JP2574665B2 - アシル化されたシクロデキストリンおよびアシル化されたγ−シクロデキストリン誘導体の製造方法 - Google Patents

アシル化されたシクロデキストリンおよびアシル化されたγ−シクロデキストリン誘導体の製造方法

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    • D06M15/00Treating fibres, threads, yarns, fabrics, or fibrous goods made from such materials, with macromolecular compounds; Such treatment combined with mechanical treatment
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アシル化されたγ−シ
クロデキストリン、その製造方法およびその使用に関す
る。
【0002】
【従来の技術】シクロデキストリンは、6、7または8
個のα(1−4)結合したアンヒドログルコース単位か
ら構成されている環状オリゴ糖である。酵素によるデン
プン転化により製造されたα−、β−またはγ−シクロ
デキストリンは、その空洞の直径において区別されてい
る。これらは一般に異なるサイズの多様な疎水性ゲスト
分子の包接のために適している。
【0003】天然のγ−シクロデキストリン(γ−C
D)は18.7重量%の溶解性で、水溶性が比較的悪
く、その可溶化能力は比較的低い。たとえば、米国特許
第4764604号明細書第1欄の最後の段落、第7/
8欄の表からは、γ−CDが低い濃度範囲においてのみ
可溶化し、高い濃度では頻繁に複合体が生じることが公
知である。さらに、米国特許第4764604号明細書
から、γ−CDの溶解性および可溶化特性がエーテル形
成により改善できることは公知である。メチル−γ−C
Dが高い水溶性および中程度の可溶化特性を有すること
は公知である。ヒドロキシプロピル−γ−CD−誘導体
は良好な溶血特性を示すが、中程度の可溶化特性を示す
にすぎない。例示したようなγ−CD エーテルはさら
に生物学的に分解性が悪いという欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ヒド
ロキシプロピル−γ−CD−誘導体よりも良好な可溶化
特性を有し、同時に良好な溶血特性を有し、良好に水溶
性であり、さらに生物学的に良好に分解可能であるγ−
CD−誘導体を提供することであった。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記の課題は、式:
【0006】
【化2】
【0007】[式中、Rは水素またはR1を表し、およ
びR1は同じまたは異なり、アセチル、プロピオニル、
ブチリル、2−アルコキシアセチル、2−シクロアセチ
ル、2−フルオロアセチル、2−N−アセチルアミノア
セチル、メタクリロイルまたはアクリロイルを表し、R
1についてのDSは1H−NMR−分光分析により測定
して、0.3〜2.0の間にある]で示されるアシル化
されたシクロデキストリンにより解決される。
【0008】式IにおけるR1は有利にアセチル、プロ
ピオニル、またはブチリル、特に有利に式IにおけるR
1はアセチルである。
【0009】R1についてのDSは有利に0.4〜1.
6の間、特に有利に0.6〜1.4の間にある。
【0010】本発明によるシクロデキストリン誘導体に
おいて、置換基分布はランダム化され、グルコースの6
位でのヒドロキシル基は90%より低く置換されている
のが有利である。特に有利なのは、グルコースの6位で
のヒドロキシル基は85%より低く、特に80%より低
く置換されている。
【0011】本発明によるγ−シクロデキストリン−誘
導体は、同時に良好な水溶性、良好な可溶化特性および
良好な溶血特性を示す。さらに、この誘導体は生物学的
に分解可能であり、エステラーゼおよびリパーゼによ
り、野外でおよび胃腸管内でγ−シクロデキストリンに
代謝され、このγ−シクロデキストリンは公知のように
良好な毒物学的特性を有する(G. Antlsperger, Minute
s of the 6th International Symposium on Cyclodextr
ins, Chicago, 21 - 24 April 1992, Editions de Sant
