JP2572644B2 - 光学活性な1―アルコキシ―3―フルオロ―2―プロパノール及びその製造方法 - Google Patents

光学活性な1―アルコキシ―3―フルオロ―2―プロパノール及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、医薬、農薬もしくは強誘電性液晶等の機能
性材料を製造するための中間体として利用される光学活
性な1−アルコキシ−3−フルオロ−2−プロパノール
及びその製造方法に関する。
従来の技術 1−アルコキシ−3−フルオロ−2−プロパノールの
合成方法として、エピフルオロヒドリンにアルコールを
作用させる方法〔例えば、ボグスラフスカヤ(Boguslav
skaya)ら,Zh.Org.Khim.,,p296(1973)〕やグリセリ
ンから誘導する方法〔例えば、ブラヒビッツら,ジャー
ナル・プラクト・ケミー(Journal f.prakt.Chemie.)3
21,p775(1979)〕によって合成できることが知られて
いる。しかし、この化合物はラセミ体であり、光学活性
な化合物は未だ得られていない。ところで、特異な生理
活性や機能を有する医薬や農薬、さらには強誘電性液晶
等の開発のための原料として、この種の化合物の光学活
性体の安価で大量の提供が望まれている。しかし、この
化合物のラセミ体から光学活性体を光学分割等で得る方
法は、未だその手段も確立されておらず、またコストが
非常に高くつくものと予想される。
発明が解決しようとする課題 本発明者は、かかる現状に鑑み、鋭意研究を進めた結
果、光学活性なアルキルグリシジルエーテルにアミン−
フッ化水素錯体を作用させると、驚くべきことにラセミ
化することなく、光学活性な1−アルコキシ−3−フル
オロ−2−プロパノールを得ることができることを見い
出した。
本発明は、かかる知見に基づきなされたもので、本発
明の目的は、光学活性な1−アルコキシ−3−フルオロ
−2−プロパノール及びこの化合物の安価で、しかも簡
易な製造方法を提案することにある。
課題を解決するための手段 本発明は、下記式(I) (式中はRは炭素数1乃至19のアルキル基を、Cは光
学活性が付与された不斉炭素を表わす)で示される光学
活性な1−アルコキシ−3−フルオロ−2−プロパノー
ル、及び 下記式(II) (式中はRは炭素数1乃至19のアルキル基を、Cは光
学活性が付与された不斉炭素を表わす)で示される光学
活性なアルキルグリシジルエーテルにアミン−フッ化水
素錯体を作用させることから構成される上記式(I)の
光学活性な1−アルコキシ−3−フルオロ−2−プロパ
ノールの製造方法からなるものである。
本発明の一般式(I)で示される光学活性な1−アル
コキシ−3−フルオロ−2−プロパノールとしては、
(+)−3−フルオロ−1−メトキシ−2−プロパノー
ル、(+)−3−フルオロ−1−エトキシ−2−プロパ
ノール、(+)−3−フルオロ−1−プロピルオキシ−
2−プロパノール、(+)−3−フルオロ−1−ブチル
オキシ−2−プロパノール、(+)−3−フルオロ−1
−ペンチルオキシ−2−プロパノール、(+)−3−フ
ルオロ−1−ヘキシルオキシ−2−プロパノール、
(+)−3−フルオロ−1−ヘプチルオキシ−2−プロ
パノール、(+)−3−フルオロ−1−オクチルオキシ
−2−プロパノール、(+)−3−フルオロ−1−ノニ
ルオキシ−2−プロパノール、(+)−3−フルオロ−
1−デシルオキシ−2−プロパノール、(+)−3−フ
ルオロ−1−ウンデシルオキシ−2−プロパノール、
(+)−3−フルオロ−1−ドデシルオキシ−2−プロ
パノール、(+)−3−フルオロ−1−トリデシルオキ
シ−2−プロパノール、(+)−3−フルオロ−1−テ
トラデシルオキシ−2−プロパノール、(+)−3−フ
ルオロ−1−ペンタデジルオキシ−2−プロパノール、
(+)−3−フルオロ−1−ヘキサデシルオキシ−2−
プロパノール、(+)−3−フルオロ−1−ヘプタデシ
ルオキシ−2−プロパノール、(+)−3−フルオロ−
1−オクタデシルオキシ−2−プロパノール、(+)−
3−フルオロ−1−ノナデシルオキシ−2−プロパノー
ル等並びに(−)の上記アルカノールを例示しうる。
一方、上記化合物を製造するための出発物質として用
いる光学活性なアルキルグリシジルエーテル(II)とし
ては、(+)−メチルグリシジルエーテル、(+)−エ
チルグリシジルエーテル、(+)−プロピルグリシジル
エーテル、(+)−ブチルグリシジルエーテル、(+)
−ペンチルグリシジルエーテル、(+)−ヘキシルグリ
シジルエーテル、(+)−ヘプチルグリシジルエーテ
ル、(+)−オクチルグリシジルエーテル、(+)−ノ
ニルグリシジルエーテル、(+)−デシルグリシジルエ
ーテル、(+)−ウンデシルグリシジルエーテル、
(+)−ドデシルグリシジルエーテル、(+)−トリデ
シルグリシジルエーテル、(+)−テトラデシルグリシ
ジルエーテル、(+)−ペンタデシルグリシジルエーテ
ル、(+)−ヘキサデシルグリシジルエーテル、(+)
−ヘプタデシルグリシジルエーテル、(+)−オクタデ
シルグリシジルエーテル、(+)−ノナデシルグリシジ
ルエーテル等並びに(−)の上記エポキシドを例示しう
る。
これらのエポキシド類は、微生物を利用してアルキル
アリルエーテルを酸化することにより調製できる(特願
昭62−86201号参照)。
本発明の化合物は、上記のような光学活性なアルキル
グリシジルエーテル類をアミン−フッ化水素錯体と反応
させることにより得られる。
このアミン−フッ化水素錯体は、アミンとフッ化水素
酸を所定のモル比で混合し、減圧下で水を留去する方法
