JP2567912Y2 - 膜構造物のケーブル取付装置 - Google Patents

膜構造物のケーブル取付装置

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JP2567912Y2
JP2567912Y2 JP2844992U JP2844992U JP2567912Y2 JP 2567912 Y2 JP2567912 Y2 JP 2567912Y2 JP 2844992 U JP2844992 U JP 2844992U JP 2844992 U JP2844992 U JP 2844992U JP 2567912 Y2 JP2567912 Y2 JP 2567912Y2
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Obayashi Corp
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、ケーブルを介して支持
されるようになった膜構造物のケーブル取付装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、ドーム等の無柱構造となった大空
間施設等の構築物の屋根を膜構造物としての膜屋根によ
って構築するものが出現している。この膜屋根構造は大
空間施設を取り囲む外壁の上端部を、防水性の可撓膜で
形成された屋根膜で覆うようになっている。前記膜屋根
は、施設内部に空気を注入することによりインフレート
(膨脹)し、このインフレート状態で中央部が膨出した
ドーム状の屋根が構成される。また、前記膜屋根は風等
の影響でフラッタリングされるのを防止するために、通
常、対向する外壁間に架設されたケーブルに支持される
ようになっている。
【0003】前記ケーブルは、例えば実開昭60−13
5448号公報(E04H 15/22)に開示される
ように、前記ケーブルは膜屋根を構成する膜体の内側に
配索されて、取付装置を介して膜体に取り付けられるよ
うになっている。
【0004】前記取付装置は、ケーブルの上下両側に配
置される一対の押え板と、この一対の押え板の両端部を
締め付ける一対のボルト,ナットとを備えて構成され、
これらボルト,ナットによって一対の押え板を締め付け
ることにより、ケーブルはこれら一対の押え板間に挟着
固定されるようになっている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来の膜屋根のケーブル取付装置にあっては、上述した
ように一対のボルト,ナットを介して締め付けられる一
対の押え板間に挟着される構造であるため、ケーブルを
膜体に取り付けるにあたって、押え板両端部に設けられ
た一対のボルト,ナットを締め付ける必要があり、これ
らボルト,ナットの締付作業が多くなってしまう。ま
た、前記一対のボルト,ナットを締め付ける際、押え板
の両端部で略均等な締付力をもって締め付ける必要があ
るため、その締付作業が著しく困難になり、ケーブルの
取り付けに多くの時間および労力を必要としてしまうと
いう課題があった。
【0006】そこで、本考案はかかる従来の課題に鑑み
て、膜体を支持するケーブルの取り付けを、より簡単
に、かつ、少ない労力をもって迅速に行うことができる
膜構造物のケーブル取付装置を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに本考案は、膜体の接続端部間に跨がって配置され、
それぞれの膜体同志を接続する膜繋ぎ主材を備え、この
膜繋ぎ主材の中央部両側に、それぞれ対を成す掴持片を
共通の枢軸を介して開閉可能に取り付け、これら掴持片
間に膜体を支持するためのケーブルを掴持した状態で、
それぞれ対を成す掴持片の先端部間を固定する構成とす
る。
【0008】
【作用】以上の構成により本考案の膜構造物のケーブル
取付装置にあっては、膜繋ぎ主材の両側にそれぞれ設け
られる対を成す掴持片を開いた状態で、これら掴持片間
にケーブルを挟み込み、そして、各掴持片の先端部間を
固定することにより、ケーブルの取り付けを完了するこ
とができる。従って、前記ケーブルの取り付けは、前記
掴持片の先端部間を固定するのみで良く、このケーブル
の取付作業が著しく簡単化されると共に、迅速な取り付
けを可能とする。
【0009】また、前記対を成す掴持片は膜繋ぎ主材の
両側にそれぞれ設けられることにより、これら掴持片で
ケーブルを支持した際の荷重が膜繋ぎ主材の両側に均等
に作用するため、この膜繋ぎ主材がケーブルの自重で傾
いてしまうのを防止することができる。
【0010】
【実施例】以下、本考案の実施例を図に基づいて詳細に
説明する。図1から図7は本考案にかかる膜構造物のケ
ーブル取付装置の一実施例を示し、図1は本考案が適用
される大空間施設の断面を示す概略構成図、図2は図1