e, Paris, 277)。
【0012】本発明によるシクロデキストリン−誘導体
は良好な産生特性と、良好な毒物学的特性とを合わせ持
ち、その際、特に0.90〜1.20の間のR1につい
てのDSを有する誘導体が特に適している。
【0013】アシル化されたシクロデキストリンからな
る混合物は、平均置換度(DS値;average degree of
substitution)により特徴付けられる。このDS値はア
ンヒドログルコース1個あたり平均してどれくらいの置
換基と結合しているかを示す。
【0014】DS値の測定は、たとえば1H−NMR−
分光分析により適当な溶剤、たとえばジメチルスルホキ
シド/トリフルオロ酢酸中で行うことができる。DS値
の特定のために、アシル基の信号(Int.-Ac)および糖
プロトンの信号(Int.-Zu)が積分され、アシル置換基
のプロトンの数もしくは糖プロトンの数で割られ、比率
にされる。
【0015】DSの測定は、同様に置換基分布から導き
出すことも可能である。その構造に基づき、シクロデキ
ストリンはO2−、O3−および/またはO6位で置換
されることができる。DS値の測定は、この生成物をメ
チル化し、引き続きグルコース単位に加水分解し、還元
およびアセチル化によりD−グルシトールアセタートに
変換させることにより可能である(P. Mischnick, Anal
ysis of the Substitution Pattern of Chemically Mod
ified Cyclodextrins in Dominique Duchene,New Trend
s in Cyclodextrins and Derivatives, Editions des S
antes, Paris)。ガスクロマトグラフィーによる分離
は、それぞれのシクロデキストリン−誘導体における次
のリストに挙げられた合計で8種の理論的に可能なグル
コース単位のモル割合を提供する。
【0016】 アセトキシ基の数 記号 D−グルシトールアセタート 3 S2,3,6 D−グルシトール−ヘキサアセタート 2 S3,6 1,3,4,5,6−ペンタ−O−アセチル− −2−モノ−O−メチル−D−グルシトール 2 S2,6 1,2,4,5,6−ペンタ−O−アセチル− −3−モノ−O−メチル−D−グルシトール 2 S2,3 1,2,3,4,5−ペンタ−O−アセチル− −6−モノ−O−メチル−D−グルシトール 1 S6 1,4,5,6−テトラ−O−アセチル−2, 3−ジ−O−メチル−D−グルシトール 1 S3 1,3,4,5−テトラ−O−アセチル−2, 6−ジ−O−メチル−D−グルシトール 1 S2 1,2,4,5−テトラ−O−アセチル−3, 6−ジ−O−メチル−D−グルシトール 0 S0 1,4,5−トリ−O−アセチル−2,3,6 −トリ−O−メチル−D−グルシトール それぞれのグルコース単位の測定されたモル%割合か
ら、個々の位置の平均置換度を得ることもできる。ある
特定位置での置換基のこの平均的確率Xは、X6(06
一での置換基の平均的確率)について次のように算出さ
れる: X6=S6モル%+S2,6モル%+S3,6モル%+
S2,3,6モル% 同様に、O2−およびO3一での置換基についての平均
置換度を計算することができる。この置換基分布を介し
ても置換度を測定することができる。
【0017】本発明は、さらに、γ−シクロデキストリ
ンを塩基性触媒の存在で1種以上のアシル化剤と反応さ
せることを特徴とするアシル化されたγ−シクロデキス
トリン誘導体の製造方法に関する。
【0018】本発明による方法は、0〜16%の含水量
を有する市販の品質のγ−シクロデキストリンを使用す
ることができる。しかし、このシクロデキストリンは、
公知の方法で、たとえば酵素によるデンプンとシクロデ
キストリングルコシルトランスフェラーゼ(CGTas
e E.C.2.4.1.19)との反応により製造す
ることができる。費用の理由から、市販されているよう
な約6〜12%の含水量を有するγ−シクロデキストリ
ンを使用するのが有利である(たとえばWacker-Chemie
GmbH社, Muenchen在の商品名GAMMA W8として入
手可能)。
【0019】アシル化剤として、有利に1種以上のカル
ボン酸無水物またはカルボン酸が使用される。無水酢
酸、プロピオン酸無水物、酪酸無水物、2−クロロ酢酸
無水物、2−フルオロ酢酸無水物、アクリル酸無水物、
メタクリル酸無水物または相応するカルボン酸、それ自
