JP2572281Y2

JP2572281Y2 - 運搬用ケースの把手開放装置

Info

Publication number: JP2572281Y2
Application number: JP1991081051U
Authority: JP
Inventors: 徹石井
Original assignee: 石井工業株式会社
Priority date: 1991-09-09
Filing date: 1991-09-09
Publication date: 1998-05-20
Anticipated expiration: 2006-09-09
Also published as: JPH0524510U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、例えば、積重ね式の
運搬用ケースに投入された蜜柑や茄子、芋類等の生産物
を選別ラインに供給するとき、運搬用ケースに枢着され
た把手部を開放するために用いられる運搬用ケースの把
手開放装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、上述例のような生産物を選別ライ
ンに供給する方法としては、例えば、図５に示すよう
に、台形に形成された合成樹脂製の運搬用ケースＡに生
産物を所定量投入し、同運搬用ケースＡの短手側縁部Ａ
ｂ，Ａｂに枢着した金属製の把手部Ａｃ，Ａｃを上面側
に回動して次段の運搬用ケースＡを積重ねる。以下同様
にして、生産物が投入された各運搬用ケースＡ…をパレ
ット等に複数段積重ねて選別作業場（図示省略）まで運
搬した後、これら各運搬用ケースＡ…を上段側または下
段側から順次積下ろして、これら各運搬用ケースＡ…を
１個ずつコンベア等で選別ライン（図示省略）に搬送
し、同選別ライン上に搬送される各運搬用ケースＡ…を
供給方向に順次横転させて、これら各運搬用ケースＡ…
に投入された生産物を選別ライン上に放出する供給シス
テムがある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかし、上述のように
運搬用ケースＡを横転して投入された生産物を放出する
場合、運搬用ケースＡに枢着した把手部Ａｃ，Ａｃが上
面側に回動した状態のままで横転させると、運搬用ケー
スＡから放出される生産物が把手部Ａｃ，Ａｃの間に挟
まったり、或いは、生産物が把手部Ａｃ，Ａｃに接触ま
たは衝突したりして、生産物を損傷させるだけでなく、
生産物の放出が妨げられるため、一つの運搬用ケースＡ
に投入された生産物を放出するに時間がかかる。また、
運搬用ケースＡを横転する前に、運搬用ケースＡに枢着
した把手部Ａｃ，Ａｃを作業者の手で開放するならば、
選別ラインに対する生産物の供給作業に手間および時間
がかかるようになり、運搬用ケースＡに投入された生産
物を次工程へ機械的に供給することが困難であるという
問題点を有している。

【０００４】この考案は上記問題に鑑み、運搬用ケース
に枢着された一対の把手部基端を把手開放手段で同時に
開放してから生産物を放出することにより、運搬用ケー
スに投入された生産物の放出が円滑に行なえ、供給作業
の省力化および能率アップを図ることのできる運搬用ケ
ースの把手開放装置の提供を目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この考案は、左右に枢着
された把手部を上面側に回動して積重ねる運搬用ケース
の搬送途中に設けられる装置であって、上記運搬用ケー
スを搬送する搬送コンベア上に設定した把手開放位置
に、上記運搬用ケースの両側縁部に枢着された一対の把
手部基端を開放方向に同時に回動する把手開放手段を設
けた運搬用ケースの把手開放装置であることを特徴とす
る。

【０００６】

【作用】この考案は、生産物が投入された運搬用ケース
を搬送コンベア上に設定した把手開放位置に搬送し、同
位置に配設した把手開放手段を駆動して、運搬用ケース
の両側縁部に枢着された一対の把手部基端を開放方向に
同時回動することで、運搬用ケースから放出される生産
物が把手部と接触するのを防止できる。