中A−A線に対応する拡大断面図、図3はケーブル取付
装置の側面図、図4はケーブル取付装置の要部を取り出
した分解斜視図、図5はケーブル取付装置に用いられる
掴持片の1つを示す斜視図、図6はケーブル取付装置に
用いられるスリーブリングの断面図、図7はケーブル取
付装置のレイアウトを示す概略構成図である。
【0011】即ち、図1に示した大空間施設は人工スキ
ー場10として用いたもので、両側に図中紙面直角方向
に連続する外壁12,12が構築され、これら外壁1
2,12の上端部間に膜構造物としての膜屋根14が張
架される。そして、前記外壁12,12および膜屋根1
4で構成される大空間部16の床面18は、これら外壁
12,12の延設方向に連続して傾斜され、この傾斜さ
れた床面18に人工雪を積もらせてゲレンデを構成し、
その積雪上を滑走できるようになっている。
【0012】前記膜屋根14は、図1中実線状態では大
空間部16の内部に空気が注入されてインフレートされ
た状態を示し、また、2点鎖線状態では内部の空気圧が
排除されてデフレートされた状態を示す。前記膜屋根1
4は外壁12,12の上端部間に架設される複数のケー
ブル20(図2参照)で支持される。尚、前記ケーブル
20の両端部はアンカー金具22を介して前記外壁1
2,12に上下回動可能に連結され、膜屋根14がイン
フレート,デフレートされる際の移動を円滑に行う。ま
た、前記外壁12,12の外側には機械室24およびリ
フト室26が設けられ、機械室24には空調機,人工造
雪機およびスノーガン等が設置される。
【0013】前記膜屋根14を構成する膜体30は、図
2に示したように複数の膜片30aを膜繋ぎ主材32を
介して互いに接続することによりその全体が構成され
る。膜繋ぎ主材32は同図に示したように、両端部に一
対のフック34,34が形成され、これらフック34,
34には、前記膜片30a,30aの接続端部にそれぞ
れ取り付けられた鳩目36,36が挿通されるようにな
っている。従って、互いに接続されようとする膜片30
a,30aは、フック34,34に挿通された鳩目3
6,36を介して互いに接続される。
【0014】また、前記フック34,34の先端部間に
跨がって係止張具37が取り付けられるようになってお
り、この係止張具37の両端部に形成された係止穴37
a,37aがフック34,34の先端部に係合されて、
前記鳩目36,36がフック34,34から抜脱される
のが防止される。
【0015】尚、前記膜片30a,30aの接続端部近
傍には、それぞれ分岐膜38,38が外側に向かって分
岐状態で取り付けられ、これら分岐膜38,38は前記
膜片30aの接続部分外側を覆って各先端部同志が気密
構造をもって接続される。また、前記膜片30a,30
aの接続端部はロープ39を周回して折り返され、この
折り返した端部をもって前記分岐膜38,38が形成さ
れる。
【0016】前記膜繋ぎ主材32は、図7に示したよう
に100〜150mm程度の短い間隔L1 をもって複数配
置されると共に、間隔L1 をもって配置されたこれら複
数の膜繋ぎ主材32のうち、4000〜6000mm程度
の長い間隔L2 をもって配置される膜繋ぎ主材32にケ
ーブル取付装置40が構成されるようになっている。前
記ケーブル取付装置40は、図2から図4に示したよう
に前記膜繋ぎ主材32の中央部両側にそれぞれ対を成す
掴持片42a,42bおよび44a,44bが取り付け
られることにより構成される。前記掴持片42a,42
bおよび44a,44bは、図5に示したように上下端
部の肉厚が互いに反対側で略半分となる重合部分46
a,46bを有し、かつ、内側(相手方と対向される
側)中央部には前記ケーブル20を嵌合する半円状の凹
部48が形成される。また、前記重合部分46a,46
bには後述する取付ボルト50および固定ボルト52を
挿通する第1,第2開口部54,56が形成される。
【0017】前記取付ボルト50は片側の掴持片42
a,42bの第1開口部54,54を挿通した後、前記
膜繋ぎ主材32の中央部に形成された開口部58を挿通
し、更に、他側の掴持片44a,44bの第1開口部5
4,54を挿通して、ワッシャー60およびナット62
(図4参照)を介して取り付けられる。そして、前記掴
持片42a,42bおよび44a,44bは前記取付ボ
ルト50を中心として開閉可能になっている。
【0018】前記それぞれ対を成す掴持片42a,42
bおよび44a,44bの凹部48,48…間に、スリ
ーブリング64を介して前記ケーブル20が挟持される
ようになっている。前記スリーブリング64は図6に示
したように対称に2分割され、それぞれ2分割された際
の間隙δは、スリーブリング64の直径をdとした場合
に、略d/15程度に設定される。
【0019】そして、前記掴持片42a,42bおよび
