JP2573835Y2

JP2573835Y2 - 台車

Info

Publication number: JP2573835Y2
Application number: JP1992077163U
Authority: JP
Inventors: 輝雄森田
Original assignee: 輝雄森田
Priority date: 1992-10-13
Filing date: 1992-10-13
Publication date: 1998-06-04
Anticipated expiration: 2007-10-13
Also published as: JPH0633773U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、大型制御盤や機械等の
重量物（以下単に重量物という）の移動が可能な台車に
関し、更に詳しくは重量物を自在な角度に傾斜させて保
持したままでも移動させることができ、高さに制限のあ
る場所での移動や、重心の高い重量物の移動に有用な台
車に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、重量物を工場内で移設したり、据
え付ける際には通常台車が使用されている。重量物の運
搬に用いられる台車は、略矩形状の荷受台とその下に設
けられている車輪とから構成されている。そして、この
荷受台の上に乗せられる重量物は、荷受台の上に正置さ
れた状態で移動されるか、重量物の高さに比して天井が
低い場合や出入り口の低い所では、荷受台の上に横倒し
にした状態で移動される。即ち、いずれの場合も荷受台
に対して垂直な位置に重量物が置かれる。

【０００３】以上のような従来の台車の場合には、荷受
台の上に重量物を正置した場合、重量物の重心が高い場
合には安定性が悪く、危険防止のために重量物を手で押
さえるための人手を要するという問題がある。又、重量
物を横倒しにして荷受台に乗せる場合には、運搬するも
のが精密機械の如く横倒しにすると故障を生じ易い等の
理由により横倒しにできない場合や、重量物の形状等に
よっては横倒しにするのが困難であるという問題があ
る。

【０００４】

【考案が解決しようとしている問題点】従って、本考案
の目的は、上記した従来技術の問題点を解決し、重心の
高い重量物を移動させる場合や、天井の低い場所で重量
物を移動させる場合にも、重量物を安定した体勢で任意
の場所まで容易に移動することができる台車を提供する
ことにある。

【０００５】

【問題点を解決するための手段】上記目的は以下の本考
案によって達成される。即ち、本考案は、荷受台となる
外枠１と、該外枠を支持して移動可能にしている複数対
の車輪２と、外枠の内側に挿設された内枠３と、該内枠
と係合して内枠を任意の角度に起立させる一対の保持ア
ーム４と、起立させられた内枠と一対の保持アームとを
所定の角度に固定する固定装置５とからなり、上記内枠
の一方の端部は、外枠の内側に水平移動可能に保持され
ており、上記保持アームの一方の端部６は外枠の端部内
側に回転自在に軸着され、保持アームの他方の端部７は
上記内枠の長手方向略中央部において内枠に回転自在に
軸着され、保持アームの端部を他の端部を支点にして上
昇させると、その上昇によって内枠の下方の端部が外枠
の内側に沿って水平移動して内枠がその分だけ起立し、
保持アームの起立に従動して起立した内枠と保持アーム
とが固定装置により固定されるようになっており、上記
固定装置が、内枠の支点７より下方に固定された桟８
と、保持アームの長手方向略中央に固定された桟９と、
これらの桟を連結している連結ロッド１０と、桟の間の
連結ロッドの長さを調整する調整具１１とからなり、上
記桟の間の連結ロッドの長さを調整することによって、
内枠を外枠の面と面一の水平位置から、外枠に対して垂
直位置にまで任意の角度に起立及び固定するようにした
ことを特徴とする台車２０である。

【０００６】本考案によれば、図示のように、台車の荷
受台となる外枠１の内側に、内枠３を設け、該内枠３を
外枠１に対して任意の角度に立ち上げ且つ固定すること
で、重心が高く倒れ易い重量物をこの内枠３に寄り掛け
させた状態で容易に且つ安全に運搬が可能となり、又、
天井の低い場所や出入り口の低い所では重量物を傾斜し
た状態で移動させることができ、いかなる状況下でも重
量物を容易に運搬することが可能である。

