JP2573528B2 - 自動研削方法 - Google Patents

自動研削方法

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JP2573528B2
JP2573528B2 JP2206845A JP20684590A JP2573528B2 JP 2573528 B2 JP2573528 B2 JP 2573528B2 JP 2206845 A JP2206845 A JP 2206845A JP 20684590 A JP20684590 A JP 20684590A JP 2573528 B2 JP2573528 B2 JP 2573528B2
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  • Constituent Portions Of Griding Lathes, Driving, Sensing And Control (AREA)
  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は鋼構造部材の組立てや運搬のために溶接して
取付けた補助部材を用済み後除去して母材表面まで仕上
げる研削作業、あるいは鋳物の押し湯を切断した後の研
削仕上げ作業等を自動化する研削方法に関する。
[従来の技術] 鋼構造物を運搬するために吊り具を溶接したり、2枚
の鋼板を突合せ溶接するために固定具を溶接したりする
のが通例である。これらの補助部材はそれぞれの目的を
達したのち除去しなければならない。
すなわち、第10A図、第10B図に示すように鋼構造物13
を運搬する際に、鋼構造物表面にあらかじめ吊り具14を
溶接する。吊り上げ運搬により所定位置にセットされた
鋼構造物13の吊り具14は第11A図、第11B図のように底部
を残してガス切断する。また、第12A図および第12B図に
示すように2枚の鋼板15,15を突合せ溶接する際には、
溶接線近くにまたがって固着具16を溶接し、突合せ溶接
終了後、第13A図、第13B図のように底部を残してガス切
断する。
ガス切断によって生じた残留余肉部(以下単に余肉部
という)11の高さは、切断トーチの半径以下にはできな
いから、砥石で研削仕上げする作業を省くことができな
い。鋳物の押し湯ガス切断で除去する場合も同様ある高
さ余肉部11が生じるので、これを研削除去する作業は不
可避である。
[発明が解決しようとする課題] 一般に手作業によるガス切断面は不揃いで凹凸が大き
く、かつ残留高さも一定し難いし、また余肉部11を母材
表面10まで研削する作業も自動化されていない。余肉部
11を除去するに際して母材表面10よりも深く研削するこ
とは構造物の強度を損ねるので許されないから、仮にな
んらか機械装置を用いて研削したとしても、作業員が常
に研削面を監視し、母材表面10よりも余裕をもって機械
研削を停止し、その後は手作業で母材表面10まで仕上げ
ざるを得ない。
また、特開平1−121169号公報のように単位時間当り
研削量の大小に応じて増減する定速回転モータを用いた
電動グラインダによって負荷電流が一定になるように制
御する方法で自動研削すれば、余肉部表面の凹凸が仕上
げ面にも残留して均一に仕上げられないから、母材表面
と一致するように仕上げるのは不可能である。さらに、
特開平2−95563号公報のように母材表面を基準として
仕上げ面の高さを計測しながら自動研削する方法は、溶
接余盛のように狭い帯状の余肉部に適用できる方法であ
って、高さも面積も一定しない余肉部に対して適用する
のは困難である。
本発明は、母材表面上に存在する余肉部を、常時作業
員が監視することなく、ほぼ母材表面まで研削除去し、
かつ母材表面より深く削り込む量を最小限に抑えて自動
研削する方法を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するため本発明は、母材表面上に残存
する余肉部を走査線に沿って砥石を移動させることによ
り、ほぼ母材表面まで研削除去する方法であって;余肉
部全面をカバーし、かつ走行線軌跡の山部および谷部が
余肉部の平面領域より外側に位置される矩形波状の走査
線を設定し;走査線軌跡の山部および谷部で砥石を母材
表面に向って接近させ、砥石が母材表面に当接してグラ
