JP2572579Y2 - 車両に用いられる湿式多板クラッチ装置 - Google Patents

車両に用いられる湿式多板クラッチ装置

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JP2572579Y2
JP2572579Y2 JP1991056034U JP5603491U JP2572579Y2 JP 2572579 Y2 JP2572579 Y2 JP 2572579Y2 JP 1991056034 U JP1991056034 U JP 1991056034U JP 5603491 U JP5603491 U JP 5603491U JP 2572579 Y2 JP2572579 Y2 JP 2572579Y2
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博計 榎本
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株式会社フジユニバンス
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、油圧によりピストンを
駆動して動力の伝達を断接する湿式多板クラッチ装置に
関し、特に車両のオートマチックトランスミッションに
入力する動力を断接する湿式多板クラッチ装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、車両のオートマチックトランスミ
ッションにエンジン側より入力する動力を断接する湿式
多板クラッチとしては、例えば図8に示すようなものが
ある。図8において、10はクラッチドラムであり、動
力回転が入力する。クラッチドラム10の内部には複数
枚のスチールプレート14が配置される。スチールプレ
ート14の外周側に設けた突起16はクラッチドラム1
0の外周軸方向のガイド穴18に嵌め入れられ、スチー
ルプレート14はクラッチドラム10と一体に回転でき
るようにしている。
【0003】クラッチドラム10の回転中心側には相対
回転自在にハブ12が設けられる。ハブ12には複数枚
のフェーシングプレート20が設けられる。クラッチド
ラム10のスチールプレート14とハブ12のフェーシ
ングプレート20は交互に配置されている。クラッチオ
ン時にはクラッチドラム10側に組込んだピストン22
をピストン室24へ油圧を供給することで軸方向に駆動
し、スチールプレート14およびフェーシングプレート
20を押圧することにより摩擦接触による締結状態が得
られ、クラッチドラム10からハブ12に動力を伝達す
る。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の湿式多板クラッチ装置にあっては、クラッチ
オフ時にスチールプレート14とフェーシングプレート
20の各々の間が接触しないようにすき間tを確保する
必要がある。そこで、クラッチオフ時の各すき間の合計
に相当する量だけピストン22を後退させるようにピス
トン移動量を決めている。
【0005】しかし、スチールプレート14とフェーシ
ングプレート20間のすき間tが小さく不均一であるた
めに、ピストン22をクラッチオフ位置に移動しても、
複数のスチールプレート14とフェーシングプレート2
0の中には接触状態のものが残されて引きずりトルクが
発生し、動力伝達を完全に断ち切ることができない問題
があった。
【0006】本考案の目的は、クラッチプレート間のす
き間を均一に拡げることで、引きずりトルクの発生を防
止し、出力軸のつれ回りを防止するようにした湿式多板
クラッチ装置を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本考案の車両に用いられる湿式多板クラッチ装置は、入
力軸に固定されたクラッチドラムと、クラッチドラムに
回転方向に規制され且つ軸方向に移動自在に組み付けら
れた複数の第1クラッチプレートと、出力軸に固定され
たハブと、ハブに回転方向に規制され且つ軸方向に移動
自在に組み付けられ、複数の第1クラッチプレートに対
し交互に配置された複数の第2クラッチプレートと、油
圧の供給により第1クラッチプレートと第2クラッチプ
レートを軸方向に押圧するピストンを用いたアクチュエ
ータと、複数の第1クラッチプレートの各隙間に介在さ
れ、各プレート間を押し広げる方向に押圧する複数のバ
ネ部材とを備える。
【0008】具体的には、クラッチドラムは外周の軸方
向にガイド部を開口し、第1クラッチプレートは外周に
形成した一対の突起をガイド部に嵌め入れることで軸方
向の回転を規制され、ガイド部内に位置する複数の第1
