JP2570229Y2 - 箱型家具ユニット - Google Patents

箱型家具ユニット

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JP2570229Y2
JP2570229Y2 JP4033192U JP4033192U JP2570229Y2 JP 2570229 Y2 JP2570229 Y2 JP 2570229Y2 JP 4033192 U JP4033192 U JP 4033192U JP 4033192 U JP4033192 U JP 4033192U JP 2570229 Y2 JP2570229 Y2 JP 2570229Y2
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栄 大原
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株式会社イトーキクレビオ
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、箱型家具ユニットの構
造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】キャビネット等の箱型家具ユニットは、
先行技術としての実公昭56−30281号公報に開示
されているように、金属板や木製等にて形成した前向き
開口の家具本体を複数並設し、任意の家具本体の開口部
前面に水平回動式の扉を蝶番にて取付けたり、家具本体
の開口部内に引き戸を装着したり、或いは、家具本体の
前面を開口したままの開放式に形成し、その家具本体の
内部に棚板を装架したり、透明合成樹脂製の薄皿状のト
レー等を装架するようにした構成になっていることは周
知の通りである。
【0003】そして、前記先行技術にも示されているよ
うに、各家具本体の奥行き寸法を同一に形成し、観音開
き式等の水平回動式の扉の前面と、引き戸用の前枠の前
面とが同一平面状、つまり、箱型家具ユニット全体とし
ての前面が前後に凹凸のないフラット状に形成すると、
ユニット全体の外観がすっきりするという利点がある。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】ところで、前記先行技
術では、家具本体の前開口部に対して、引き戸用の前枠
を着脱自在に装着可能とするように構成されているが、
家具本体が側板や上下方向の中仕切り板等を共通部材と
してボルトナットにて天板や地板等と連結するもので、
その取付け部は回動用の扉の取付け部と兼用されておら
ず、従って、箱型家具ユニットにおける任意の開口部箇
所に、引き戸と回動式の扉等とを配置換えすることがで
きないという不便があった。
【0005】本考案は、同一奥行き寸法の複数の箱型の
家具本体を並設したユニットであって、その前面の外観
を損なうことなく、水平回動式の扉の位置と引き戸や開
放状の間口の位置とを、任意に設定できるようにした箱
型家具ユニットを提供することを目的とするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本考案は、前面を開口した正面視略矩形で、且つ奥行き
寸法が同一の家具本体を複数並列配置し、水平回動式の
扉を前面に装着した家具本体に隣接する家具本体の前面
側には、引き戸を装着するためなどの前面枠を取りつけ
てなる箱型家具ユニットにおいて、前記前面枠を、前記
水平回動式の扉の厚さと略同じ厚さ寸法の額縁状に形成
し、該前面枠における左右両外側面を、前記隣接する扉
が回動するとき、その基端部と干渉しないように家具本
体の外側面よりも間口方向内側に位置させ、且つ、前記
家具本体前面における前面枠の装着部を、前記扉の回動
基部の取付け部と転用すべく構成したものである。
【0007】
【考案の作用・効果】この構成によれば、前面枠の厚さ
寸法と扉の厚さ寸法とが等しく、且つ家具本体の前面に
対する前面枠の装着部と扉の回動基部の取付け部とを同
一箇所にして転用できるように構成したから、同一の奥
行き寸法の家具本体を複数個併設したうちの任意の部分
における前面に水平回動式の扉を装着することができ、
これに代えて額縁状の前面枠を取りつけし、家具本体の
前面を開放した状態のままにして、開放式箱型家具を構
成したり、前面枠で囲われた部位に引き戸を設けること
によって引き戸式箱型家具を構成したりと言うように、
水平回動式扉以外の箱型家具を構成することができる。
【0008】換言すると、家具本体を共通にして、その
前面部の構造を種々に変更することが簡単にでき、箱型
家具ユニットの製造コストを低減することができる。ま
