JPH089050Y2 - 引き出し式棚 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、左右一対の前後方向ガイドレールにより支
持台を前方へ引き出し可能に支持した引き出し式棚に関
するものである。

（従来の技術及びその問題点） この種の引き出し式棚に於いては、前記支持台を荷の
積み卸しのために前方へ引き出したとき、重心の移動に
よって手前側に転倒しないように、前記ガイドレールを
支持する左右一対の支柱の下端夫々に、前後方向の脚部
材が前方へ延出するように付設することが考えられた。

しかしながら前記支持台を前方に引き出していない状
態では、前記両脚部材の前端部が前記支持台の前端真下
位置から前方に張り出しているため、この棚付近を通る
作業者や運搬車輌が前記脚部材の前端部に引っ掛かって
転倒する恐れがあり、大変危険であった。

（課題を解決するための手段） 本考案は上記のような従来の問題点を解決するため
に、前記両脚部材の前端部を覆うカバーを設け、これら
両カバーは、前後方向の頂板部を前下がりに傾斜させる
と共に、当該頂板部から左右両側に連なる両側板部を下
広がりに傾斜させて成る引き出し式棚を提案するもので
ある。

（実施例） 以下に本考案の一実施例を添付の例示図に基づいて説
明する。

第１図に於いて、１は左右一対の支柱、２は各支柱１
に前方へ突出するように付設された上下複数段のガイド
レール、３は同一レベルのガイドレール２に前方へ引き
出し可能に支持された横長の支持台、４は各支柱１の上
端部に前方へ突出するように付設された固定支持杆、５
は両固定支持杆４に支持された横長の固定支持台、６は
前記両支柱１の下端に前方へ突出するように付設された
脚部材、７は両脚部材６の前端部に嵌合固定したカバー
である。

第２図〜第４図にも示すように、前記両支柱１は、前
後一対の柱材8a,8b間に斜め連結材９をジグザグ状に架
設したトラス構造のもので、両柱材8a,8bの下端には、
アンカーボルト10により床面に固定される接地板11a,11
bが固着され、図では表れていないが、両支柱１は連結
材により互いに連結されている。又、前記脚部材６は縦
断面がコの字形のもので、その後端部が前記支柱１の前
後一対の柱材8a,8bの側面にボルト止めされ、前端頂部1
2は、前端側程低くなるように前下がりに傾斜し、前端
下側には、アンカーボルト13により床面に固定される接
地板14が固着されている。

第１図〜第５図に示されるように、前記カバー７は、
前後方向の頂板部15を前記脚部材６の前端頂部12と平行
になるように前下がりに傾斜させると共に、当該頂板部
15から左右両側に連なる両側板部16a,16bを下広がりに
傾斜させたもので、前端は前端垂直板部17により閉じら
れているが、後端は開放されている。このカバー７は、
前記脚部材６の前端に前記前端垂直板部17が当接すると
共に、脚部材６の前下りに傾斜する前端頂部12に頂板部
15が重なるように被せられ、脚部材６の前端頂部12と頂
板部15とがボルト18により固定される。このとき、カバ
ー７の両側板部16a,16bの下縁は床面に近接し、脚部材
６の前端接地板14は当該カバー７によって被覆される。

前記支持台３及び固定支持台５は、第３図及び第４図
に夫々仮想線で示すように長尺物19を横向き水平状態で
支持するものであって、前後一対の側枠20a,20bを、両
端及び中間複数箇所に於いて連結部材21により互いに連
結し、当該連結部材21の表面21aを側枠20a,20bよりも低
くして、両側枠20a,20b間で連結部材21上に長尺物19を
支持し得るように構成したものであるが、具体的には第
６図に示すように、側枠20a,20bとして縦断面がΣ形の
型鋼を使用し、連結部材21の両端に固着した取付け板22
を前記側枠20a,20bの垂直板部23の内側にボルトナット2
4で止着して構成することが出来る。

上記のように構成された引き出し式棚に於いては、長
尺物19の積み卸しに際して、その積み卸し作業対象とな
る支持台３を手前に引き出し、上段の支持台３に邪魔さ
れずに長尺物19の積み卸しをホイストやフォークリフト
等を利用して安全に行うことが出来るのであるが、この
とき、棚全体の重心が手前に引き出された支持台３の存
在により大きく前方へ移動することになる。しかしなが
ら、この手前に引き出された支持台３の前端下側位置ま
で前方へ突出している前記脚部材６の存在により、棚が
前下りに転倒する恐れは全く無くなり、安全である。

尚、前方に引き出し可能な支持台３及びカバー７を、
他の部分の塗装色とは異なり且つ目立つ塗装色、例えば
黄色に塗装することにより、付近を通る作業者等に注意
を促すことが出来る。

（考案の作用及び効果） 以上のように本考案の引き出し式棚に於いては、前方
に突出する脚部材の存在により、支持台を前方に引き出
したときに棚が前下りに転倒するのを確実に防止するこ
とが出来、しかも支持台が後退位置まで戻されている状
態に於いては、当該支持台の前端より大きく前方に張り
出すことになる前記脚部材の前端部は、前後方向の頂板
部を前下がりに傾斜させると共に当該頂板部から左右両
側に連なる両側板部を下広がりに傾斜させて成るカバー
によって被覆しているので、この棚付近を通る作業者や
運搬車輌が前記脚部材の前端部に引っ掛かって転倒する
恐れも極減し、安全に活用することが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は概略斜視図、第２図は要部の正面図、第３図は
要部の側面図、第４図は要部の平面図、第５図は要部の
分解斜視図、第６図は支持台要部の斜視図である。 １…支柱、２…ガイドレール、３…前方に引き出し可能
な支持台、６…脚部材、７…カバー、15…頂板部、16a,
16b…左右両側板部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】左右一対の前後方向ガイドレールにより支
   持台を前方へ引き出し可能に支持した引き出し式棚に於
   いて、前記ガイドレールを支持する左右一対の支柱の下
   端夫々に、前後方向の脚部材を前方へ延出するように付
   設すると共に、当該両脚部材の前端部を覆うカバーを設
   け、これら両カバーは、前後方向の頂板部を前下がりに
   傾斜させると共に、当該頂板部から左右両側に連なる両
   側板部を下広がりに傾斜させて成る引き出し式棚。