ンダのモータ電流が一定水準に達した瞬間に接近わ停止
し;次いで砥石を余肉部の幅方向または長手方向に沿っ
て他端まで移動させ、この動作を反復し、矩形波状走査
線に従って余肉部全面を研削することからなる。
また、余肉部の厚さが大きく1回の走査期間で除去で
きないときに、砥石が走査線軌跡の山部および谷部に位
置するごとにグラインダのモータ電流を測定しながら余
肉部の第1層を研削し、第1層におけるすべての電流測
定値が一定水準以下であれば砥石を余肉部厚み方向の第
2層レベルに下降させ、第2層のすべての電流測定値が
一定水準以下であれば砥石を第3層レベルに下降させ、
これを反復して第N層の加工中いずれかの電流測定値が
一定水準に達した瞬間に、砥石の下降を停止し、その回
の走査で加工を自動停止するようにした自動研削方法で
ある。
[作 用] 上記のように本発明では、余肉部の厚さが砥石の1回
の走査で除去できる程度ならば、余肉部の全面に設定し
た走査線に沿って砥石を移動させる。また、余肉部の厚
さが砥石の1回の走査では除去できないならば、初回の
走査期間中は砥石を母材表面に接近させることなく余肉
部の最も厚い部分に接触させ、回ごとに砥石を一定距離
ずつ母材表面へ接近しながら走査を反復し、砥石が母材
表面に当接したことをグラインダのモータ電流によって
検知すればその回を最終回の走査として加工を自動停止
するものである。
[実施例] 第1図および第2図は本発明方法を実施する装置の正
面図および側面図で、支持フレーム1の下端に取付けら
れた電磁石(母材が非磁性材料の場合は真空パッド)3
が母材表面10に吸着し、砥石4によって余肉部11を研削
除去する際の反力によって浮き上らないように装置全体
を固定する。図中2はガーダー、5は電動グラインダ、
6は砥石4を母材表面10に向ってZ軸方向に近づけたり
遠ざけたりする昇降用スライド機構、7は走行線12に沿
って母材表面10の幅方向と平行に砥石4を移動させる走
行用スライド機構、8はスライド機構7を相隣る走査線
12へ移動させるためのトラバース用スライド用スライド
機構である。
第3図は制御装置の一例で、砥石4が余肉部11の表面
を走査するように各スライド機構6,7,8を順次駆動する
ための走査駆動部40と、電動グラインダ5のモータ50の
電流を測定して負荷検出信号を制御部20へ出力するため
の負荷検出部30から構成される。走査線12のパターン
は、第6図に示すように余肉部11の全面をカバーし、か
つ余肉部平面領域より外側に走査線軌跡の山部・谷部が
位置するような矩形波状をなしている。制御部20は、走
査線12の両端位置を決定するリミットスイッチの信号に
よってスライド機構7の駆動モータ70を交互に正転また
は逆転し、走査線12の間隔(第6図の寸法△Y)に相当
するタイマと走査線の本数に相当するカウンタの回数に
よってスライド機構8の駆動モータ80を正転または逆転
し、これによって砥石4は余肉部全面(数ブロックに分
割したときは1ブロックの全面)を走査する。
制御部20からの信号によってスライド機構6の駆動モ
ータ60も正転または逆転する。負荷検出部30により走査
線両端のリミットスイッチ動作点でグラインダのモータ
電流を測定して第5図の限界値Ipに達した瞬間に負荷検
出信号を制御部20に出力する。走査駆動40のモータ60は
負荷検出信号を受けると直ちに正転を停止し、または負
荷検出信号が出力されなくなるまでモータ60を逆転す
る。これによって砥石4が母材表面10に軽く接触した状
態に保つことができるのである。
次に作用について説明する。
砥石を空転させている状態から次第に研削対象物へ接
近させると、電動グラインダ5のモータ50の電流は第5
図のように変化する。すなわち、無負荷回転では電流Ia
であるが、砥石が研削対象物に接触すると電流Ibまで急
激に上昇し、Ibの値は接触圧が大きい程大きくなる。こ
こで、電流Iaより僅かに大きい電流Ipを限界値として判
定すれば、砥石4が対象物に軽く接触した瞬間を検知す
ることができる。円板状の砥石を小さい傾斜角で対象物
に接触させれば、電流Ipでの研削深さを極めて浅くする
ことができ、砥石に若干の弾性があれば更に微小な研削
深さで砥石の接触を検知することができる。
そこで、第6図、第7図のような余肉部11を除去しよ
うとする場合、余肉部近傍の点Aで砥石4を母材表面10