体または任意な混合物を使用するのが特に有利である。
特に無水酢酸または酢酸が使用される。
【0020】触媒として、カルボン酸無水物に相当する
酸のアルカリ金属塩、たとえば酢酸ナトリウム、酢酸カ
リウム、プロピオン酸ナトリウム、プロピオン酸カリウ
ム、酪酸ナトリウム、酪酸カリウムおよび/または第3
級アミン、たとえばトリエチルアミンまたはピリジンお
よび/または塩基性イオン交換体(たとえばFa. Rohm&
Haas社のAmberlyst A21 または Amberlite IRA-93)を
使用するのが有利である。酢酸ナトリウムを使用するの
が特に有利である。
【0021】アシル化は、付加的溶剤なしでアシル化剤
中で直接行うことも可能である。
【0022】生成物の変色の観点で、1種以上の不活性
溶剤で希釈する場合が有利である。この溶剤という表現
は、全ての反応成分を溶解しなければならないことを意
味しない。この反応は、1種以上の反応体の懸濁液また
はエマルション中でも実施することができる。適当な不
活性溶剤の例は、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ホルムア
ミド、メチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド、N
−メチルピロリドン、DMPU(1,3−ジメチル−
3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジ
ノン)、アセトアミド、メチルアセトアミドまたはジメ
チルアセトアミドである。
【0023】カルボン酸無水物をアシル化剤として使用
する際に、溶剤としてアシル化剤に相応するカルボン酸
を使用する場合が、つまりアシル化剤として無水酢酸、
溶剤として酢酸を使用する場合が特に有利である。
【0024】γ−シクロデキストリン1モルあたり、ア
シル化剤2〜35モル、有利に3〜20モル、特に有利
に5〜15モルを使用するのが有利である。使用される
モル割合は、この場合、目的とされる置換度および使用
されるシクロデキストリンの含水量に応じて選択され
る。
【0025】γ−シクロデキストリン1モルあたり、1
種以上の前記した触媒0.01〜5モル、有利に0.5
〜3モルを使用するのが有利である。
【0026】γ−シクロデキストリンおよび反応媒体は
1:0.5〜1:10、有利に約1:1〜1:6のγ−
CD/反応媒体のモル比で使用するのが有利であり、そ
の際、反応媒体とはアシル化剤および溶剤からのグラム
の総和であると理解される。この反応媒体は有利に十分
に水不含で使用される。
【0027】本発明によるγ−シクロデキストリンの製
造のために、シクロデキストリン、アシル化剤、触媒お
よび反応媒体を前記した割合で、同時にまたは連続して
添加する。反応水の除去はアシル化剤での組み込み速度
を促進する。
【0028】発熱反応を制御しながら保持するために、
アシル化剤を残りの成分の混合物に、高温(約80℃〜
120℃)で滴加するのが有利である。
【0029】この反応混合物、原則として懸濁液は高温
(約80℃〜150℃の温度)で撹拌される。反応の完
了は、当初の懸濁液が溶解するため、原則として反応混
合物が透明になることにより特徴付けられる。
【0030】この後処理は、部分真空中で揮発成分の留
去により行い、残留物を水に収容し、新たに部分真空中
で蒸発させた。この方法工程は、有利に数回、たとえば
3回繰り返される。
【0031】本発明によるアシル化されたγ−シクロデ
キストリンを含有するこうして得られた水溶液は、公知
の方法(たとえば塩または溶剤残留物を沈殿法または透
析により除去するための方法)を用いてさらに精製およ
び乾燥(たとえば凍結乾燥、噴霧乾燥)させることがで
きる。
【0032】本発明による方法は、従って、アシル化さ
れたγ−シクロデキストリン−誘導体のための費用のか
かる精製工程なしの簡単な製造方法である。1段だけの
反応工程でのアシル化されたCDの直接の製造は天然の
CDを触媒の存在でアシル化剤と反応させることにより
可能である。
【0033】本発明による方法は有利である、それとい
うのも、セルロース化学において今まで使用された方法
(たとえば、K. Blaser et al., "Cellulose Esters" i
n Ullmanns Encyklopedia of Industrial Chemistry,
5. Edition Ed. E.Gerhartz,VCH Verlagsgesellschaft,