44a,44bの第2開口部56,56…間には、前記
ケーブル20を凹部48,48…に挟持した後、前記固
定ボルト52が挿通されてナット66止めされる。尚、
固定ボルト52を第2開口部56,56…に挿通する
際、掴持片42bと44aとの間にスペーサー68が配
置されて、掴持片42a,42bおよび44a,44b
が傾斜するのを防止するようになっている。
【0020】以上の構成により本実施例のケーブル取付
装置40にあっては、膜繋ぎ主材32の中央部両側に取
付ボルト50を介して掴持片42a,42bおよび44
a,44bそれぞれ開閉可能に取り付けられており、こ
れら掴持片42a,42bおよび44a,44bの凹部
48にそれぞれケーブル20を挟持し、この挟持状態で
掴持片42a,42bおよび44a,44bの先端部を
固定ボルト52を介して固定するのみで、ケーブル20
を膜体30に取り付けることができる。従って、前記ケ
ーブル20の取付作業が著しく簡単化されると共に、少
ない労力によって迅速な取り付けを可能とする。
【0021】また、本実施例では前記掴持片42a,4
2bおよび44a,44bはそれぞれ対を成して膜繋ぎ
主材32の両側に設けられているため、これら掴持片4
2a,42bおよび44a,44bでケーブル20を支
持した際に、このケーブル20の荷重が膜繋ぎ主材32
の両側に均等に作用するため、この膜繋ぎ主材32がケ
ーブル20の自重で傾いてしまうのを防止することがで
きる。従って、フック34,34に挿通される鳩目3
6,36を適正に掛止して、膜片30a,30a同志の
接続を確実に行うことができる。
【0022】尚、本実施例では人工スキー場10の膜屋
根14に本考案を適用した場合を開示したが、これに限
ることなく膜屋根を用いた他の大空間施設、例えば一般
のドーム等に本考案の膜構造物のケーブル取付装置を適
用できることは勿論である。
【0023】
【考案の効果】以上説明したように本考案にかかる膜構
造物のケーブル取付装置にあっては、膜繋ぎ主材の両側
にそれぞれ対を成す掴持片を開閉可能に取り付け、これ
ら掴持片を開いた状態でそれぞれケーブルを挟み込み、
そして、このケーブルの挟持状態で各掴持片の先端部間
を固定することにより、ケーブルの取り付けを完了する
ようになっているので、ケーブルの取付作業が著しく簡
単化され、少ない労力をもってケーブルを迅速に取り付
けることができる。
【0024】また、前記対を成す掴持片を膜繋ぎ主材の
両側にそれぞれ設けたので、これら掴持片でケーブルを
支持した際の荷重を膜繋ぎ主材の両側に均等に作用させ
ることができるため、膜繋ぎ主材がケーブルの自重で傾
いてしまうのを防止し、この膜繋ぎ主材による膜体同志
の接続を適正に行うことができるという各種優れた効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案が適用される大空間施設の断面を示す概
略構成図である。
【図2】本考案の一実施例を示す図1中A−A線に対応
する拡大断面図である。
【図3】本考案の一実施例を示すケーブル取付装置の側
面図である。
【図4】本考案の一実施例を示すケーブル取付装置の要
部を取り出した分解斜視図である。
【図5】本考案の一実施例に用いられる掴持片の1つを
示す斜視図である。
【図6】本考案の一実施例に用いられるスリーブリング
の断面図である。
【図7】本考案の一実施例にかかるケーブル取付装置の
レイアウトを示す概略構成図である。
【符号の説明】
10 人工スキー場(大空間施設) 12 外壁 14 膜屋根 20 ケーブル 30 膜体 30a 膜片 32 膜繋ぎ主材 34 フック 36 鳩目 40 ケーブル取
付装置 42a,42b,44a,44b 掴持片 50 取付ボルト 52 固定ボルト

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 膜体の接続端部間に跨がって配置され、
    それぞれの膜体同志を接続する膜繋ぎ主材を備え、この
    膜繋ぎ主材の中央部両側に、それぞれ対を成す掴持片を
    共通の枢軸を介して開閉可能に取り付け、これら掴持片
    間に膜体を支持するためのケーブルを掴持した状態で、
    それぞれ対を成す掴持片の先端部間を固定することを特
    徴とする膜構造物のケーブル取付装置。
JP2844992U 1992-04-28 1992-04-28 膜構造物のケーブル取付装置 Expired - Lifetime JP2567912Y2 (ja)

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JPH0587170U JPH0587170U (ja) 1993-11-22
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