【０００７】

【実施例】次に、図面に示す実施例に従い本考案を更に
詳細に説明する。図１〜図３は、夫々、本考案の台車２
０の幾つかの使用状態を示す斜視図である。これらの図
に示されているように、本考案の台車２０は、荷受台と
なる外枠１と、該外枠を支持して移動可能にしている複
数対の車輪２と、外枠の内側に挿設された内枠３と、該
内枠と係合して内枠を任意の角度に起立させる一対の保
持アーム４と、起立させられた内枠を所定の角度に固定
する固定装置５とからなる。

【０００８】上記内枠３の一方の端部は、外枠１の内側
に水平移動可能に保持されており（図４参照）、上記保
持アーム４の一方の端部６は外枠の端部内側に回転自在
に軸着されている。保持アーム４の他方の端部７は上記
内枠３の長手方向略中央部において内枠に回転自在に軸
着されている。保持アーム４の端部７を他の端部６を支
点にして上昇させると、その上昇によって内枠３の下方
の端部が外枠１の内側に沿って水平移動して内枠３がそ
の分だけ起立する（図５参照）。保持アーム４の起立に
従動して起立した内枠３と保持アーム４とが固定装置５
により固定されるようになっている。

【０００９】上記固定装置５は、内枠３の支点７より下
方に固定された桟８と、保持アーム４の長手方向略中央
に固定された桟９と、これらの桟８，９を連結している
連結ロッド１０と、桟８，９の間の連結ロッドの長さを
調整する調整具１１とからなる。そして上記桟８，９の
間の連結ロッド１０の長さを調整することによって、内
枠３を外枠１の面と面一の水平位置（図２参照）から、
外枠１に対して垂直位置（図３参照）にまで任意の角度
に起立及び固定することができる。

【００１０】次に上記台車２０による重量物の移動を説
明することにより、台車２０の動作を説明する。図２
は、本考案における台車２０を構成する内枠３、保持ア
ーム４及び固定装置５が、それぞれ荷受け台である外枠
１の面と面一に折り畳まれた状態を示している。この状
態では、台車２０は従来公知の台車と変わらず、従来の
台車と同様にして、重量物３０を荷受け台１の面に載置
して移動させることができる。

【００１１】ところで、移動すべき重量物の高さが、天
井や出入り口の高さより高い場合には、従来の台車の場
合には、重量物を寝かせた状態で台車に乗せて移動させ
ることになるが、寝かせることができない重量物である
時には、図１に示すように、該重量物を台車の上で傾斜
させ、数人の人が該重量物を側で手で支えながら搬送し
ていた。このような作業は人手を要し且つ危険である。

【００１２】本考案の台車２０によれば、上記のような
重量物の移動の場合には、固定装置５を操作して桟８と
桟９との間の連結ロッド１０の長さを短くして、内枠３
と保持アーム４とを立ち上げ、図１に示す状態にし、こ
の状態を調整具１１により固定する。このようにして重
量物３０を荷受け台１に乗せ且つ内枠３に寄り掛から
せ、必要に応じて不図示の保持ベルト等によって重量物
を内枠３に保持する。このようにして重量物を運搬する
ことによって、上記の従来技術の問題、即ち、重量物を
人手で支えるという手間と危険とを解消することができ
る。

【００１３】尚、上記固定装置５において、桟８と連結
ロッド１０との連結は、その連結点１２を支点として連
結ロッド１０が自由に振れるように構成されている。
又、連結ロッド１０に設けられている調整具１１は、例
えば、連結ロッド１０をネジ山付きロッドで構成し、こ
のロッドが桟９中を余裕を持って貫通しており、該ネジ
山付きロッド１０に噛み合うナット１１を組み合わせる
ことで固定装置５とすることができる。

【００１４】図３は、背の高い重量物３０を立てた状態
で搬送する状態を説明している。従来の台車の場合に
は、このように背の高い重量物を搬送する場合には、台
車を移動させる人と、重量物が転倒しないように、重量
物を側で支える人が必要であり、且つ危険であった。