Weinheim, 1986, pp. 419-459)によると、通常、まず
高度にアシル化された生成物を製造し、後でこれを所望
の置換度まで加水分解していたためである。
【0034】本発明による方法は、水解物の形成を、加
水分解工程を迂回することにより回避し、それにより精
製の問題を減少させる。
【0035】アシルドナーの簡単なバリエーションによ
り、本発明による方法は柔軟でかつ一般的に使用するこ
とができる。この方法は経済的である。この方法は、触
媒により作業され、化学量論的副生成物として易揮発性
化合物を生じ、これは蒸留により簡単に分離することが
できる。
【0036】シクロデキストリン−誘導体の更なる精製
は、所望の場合に、公知の方法、たとえば沈殿、イオン
交換体クロマトグラフィー、透析、カラムクロマトグラ
フィーまたは分取HPLCにより行われる。
【0037】本発明によるシクロデキストリン−誘導体
は、シクロデキストリンおよびシクロデキストリン−誘
導体の全ての公知の適用に適している。
【0038】この誘導体は、特に次の目的に適してい
る: 水に難溶性の化合物、たとえばステロイドの可溶化のた
め 調剤学的生成物、化粧品および農業化学的生成物中の調
製助剤のため 感光性、感熱性または酸化感応性の物質の安定化のため 調剤学的作用物質、農業化学的作用物質、たとえば殺虫
剤または殺菌剤および香料、特に化粧品または家庭用の
香料の制御された放出のため 任意の表面の脱脂および清浄化のため 特に親油性媒体から物質の分離および抽出のための有機
溶剤の代用のため 製紙−、皮革−および繊維工業における被覆または定着
の際の助剤としてレオロジー変性のため 相間移動触媒として味および臭いのマスキングのため。
【0039】特に、アセチル−γ−シクロデキストリン
は、調剤学的領域における使用に特に優れている。たと
えば、薬理作用物質、たとえばステロイド、アルカロイ
ド、ビタミン、抗リュウマチ作用の化合物、心臓配糖体
または抗精神薬、たとえばトランキライザーまたは神経
弛緩薬の可溶化のために適している。
【0040】
【実施例】次の実施例により本発明をさらに詳説する。
【0041】実施例中に記載された反応の反応経過は薄
層クロマトグラフィーにより調節された。この物質は薄
層クロマトグラフィーの前にたとえばアセトンを用いた
沈殿により単離しなければならない。例中に挙げられた
DS値は1H−NMR−分光分析(溶剤:ジメチルスル
ホキシド/トリフルオロ酢酸)を用いて測定された。
【0042】例1:アセチル−γ−CD(DS 1.1
7)の製造 γ−CD(水12.2%)200g(135.4mmo
l)および酢酸ナトリウム20g(244.3mmo
l)を酢酸282ml中に懸濁させ、105℃に加熱し
た。無水酢酸141g(1382mmol)を良好に撹
拌した懸濁液に約1時間にわたりゆっくりと滴加した。
その際、このバッチを還流温度(117℃)に温められ
た。引き続き還流させながら煮沸し、その際、反応混合
物はゆっくりと溶解した。約13時間後に、この反応は
完了した。このバッチを室温に冷却した。
【0043】反応混合物に、水50mlを滴加した。酢
酸を十分に回転蒸留させた(T=80℃、100mmH
g)。次いでこの生成物を水200mlに溶かし、回転
蒸留した。この工程を合計で3回実施した。最後にこの
生成物を水400gに溶かした。こうして得られた生成
物は1.17のDSを有していた。
【0044】例2:アセチル−γ−CD(DS 0.8
3)の製造 例1に記載したように、γ−CD(水12.2%)10
0g(67.7mmol)、無水酢酸45g(441m
mol)、酢酸220mlおよび酢酸ナトリウム10g
(122.1mmol)を反応させた。約14時間後、
この反応は完了した。後続する後処理は例1に記載した
と同様に行った。この生成物は0.83のDSを有して
いた。
【0045】例3:アセチル−γ−CD(DS0.9
5)の製造 例1に記載したように、γ−CD(12.4%)200
g(135.4mmol)、無水酢酸130g(127
4mmol)、酢酸382mlおよび酢酸ナトリウム2
0g(244.3mmol)を反応させた。約16時間
後にこの反応は完了した。後続する後処理は例1に記載
したと同様に行った。この生成物は0.95のDSを有
していた。
【0046】例4:他のアセチル−γ−CD誘導体の製
造方法。
【0047】例1に記載したと同様に、1.11、1.
