面は、磁気回路（６）のセンタ
ポール（２）の上面との接合部を形成する段部（4b）を
設けてある。ダイヤフラム（７）は、イコライザ（１）
と隙間を介して、磁気回路（６）に取り付けてある。

本考案は、第４図（ａ）に示すように、台座（４）側
に穿設した凹部（4a）内に、脚部（３），（３）の植設
部が設けられているイコライザ（１）を備えた構造とし
たホーン形スピーカである。

また本考案は、第４図（ｂ）に示すように、植設部が
他の部より細い脚部（３′），（３′）を植設したイコ
ライザ（１）を備えた構造としたホーン形スピーカであ
る。

以上本考案の代表的と思われる実施例について説明し
たが、本考案は必ずしもこれらの実施例構造のみに限定
されるものではなく、本考案にいう構成要件を備え、か
つ本考案にいう目的を達成し、以下にいう効果を有する
範囲内において適宜改変して実施することができるもの
である。

〈考案の効果〉 以上の説明から既に明らかなように本考案は、組み立
て時、磁気回路のセンタポールの上面に、イコライザを
取り付ける工程において、イコライザの台座とセンタポ
ールの接合部の段部に接着剤を塗着してセンタポール
（２）の接合部に、イコライザ（１）の台座を載置して
嵌合して、イコライザ（１）の台座（４）に植設した脚
部（３），（３）を、磁気回路（６）のプレート（6a）
上に当接するまでイコライザ（１）を押圧して、接着剤
が乾燥する間、静置することによって、イコライザ
（１）は正確な位置に保持され、接着剤が乾燥すると、
そのままで精度よくセンタポール（２）とイコライザ
（１）が接着されて組み立てあがる。そして、組み立て
後、イコライザの脚部の植設部を折るなり、工具で切り
取るなりして容易に除去することができて、イコライザ
を正確にセンタポールの上に取り付け得ることができる
のである。

このようにして、容易に、かつ正確にイコライザをセ
ンタポールの上面に取り付けることができるので、本考
案のホーン形スピーカは構成部品の関係位置を精密に組
み立てあげることができ、優れた性能が得られるという
実用上の顕著な効果を期待することができるに至ったの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は本考案の実施例である。第１図はイ
コライザの外観図、第２図は全体の断面図、第３図は台
座の取り付け部の断面図、第４図（ａ），（ｂ）はそれ
ぞれ脚部の植設部の外観図、第５図は従来例の説明図で
ある。 図中、（１）はイコライザ、（２）はセンタポール、
（３），（３′）は脚部、（４）は台座、（4a）は凹
部、（4b）は段部、（５）はリブ、（６）は磁気回路で
ある。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】組み立て時、イコライザ（１）とセンタポ
   ール（２）との嵌合のガイドとなる脚部（３），（３）
   の先端下面を、磁気回路（６）のプレート（6a）の上面
   に当接することにより、接着剤乾燥工程中、イコライザ
   （１）をセンタポール（２）上に保持して支持して、接
   着剤が乾燥後、折り曲げ除去あるいは切除される複数の
   脚部（３），（３）を、台座（４）の外周壁に植設した
   イコライザ（１）を備えたホーン形スピーカ。