た、前面枠の厚さ寸法と扉の厚さ寸法とが等しくなるよ
うに形成したので、複数の家具本体であって前面部の構
造が扉式や引き戸式等に異なるものを並設しても、箱型
家具ユニットとして前面が平面状となって凹凸がなく、
外観をすっきりさせることができる。
【0009】さらに、水平回動式の扉が取付く家具本体
の左または右に隣接する家具本体の前面に、前記前面枠
を装着した場合、この前面枠の左右側面が、当該家具本
体における外側面よりも間口方向内側に位置させること
により、閉じた状態での扉の回動基部との間に適宜の隙
間(目地状の隙間)が形成できる。この隙間の存在によ
り、扉を開くとき、その扉の回動基部の厚みにより前面
枠の側縁と衝突するという干渉を無くすることができる
という効果も奏する。
【0010】また、前記目地状の隙間の寸法を揃えれ
ば、箱型家具ユニットの外観を一層向上させることがで
きるという効果も奏する。
【0011】
【実施例】次に、本考案を薄金属板製のキャビネットユ
ニットに適用した場合の実施例を図面に基づいて説明す
る。図において符号1は水平回動式の扉を備えたキャビ
ネットを、符号2は開放式キャビネットを、符号3は引
き戸式のキャビネットを各々示し、これら3個のキャビ
ネット1,2,3は、同じ構造の前面開口状の箱型の家
具本体4をベースにする。
【0012】つまり、家具本体4の前面に観音開き式の
左右一対の扉5,5を取付けたり、開放式の前面枠6を
取付けたり、引き戸7付きの前面枠8を取付けたりする
ことにより、水平回動式扉が取付くキャビネット1と開
放式キャビネット2と引き戸式キャビネット3とに変更
できるようにしている。前記各キャビネット1,2,3
における各家具本体4の上端部前面には、天板4aを下
向きに折り返すことによって上かまち9が形成されてい
る一方、家具本体4の下端部前面には、底板4bを上向
きに折り返すことによって下かまち10が形成されてお
り、また、家具本体4における開口部の左右両側部に
は、左右両側板4c,4cを内向きに折り返すことによ
り、左右適宜幅の前支柱部11,11が形成されてい
る。
【0013】そして、上下両かまち9,10における左
右両端寄り部位の前面にそれぞれ第1抜き孔12,12
を穿設する一方、家具本体4における天板4aの前端寄
り部位下面と底板4bの前端寄り部位上面とに、家具本
体4の間口方向に延びる断面凸型の補強部材13,13
を固着して、これら上下補強部材13,13の前面に、
家具本体4の正面視で前記第1抜き孔12,12と重な
るようにした第2抜き孔14,14を穿設して、これら
第1及び第2抜き孔12,14から挿入した蝶番の固定
片15を、それぞれ上下補強部材13,13にビス16
止めすることにより、扉5を家具本体4に対して水平回
動自在に取付ける。
【0014】前記左右両扉5,5は、その回動中心寄り
の側端面が、家具本体4の外側面よりも間口方向内側に
若干の寸法Eだけずれるように設定して、扉5を開閉で
きるようにしている。また、家具本体4における上下両
かまち9,10の間口方向に沿った中間寄り部位には、
扉5を閉じた状態に保持するためのラッチ爪17が係脱
する第3抜き孔18,18をそれぞれ穿設している。な
お、下方の補強部材13の上面には、図10及び図13
に一点鎖線で示すように下面板19を着脱自在に配置し
ている。
【0015】前記開放式キャビネット2における前面枠
6は、詳しくは以下に述べるように、合成樹脂製の押し
出し加工にて形成した上下一対の水平枠体20,20及
び左右一対の縦枠体21,21と、これら各枠体20,
21に対する補強枠22,23、及び、水平枠体20と
縦枠体21とを連結するための連結金具24、並びに、
水平枠体21と縦枠体21との連結部に取付けるように
した合成樹脂製のキャップ25とで構成されている(図
5〜図12参照)。
【0016】そして、家具本体4の前面に対する前面枠
6の装着部と扉5の回動基部の取付け部とを同一箇所に
して転用できるように構成する。即ち、少なくとも、前
記各抜き孔12,14,18及び前記上下補強部材1
3,13を、前面枠6の装着部として、そのまま利用す
るものであ。前記水平枠体20には、断面横向きコ字状
の補強枠22が嵌まる略矩形の第1係合溝26と、該第
1係合溝26に連通した状態で家具本体4の前面に向け
て開口した第1スリット27と、第1係合溝26の奥部
(水平枠体20の前面寄り部)から上下両方向に凹んだ
状態の第2係合溝28が形成されている。
【0017】前記縦枠体21は、図7及び図8に示すよ
うに、断面U字状の補強枠23が嵌まり得る第3係合溝
29と、該第3係合溝29に連通した状態で家具本体4
の前面に向けて開口した第2スリット30と、第3係合