【０００７】

【考案の効果】この考案によれば、運搬用ケースの両側
縁部に枢着された一対の把手部基端を把手開放手段で同
時に開放してから生産物を放出するので、生産物を放出
するときに把手部が邪魔にならず、運搬用ケースに投入
された生産物を一挙に放出することができ、選別ライン
等に対して生産物の放出が円滑に行なえ、生産物が損傷
するのを確実に防止することができる。しかも、生産物
の放出時において、運搬用ケースに枢着された把手部を
手で開放する手間および作業が省け、かつ、生産物の放
出前に把手部を予め開放しておくため、生産物を放出す
る方向に運搬用ケースを横転させるだけで済み、運搬用
ケースの横転動作が機械的に行なえると共に、作業の省
力化および能率アップを図ることができる。

【０００８】

【実施例】図面は運搬用ケースの長手側を搬送方向に向
けて搬送するときに用いられる第１実施例の把手開放装
置を示し、図１、図２において、この把手開放装置１
は、生産物が投入された運搬用ケースＡを搬送コンベア
２上に順次載置して、同搬送コンベア２上に設定した把
手開放位置に運搬用ケースＡの長手側を搬送方向に向け
て搬送する。この後、同位置上方に配設したユニット本
体３を垂直降下して、同ユニット本体３の両側縁部に軸
支した押圧アーム４，５を運搬用ケースＡの長手側縁部
Ａａ，Ａａと対向する方向に回動させ、これら押圧アー
ム４，５の下部両端に軸支した各回転パッド６…を、運
搬用ケースＡの短手側縁部Ａｂ，Ａｂに枢着した金属製
把手部Ａｃ，Ａｃの両側端部に押圧して開放方向に回転
する。この後、運搬用ケースＡの短手側縁部Ａｂ，Ａｂ
に枢着した把手部Ａｃ，Ａｃから押圧アーム４，５を離
間させ、同運搬用ケースＡの通過を許容する高さ位置に
ユニット本体３を上昇停止した後、把手開放済みの運搬
用ケースＡを選別ライン（図示省略）に搬送供給する。

【０００９】上述の把手開放装置１は、図２および図３
に示すように、搬送コンベア２上に設定した把手開放位
置の上方に、同位置に搬送される運搬用ケースＡの上面
側開口部と対向してユニット本体３を配設すると共に、
把手開放位置の上方中央部に架設したフレーム７の下面
側に昇降用シリンダ８を垂設し、同昇降用シリンダ８の
ピストンロッド端部をユニット本体３の上面中央部に連
結固定している。かつ、把手開放位置の上方両側部に架
設したフレーム９，９の下面側に筒状ガイド１０，１０
を垂直固定し、同筒状ガイド１０，１０に挿通したガイ
ド軸１１，１１の下端部をユニット本体３の上面両側部
にそれぞれ連結している。すなわち、上述する昇降用シ
リンダ８の作動により、把手開放位置に搬送される運搬
用ケースＡの通過を許容する高さに離間した上昇位置
（図１参照）と、同位置に搬送される運搬用ケースＡの
上面側開口部に近接した降下位置（図２参照）とにユニ
ット本体３を昇降停止する。

【００１０】上述のユニット本体３には、同ユニット本
体３の両側縁部に軸架した回転軸１２，１２上に押圧ア
ーム４，５を固定し、同回転軸１２，１２の一側端部に
固定したリンク１３，１３に連結アーム１４の両端部を
連結固定すると共に、一方の回転軸１２上に固定したリ
ンク１５に、同ユニット本体３の上面中央部に配設した
押圧用シリンダ１６のピストンロッドを連結固定して、
この押圧用シリンダ１６の作動により、運搬用ケースＡ
の短手側縁部Ａｂ，Ａｂに枢着された把手部Ａｃ，Ａｃ
の両側端部に対して各回転パッド６…を押圧する閉位置
と、運搬用ケースＡの短手側縁部Ａｂ，Ａｂに枢着され
た把手部Ａｃ，Ａｃの両側端部に対して各回転パッド６
…を離間した開位置とに押圧アーム４，５を回動する。

