JP2574699Y2 - タンパーエビデント特性を有する合成樹脂製キャップ - Google Patents

タンパーエビデント特性を有する合成樹脂製キャップ

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JP2574699Y2
JP2574699Y2 JP1992033755U JP3375592U JP2574699Y2 JP 2574699 Y2 JP2574699 Y2 JP 2574699Y2 JP 1992033755 U JP1992033755 U JP 1992033755U JP 3375592 U JP3375592 U JP 3375592U JP 2574699 Y2 JP2574699 Y2 JP 2574699Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、タンパーエビデント
特性を有する合成樹脂製キャップに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、タンパーエビデント特性を有する
合成樹脂製キャップ(以下単にキャップという)は種々
のタイプのものが知られている。例えば、タンパーエビ
デントバンドの内周面に基部がヒンジとなっているフイ
ンを突設して、開栓時に該フインがボトル口頸部に突出
形成された顎部の下面に摩擦係合することにより、タン
パーエビデントバンドの上昇に抵抗を与えるもの(例え
ば、特公平3ー53181号)や、タンパーエビデント
バンドの内周面にヒンジされた環状フランジを設け、開
栓時に該環状フランジがボトル口頸部の顎部下面に摩擦
係合することにより、タンパーエビデントバンドの上昇
に抵抗を与えるもの(例えば特開昭62ー109760
号、特開平3ー69460号)、さらにはタンパーエビ
デントバンドの内周面に鋸歯状突起を形成し、開栓時に
該鋸歯状突起がボトル口頸部に形成した戻り止め突起と
噛みあい、タンパーエビデントバンドの回転を阻止する
ようにしたもの(例えば、実開昭51ー54056号
等)等がある。
【0003】しかしながら、従来のキャップは、樹脂の
弾性のために開栓時にキャップを約260°〜350°
回転させないと、スカート壁にタンパーエビデントバン
ドを連結しているブリッジが破断されるブリッジブレー
クは起こらず、その範囲以下の回転ではキャップを回し
たことが判別できない欠点がある。一方、従来のタンパ
ーエビデントバンド付きキャップの多くは、ボトル口頸
部に螺子嵌合しており、キャップを締め付けることによ
ってキャップ天面内側に設けたライナー等シール材が容
器口頸部先端縁と密接して、容器の密封を図っている。
そのため、キャップを約1回転近くまで開栓方向に回す
と、その間にキャップは螺子リード角によって上昇し、
シール材が容器口頸部先端縁から離れてシールブレーク
が起こり、容器の密封状態が破壊されてガスや内容物の
洩れが生じてしまう状態になる。従って、ブリッジブレ
ークが起こる前にシールブレークが起こってしまうこと
になり、悪戯等不正によってタンパーエビデントバンド
のブリッジが破断されない程度に最大限にキャップを回
転して容器の密封状態が破壊されても、外部から判別す
ることができず、タンパーエビデント特性を十分に果た
すことができなくなるという問題が生じている。
【0004】また、タンパーエビデントバンドを容器口
頸部と剛体の鋸歯状突起の噛み合いによって係止するよ
うにしたものは、その噛み合いを強くすれば、タンパー
エビデントバンドの滑りはなくなるが、その場合、噛み
合いが強くなり、一斉に抵抗が加わるので、タンパーエ
ビデントバンドのブリッジを破断するのに大きな力を要
し、開栓が困難である。そのため、従来この種キャップ
は、ブリッジを細い連結片で構成して切断し易くする反
面、閉栓時の不用意な切断を防止するため、該ブリッジ
に閉栓時に噛み合うようにスカート壁下部とタンパーエ
ビデントバンド上端に係合片を突出形成する等、複雑な
構造にしなければならなかった。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】本考案は、上記従来の
タンパーエビデントバンド付き合成樹脂製キャップの上
記問題点を解決するために創案されたものであって、特
にタンパーエビデントバンドに環状フランジを有する合
成樹脂製キャップにおいてシールブレークが起こる前に
ブリッジブレークが起こり、タンパーエビデント特性を
確実に果たすことができ、且つ開栓が容易で構造も簡単
な合成樹脂製キャップを得ようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を解決する本考
案のタンパーエビデント特性を有する合成樹脂製キャッ
プは、容器口頸部に螺合する螺子が形成されたスカート
壁の下部に破断可能に一体に連結されているタンパーエ
ビデントバンドを有する合成樹脂製キャップにおいて、
タンパーエビデントバンド壁の下部内周面にヒンジ連結
されたボトル顎部と上下方向に係合する環状フランジを
有し、該環状フランジ内周面にボトルの顎部下方に形成
した係合突起と回転方向に係合する係合片を突出形成し
たことを特徴とする構成によって解決した。
【0007】
【作用】合成樹脂製キャップをボトル口頸部に螺合して
閉栓するときは、係合片は付け根部分が先頭になって回
転するので、環状フランジと共にタンパーエビデントバ
ンド内周面に押されて退避することができ抵抗が少なく
スムーズに閉栓することができる。一方、開栓時には、
係合片の先端縁が容器顎部下方の外周面に形成された係
合突起に係合することにより、タンパーエビデントバン
ドの回転抵抗が強くなる。それ共とに環状フランジ上縁
もボトル顎部下面に係合して、タンパーエビデントバン
ドの上昇を阻止し、一段と抵抗が増して僅かな回転で確
実にタンパーエビデントバンドの破断ができ、タンパー
エビデント機能を発揮する。この回転角度は、従来のタ
ンパーエビデントバンドキャップの場合の260°〜3
