JP2567560B2 - プレキャスト桁による橋梁の施工方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、橋梁を施工する後方の
内、桁をプレキャスト部材で行う場合の施工方法に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、同工法で施工する場合、施工すべ
き橋脚間に予めワイヤを張り渡しておき、プレキャスト
桁を順次ワイヤに吊り送り出すか、手延べ式で梁を順次
既設部分から送り出し、所要の橋脚間に予め掛け渡した
状態で、その仮設梁から吊るあるいは載せる等の適当な
方法でプレキャスト桁を順次送り出す施工方法によって
いた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、張った
ワイヤから吊り下げる方法では、ワイヤのたわみ等が問
題となり、また手延べ式の仮設梁では、梁そのものを架
設するのに時間がかかった。

【０００４】本発明は、形式としては仮設梁によってプ
レキャスト桁を架設するものであって、所定の橋脚間の
仮設梁の掛け渡し時間を短縮することを目的としたもの
である。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明のプレキャスト桁
による橋梁の施工方法によれば、橋脚間に仮設梁を掛け
渡し、その仮設梁上を移動させてプレキャスト桁を橋脚
間に架設するプレキャスト桁による橋梁の施工方法にお
いて、橋脚または橋脚近くに立設した柱に水平方向に旋
回する旋回装置を設け、橋脚または橋脚近くに立設した
柱の旋回装置間で仮設梁をそれに設けたピンを介して着
脱可能に、かつピンを支点として起伏可能に支持し、仮
設梁の移設の際には、まず施工順位で後方の橋脚または
橋脚近くに立設した柱の旋回装置におけるピンを支点と
して仮設梁を起立させて施工順位で先方の橋脚または橋
脚近くに立設した柱の旋回装置から離間させ、次いで施
工順位で後方の橋脚または橋脚近くに立設した柱の旋回
装置により仮設梁を水平旋回して施工順位でさらに後方
の橋脚または橋脚近くに立設した柱に予め設けた旋回装
置上に移動させ、次いで前記ピンを支点として仮設梁を
下降させて新たに橋脚または橋脚近くに立設した柱の旋
回装置間で支持し、その仮設梁を用いてプレキャスト桁
の架設を行うものとする。

【０００６】

【作用】仮設梁を旋回装置により水平旋回して移設を行
うものであるので短時間に仮設梁の移設を行うことがで
きる。仮設梁を用いてプレキャスト桁を搬送するには、
荷を昇降させる機能をもつもの、例えば走行式の門型ク
レーンを仮設梁上のガイドレール上を走行し、門型クレ
ーンでプレキャスト桁を吊って目的の位置まで搬送し、
プレキャスト桁を吊り降して仮設梁に取付けたブラケッ
ト等で支持する。

【０００７】

【実施例】施工中の全体図を図１及び図２に示す。図に
おいて１Ａ、１Ｂは所定の間隔で構築されている橋脚で
あり、橋脚１Ａと施工順位で先方の橋脚（図において橋
脚１Ａの右側で図示は省略）との間には、詳細を後述す
る仮設梁３を用いてプレキャスト桁２の架設がなされ、
次いで橋脚１Ａとそれよりも施工順位で後方の橋脚１Ｂ
との間にプレキャスト桁２の架設を行うために仮設梁３
を移設するものとする。

【０００８】各橋脚１Ａ、１Ｂ近くに柱５Ａ、５Ｂを立
設し、その柱５Ａ、５Ｂに全体を６で示す旋回装置が設
けられている。各旋回装置６には仮設梁３を受けるブラ
ケット７が設けられており、ブラケット７に形成された
Ｕ字型の受け７ａに仮設梁３の両端付近に設けたピン４
がはめ合い起伏可能に、かつ着脱可能に仮設梁３を支持
している。また、各旋回装置６にはウインチ８が設けら
れており、そのウインチ８により仮設梁３はピン４を支
点として起伏する。なお、ピン４とブラケット７の受け
７ａは、ピン回りに回転させるはめ合い部において、は
ずれ止め等を施すのがよく、作業終了時に全てのピン部
に同様の処置をするのが望ましい。

【０００９】仮設梁３を移設するには、まず施工順位で
工法の橋脚１Ａの近くに立設した柱５Ａの旋回装置６に
おけるピン４を支点としてウインチ８により仮設梁３を
起立させて、施工順位で先方の橋脚の近くに立設した柱
（図において橋脚１Ａの近くに立設した柱５Ａの右側で
図示は省略）の旋回装置６から離間させる。次いで施工
順位で後方の橋脚１Ａの近くに立設した柱５Ａの旋回装
置６により仮設梁３を水平旋回して施工順位でさらに後
方の橋脚１Ｂの近くに立設した柱５Ｂにあらかじめ設け
た旋回装置６上に移動させる。次いで、柱５Ａの旋回装
置６におけるピン４を支点としてウインチ８により仮設
梁３を下降させて新たに柱５Ａと５Ｂの旋回装置６間で
支持する。

