JP2571758B2 - 酵素の製造方法 - Google Patents

酵素の製造方法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、細胞質内に目的とする酵素が含まれ、細胞
膜あるいは細胞壁に異種酵素が含まれている細胞から、
目的とする酵素を効率よく分離取得する方法に関するも
のである。
〔従来の技術〕 従来このような細胞から目的とする酵素を取得する場
合には、まず細胞を破壊して酵素抽出液を得、そこから
異種酵素をゲルクロマトグラフィー,イオン交換クロマ
トグラフィー,アフィニティークロマトグラフィー,硫
安塩析等の公知の酵素分離法を適宜組み合わせることに
より分離除去し、目的とする酵素を取得していた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
酵素相互の分離は一般に難しく、その結果これらの操
作方法を多段階に組み合わせて行なわれるため労力負担
が大きくなるばかりでなく、収率が低くなってしまうこ
とも大きな問題であった。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明はこのような問題点を解決して細胞膜あるいは
細胞壁に含まれている異種酵素を簡便な手段で除去する
方法を提供するものである。すなわち、本発明は、細胞
質内に目的とする酵素が含まれており、細胞膜あるいは
細胞壁には異種の酵素が含まれている細胞から、目的と
する酵素を分離取得する際に、まず該細胞に尿素,酸,
アルカリ,塩化カリウム,有機溶媒あるいは界面活性剤
のいずれかを作用させて前記異種酵素を失活せしめ、そ
の後細胞を破壊して目的とする酵素を分離取得すること
を特徴とする酵素の製造方法に関するものである。
本発明の方法で分離取得される目的の酵素は、細胞の
内部、すなわち細胞質内に含まれている酵素である。こ
のような酵素の種類は限定されないが、例えばN−ベン
ゾイルグリシンアシラーゼなどのアミノアシラーゼ,プ
ロトカテキン酸−3,4−ジオキシゲナーゼ,カタラー
ゼ,アルコールデヒドロゲナーゼ,マレイトデヒドロゲ
ナーゼ,コレステロールデヒドロゲナーゼ,グリセロー
ルデヒドロゲナーゼ,グリセロールキナーゼなどであ
る。アミノアシラーゼは、例えばカルボキシペプチダー
ゼAの活性測定の際に利用されるが、この酵素の生産菌
はペプチダーゼも産生する。ペプチダーゼがアミノアシ
ラーゼに混入すると、カルボキシペプチダーゼAの活性
測定を妨害する。アミノアシラーゼとペプチダーゼを通
常の分離精製法で分離することは容易ではないが、細胞
の局在部位の相違を利用した本発明の方法ではペプチダ
ーゼを容易に除去できる。
細胞は、作用質内に目的とする酵素を含むものであれ
ばよく、微生物細胞のほか、各種動物細胞及び植物細胞
も対象となる。細胞の例としては、細胞質内にアミノア
シラーゼを含み細胞膜および細胞壁にペプチダーゼを含
むシュードモナス・プチダNo.C684−2(FERMP−771
6)、細胞質内にプロトカテキン酸−3,4−ジオキシゲナ
ーゼを含み細胞膜および細胞壁にペプチダーゼを含むシ
ュードモナス・プチダRB−4(FERMP−7369)、細胞質
内にカタラーゼを含み細胞膜にグルコン酸脱水素酵素を
含むセラチア・マルセッセンスIFO3054,シュードモナス
・エルギノーサIFO3445及びグルコノバクター・フェリ
カスIFO12467などを挙げることができる。
このような細胞から目的とする酵素を分離取得する際
に、まずこの細胞に尿素,酸,アルカリ,塩化カリウ
ム,有機溶媒あるいは界面活性剤のいずれかを作用させ
る。これらの化合物は目的とする酵素を細胞質内に含む
細胞の細胞膜あるいは細胞壁に含まれている異種酵素を
失活させるものであり、かつ細胞を破壊することの少な
いものである。
尿素(又はグアニジン塩酸塩など)は、蛋白変性剤と
して用いられる。酸は硫酸,塩酸,酢酸及びpH3〜1程
度で0.1〜0.01N程度の酸性の緩衝液そしてアルカリは水
酸化ナトリウム,水酸化カリウム及びpH10〜12程度で0.