溝29の奥部箇所において家具本体4間口方向内側に延
びるようにした第4係合溝31とを形成している。ま
た、前記連結金具24は、水平枠体20の第2係合溝2
8に嵌まる平板状の水平係合片32と、縦枠体21の第
3及び第4係合溝29,31に嵌まる平断面L字状の垂
直係合片33とを一体的に連接して、水平係合片32
に、第1スリット27から外向きに突出するようにした
水平取付け片34を一体的に連接している。前記水平取
付け片34は、家具本体4における上下かまち9,10
の第1抜き孔12及び補強部材13の第2抜き孔14に
嵌まるようにしており、該水平取付け片34を家具本体
4の補強部材13にビス16にて固着する。
【0018】前記水平枠体20用の補強枠22における
左右両端部の背面には、連結金具24の水平係合片32
を挿入できるようにするための切り欠き35が形成され
ており、また、縦枠体21用の補強枠23における上下
両端部の背面には、連結金具24の垂直係合片33の挿
入を許容するための切り欠き36が形成されている。前
記キャップ25は、その側端面が水平枠体20の端面に
接当し、その上端面又は下端面が縦枠体21の端面に接
当するようにしており、キャップ25の側端面に、水平
枠体20の第1係合溝26に嵌合する水平突起37を形
成し、キャップ25の上端面又は下端面には、縦枠体2
1の第3係合溝29に嵌合する垂直突起38を形成して
いる。また、キャップ25には、連結金具24における
水平係合片32と垂直係合片33との連接部が嵌る逃が
し溝孔39をくり抜き形成している。
【0019】前記上下水平枠体20の第1係合溝26に
嵌った補強枠22内には、図12に明示するように、平
面視T字状で基部40aを正面視上向きコ字状に形成し
た補助固定具40の基部40aがガタ付きのない状態で
嵌挿されており、該補助固定具40の水平片40bを水
平枠体20の第1スリット27から外向きに突出して、
これを、家具本体4における第1抜き孔12及び第2抜
き孔14に挿入して、補強部材13にビス16にて固着
するようにしている。
【0020】この開放式キャビネット2における前面枠
6は、図6〜図8に示すような手順で組立てられる。す
なわち、先ず各水平枠体20及び各縦枠体21にそれぞ
れ補強枠22,23を挿入しておき、次いで、水平枠体
20内に補助固定具40の基部40aを差し込み挿入し
て、次いで、図8(A)に示すように、各キャップ25
を各連結金具24に上下方向から嵌着し、その状態で、
連結金具24の水平取付け片34と水平係合片32とを
水平枠体20の第1及び第2係合溝26,28に嵌挿し
つつ、キャップ25の水平突起37を水平枠体20の第
1係合溝26に嵌合する。
【0021】この状態では、図8(B)に示すように、
連結金具24の垂直係合片33と、キャップ25の垂直
突起38とは互いに重なっており、この状態で、連結金
具24の垂直係合片33を縦枠体21の第3及び第4係
合溝29,31に挿入しつつ、キャップ25の垂直突起
38を、縦枠体21に嵌まった補強枠23の内部に嵌合
するのである。
【0022】そして、このようにして組み立てた前面枠
6は、連結家具24における水平取付け片34及び補助
固定具40の水平片40bをそれぞれ家具本体4の補強
部材13にビス16止めすることによって、家具本体4
の前面に固定される。前面枠6における左右両縦枠体2
1,21は、図9に明示するように、平面視扇形で上下
長手の基部41aに上下一対の角型係止部41b,41
bを形成した連結具41にて、家具本体4の前端面に固
定している。
【0023】すなわち、家具本体4における左右両前支
柱部11,11の上下中途高さ部位の前面に、上部が幅
広で下部が幅狭の係止溝孔42,42を上下適宜間隔で
2箇所ずつ穿設し、この上下係止溝孔42,42に連結
具41の上下角型係止部41b,41bを落とし込み係
止する一方、縦枠体21用の補強枠23のうち連結具4
1に対応した中途高さ部位を家具本体4に向けて開口す
るように切り欠いて、この補強枠23の切り欠き部43
の箇所における縦枠体21を、その弾性に抗して前記連
結具42の基部41aに押し込み嵌合するものである。
【0024】図2に示すように、開放式キャビネット2
における前面枠6は、家具本体4の前端面に取付けた状
態で、その左右両縦枠体21,21の外側面が、家具本
体4の外側面より、前記水平回動扉式キャビネット1に
おける扉5の側端面と家具本体4の外端面との間の間隔
Eと同じ寸法だけ間口方向内側に位置するようにしてい
る。
【0025】引き戸式キャビネット3における前面枠8
の構造及び家具本体4への取付け構造は前記開放式キャ
ビネット2の前面枠6と殆ど同じであり、引き戸式キャ