【００１１】一方の押圧アーム４は、ユニット本体３の
一側縁部に軸架した回転軸１２上に支持板１７を固定
し、同支持板１７の下端部に水平固定した支持アーム１
８の両端部に、運搬用ケースＡの短手側縁部Ａｂ，Ａｂ
に枢着された把手部Ａｃ，Ａｃの一側端部と対向して回
転パッド６，６を軸支している。かつ、他方の押圧アー
ム５は、ユニット本体３の他側縁部に軸架した回転軸１
２の両端部に支持アーム１９，１９を固定し、これら支
持アーム１９，１９の下端部に、運搬用ケースＡの短手
側縁部Ａｂ，Ａｂに枢着された把手部Ａｃ，Ａｃの他側
端部と対向して回転パッド６，６を軸支している。な
お、これら各回転パッド６…の押圧面側には滑止め用の
ゴム板６ａをそれぞれ貼着している。

【００１２】前述の押圧アーム４側には、同押圧アーム
４を構成する支持板１７の上端中央部に駆動プーリ２０
を軸支し、この駆動プーリ２０と支持板１７の上端中央
部に固定した減速機付き回転用モータ２１とを直結する
と共に、同押圧アーム４を構成する支持アーム１８の両
端部に従動プーリ２２，２２を軸支し、これら従動プー
リ２２，２２と支持アーム１８の両端部に軸支した回転
パッド６，６とを直結している。かつ、支持板１７の上
端部に軸支した駆動プーリ２０と、支持アーム１８の一
端側に軸支した従動プーリ２２との間にＶベルト２３を
張架し、同駆動プーリ２０と支持アーム１８の他端側に
軸支した従動プーリ２２との間にＶベルト２３をクロス
掛けして、上述の回転用モータ２１の駆動力により、駆
動プーリ２０と、従動プーリ２２，２２と、Ｖベルト２
３，２３とを介して、運搬用ケースＡの短手側縁部Ａ
ｂ，Ａｂに枢着された把手部Ａｃ，Ａｃを開放する方向
に回転パッド６，６を回転駆動させ、その回転力で運搬
用ケースＡの短手側縁部Ａｂ，Ａｂに枢着された把手部
Ａｃ，Ａｃを介して他方の押圧アーム５に軸支した回転
パッド６，６を従動回転させる。

【００１３】前述の搬送コンベア２には、図１に示すよ
うに、同搬送コンベア２上に設定した把手開放位置に、
同位置に搬送される運搬用ケースＡの長手側下部と対向
してストッパ２４を出没自在に設けると共に、同位置直
前に設定した待機位置に、同位置に搬送される運搬用ケ
ースＡの長手側下部と対向してストッパ２５を出没自在
に設けている。かつ、同搬送コンベア２の搬送面上に、
運搬用ケースＡの長手側と対応する間隔に隔てて搬送ガ
イド２６，２６を搬送方向に架設している。すなわち、
把手開放位置に設けたストッパ２４を搬送面上に突出し
て運搬用ケースＡを一旦停止させ、待機位置に設けたス
トッパ２５を搬送面上に突出して後続の運搬用ケースＡ
を一旦停止させ、これらストッパ２４，２５を出没動作
して１個ずつ運搬用ケースＡを搬送供給する。

【００１４】図示実施例は上記の如く構成するものにし
て、以下、把手開放装置１による運搬用ケースＡの短手
側縁部Ａｂ，Ａｂに枢着された把手部Ａｃ，Ａｃの開放
動作を説明する。まず、図１に示すように、ケース積下
ろし機（図示省略）から供給される運搬用ケースＡを搬
送コンベア２上に順次載置し、同搬送コンベア２上に設
定した把手開放位置に運搬用ケースＡの長手側を搬送方
向に向けて搬送する。同時に、把手開放位置に設けたス
トッパ２４を搬送面上に突出して運搬用ケースＡを一旦
停止し、同位置直前の待機位置に設けたストッパ２５を
搬送面上に突出して後続の運搬用ケースＡを一旦停止す
る。