1〜0.01N程度のアルカリ性緩衝液などである。塩化カリ
ウムはカオトロピック効果あるいは静電気的結合解離剤
として機能していることが考えられる。
有機溶媒はエタノール,メタノール,n−ブタノール,
アセトン等である。界面活性剤は、陰イオン性(ドデシ
ル硫酸ナトリウム等),陽イオン性(ドデシルトリメチ
ルアンモニウムクロリド等),非イオン性(トライトン
X−100等)及び両イオン性(アンヒトール等)のもの
があるがその種類を問わず利用できる。
これらは細胞に応じて目的に適するものが選択される
が、その際細胞内にある目的酵素をなるべく失活させな
いものが選ばれることはいうまでもない。例えば、アミ
ノアシラーゼを取得する場合には尿素が特に好適であ
る。上記化合物は1種に限らず適宜2種あるいはそれ以
上を組み合わせて用いることができることはいうまでも
ない。
細胞は通常は培養物から分離してから上記化合物を作
用させる。分離は一般的には遠心分離法によって行なわ
れるが、そのほか凝集沈降させる方法なども利用でき
る。培養物から分離しないで上記化合物を作用させるこ
とも、もとより可能である。その場合には化合物の使用
量が多くなることが多い。
分離後上記化合物を作用させる前に、必要により、細
胞を水あるいは緩衝液などに懸濁して洗浄する。
上記化合物は、通常は細胞を懸濁状態で作用させる
が、そのほか泥状で作用させることもできる。
化合物の濃度、及び温度,時間,pHなどの作用条件
は、要は細胞膜あるいは細胞壁にある異種酵素をなるべ
く失活させ、かつ目的酵素を失活させないように定めら
れる。これは各細胞ごとに予め試験を行なって設定すれ
ばよい。例えば、シュードモナス・プチダを尿素で処理
する場合には、尿素の濃度は0.5〜10M程度、好ましくは
2〜5M程度が適当であり、pHを特に調整せずに室温で作
用させた場合には0.5〜6時間程度が適当である。
上記化合物を作用させた後は、通常は該化合物を除去
する。この除去は、例えば遠心して細胞を回収し、この
細胞を必要により洗浄することによって行なわれる。有
機溶媒などのように留去できる場合もあり、酸,アルカ
リなどのように中和するだけでよい場合もある。
上記化合物を除去後、細胞を破壊して目的酵素を取り
出す。細胞の破壊は公知の一般的方法によって行なえば
よく、ダイノーミル処理,超音波処理,リゾチーム処理
などを利用すればよい。
細胞から取り出した酵素は、必要により、ゲルクロマ
トグラフィー,イオン交換クロマトグラフィー,硫安塩
析など公知の酵素の精製法によりさらに精製して酵素標
品を得る。
〔作用〕
細胞質内に目的酵素が含まれ、細胞膜あるいは細胞壁
に異種酵素が含まれている細胞に、尿素,酸,アルカ
リ,有機溶媒あるいは界面活性剤を作用させることによ
り異種酵素を選択的に失活させている。
〔実施例〕
実施例1 馬尿酸1%,酵母エキス0.3%,硝酸ナトリウム0.2
%,リン酸2カリウム0.1%,硫酸マグネシウム7水塩
0.05%及び塩化ナトリウム0.05%からなるpH7.0の培地
にシュードモナス・プチグNo.C684−2(FERMP−7716)
を接種し、温度を28〜30℃に保ちつつ12〜17時間通気攪
拌培養した。培養液を10,000rpmで連続遠心して菌体を
集め、培養液60lから約800gの湿菌体を得た。この菌体
のアミノアシラーゼ活性は125,000Uであり、ペプチダー
ゼ発生は86.3Uであった。
この湿菌体を4lの3M尿素溶液に懸濁し、室温で1時間
攪拌した。次に、8〜10倍量の水で希釈し、連続遠心し
て菌体を集めた。この尿素処理菌体のアミノアシラーゼ
活性は125,000Uであり、ペプチダーゼ活性は11.3Uであ
った。
上記尿素処理菌体を3lの緩衝液に懸濁し、ダイノーミ
ルで細胞を破壊後、遠心して細胞残渣を除去した。得ら
れた無細胞抽出液を、常法によりDEAE−セルロース処
理,硫安分画及び透析を行ない、アミノアシラーゼ活性
76,000Uの精製酵素標品260mgを得た。この酵素標品に含