00、1.36、0.90のDSを有するアセチル−γ
−CDを製造した。
【0048】(DS 1.11:γ−CD(含水量6
%)100g(72.5mmol)、無水酢酸52.1
g(511mmol)、酢酸180ml、酢酸ナトリウ
ム6g(73mmol);117℃;24時間) (DS 1.00:γ−CD(含水量13%)200g
(134.1mmol)、無水酢酸81.1g(800
mmol)、酢酸382ml、酢酸ナトリウム20g
(243mmol);105℃;20時間) (DS 1.36:γ−CD(含水量13%)200g
(134.1mmol)、無水酢酸191.6g(18
80mmol)、酢酸382ml、酢酸ナトリウム20
g(243mmol);117℃;16時間) (DS 0.90:γ−CD100g(67.1mmo
l)、無水酢酸55.5g(544mmol)、酢酸2
00ml、酢酸ナトリウム10g(122mmol);
117℃;20時間) 例5:アセチル−γ−CD(DS 0.95)の製造 γ−CD(水5.2%)100g(73.08mmo
l)および酢酸ナトリウム15g(244.3mmo
l)を酢酸350ml中に懸濁させ、T=117℃(還
流温度)に加熱した。還流下で煮沸し、その際、反応混
合物はゆっくりと溶解した(約18.5時間)。反応混
合物の透明化の後、1時間さらに煮沸した。このバッチ
を室温で冷却した。
【0049】酢酸を十分に蒸留させた(T=80℃、1
00mmHg)。この生成物を水200ml中に溶か
し、回転蒸留させた。この工程を合計で3回実施した。
最終的にこの生成物を水400g中に溶かした。こうし
て得られた生成物は0.95のDSを有していた。
【0050】例6:プロピニル−γ−CD(DS 0.
85)の製造 γ−CD(水12.3%)100g(67.7mmo
l)、プロピオン酸無水物109.8g(843mmo
l)、酢酸ナトリウム6g(73,8mmol)および
プロピオン酸100mlを例1と同様に反応させ、精製
した。反応温度は140℃であり、反応時間は15時間
であった。
【0051】こうして得られた生成物は0.85のDS
を有していた。
【0052】例7:例1〜5により製造された生成物の
置換基分布の測定 例1〜5による試料5mgを4ml反応容器(Reacti-V
ial)中に投入し、これにトリメチルホスファート1m
lをピペットで添加した。このバッチを場合により超音
波浴中で短時間で溶解させた。
【0053】メチルトリフルオロメタンスルホナート1
00μlおよび2,6−ジ−テトラブチルピリジン15
0μlを添加し、それぞれ1個の撹拌機を備えており、
良好に封鎖され、水浴中で50℃で2時間反応させた。
この混合物を水20mlを用いて、定量的に50mlの
振出漏斗中で洗浄し、クロロホルム5mlで1回良好に
振出した。
【0054】下層を反応容器(Reacti-Vial)から除去
し、N2ガスを用いて室温で乾燥するまで蒸発させた。
【0055】加水分解 メチル化工程からの試料に、トリフルオロ酢酸を4ml
の目盛りまで充填し、封鎖し、110℃で4時間加熱し
た。約60℃に冷却した後、トリフルオロ酢酸を窒素を
用いて追い出した(乾燥)。この残留物にジクロロメタ
ン約25mlを添加し、それぞれ窒素を用いて追い出し
た。
【0056】還元 加水分解−残留物に、NH4OH中の0.5mの水素化
ホウ素−Na溶液0.25mlを添加し、1時間以上6
0℃で加熱した。過剰の試薬を冷却した後、酢酸の添加
により、振盪してももはやガスを発生しないまで分解し
た。約2%の酢酸性のメタノールを繰り返し添加し、引
き続き窒素を用いて排気し、ホウ酸塩をホウ酸メチルエ
ステルとして除去した:6回それぞれ目盛り4mlまで
充填し、それぞれ(ほぼ)乾燥するまで濃縮した。