【００１５】次に、図２および図３に示すように、昇降
用シリンダ８を降下作動して、同位置上方に配設したユ
ニット本体３を垂直降下させ、把手開放位置に搬送停止
された運搬用ケースＡの上面側開口部に対してユニット
本体３を所定間隔に近接する。この後、押圧用シリンダ
１６を作動して、ユニット本体３の両側縁部に軸支した
押圧アーム４，５を運搬用ケースＡの長手側縁部Ａａ，
Ａａと対向する方向に回動させ、これら押圧アーム４，
５の下部両端に軸支された各回転パッド６…の周縁部
を、運搬用ケースＡの短手側縁部Ａｂ，Ａｂに枢着した
把手部Ａｃ，Ａｃの両側端部に押圧する。

【００１６】同時に、回転用モータ２１を駆動して、運
搬用ケースＡの短手側縁部Ａｂ，Ａｂに枢着した一対の
把手部Ａｃ，Ａｃ基端を開放する方向に各回転パッド６
…に回転させる。すなわち、一方の押圧アーム４側に軸
支した回転パッド６，６を、運搬用ケースＡの短手側縁
部Ａｂ，Ａｂに枢着された一対の把手部Ａｃ，Ａｃの一
側端部（つまり基端部）に押圧して開放方向に同時に回
転し、その回転力で運搬用ケースＡの短手側縁部Ａｂ，
Ａｂに枢着された把手部Ａｃ，Ａｃを介して他方の押圧
アーム５側に軸支した回転パッド６，６を従動回転さ
せ、相互の回転力により運搬用ケースＡの短手側縁部Ａ
ｂ，Ａｂに枢着された左右一対の把手部Ａｃ，Ａｃをそ
れぞれ同時に開放する。

【００１７】この後、回転用モータ２１を駆動停止後ま
たは連続駆動した状態で、押圧用シリンダ１６を復帰作
動して、運搬用ケースＡの長手側縁部Ａａ，Ａａに対し
て離間する方向に押圧アーム４，５を回動させ、運搬用
ケースＡの短手側縁部Ａｂ，Ａｂに枢着された把手部Ａ
ｃ，Ａｃの両側端部から各回転用パッド６…をそれぞれ
離間する。この後、図１に示すように、昇降用シリンダ
８を上昇作動して、運搬用ケースＡの通過を許容する高
さ位置にユニット本体３を上昇停止した後、把手開放位
置に設けたストッパ２４を搬送面下に没入して把手開放
済みの運搬用ケースＡを選別ライン（図示省略）に搬送
供給し、運搬用ケースＡを供給方向に横転させて、同運
搬用ケースＡに投入された生産物を選別ライン（図示省
略）上に放出する。

【００１８】次に、待機位置に設けたストッパ２５を搬
送面下に没入して次の運搬用ケースＡを搬送し、把手開
放位置に設けたストッパ２４を搬送面上に突出して次の
運搬用ケースＡを一旦停止した後、上述と同様にして、
同位置上方に配設したユニット本体３を垂直降下させ、
同ユニット本体３の両側縁部に軸支した押圧アーム４，
５を運搬用ケースＡの長手側縁部Ａａ，Ａａと対向する
方向に回動して、これら押圧アーム４，５の下部両端に
軸支した各回転パッド６…を、運搬用ケースＡの短手側
縁部Ａｂ，Ａｂに枢着した把手部Ａｃ，Ａｃの両側端部
に押圧して開放方向に回転する。以下、後続の各運搬用
ケースＡ…に枢着された把手部Ａｃ，Ａｃを順次開放し
て選別ライン（図示省略）に搬送供給すると共に、これ
ら各運搬用ケースＡ…を供給方向に順次横転させて生産
物を放出する。

【００１９】このように運搬用ケースＡの短手側縁部Ａ
ｂ，Ａｂに枢着された一対の把手部Ａｃ，Ａｃを同時に
開放してから生産物を放出するので、生産物を放出する
ときに把手部Ａｃ，Ａｃが邪魔にならず、運搬用ケース
Ａに投入された生産物を一挙に放出することができ、選
別ライン（図示省略）に対して生産物の放出が円滑に行
なえ、生産物が損傷するのを確実に防止することができ
る。しかも、生産物の放出時において、運搬用ケースＡ
に枢着された把手部Ａｃ，Ａｃを手で開放する手間およ
び作業が省け、かつ、生産物の放出前に把手部Ａｃ，Ａ
ｃを予め開放しておくため、生産物を放出する方向に運
搬用ケースＡを横転させるだけで済み、運搬用ケースＡ
の横転動作が機械的に行なえると共に、作業の省力化お
よび能率アップを図ることができる。

