JP2566761B2 - 骨髄単球系細胞 - Google Patents

骨髄単球系細胞

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JP2566761B2 JP61176267A JP17626786A JP2566761B2 JP 2566761 B2 JP2566761 B2 JP 2566761B2 JP 61176267 A JP61176267 A JP 61176267A JP 17626786 A JP17626786 A JP 17626786A JP 2566761 B2 JP2566761 B2 JP 2566761B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、急性骨髄性白血病患者の白血球細胞から培
養株化されたヒト由来のγ−インターフェロン産生能を
有する骨髄単球系細胞に属するHBL−38細胞、および該
細胞を細胞融合するかまたは遺伝子組換えして得られる
該ヒト由来のγ−インターフェロン産生能を有する培養
株化された骨髄単球系細胞に関するものである。
(従来の技術) インターフェロンは、小林茂保著「インターフェロ
ン」1975年株式会社講談社発行、D.A.J.Tyrell著「Inte
rferon and Its Clinical Potential」1976年 William
Heinemann Medical Books Ltd.(London)発行、「蛋白
質 核酸 酵素 Vol.21 No.4」1976年などにも記載さ
れているように、例えば、ウィルス、細菌、原虫、リケ
ッチャ、核酸、エンドトキシン、多糖類などのインター
フェロン誘導剤を生細胞に作用させることによって、そ
の細胞内外に誘導生成される糖蛋白質であって、その細
胞内での各種ウィルスの増殖を非特異的に抑制する機能
を持つ物質に与えられ名称である。
インターフェロンの持つこのような機能から、インタ
ーフェロンは、その発見の当初よりウィルス性疾患の予
防剤、治療剤として期待されてきた。また、近年インタ
ーフェロンは、ウィルス性腫瘍のみならず、非ウィルス
性腫瘍に対しても抗腫瘍性が認められるようになって、
医薬品としてのインターフェロンが鶴首されるに至っ
た。
インターフェロンには、α−インターフェロン(別
名、白血球インターフェロン)、β−インターフェロン
(別名、線維芽細胞インターフェロン)およびγ−イン
ターフェロン(別名、免疫インターフェロン、タイプII
インターフェロン)があり、この内α−インターフェロ
ンについては白血球などから、β−インターフェロンに
ついては繊維芽細胞などからの製造方法が確立され、最
近、これらを利用した医薬品が市販されるまでに至っ
た。一方、γ−インターフェロンについては、多数の製
造方法が提案されているもののいずれも末だ工業的に実
施されるに至っていない。
例えば、特開昭57−58891号公報、特表昭57−500961
号公報、特表昭58−502032号公報、特開昭59−82092号
公報、特開昭60−70099号公報、特開昭60−87300号公
報、特開昭60−139700号公報、特開昭60−149600号公報
などで提案されているヒト末梢血からの白球球またはT
−リンパ球を用いる方法は、原料の細胞を安定して大量
に供給することが困難であり、また細胞当りの産生量も
不充分である。
また、特開昭55−98118号公報で提案されている方法
は、培養株化されたヒト由来の細胞をヒト以外の温血動
物の体内に移植するか、またはヒト以外の温血動物の体
内もしくは体外に取り付けた拡散チャンバー内で、その
温血動物の体液の供給を受けながら増殖させ、得られる
ヒト由来の細胞を用いてγ−インターフェロンを製造す
る方法であり、原料のヒト由来の細胞を大量に安定して
供給できる点できわめて優れている。
しかしながら、この方法については、培養株化された
ヒト由来の細胞の違いによって、γ−インターフェロン
産生能に変動のあることが判明し、安定して高活性のγ
−インターフェロンを製造するにはなお改良の必要があ
り、末だ工業的に実施するに至っていない。
γ−インターフェロンは、細胞増殖抑制作用、抗腫瘍
作用がα−インターフェロン、β−インターフェロンよ
りも著しく強く、また、α−インターフェロン、β−イ
ンターフェロンなどと併用することにより、これらの抗
ウィルス作用、細胞増殖抑制作用、抗腫瘍作用などを増
強することが知られており、その工業的製造方法の確立
が強く望まれている。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明者等は、工業的規模で容易に実施しうるγ−イ
ンターフェロンの製造方法を確立することを目的に、γ
−インターフェロン産生能の高いヒト由来細胞株の樹立
を目ざして研究を続けた。
その結果、新たに培養株化されたヒト由来の骨髄単球
系細胞HBL−38が、他のリンパ芽球様細胞とは違って、
高いγ−インターフェロン産生能を有し、γ−インター
フェロン製造用細胞として好適であることを見いだし、
本発明を完成した。
本発明でいう培養株化されたヒト由来の骨髄単球系細
胞とは、岩波書店発行、岸本忠三、渡辺武編、「岩波講
座 免疫科学3、免疫担当細胞」第181〜204頁(昭和61
年)およびMikio Shikita and Isao Yamane著「Mammari
an Cell Culture Technology」第141〜162頁1985年Soft
Science Publications,Tokyo Japanなどに記載されて
いるように、T−細胞、B−細胞に属さない細胞であっ
て、抗原抗体反応により骨髄単球系抗原(Myelomonocyt