へ接近させ、グラインダのモータ電流が第5図のIpに達
した瞬間に母材表面10への接近を停止する。そして母材
表面10と砥石4との相対位置をそのまま保持するよう砥
石4を母材表面10と平行に点Bへ向って移動させる。余
肉部11の幅wがあまり大きくなければ、この間を1回研
削することによる砥石の消耗はほとんど無視できるか
ら、線分ABを中心として幅△Yの帯状域内がほぼ母材表
面10まで仕上げられる。幅△Yは砥石の直径によって定
まり、直径が大きいほど大きくなる。また、砥石の代わ
りに研磨ベルトを用いれば、そのベルト幅に等しくな
る。
次に、砥石4を一旦母材表面10から遠ざけたのちC点
へ移動し、再び母材表面1へ接近してグラインダのモー
タ電流が第5図のIpに達した瞬間、母材表面10への接近
を停止する。そして砥石4を母材表面10と平行にD点ま
で移動させると、線分CDを中心として幅△Yの帯状域内
がほぼ母材表面10まで仕上げられる。
このような動作を間隔△Yで平行に並んだ走査線EF,
……,RSに沿って反復し、余肉部11の全面に走査すれ
ば、研削加工に伴う砥石4の消耗を自動的に補正して、
余肉部11を削除し、ほぼ母材表面10まで仕上げることが
できる。
さらに、第4図のように母材表面10が曲面であって
も、砥石4が軽く接触するのを検知することによって自
動的に母材表面を探索するので、母材表面10に倣って余
肉部11を研削除去することができる。
以上の動作は余肉部の厚さがあまり大でなく、砥石が
1回走査するだけで母材表面10まで研削除去できる場合
に適用できるものであるが、余肉部の厚さが大で1回の
走査では全部を除去できない場合について次に説明す
る。
第8図のような余肉部11の場合、最初は余肉部11の最
も厚い部分に接触するように砥石と母材表面10との間隔
を保ったまま、走査線AB,CD,EF,……,RSに沿って第1回
目の走査を行い、この間砥石4は母材表面10へ接近させ
ない。第1回の走査が終了するとS点で砥石を厚み方向
の一定距離△Zだけ母材表面へ接近させ、走査線に沿っ
て逆方向にSR,……,FE,DC,BAの順で走査し、やはり砥石
は母材表面に接近させないで第2層目を研削する。この
ようにして順次走査研削していけば余肉部が層状に研削
除去されるが、第1層から第N−1層までは走査線の両
端A,B,C…,Sの各位置で砥石は空転状態であり、グライ
ンダのモータ電流は無負荷電流Iaである。しかし、第N
層の走査に移るために砥石4が距離△Zだけ母材表面10
へ接近しようとすると、途中で砥石が母材表面に接触し
グラインダ5のモータ電流が第5図の限界値Ipに達する
から、その瞬間に砥石4の接近を停止し、そのままの状
態で第N層を走査研削すれば余肉部11はほぼ母材表面10
まで除去され、したがって第N層の走査終了と共に加工
を自動停止すればよい。
第8図のように母材表面が平坦で歪がない場合、砥石
が最初に母材表面と接触するのは次層の走査開始に先立
って砥石が接近動作をする点Aまたは点Sに限られる
が、第9図のように母材表面に歪みがあれば走査途中の
返し点で接触することがある。
第9図の例では点Sから走査を始める第4層の途中の
折返し点Qで砥石が母材表面10に接触することになる。
したがって、点Qで測定したグラインダのモータ電流が
第5図の限界値Ipに達した瞬間に砥石を急速に歩材表面
10から遠ざけ、砥石を走査の開始点Sに戻したのち、第
6図で説明した手順に従って仕上げ研削すればほぼ母材
表面10に倣って仕上げることが可能である。
一般に母材の歪は微小であるから、第9図の例におい
て第4層の途中折返し点Qでグラインダのモータ電流が
第5図の限界値Ipを越えたとき、砥石を母材表面から遠
ざける動作を省略し、その代わり第4層の走査終了をも
って研削加工を打ち切るようにすることも実用上可能で
ある。
上記多層研削では1層の研削における砥石の消耗が少
量であることを前提としているので、余肉部の面積が大
きいときは、適宜小面積のブロックに分割し、それぞれ
についてこの加工法を適用すればよい。
[発明の効果] 上述のように本発明は鋼構造物に溶接した補助部材ま
は鋳物の押し湯等を切断後、母材表面上に残存する余肉
部の全面をカバーし、かつ余肉部平面領域より外側に走
査線軌跡の山部・谷部が位置するような矩形波状の走査
線に沿って電動グラインダの砥石を移動させ山部及び谷
