JP2574165B2 - マグネットロールの製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明はマグネットロール及びその製造方法に関し、
更に詳しくは長手方向のネジレや外径変動がなく、従っ
て磁束密度バラツキ及び極間角度のバラツキが小さいマ
グネットロールを効率的に製造する方法に関するもので
ある。

本発明のマグネットロールは電子複写機やプリンター
等の現像装置やクリーニング装置等に広く利用される。

「従来技術と問題点」 従来、この種のマグネットロールは、ゴムマグネット
又は樹脂マグネットとしては、第１図に示す如く射出
成形法によるもの、第２図に示す如く、断面が多角形
のマグネットをシャフトに貼り付けたもの、及び円筒
状のマグネットにシャフトを挿入したものが使用されて
いる。

しかし乍ら、の場合において、第１図（Ａ）で矢示
した部分をゲートとする場合にはマグネット（２）のゲ
ートから遠い部分（斜線部分）が冷却に因り長手方向の
磁束密度バラツキ（以下、単に磁束密度バラツキと称
す）が発生し、また第１図（Ｂ）の如く２点ゲートの場
合にはマグネット（２）の該ゲート付近の磁束密度バラ
ツキが避けられない。またの場合には、例えば第２図
に４極貼付の場合を示したが、シャフト（１）へのマグ
ネット（2a）〜（2d）の貼付位置のズレがしばしば発生
し（同図では（2a）がズレている）、表面磁界角度のバ
ラツキを惹き起こすばかりでなく、作業が繁雑で生産性
が低い。更ににあってはマグネット（２）へのシャフ
ト（１）の挿入作業性に難があり、これを克服せんとし
て孔（３）の径を大きくするとマグネットロールの芯ブ
レが大きくなり、逆に径を小さ目とすれば上記挿入作業
性が低下するばかりでなく、無理矢理挿入する結果、孔
（３）の内面をシャフト（１）が削り取って生じる削り
カスの処理に手間を要する上、フレキシブル磁石によっ
てはマグネットの表面にデコボコを生じ、磁束密度バラ
ツキを惹き起こす。またシャフト及びマグネットをそれ
ぞれ切断した後挿入接着するので作業性が悪い。

以上、要するに、上記の場合は磁束密度バラツキが
発生し、電子複写特性としては白抜け現象が問題とな
り、の場合には貼付のズレに因る極間角度のバラツキ
が大きく複写特性のバラツキを来し、またの場合には
シャフトの挿入作業性、削りカスの処理、更にはデコボ
コに因る白抜きやカブリが問題となり、またとは生
産性が悪く、いずれも満足し得るものとは伝い難い。

「問題点を解決するための手段」 本発明者らはかかる実情に鑑み、上記問題点を解消す
べく鋭意研究の結果、本発明に到達したものである。

即ち、本発明はシャフト同志を接続治具を用いて直列
に接続したシャフトと、磁性粉と樹脂もしくはゴムとか
らなるマグネット材料とを連続的にインサート押出成形
した後、前記接続治具を除去することを特徴とするマグ
ネットロールの製造方法を内容とするものである。

「実施例」 本発明において、シャフト同志を接続するための治具
としては、例えば第４図乃至第６図に示す様に、シャフ
トの端部同志を挿入接続させる接続部（11）（11′）
と、接続部の両端に略垂直に周設された樹脂排除板（1
2）（12′）とからなる。

第４図は、中央部の仕切り板（13）の両側に接続部
（11）（11′）を有し、該接続部（11）（11′）の各端
部に樹脂排除板（12）（12′）が立設されている。第５
図は、第４図において、樹脂排除板（12）（12′）の外
周まで樹脂で埋められた中実体に構成されている。第６
図は、メス体（Ａ）とオス体（Ｂ）とからなるセパレー
ター型の構造からなる。

上記治具は金属又はマグネット材料の押出温度より高
い融点を有する合成樹脂等から作られる。接続部（11）
（11′）はシャフトを挿入させるのでシャフトの外形と
同じ形状であり、また樹脂排除板（12）（12′）は押出
機の樹脂通路と略同じ直径を有する。

第７図は、第４図に示した接続治具（Ｊ）（Ｊ′）を
用いてシャフト（14′）（14）（14″）を接続してイン
サート成形した状態を示す概要図で、（15）はマグネッ
ト材料である。

第７図に示したインサート成形体は冷却後接続治具
（Ｊ）（Ｊ′）が取り除かれ、第８図に示す如く、マグ
ネットロール（16′）（16）（16″）が得られる。

上記接続治具（Ｊ）（Ｊ′）は樹脂排除板の間に樹脂
が詰まり、再利用は困難であるので、安価な樹脂を用い
使い捨てタイプとするのが望ましいが、第６図に示した
如きセパレート型の接続治具を用いると、該樹脂を取り
除き再利用することができる。また、第５図に示す様な
接続治具を用いると樹脂排除板の間に高価なマグネット
材料が充填されることがなく、該材料の無駄が防止でき
る。もっとも、第４図に示すタイプのものも、例えば金
属製の場合には、詰まった樹脂を溶剤で除去して再使用
することができる。

接続治具とマグネット材料との分離を容易にするため
に、マグネット材料と接する表面に離型剤を塗布するこ
とは有効な手段である。また、接続治具によりマグネッ
ト材料の流量が変化し脈動する場合には、該治具の通過
直前でセンサーにより検知し、接続治具が通過する間材
料の供給量を減らしたり、停止させたりすることによ
り、脈動を防止することも有効である。

「作用・効果」 叙上の通り、本発明によれば製作工数が少なく、高い
生産性で、ネジレや外径変動のない、従って磁束密度及
び表面磁界角度のバラツキの小さい優れたマグネットロ
ールを提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図（Ａ）、（Ｂ）、第２図、第３図はいずれも従来
のマグネットロール（製造法）を示す概略図、第４図乃
至第６図はそれぞれ本発明に使用する接続治具の実施態
様を示す概略図で、第７図は本発明により得られるイン
サート成形体を示し、第８図はインサート成形体から治
具を取り除いて得られるマグネットロールを示す。 11、11′……接続部 12、12′……樹脂排除板 13……仕切り板 14、14′、14″……シャフト 15……マグネット材料 16、16′、16″……マグネットロール Ｊ、Ｊ′……接続治具

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】シャフト同志を接続治具を用いて直列に接
   続したシャフトと、磁性粉と樹脂もしくはゴムとからな
   るマグネット材料とを連続的にインサート押出成形した
   後、前記接続治具を除去することを特徴とするマグネッ
   トロールの製造方法。
2. 【請求項２】接続治具がシャフトの端部同志を挿入接続
   させる接続部と、該接続部の両端に略垂直に周設された
   樹脂排除部とから構成される請求項１記載の製造方法。