【００２０】図４は運搬用ケースＡの短手側を搬送方向
に向けて搬送するときに用いられる第２実施例の把手開
放装置１を示し、この把手開放装置１は、搬送コンベア
２上に設定した把手開放位置に、同位置に搬送される運
搬用ケースＡの上面側開口部に対して近接した高さ位置
にユニット本体３を配設している。すなわち、搬送コン
ベア２上に設定した把手開放位置に運搬用ケースＡを搬
送停止し、同時に、押圧用シリンダ１６を作動して、ユ
ニット本体３の両側縁部に軸支した押圧アーム４，５を
運搬用ケースＡの長手側縁部Ａａ，Ａａと対向する方向
に回動させ、これら押圧アーム４，５の下部両端に軸支
した各回転パッド６…を、運搬用ケースＡの短手側縁部
Ａｂ，Ａｂに枢着した一対の把手部Ａｃ，Ａｃの両側端
部（つまり基端部）に押圧する。同時に、回転用モータ
２１を駆動して、運搬用ケースＡの短手側縁部Ａｂ，Ａ
ｂに枢着した一対の把手部Ａｃ，Ａｃを同時開放する方
向に各回転パッド６…に回転させ、同運搬用ケースＡの
短手側縁部Ａｂ，Ａｂに枢着された一対の把手部Ａｃ，
Ａｃを同時に開放するので、上述の第１実施例と同様
に、運搬用ケースＡの短手側縁部Ａｂ，Ａｂに枢着され
た一対の把手部Ａｃ，Ａｃを速やかに開放することがで
き、ユニット本体３を垂直昇降する必要がないので、同
ユニット本体３の垂直昇降に要する動作時間が短縮さ
れ、かつ、昇降用シリンダ８のような昇降手段を設ける
必要がなく、装置全体の構成が簡素化されると共に、処
理能力の向上および製作コストの低減を図ることができ
る。

【００２１】この考案の構成と、上述の実施例との対応
において、この考案の把手開放手段は、実施例の回転パ
ッド６に対応するも、この考案は、上述の実施例の構成
のみに限定されるものではない。

【００２２】上述の第１実施例および第２実施例の把手
開放装置１は、運搬用ケースＡに枢着された把手部Ａ
ｃ，Ａｃを開放するための装置であるが、例えば、ユニ
ット本体３の上面側に配設した回転用モータ２１を逆転
駆動して、運搬用ケースＡの短手側縁部Ａｂ，Ａｂに枢
着した把手部Ａｃ，Ａｃを閉鎖する方向に各回転パッド
６…に逆転させることで、搬送コンベア２上の把手開放
位置に搬送された運搬用ケースＡの把手部Ａｃ，Ａｃを
上面側に回動することができ、生産物が投入された運搬
用ケースＡを複数段積重ねるための作業または装置に適
用することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の運搬用ケースの把手開放装置の第１
実施例を示す側面図。

【図２】第１実施例の把手開放装置におけるユニット
本体の降下状態を示す側面図。

【図３】第１実施例の把手開放装置における把手の開
放動作を示す正面図。

【図４】第２実施例の把手開放装置における把手の開
放動作を示す正面図。

【図５】運搬用ケースの積重ね状態を示す斜視図。

【符号の説明】

Ａ…運搬用ケースＡｃ…把手部２ …搬送コンベア６ …回転パッド

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】左右に枢着された把手部を上面側に回動し
て積重ねる運搬用ケースの搬送途中に設けられる装置で
あって、上記運搬用ケースを搬送する搬送コンベア上に設定した
把手開放位置に、上記運搬用ケースの両側縁部に枢着さ
れた一対の把手部基端を開放方向に同時に回動する把手
開放手段を設けた運搬用ケースの把手開放装置。