部で砥石を軽く母材表面に接触させるものであるから、
余肉部位を母材表面まで自動的に研削除去することがで
きる。
余肉部の厚さが砥石の1回の走査で除去できる程度で
あれば、上記走査線に沿って砥石を移動させることによ
り、平坦なものばかりでなく湾曲した母材表面に対して
もそれに沿って余肉を確実に研削除去できる。余肉部の
厚さが1回の走査で除去できないならば、初回の走査期
間中は砥石を母材表面に接近させることなく余肉部の最
も厚い部分に接触させ、回ごとに砥石を母像表面へ接近
させながら走査を反復し、砥石が母材表面に当接した回
を最終回として加工を停止すれば、ほぼ母材表面まで研
削除去することが可能である。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明研削方法を実施する装置の正面図、第2
図は同じく側面図、第3図は制御装置のブロック図、第
4図は母材表面が湾曲している場合の余肉部を研削する
状況を示す拡大正面図、第5図はグラインダを研削面へ
接近させたときのモータ電流の変動を示す線図、第6図
は余肉部と走査線との関係を示す平面図、第7図は第6
図のY−Y線における断面図、第8図は余肉部の厚さが
大きい場合の研削加工を示す図、第9図は変形した母材
表面にある厚い余肉部の研削加工を示す図、第10A図お
よび第10B図は鋼構造物運搬時に固着した吊り具の正面
図および側面図、第11A図および第11B図は吊り具を切断
した状態の正面図および側面図、第12A図および第12B図
は鋼板突き合せ部にまたがって溶接した固着具の正面図
および側面図、第13A図および第13B図は固着具を切断し
た状態の正面図および側面図である。 1……支持フレーム、2……ガーダー、3……電磁石、
4……砥石、5……電動グラインダ、6……昇降用スラ
イド機構、7……走行用スライド機構、8……トラバー
ス用スライド機構、10……母材表面、11……余肉部、12
……走査線、13……鋼構造物、14……吊り具、15……鋼
板、16……固定具、20……制御部、30……負荷検出部、
40……走査駆動部、50……グラインダモータ、60……昇
降用モータ、70……走行用モータ、80……トラバース用
モータ。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−121169(JP,A) 特開 平2−95563(JP,A) 特開 昭64−58471(JP,A) 特開 昭62−259755(JP,A) 特開 昭56−157944(JP,A) 実開 平2−43161(JP,U)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋼構造物に溶接した補助部材または鋳物の
    押し湯等を切断後、母材表面上に残存する余肉部を走査
    線に沿って砥石を移動させることにより、ほぼ母材表面
    まで研削除去する方法であって、 余肉部全面をカバーし、かつ走査線軌跡の山部および谷
    部が余肉部の平面領域より外側に位置される矩形波状の
    走査線を設定し、 走査線軌跡の山部および谷部で砥石を母材表面に向って
    接近させ、砥石が母材表面に当接してグラインダのモー
    タ電流が一定水準に達した瞬間に接近を停止し、 次いで砥石を余肉部の幅方向または長手方向に沿って他
    端まで移動させ、この動作を反復し、矩形波状走査線に
    沿って余肉部全面を研削することからなる研削方法。
  2. 【請求項2】余肉部の厚さが大きく1回の走査期間で除
    去できないときに、砥石が走査線軌跡の山部および谷部
    に位置するごとにグランダのモータ電流を測定しながら
    余肉部の第1層を研削し、 第1層におけるすべての電流測定値が一定水準以下であ
    るとき砥石を余肉部厚み方向の第2層のレベルに下降さ
    せ、 第2層のすべての電流測定値が一定水準以下であれば砥
    石を第3層レベルに下降させ、 これを反復して第N層の加工中いずれかの電流測定値が
    一定水準に達した瞬間に、砥石の下降を停止し、その回
    の走査で加工を自動停止するようにした ことを特徴とする請求項1記載の自動研削方法。
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