JPH0427272Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はアウターヨークの一部をキヤビテイと
した低漏洩磁束型のスピーカに関する。

（従来技術） 従来、有効磁束密度を増大させるかたわら漏洩
磁束の低減を図つたスピーカとしては、第２図
イ、ロに示す如き構造のものがある。すなわち、
中心に孔が設けられたヨーク２（詳しくは第２図
ロ参照）に主マグネツト３および補助マグネツト
４が接合され、云わゆるリパルジヨンタイプのマ
グネツト構造を構成し、かつ磁気ギヤツプｇに対
し、主マグネツト３および補助マグネツト４の磁
束がロ図において矢印で示すようにアウターヨー
ク６′等を介し有効に作用するように構成されて
おり、この場合、磁気回路の外周をヨーク６′で
包囲する構造とし、漏洩磁束を低減している。

しかるに、中音専用または高音専用の帯域指定
型スピーカにおいて低域特性を広帯域化するため
にはキヤビテイを設ける必要があるが、上記従来
例の構造のスピーカにおいてはアウターヨーク
６′内に磁気回路が設けられ、ヨーク２の中心に
孔が形成されているに留まり空間部が少なく、十
分なキヤビテイを得ることができず低域特性を向
上させることが困難であるという問題点があつ
た。

したがつて、十分なキヤビテイを得るために
は、アウターヨーク６′の底部中央にいちいち孔
をあけ、かつスピーカ本体の後方に、破線で示す
如く、別体で予め製造しておいたバツクカバー
６″をネジ止めや溶接などの煩雑な固定手段を介
して付設し、振動板の背圧を受けるようにする必
要があり、低域特性の改善を図ろうとすると工数
が増加してしまうとともに部品点数も増え、製造
が煩雑で、かつコスト高となる欠点を有してい
た。

（考案の目的） 本考案は上記の点に鑑み提案されたもので、そ
の目的とすることろは、アウターヨークに、振動
板の背圧を適当な容積で受けるキヤビテイカバー
としての機能と、リパルジヨンマグネツトを保持
し、防磁の機能を兼ね備えさせ、十分なキヤビテ
イを得ることができ低域特性の広帯域化、組立容
易化、工数および部品点数の削減化などを図つた
スピーカを提供することを目的とするものであ
る。

（考案の構成） 以下、図面に沿つて本考案を説明する。

第１図は本考案にかかるスピーカの一実施例を
示すもので、中心に貫通孔１を有する逆Ｔ字状の
ヨーク２と、このヨーク２のフランジ部の上面お
よび下面にそれぞれ設けられた主マグネツト３お
よび補助マグネツト４から成るリパルジヨンタイ
プのマグネツトと、前記主マグネツト３の上部に
設けられ、かつ前記ヨーク２のポール２ａと内周
面が磁気ギヤツプを形成すべく対向する円板状の
プレート５とをそれぞれ接着剤により接着して一
体化して磁気回路が構成され、この磁気回路は椀
状の磁性材料からなるアウターヨーク６に収納さ
れている。すなわち、アウターヨーク６はその底
部が下方に突出し、かつ内部が中空のキヤビテイ
となる本体６ａと、この本体６ａの上部において
略水平方向外方に延びて形成された段部６ｂと、
この段部６ｂの外周部から上方に立ち上がり、か
つ先端部がプレート５の外周端と当接する外周部
６ｃとからなり、これら本体６ａないし外周部６
ｃは一体形成されキヤビテイカバーをも兼用し、
かつ組立ての際、前記段部６ｂの内面の突部６
b′に補助マグネツト４の外周下方を合わせ位置決
めしつつ接着剤を塗布し磁気回路を載置させれば
容易にアウターヨーク６の上方部に磁気回路を組
み込んでスピーカ本体を組み立てることかでき、
かつアウターヨーク６によつて磁気回路の外周を
包囲することができるように構成されている。

なお、７はドーム型の振動板、８は磁気ギヤツ
プ間に配設されたボイスコイルを有するコイルボ
ビン、９は上記振動系を支持するダンパー、１０
はプレート５上面に固定されたフレームで、振動
板７はヨーク２の中心部上に位置され、振動板７
の背圧は貫通孔１を介し本体６ａのキヤビテイの
空間部で受け、f₀を下げるようにしている。また
１１は端子である。

（考案の効果） 以上の通り本考案によれば、アウターヨーク６
にキヤビテイ機能をもたせ、良好な特性を得るこ
とができるとともに、リパルジヨンタイプのマグ
ネツトを保持する段部６ｂを形成し、防磁機能を
持たせ、一つのピース（アウターヨーク）で、容
易に２つの機能を実現でき、部品点数の削減、組
立性の向上化、コストダウン、等を図ることがで
きる。

また、組立に際して、突部６b′を介して磁気回
路を容易に位置決めできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかるスピーカの半断面概略
説明図、第２図イ，ロは従来例である。 ２……ヨーク、３……主マグネツト、４……補
助マグネツト、５……プレート、６……アウター
ヨーク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ヨーク２の中心に貫通孔１が形成され、かつ前
   記ヨーク２の中心部上に振動板７が位置されたス
   ピーカであつて、前記ヨーク２のフランジ部の上
   面に主マグネツト３が、また、下面に補助マグネ
   ツト４が設けられた磁気回路と、この磁気回路の
   位置決め用の突部６b′が設けられた段部６ｂを有
   し、かつ底部にキヤビテイが形成されたキヤビテ
   イカバーを兼用するアウターヨーク６とを備え、
   前記突部６b′を介し段部６ｂ上に磁気回路を載置
   し、この磁気回路を構成する前記主マグネツト３
   上に設けられるプレート５は前記アウターヨーク
   ６の先端部と当接されることを特徴としたスピー
   カ。