【0057】アセチル化 冷却後にピリジン25μlおよび無水酢酸200μlを
添加した。反応容器(Reacti-Vial)を封鎖して100
℃で3時間乾燥機中に置いた。
【0058】冷却後に、飽和炭酸水素ナトリウム溶液約
1〜2mlを注意深く添加し、すばやく封鎖した。第2
の反応容器中でCHCl31mlおよびいくらかのNa
HCO3溶液を装填した。最初の容器からの溶液を、第
2の反応容器中へ注意深く注ぎ、封鎖し、いくらか振盪
し、通気し、良好に振盪した。第1の容器を2回十分に
洗浄し、この振盪工程を約3回繰り返した。こうして精
製されたクロロホルムにCaCl2を添加し、同様にな
おいくらかのCHCl3を添加し、ガラス先端を用いて
この溶液を取り出し、この溶液を試料ガラス容器内へピ
ペットで入れた。引き続きGC分析を行った。
【0059】この置換基分布は第1表に記載した。
【0060】 第1表 置換基分布 AC−γ−CD S0 S3 S2 S6 例2 AC−γ−CD(0.83) 26.45% 3.45% 0.75% 57.55% 例4 AC−γ−CD(0.90) 19.65% 3.70% 0.75% 60.70% 例1 AC−γ−CD(1.17) 14.95% 2.85% 2.30% 57.45% 例3 AC−γ−CD(0.83) 23.75% 2.65% 2.25% 55.00% 例4 AC−γ−CD(1.11) 15.40% 3.00% 2.90% 49.05% 例4 AC−γ−CD(1.0) 19.45% 3.05% 2.75% 50.70% 例4 AC−γ−CD(1.36) 13.35% 3.35% 3.00% 38.50% 例5 AC−γ−CD(0.95) 23.70% 2.70% 2.20% 56.40% 置換基分布 AC−γ−CD S2,3 S3,6 S2,6 S2,3,6 例2 AC−γ−CD(0.83) 1.00% 7.35% 2.00% 1.35% 例4 AC−γ−CD(0.90) 1.10% 9.55% 2.20% 2.35% 例1 AC−γ−CD(1.17) 0.90% 10.40% 8.45% 2.60% 例3 AC−γ−CD(0.95) 0.65% 7.50% 6.35% 1.85% 例4 AC−γ−CD(1.11) 1.05% 11.80% 11.60% 5.15% 例4 AC−γ−CD(1.0) 1.15% 10.00% 9.25% 3.80% 例4 AC−γ−CD(1.36) 2.00% 15.05% 13.45% 10.95% 例5 AC−γ−CD(0.95) 0.70% 7.00% 6.10% 1.40% 置換基分布 AC−γ−CD X2 X3 X2,3 X6 例2 AC−γ−CD(0.83) 5.10% 13.15% 18.25% 68.25% 例4 AC−γ−CD(0.90) 6.40% 16,70% 23.10% 74.80% 例1 AC−γ−CD(1.17) 14.25% 16.75% 31.00% 78.90% 例3 AC−γ−CD(0.83) 11.25% 12.65% 23.75% 70.70% 例4 AC−γ−CD(1.11) 20.70% 21.00% 41.75% 77.60% 例4 AC−γ−CD(1.0) 16.95% 18.00% 34.95% 73.75% 例4 AC−γ−CD(1.36) 29.40% 31.35% 60.75% 77.95% 例5 AC−γ−CD(0.95) 10.40% 11.80% 22.20% 70.90% 例8:例1〜5により製造された生成物の多様な特性の
測定ならびに先行技術の生成物との比較 生成物の水溶性、可溶化能力、溶血活性、酵素的分解性
および生物学的分解性が測定された。先行技術の生成物
として、メチル−γ−シクロデキストリン(DS 1.