ビネット3における前面枠8と開放式キャビネット2に
おける前面枠6とは、上下水平枠体20の断面形状の点
で異なるのみである。すなわち、図13に示すように、
引き戸式キャビネット3における前面枠8では、下方に
位置した水平枠20の上面に、引き戸7における下端の
ガイド溝7aが被嵌する2条のレール44,44を一体
成形し、上方に位置した水平枠20の下面に、引き戸7
の上端縁が嵌まる2条のガイド溝45,45を形成する
ことにより、前面枠8で囲われた部位で引き戸7を開閉
できるようにしている。
【0026】なお、各キャビネット1,2,3における
各家具本体4の内部は、棚板を設けたり引き出し式のト
レーを設けたり、或いは適宜の大きさの収納部に区切っ
たりするなど、適宜の収納形態にすることができる。以
上のように、複数個のキャビネット1,2,3からなる
キャビネットユニットにおいて、各キャビネット1,
2,3における家具本体4を共通の構造にして、家具本
体4における各抜き孔12,14,18及び、補強部材
13を、扉5の取付けと、前面枠6,8の取付けとに兼
用したから、異なる形態のキャビネット1,2,3から
成るキャビネットユニットでありながら、製造コストを
低減できるのである。
【0027】また、扉5の前面と各前面枠6,8の前面
とが同一平面状に揃った状態になるばかりか、扉5にお
ける回動中心側の側端面と前面枠6の外側面との間の隙
間の溝幅2E及び隣接した前面枠6,8間の隙間の間隔
寸法とが同じ寸法2Eになることとにより、相隣接した
キャビネット1,2,3の接当箇所における目地状隙間
の溝幅が揃った状態になるから、キャビネットユニット
の前面を揃えた状態にして、その外観を向上できる。
【0028】なお、縦枠体21に対する連結具41を係
止するための係止溝孔42は、水平回動扉式キャビネッ
ト1の場合には使用しないが、水平回動扉式キャビネッ
ト1において係止溝孔42は扉5の端部で覆われるの
で、係止溝孔42を穿設したことによって水平回動扉式
キャビネット1の外観が悪化することはない。上記の実
施例は、前面枠を開放式にするか又は引き戸を設けた場
合であったが、前面枠で囲われた部位に跳ね上げ回動式
の扉を設けるなど、他の形態の箱型家具にも適用できる
ことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】キャビネットユニットの斜視図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】水平回動扉式キャビネットの斜視図である。
【図4】水平回動扉式キャビネットにおける扉の取付け
状態を示す斜視図である。
【図5】開放式キャビネットの分解斜視図である。
【図6】開放式キャビネットにおける前面枠の全体の分
解斜視図である。
【図7】開放式キャビネットにおける前面枠の要部分解
斜視図である。
【図8】開放式キャビネットにおける前面枠の組立の手
順を示す図である。
【図9】開放式キャビネットにおける前面枠の縦枠体を
家具本体に連結する構造を示す分解斜視図である。
【図10】図1のX−X視断面図である。
【図11】図8(C)のXI−XI視断面図である。
【図12】開放式キャビネットにおける前面枠の補助固
定具の取付けを示す一部切り欠き斜視図である。
【図13】図1のXIII−XIII視断面図である。
【符号の説明】
1 水平回動扉式キャビネット 2 開放式キャビネット 3 引き戸式キャビネット 4 家具本体 5 水平回動式の扉 6 開放式キャビネットの前面枠 8 引き戸式キャビネットの前面枠 20 水平枠体 21 縦枠体 24 連結金具 25 キャップ

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前面を開口した正面視略矩形で、且つ奥
    行き寸法が同一の家具本体を複数並列配置し、水平回動
    式の扉を前面に装着した家具本体に隣接する家具本体の
    前面側には、引き戸を装着するためなどの前面枠を取り
    つけてなる箱型家具ユニットにおいて、前記前面枠を、
    前記水平回動式の扉の厚さと略同じ厚さ寸法の額縁状に
    形成し、該前面枠における左右両外側面を、前記隣接す
    る扉が回動するとき、その基端部と干渉しないように家
    具本体の外側面よりも間口方向内側に位置させ、且つ、
    前記家具本体前面における前面枠の装着部を、前記扉の
    回動基部の取付け部と転用すべく構成したことを特徴と
    する箱型家具ユニット。
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