【００１０】仮設梁３は橋脚１の両側に１つずつ計２つ
設けるものであり（図４）、各々を前記の方法により移
設する。また、仮設梁３は、移設の時に自重及び移設に
際して作用する必要最小限の荷重に対して強度をもつだ
けのものにして、後で適当に補強する方法をとってもよ
い。

【００１１】図３は仮設梁３の起伏を油圧シリンダ９で
行なう例である。また、前記の例は、旋回装置６を設け
る柱５を橋脚１と独立して設けたものであるが。橋脚１
から適当なブラケット等を出しそれに旋回装置を据付け
るようにしてもよい。

【００１２】図４及び図５に仮設梁によりプレキャスト
桁を搬送する方法を示す。仮設梁３の上面にガイドレー
ル１０が敷設してあり、そのレール１０上を転動する車
輪１２を有する門型クレーン１１のウインチ１３でプレ
キャスト桁２を吊り下げ、目的の位置まで運び、吊り降
ろしたプレキャスト桁２は、仮設梁３に取付けたブラケ
ット等で支持する。プレキャスト桁を搬送する搬送装置
は、図示は省略するが荷を昇降させる機能を持つ台車な
ら所期の目的を果す。

【００１３】

【発明の効果】本発明は、プレキャスト桁による橋梁の
施工方法において、橋脚間に掛け渡してプレキャスト桁
の搬送を行う仮設梁の移設を、橋脚または橋脚近くに立
設した柱に設けた旋回装置において仮設梁のピンを支点
として起立し、次いで旋回装置により仮設梁を水平旋回
し、次いで前記ピンを支点として仮設梁を下降させて、
橋脚または橋脚近くに立設した柱の旋回装置間に架設し
て行うものであるので、仮設梁の掛け替え時間を大巾に
短縮することができる。その際、仮設梁の移設は主とし
て水平旋回で行われるものであり、仮設梁の起伏は仮設
梁のピンが旋回装置のピン受けから離れる程度でよく、
仮設梁の垂直旋回だけで仮設梁を移設する方法に比べよ
り長尺な仮設梁の移設を安全にかつ容易に行うことがで
きる。また、プレキャスト桁の搬送は仮設梁上を走行す
る台車によって行われるので橋脚間に張り渡したワイヤ
による場合のようにワイヤのたるみ等による不都合を生
じない。

【図面の簡単な説明】

【図１】プレキャスト桁の架設に用いる仮設梁の移設を
示す平面図。

【図２】図１の側面図。

【図３】プレキャスト桁の他の例の要部の側面図。

【図４】仮設梁を用いてプレキャスト桁を搬送する方法
を示す正面図。

【図５】図４の側面図。

【符号の説明】

１・・・橋脚 ２・・・プレキャスト桁 ３・・・仮設梁 ４・・・ピン ５・・・柱 ６・・・旋回装置 ７・・・Ｕ字型の受けを有するブラケット ８・・・ウインチ ９・・・油圧シリンダ １０・・・レール １１・・・門型クレーン １２・・・車輪 １３・・・ウインチ

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 橋脚間に仮設梁を掛け渡し、その仮設梁
   上を移動させてプレキャスト桁を橋脚間に架設するプレ
   キャスト桁による橋梁の施工方法において、橋脚または
   橋脚近くに立設した柱に水平方向に旋回する旋回装置を
   設け、橋脚または橋脚近くに立設した柱の旋回装置間で
   仮設梁をそれに設けたピンを介して着脱可能に、かつピ
   ンを支点として起伏可能に支持し、仮設梁の移設の際に
   は、まず施工順位で後方の橋脚または橋脚近くに立設し
   た柱の旋回装置におけるピンを支点として仮設梁を起立
   させて施工順位で先方の橋脚または橋脚近くに立設した
   柱の旋回装置から離間させ、次いで施工順位で後方の橋
   脚または橋脚近くに立設した柱の旋回装置により仮設梁
   を水平旋回して施工順位でさらに後方の橋脚または橋脚
   近くに立設した柱に予め設けた旋回装置上に移動させ、
   次いで前記ピンを支点として仮設梁を下降させて新たに
   橋脚または橋脚近くに立設した柱の旋回装置間で支持
   し、その仮設梁を用いてプレキャスト桁の架設を行うこ
   とを特徴とするプレキャスト桁による橋梁の施工方法。