8)(Me−γ−CD)および2種類のヒドロキシプロ
ピル−γ−シクロデキストリン誘導体(DS 0.9;
DS 0.6)(Hp−γ−CD)を使用した。
【0061】水溶性は25℃で測定した。
【0062】ヒドロコルチゾンにつての可溶化能力の測
定のために、シクロデキストリン誘導体の30%の水溶
液を製造し、過剰量のヒドロコルチゾンを24時間25
℃で振盪した。不溶性の封入生成物を膜フィルター
(0.2μm)を用いる濾過により分離した。濾液中で
ヒドロコルチゾン−濃度をHPLCを用いて測定した。
【0063】コレステリンについての可溶化能力の測定
のために、シクロデキストリン誘導体の30%の水溶液
1mlにそれぞれコレステリン40mgを添加し、一晩
中振盪させた。その後、沈殿物を遠心分離した。
【0064】コレステリン測定のために次の溶液を調製
した: a) 緩衝溶液:トリス−緩衝液1.21g、コール酸
−ナトリウム塩430mgおよびABTS100mg
を、VE−水約80mlに溶かし、1MのHClでpH
7.7に調節した。MgCl2・6H2O 1.02gお
よびペルオキシダーゼ40Uを添加し、pH値を0.1
MのHClでpH7.7に補正した。測定フラスコ中で
100mlまでVE−水で充填した。
【0065】b) コレステリンオキシダーゼ溶液:コ
レステロールオキシダーゼ(Sigma (815) (E. C. 1.1.
3.6))15000Uを1Mの(NH42SO41000
mlに添加した。
【0066】コレステリン測定のために、試料溶液50
μl、緩衝溶液3mlおよびコレステリンオキシダーゼ
溶液20μlを試料ガラス中へピペットで入れ、パラフ
ィンで封鎖し、良好に撹拌し、水浴中で37〜40℃で
1時間インキュベートした。
【0067】この溶液のコレステリン含量は適当に希釈
した後に測光的に測定した(730nm)。
【0068】溶血活性は欧州特許(EP−B)第014
9197号明細書と同様に測定した。
【0069】酵素的分解性は次のバッチを用いて測定し
た。
【0070】0.1Mのトリス−緩衝液 2.5ml 水 22.5ml アセトニトリル 10マイクロリットル アセチル−γ−CD−溶液200マイクロリットル(5
00mg/ml) 酵素 100単位 生物学的分解性はZahn-Wellens試験(OECD Guidelines
for testing of Chemicals 302B, Adopted by the Coun
cil on 17th July 1992)により測定した。
【0071】水溶性、可溶化結果、Zahn-Wellens試験
(ZaWe-14d)の結果ならびに溶血性の結果を第2表に記
載した。
【0072】
【表1】
【0073】Ac−γ−CDは次の酵素により分解可能
である: リポラーゼ(Lipolase 100L (Novo Industrie, Copenha
gen)) リパーゼ(Lipase Pankreas (EC 3.1.1.3), Fa. Sigma
Chem. Company) ブタの肝臓からのエステラーゼ(Fa. Boehringer Mannh
aim) リパーゼ(Aspergillus Nigerからのリパーゼ, EC 3.1.
1.3, Fluka)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式: 【化1】 [式中、Rは水素またはR1を表し、R1は同じかまた
    は異なり、アセチル、プロピオニル、ブチリル、2−ア
    ルコキシアセチル、2−クロロアセチル、2−フルオロ
    アセチル、2−N−アセチルアミノアセチル、メタクリ
    ロイルまたはアクリロイルを表し、R1についてのDS
    1H−NMR−分光分析を用いて測定して0.3〜
    2.0にある]で示されるアシル化されたシクロデキス
    トリン。
  2. 【請求項2】 γ−シクロデキストリンを、塩基性触媒
    の存在で1種以上のアシル化剤と反応させることを特徴
    とするアシル化されたγ−シクロデキストリン誘導体の
    製造方法。
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