クラッチプレートの突起の間のそれぞれに板バネを配置
する。またクラッチドラムは外周の複数箇所に軸方向に
開口したガイド部を形成し、第1クラッチプレートはガ
イド部に対応した外周の複数箇所に一対の突起を設けて
いる。
【0009】第1クラッチプレートと第2クラッチプレ
ートの間に設けるバネ部材としては、両端を折り曲げた
一対の板バネを背中合せにして複数の第1クラッチプレ
ートの突起の間に配置する。また板バネは中央に一対の
通し穴を有し、この一対の通し穴に一対のガイドピンを
貫通してクラッチドラムのガイド部内に支持する。
【0010】更に第1クラッチプレートはスチールプレ
ートであり、第2クラッチプレートはフェーシングプレ
ートである。
【0011】
【作用】本考案においては、クラッチプレートに形成し
た突起間に板バネを挿入し、ガイドピンで固定するよう
にしたため、クラッチオフ時には板バネが各クラッチプ
レート間を押し広げてすき間を作る。その結果、引きず
りトルクの発生を防止することができ、出力軸がつれ回
りするのを防止することができる。
【0012】
【実施例】図1は本考案の一実施例を示した実施例断面
図である。図1において、10はクラッチドラムであ
り、左側に開口した円筒形状をもち、開口部に入力フラ
ンジ部材26をボルト28により固定している。入力フ
ランジ部材26は中心側にスプライン軸穴30を有し、
スプライン軸穴30に入力軸32を嵌合する。尚、スプ
ライン軸穴30の外側の部分はベアリング34によって
図示しないケーシングに回転自在に支持される。
【0013】クラッチドラム10の内部にはハブ12が
配置される。ハブ12は中心のスプライン軸穴48に対
する出力軸50の装着でクラッチドラム10に対し相対
回転自在に設けられる。またハブ12の外周にはクラッ
チプレートを装着するためのスプライン52が形成され
ている。尚、ハブ12のスプライン52の部分には潤滑
用の油穴54が複数設けられている。
【0014】クラッチドラム10側には複数のスチール
プレート14が軸方向に配置され、またハブ12側には
複数のフェーシングプレート20がスチールプレート1
4に対し交互に位置するように配置される。クラッチド
ラム10の内部の右端には環状にピストン室24が形成
され、ピストン室24の中にリング状のピストン22を
軸方向に摺動自在に組み込んでいる。36,38はピス
トン22のシールリングである。
【0015】ピストン室24には下側に破線で示すよう
に通路40が形成され、通路40に対し外部より油圧が
供給される。下側のピストン22の中には内部通路44
が設けられ、内部通路44の中にドリフトボール弁46
を組み込んでいる。ドリフトボール弁46は油圧供給を
停止した状態でピストン室24に残っている油に遠心力
が加わって油圧を発生してピストン22を押してしまう
ことを防止する。
【0016】更にピストン22の上側には一体に張り出
し部56が設けられ、張り出し部56を貫通して入力フ
ランジ部材26との間にガイドピン58を固着し、ガイ
ドピン58にリターンスプリング60を装着している。
尚、張り出し部56はピストン22の外周の8ケ所に等
間隔に設けられている。
【0017】図2は図1の入力フランジ部材26側の端
面を示したもので、位置決めピン62により入力フラン
ジ部材26をクラッチドラム10に位置決めし、複数の
ボルト28で締め付け固定している。ピストン22のリ
ターンスプリング60を装着するガイドピン58は、2
本を1組として上下左右の4ケ所に設けられている。図
3は図2のI方向から見たバネ部材の組込み部分の平面
図である。
【0018】図3において、クラッチドラム10の外周
には軸方向に矩形のガイド穴18が開口されている。こ
のガイド穴18の中には、図1のリターンスプリング6
0のガイドピン58と同様に、2本のガイドピン66,
68が組込まれている。ガイドピン66,68には複数
の板バネ70が、二枚を1組として背中合わせの状態
で、内側に見えるスチールプレート14の間に介在する
ように設けられている。
【0019】図4は図3の板バネの装着部分を取り出し
て示す。スチールプレート14は外周に一対の突起7
2,74を形成している。この一対の突起72,74
は、図5に示すように、スチールプレート14の外周の
8ケ所に等間隔に形成されている。スチールプレート1
4の突起72,74の間にはガイドピン66,68が通
っており、ガイドピン66,68に一対の板バネ70を
背中合せにして介在している。
【0020】板バネ70は図6及び図7に取り出して示
すように、ガイドピン66,68を挿入するための一対
の通し穴76,78を有し、板バネ本体80の両端を屈
曲して先端部82を形成し、板バネ部本体80を背中合