により調製できる。例えば、ジイソプロピルアミン−ジ
フッ化水素錯体(i−Pr)2NH・2FHは、ジイソプロピル
アミン1モルとフッ化水素酸2モルの割合で混合し、減
圧下に水を留去することから得られる。また、この錯体
は、アミン中に無水フッ化水素を所定量吹き込むことに
よっても調製することができる。
アミン−フッ化水素錯体におけるアミンとしては、上
述のジイソプロピルアミンのほかに、プロピルアミン、
イソプロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミ
ン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、ジエチ
ルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジ−se
c−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルア
ミン、トリブチルアミン、ヘキシルアミン、ジヘキシル
アミン、トリヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチ
ルアミン、tert−オクチルアミン、ジオクチルアミン、
デシルアミン、オクタデシルアミン、ピリジン、メラミ
ン等を用いることができる。
このアミン−フッ化水素錯体の使用量は、アルキルグ
リシジルエーテルに対するアミン量で0.5〜10当量が適
当である。
上記に示すアルキルグリシジルエーテル類とアミン−
フッ化水素錯体との反応は、クロロホルム、塩化メチレ
ン、四塩化炭素、ジエチルエーテル、酢酸エチル、アセ
トン、ヘキサン、ベンゼン、アセトニトリルなどの有機
溶媒中で行っても良いし、また無溶媒で行ってもよい。
反応温度は−20〜130℃の広範囲が用いられるが、使
用する溶媒の種類に応じて決めるとよい。反応時間は反
応温度に応じて0.5〜30時間の範囲で適宜決められる。
上記により反応を行った後、当該反応生成物について
相分離、抽出、蒸留、カラムクロマトグラフィー等の手
法により、光学活性な1−アルコキシ−3−フルオロ−
2−プロパノールを分離、回収する。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例1 フッ化水素ピリジン錯体〔70/30w/w%、アルドリッヒ
(Aldrich)社製〕11.8gに、氷浴上で、(+)−ヘキシ
ルグリシジルエーテル4.74g(30mmol)を滴下した。滴
下終了後、1時間かくはんし、この反応液を氷水50ml中
に注ぎ、エーテルで抽出した。エーテル層を5%濃度の
炭酸ナトリウム水及び水で洗浄した後、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。
溶媒を留去した後、残渣をシリカゲルクロマトグラフ
ィー(溶出液、ヘキサン:酢酸エチル=3:1)に付し、7
0〜80℃/2mmHg(クーゲロール)で減圧蒸留精製し、1.1
0gの3−フルオロ−1−ヘキシルオキシ−2−プロパノ
ールを得た。収率は21%、ガスクロマトグラフィーによ
る純度は99%、比旋光度▲〔α〕25 D▼は+1.5゜(c=
1.2,CHCl3)であった。
実施例2 ジイソプロピルアミン−ジフッ化水素錯体(i−Pr)
2NH・2FH6.3g(45mmol)を入れ、氷浴上で、(+)−ヘ
キシルグリシジルエーテル4.74g(30mmol)を滴下し
た。滴下終了後、110℃で4時間かくはんし、放冷後
に、この反応液を氷水50ml中に注いだ。エーテルで抽出
した後、エーテル層を5%濃度の炭酸ナトリウム水及び
水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留
去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(溶出液、ヘキサン:酢酸エチル=3:1)に付し、70〜8
0℃/2mmHg(クーゲロール)で減圧蒸留精製し、1.56gの
3−フルオロ−1−ヘキシルオキシ−2−プロパノール
を得た。収率は29%であった。
発明の効果 以上のように、本発明の光学活性な1−アルコキシ−
3−フルオロ−2−プロパノールは、前述したような種
々の有用物質の中間体として重要な化合物であり、また
本発明の製造方法によると光学活性なアルキルグリシジ
ルエーテルを出発物質として用い、安価に、簡便に光学
活性な1−アルコキシ−3−フルオロ−2−プロパノー
ルを製造することができるという格別の効果を奏する。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(I) (式中はRは炭素数1乃至19のアルキル基を、Cは光
    学活性が付与された不斉炭素を表わす)で示される光学
    活性な1−アルコキシ−3−フルオロ−2−プロパノー
    ル。
  2. 【請求項2】下記式(II) (式中はRは炭素数1乃至19のアルキル基を、Cは光
    学活性が付与された不斉炭素を表わす)で示される光学
    活性なアルキルグリシジルエーテルにアミン−フッ化水
    素錯体を作用させることを特徴とする請求項(1)に記
    載の光学活性な1−アルコキシ−3−フルオロ−2−プ
    ロパノールの製造方法。
JP5605789A 1989-03-10 1989-03-10 光学活性な1―アルコキシ―3―フルオロ―2―プロパノール及びその製造方法 Expired - Lifetime JP2572644B2 (ja)

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