まれるペプチダーゼ活性は0.5Uであった。
一方、比較のために、前記と同様に培養して得られた
シュードモナス・プチダNO.C684−2(FERMP−7716)の
湿菌体約800gをダイノーミルで細胞を破壊後、遠心分離
して細胞残渣を除去した。得られた無細胞抽出液のアミ
ノアシラーゼ活性は95,000Uであり、ペプチダーゼ活性
は28.5Uであった。これをDEAE−セルロース処理及び硫
安分画を行ない、アミラーゼ活性84,000U,ペプチダーゼ
活性8.4Uの酵素標品を得た。
実施例2 実施例1と同様に培養して得られたシュードモナス・
プチダNo.C684−2(FERMP−7716)の湿菌体各々5gを50
mlの下記溶液に懸濁し、室温で1時間攪拌後、実施例1
と同様にして菌体を回収した。この菌体のアミノアシラ
ーゼ活性及びペプチダーゼ活性を測定した結果を下表に
示す。
実施例3 実施例1と同様に培養して得られたシュードモナス・
プチダNo.C684−2(FERMP−7716)の湿菌体各々5gを50
mlの各濃度の尿素溶液に懸濁し、室温で1時間攪拌後、
実施例1と同様にして菌体を回収した。各菌体のアミノ
アシラーゼ活性(白丸)及びペプチダーゼ活性(黒丸)
を測定した結果を第1図に示す。
実施例4 p−ヒドロキシ安息香酸1%、硝酸ナトリウム0.2
%,酵母エキス0.2%,リン酸2カリウム0.1%,塩化ナ
トリウム0.05%及び硫酸マグネシウム7水塩0.05%から
なるpH7.0の培地にシュードモナス・プチダRB−4(FER
MP−7369)を接種し、28℃で18時間通気攪拌培養した。
培養液を10,000rpmで連続遠心して湿菌体を得た。この
菌体の細胞質内酵素であるプロトカテキン酸−3,4−ジ
オキシゲナーゼ活性は湿菌体1gあたり370Uであり、細胞
膜及び細胞壁酵素であるペプチダーゼ活性は3Uであっ
た。
この湿菌体5gを50mlの3M尿素溶液に懸濁し、室温で1
時間処理をしたところ、プロトカテキン酸−3,4−ジオ
キシゲナーゼを全く失活させることなくペプチダーゼ活
性を処理前の45%にまで低下させることができた。
実施例5 グルコース0.5%,ペプトン0.5%,肉エキス0.25%,
塩化ナトリウム0.3%,硫酸マグネシウム7水塩0.05%
及びリン酸2カリウム0.05%からなるpH0.7の培地に土
壤から分離したセラチア・マルセッセンスを接種し、28
℃で18時間通気攪拌培養し、培養液より湿菌体を分離し
た。この菌体の細胞質内酵素であるカタラーゼ活性は23
0U/g湿菌体であり、細胞膜酵素であるグルコン酸脱水素
酵素(E.C.1.1.99.3)の活性は47U/g湿菌体であった。
この湿菌体5gを50mlの1.5M尿素溶液で1時間処理する
ことによりカタラーゼを全く失活させることなくグルコ
ン酸脱水素酵素を処理前の20%にまで低下させることが
できた。
〔発明の効果〕
本発明の方法により、目的酵素と相互分離することが
難しい異種酵素を効率よく除去することができ、精製工
程を大巾に簡略化しうるとともに収率も向上させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は尿素濃度と尿素処理後の酵素活性の関係を示す
ものである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】細胞質内に目的とする酵素が含まれてお
    り、細胞膜あるいは細胞壁には異種の酵素が含まれてい
    る細胞から、目的とする酵素を分離取得する際に、まず
    該細胞に尿素、酸、アルカリ、塩化カリウム、有機溶媒
    あるいは界面活性剤のいずれかを作用させて前記異種酵
    素を失活せしめ、その後細胞を破壊して目的とする酵素
    を分離取得することを特徴とする酵素の製造方法。
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