せした状態で二枚のスチールプレート14の突起72,
74間に配置される。したがって、板バネ70の湾曲し
た先端部82がスチールプレート14を押し広げ、クラ
ッチオフ時に隣合うスチールプレート14のすき間が均
一化される。
【0021】図3に示した板バネ70によりスチールプ
レート14のすき間を均一にする構造は、図2の端面図
から明らかなように、ガイドピン66,68及び破線の
板バネ70で示す4ケ所に設けられている。尚、図3の
クラッチドラム10の外周に開口したガイド穴18は、
図2の上下左右の4カ所のリターンスプリング60の組
み込み部分についても同様に開口されている。
【0022】次に、作用を説明する。まずクラッチオン
時には、通路40からピストン室24に油圧を供給して
ピストン22を駆動すると、ピストン22のストローク
によりスチールプレート14とフェーシングプレート2
0が押圧され、プレート間が締結される。このため入力
軸32からクラッチドラム10、スチールプレート1
4、フェーシングプレート20およびハブ12を介して
出力軸50に動力が伝達される。
【0023】このときスチールプレート14の突起7
2,74間に配置した板バネ70もピストン22により
押圧される。次に、クラッチオフ時には、スチールプレ
ート14の突起72,74間に、ガイドピン66,68
で支持した一対の板バネ70を介在しているため、ピス
トン22が後退した状態で、板バネ70がスチールプレ
ート14間を押し拡げて充分なすき間を均一につくる。
【0024】したがって、引きずりトルクの発生を防止
することができ、出力軸50のつれ回りを防止すること
ができる。
【0025】
【考案の効果】以上説明したように本考案によれば、ク
ラッチプレートに形成した突起間に板バネを挿入し、ガ
イドピンで固定するようにしたため、クラッチオフ時に
は板バネが各クラッチプレート間を押し広げてすき間を
作り、その結果、引きずりトルクの発生を防止すること
ができ、出力軸がつれ回りするのを防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例を示した断面図
【図2】図1の入力軸側から見た端面図
【図3】図2のI方向から見た平面図
【図4】図3の一部を取り出して拡大した斜視図
【図5】図1のスチールプレートを取り出して示した説
明図
【図6】板バネの断面図
【図7】板バネの正面図
【図8】従来の湿式クラッチ装置の説明図
【符号の説明】 10:クラッチドラム 12:ハブ 14:スチールプレート 20:フェーシングプレート 22:ピストン 24:ピストン室 26:入力フランジ部材 28:ボルト 30:スプライン軸穴 32:入力軸 34:ベアリング 36,38:シールリング 40:通路 44:内部通路 46:ドリフトボール弁 48:スプライン軸穴 50:出力軸 52:スプライン 54:油穴 56:張り出し部 58,66,68:ガイドピン 60:リターンスプリング 62:位置決めピン 70:板バネ 72,74:突起 76,78:通し穴 80:板バネ本体 82:先端部

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両に用いられる湿式多板クラッチ装置に
    於いて、 入力軸に固定されたクラッチドラムと; 前記クラッチドラムに回転方向に規制され且つ軸方向に
    移動自在に組み付けられた複数の第1クラッチプレート
    と; 出力軸に固定されたハブと; 前記ハブに回転方向に規制され且つ軸方向に移動自在に
    組み付けられ、前記複数の第1クラッチプレートに対し
    交互に配置された複数の第2クラッチプレートと; 前記第1クラッチプレートと第2クラッチプレートを軸
    方向に押圧するアクチュエータと; 前記複数の第1クラッチプレートの各すき間に介在さ
    れ、各プレート間を押し広げる方向に押圧する複数のバ
    ネ部材と; を備え、前記クラッチドラムに外周の軸方向にガイド穴を開口
    し、前記第1クラッチプレートの外周に形成した一対の
    突起を前記ガイド穴に嵌め入れることで周方向の回転を
    規制し、ガイド穴に位置する複数の第1クラッチプレー
    トの突起の間のそれぞれに前記バネ部材を配置し、 該バネ部材として、両端を折り曲げた一対の板バネを背
    中合せにして前記複数の第1クラッチプレートの突起の
    間に配置し、 前記板バネは中央に一対の通し穴を有し、該一対の通し
    穴に一対のガイドピンを貫通して前記ガイド穴に支持し
    ことを特徴とする湿式多板クラッチ装置。
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