【００１５】これに対して本考案では、前記固定装置５
を操作して、内枠３と保持アーム４とを更に立ち上げ、
図３に示す状態にし、この状態を調整具１１により固定
する。このようにして重量物３０を荷受け台１に乗せ且
つ必要に応じて不図示の保持ベルト等によって、内枠３
に重量物３０を保持する。このようにして重量物３０を
運搬することによって上記の従来技術の問題、即ち、重
量物を人手で支えるという手間と危険を解消することが
できる。

【００１６】図４（ａ），（ｂ）は、図２の状態におけ
る本考案の台車を更に詳しく説明する図である。図４
（ａ）は平面図であり、図４（ｂ）は、図４（ａ）のＡ
−Ａ′の矢視断面図である。

【００１７】外枠１の内側上面には溝１３が形成されて
おり、且つ内枠３の端部には小型の車輪１４が設けられ
ている。保持アーム４の図面上左端部を上方に上昇させ
ると、内枠３が従動して上昇する（図１，５）ととも
に、内枠３の端部に設けられた小型車輪１４が溝１３上
を図面上左方向に転動して内枠３の上昇がスムースに行
われる。このような内枠３、保持アーム４、連結ロッド
１０及び調整具１１の動きを図５に示す。尚、本考案の
台車は、以上のような構成の他、外枠１に台車の横倒し
防止装置１５を設けることもできる（図４参照）。

【００１８】

【考案の効果】以上説明したように、本考案の台車は、
唯一の調整具１１を操作することにより、内枠３が外枠
１に対し、０〜９０度までの間の任意の角度で固定する
ことができ、この内枠３に重量物を支持させることによ
り、重量物を傾斜した状態或いは垂直の状態で安定に保
持し、且つ移動することができ、運搬作業の安全性と省
力作業が達成される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の台車の一使用状態を示す斜視図

【図２】本考案の台車の別の使用状態を示す斜視図

【図３】本考案の台車の別の使用状態を示す斜視図

【図４】（ａ）は図２の状態における本考案の台車の
平面図、（ｂ）は（ａ）のＡ−Ａ′の矢視断面図

【図５】本考案の台車の内枠３、外枠１、保持アー
ム、連結ロッド及び調整具の動きを示す概略図

【符号の説明】

１：外枠２：車輪３：内枠４：保持アーム５：固定装置６，７：保持アーム端部８，９：桟１０：連結ロッド１１：調整具

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】荷受台となる外枠（１）と、該外枠
（１）を支持して移動可能にしている複数対の車輪
（２）と、外枠（１）の内側に挿設された内枠（３）
と、該内枠（３）と係合して内枠（３）を任意の角度に
起立させる一対の保持アーム（４）と、起立させられた
内枠（３）と一対の保持アーム（４）とを所定の角度に
固定する固定装置（５）とからなり、上記内枠（３）の一方の端部は、外枠（１）の内側に水
平移動可能に保持されており、上記保持アーム（４）の
一方の端部（６）は外枠（１）の端部内側に回転自在に
軸着され、保持アーム（４）の他方の端部（７）は上記
内枠（３）の長手方向略中央部において内枠（３）に回
転自在に軸着され、保持アーム（４）の端部（７）を端
部（６）を支点にして上昇させると、その上昇によって
内枠（３）の下方の端部が外枠（１）の内側に沿って水
平移動して内枠（３）がその分だけ起立し、保持アーム
（４）の起立に従動して起立した内枠（３）と保持アー
ム（４）とが固定装置（５）により固定されるようにな
っており、上記固定装置（５）が、内枠（３）の支点（７）より下
方に固定された桟（８）と、保持アーム（４）の長手方
向略中央に固定された桟（９）と、これらの桟（８，
９）を連結している連結ロッド（１０）と、桟（８，
９）間の連結ロッド（１０）の長さを調整する調整具
（１１）とからなり、上記桟（８，９）間の連結ロッド（１０）の長さを調整
することによって、内枠（３）を外枠（１）の面と面一
の水平位置から、外枠（１）に対して垂直位置にまで任
意の角度に起立及び固定するようにしたことを特徴とす
る台車（２０）。