50°と比較して、著しく小さくシールブレークが起こ
らない範囲であり、悪戯等不正による開栓を確実に判別
することができる。
【0008】
【実施例】以下、本考案の実施例を図面を基に詳細に説
明する。図1〜図5は、本考案に係る合成樹脂製キャッ
プの好適な一実施例を示している。図中、1はキャップ
本体であり、頂壁2から垂下するスカート壁3の内周面
にボトル口頸部と螺合する螺子4が形成されている。該
スカート壁下端に引き裂き用のブリッジ5を介してタン
パーエビデントバンド10が連結されている。該タンパ
ーエビデントバンド10は、図3に拡大して示すように
タンパーエビデントバンドの下部内周面にヒンジされた
環状フランジ11を有している。該環状フランジ11
は、成形時はタンパーエビデントバンドの下部下方にヒ
ンジを介して突出した状態で成形され、成形後反転する
ことによって図示のようにフランジがタンパーエビデン
トバンド10の内方に同心状に位置するようになる。1
2は該フランジの内周面(成形時の状態では外周面)か
ら突出してその先端がキャップ開栓方向に向かうように
設けられた係合片である。本実施例では180°間隔で
2個設けてあるが、その数は任意で良く、多く設ける程
ブリッジが破壊されるまでのキャップ回転角は小さくな
るが、本実施例のように2個設けても初期の目的を達成
できる。また、その形状も本実施例では図2に示すよう
に、開栓方向斜めに突出するように舌片状に設けてある
が、例えば図6に示すように、開栓方向斜めに突出する
舌片15の下縁をフランジ11の内周面との間に底壁1
6で連結して袋状になっている係合片17でも良い。さ
らには、開栓方向前方が垂直面となる三角突起状に形成
しても良く、開栓方向では容器口部に設けられる係合突
起との係合力が強く、閉栓方向では係合力が弱いような
形態であれば種々の形態が採用できる。
【0009】また、このキャップを螺合するボトルであ
る容器19は、口頸部20にキャップを螺合するための
螺子21が形成され、その下方に顎部22が形成され、
その下方にさらに前記キャップの係合片12が係合する
係合突起23が形成され、キャップを開栓方向に回すと
キャップの係合片が該係合突起23に突き当たり、キャ
ップの回転に抵抗力を与えるようになっている。本実施
例では、該係合突起23は、180°間隔で2個設けら
れている。従って、最大でも180°以下の回転キャッ
プで、前記係合片が該係合突起と係合することになる。
【0010】本実施例の合成樹脂製キャップは、以上の
ように構成され、キャップ1をボトル口頸部20に螺合
して閉栓するとき、環状フランジ11に設けられた係合
片12は、付け根部分が先頭になって回転するので、そ
の弾性により容易に退避しスムーズに閉栓することがで
きる。閉栓した状態では図4に示すように、環状フラン
ジの上端縁及び係合片の上端縁はボトル顎部22の下部
に位置する状態になっている。この状態ではキャップ頂
壁2に設けられたライナー6とボトル口頸部頂面とが密
着し、容器が密封状態なっている。従って、閉栓時にキ
ャップの位置決めをする必要がない。
【0011】この状態から開栓するために合成樹脂キャ
ップ1を回すと、キャップ本体に付与する回転力がブリ
ッジ5を介してタンパーエビデントバンド10にも伝達
され、タンパーエビデントバンド10も共に回転しよう
とするが、図5においてタンパーエビデントバンド10
が僅か回転すると係合片12の先端縁が容器19に形成
された係合突起23に突き当たり、その回転を阻止する
と共に、環状フランジ上縁もボトル顎部下面に係合し、
タンパーエビデントバンドの上昇を阻止し、ブリッジに
大きな力が作用して大抵は10°〜120°の範囲でブ
リッジが破断された。従って、シールブレークを起こす
前にブリッジブレークが起こり、タンパーエビデント機
能を十分に発揮した。
【0012】
【考案の効果】本考案は、以上のように構成され、次の
ような格別な効果を奏する。開栓時には環状フランジが
ボトルの顎部に係合してタンパーエビデントバンドの上
昇に抵抗を与えると共に、タンパーエビデントバンドの
環状フランジ内面に形成した係合片がボトルの係合突起
に係合して周方向の抵抗を与えるから、従来と比較して
僅かな回転でタンパーエビデントバンドを連結するブリ
ッジが破断され、シールブレーク前にブリッジブレーク
ができ、悪戯等不正による開栓を確実に判別することが
できる。また、閉栓時にキャップと容器の位置決めをす
る必要がなく、且つ開栓が容易で、構造も簡単である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例に係る合成樹脂製キャップの一
部破断正面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図1の一部拡大図である。
【図4】図1の合成樹脂製キャップを容器に嵌合して容
器口部を密封した状態での一部破断正面図である。
【図5】図4のB−B断面図である。
【図6】係合片の他の実施例を示す合成樹脂キャップの
要部拡大断面図である。
【符号の説明】
1 キャップ本体 2 頂壁 3 スカート壁 5 ブリッジ 10 タンパーエビデントバンド 11 環状フラ
ンジ 12 係合片 19 容器 20 口頸部 22 顎部 23 係合突起

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器口頸部に螺合する螺子が形成された
    スカート壁の下端に破断可能に一体に連結されているタ
    ンパーエビデントバンドを有する合成樹脂製キャップに
    おいて、タンパーエビデントバンド壁の下部内周面にヒ
    ンジ連結されたボトル顎部と上下方向に係合する環状フ
    ランジを有し、該環状フランジ内周面にボトルの顎部下
    方に形成した係合突起と回転方向に係合する係合片を突
    出形成したことを特徴とするタンパーエビデント特性を
    有する合成樹脂製キャップ。
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