e antigen)の存在を示すことで同定される細胞を云
う。
本発明者等が新たに樹立したHBL−38細胞のγ−イン
ターフェロン産生能は高く、そのまま、γ−インターフ
ェロン製造用に有利に利用できる。
必要ならば、この細胞のγ−インターフェロン産生能
を持つ遺伝子を、例えば、ポリエチレングリコールやセ
ンダイウィルスなどを利用する細胞融合の手段やDNAリ
ガーゼ、制限酵素(ヌクレアーゼ)、DNAポリメラーゼ
などの酵素を利用する公知の遺伝子組換えの手段などに
よって、より容易に継代培養しうる培養株化された細胞
に導入してその増殖速度を更に高めることも、また、そ
のγ−インターフェロン産生能を更に高めることも有利
に実施できる。
本発明で使用する培養株化されたヒト由来の骨髄単球
系細胞HBU−38を増殖させる方法は、適宜に選択するこ
とができる。例えば、栄養培地に接種して増殖させる生
体外で行なう組織培養法や、ヒト以外の温血動物の体内
に移植するか、または、ヒト以外の温血動物の体内もし
くは対外に取り付けた拡散チャンバー内に移植して、そ
の体液の供給を受けながら増殖させる生体内で行なう方
法などである。
まず、生体外で増殖させる場合について説明する。
この際使用する栄養培地は、HBL−38細胞を接種して
増殖しうるものであればよく、例えば、RPMI 1640培
地、イーグル最少基本培地などがあり、必要に応じて、
更に、ビタミン、ミネラル、炭水化物、アミノ酸および
哺乳類の血清などを補足して改良することもできる。
培養方法は、炭層培養法または浮遊培養法が適宜選択
できる。
培養温度は、約20〜40℃、好ましくは約35〜38℃、接
種量は、接種後約1週間で最大細胞発育をみることがで
きるような培地ml当りの細胞数であって、好ましくは培
地ml当り約104〜107個である。
HBL−38細胞を接種した培地を上記条件で約4〜10日
間培養し、この間培地を定期的に新鮮なものと取り替え
て栄養物を充分補給するとともに、培地中に放出された
代謝産物を洗浄または希釈して増殖させるのが望まし
い。
次に、生体内で細胞を増殖させる方法について説明す
る。
この方法では、HBL−38細胞をヒト以外の温血動物体
内に移植するか、または、その体液の供給を受けること
のできるチャンバー内に収容し、通常の飼育をすれば、
温血動物の体内から供給される栄養物を含有する体液を
利用してHBL−38細胞が容易に増殖しうることから、イ
ンビトロにおける組織培養のように高価な血清などを含
む栄養培地を使わずして、または大幅に節約しても大量
のγ−インターフェロンを生成させることができる。
すなわち、ヒト以外の温血動物を利用する方法は、細
胞増殖中の維持管理が容易なことはもとより、インビト
ロで培養する場合と比較して、細胞の増殖が安定してい
ること、加うるに細胞当りのγ−インターフェロン産生
量が増大すること、とりわけ2〜10倍、またはそれ以上
にも高まるのできわめて有利である。
この方法に使用する温血動物は、培養株化されたヒト
由来の骨髄単球系細胞HBL−38が増殖し得るものであれ
ばよく、例えばニワトリ、ハトなどの鳥類、イヌ、ネ
コ、サル、ヤギ、ブタ、ウシ、ウマ、ウサギ、モルモッ
ト、ラット、ハムスター、普通マウス、ヌードマウスな
どの哺乳類などが使用できる。
これらの動物にHBL−38細胞を移植すると好ましくな
い免疫反応を起すおそれがあるので、その反応をできる
だけおさえるために使用する動物は、できるだけ幼若な
状態、即ち卵、胚、胎児、または新生期、幼少期のもの
の方が好ましい。
また、これら動物に例えば、約200〜600レム程度のエ
ックス線若しくはガンマ線を照射するか、または抗血清
若しくは免疫抑制剤などを注射するなどの前処置をほど
こして、免疫反応を弱めて移植してもよい。
使用する動物がヌードマウスの場合には、成長したも
のであっても免疫反応が弱いので、これらの前処理を必
要とすることなく、HBL−38細胞が移植でき、急速に増
殖できるので特に好都合である。
また、HBL−38細胞を、例えば先づハムスターに移植
し増殖させた後、この細胞を更にヌードマウスに移植す
るなどのように、ヒト以外の温血動物間で移植してHBL
−38細胞の増殖をより安定化したり、更にそれらから誘
導生成されるγ−インターフェロン量を増加させること
も自由である。
この場合、同種間、同属間は勿論のこと同鋼間、同門
間移植であってもよい。HBL−38細胞を移植する動物体
内の部位は移植した細胞が増殖し得る部位であればよ
く、例えば尿液腔、静脈、腹腔、皮下など自由に選ばれ
る。
また、直接動物体内にHBL−38細胞を移植することな
く、動物細胞の通過を阻止し得る多孔性の濾過膜、例え
ば孔径約10-7〜10-5mを有するメンブランフイルター、
限外濾過膜またはホローフアィバーなどを設けた公知の
各種形状、大きさの拡散チャンバーを動物体内、例えば
腹腔内に埋設して、動物体からの栄養物を含む体液の供
給を受けつつ、そのチャンバー内でHBL−38細胞を何れ
も増殖させることができる。
また、必要に応じて、このチャンバー内の栄養物を含
む溶液を動物体内の体液と接続し潅流させるようにした
チャンバーを、例えば動物体表に取付け、チャンバー内
のHBL−38細胞の増殖状態を透視できるようにすること
も、また、このチャンバー部分のみを着脱交換できるよ
うにして動物を屠殺せずに寿命一杯細胞を増殖させて、
動物個体当りの細胞生産量を更に高めることもできる。
これらの拡散チャンバーを利用する方法は、HBL−38
細胞が動物細胞と直接接触しないので、HBL−38細胞の
みが容易に採取できるだけではなく、好ましくない免疫
反応を起す心配も少ないので、免疫反応を抑制する前処
置の必要もなく、各種温血動物を自由に利用できる特徴
を有している。
移植した動物の維持管理は、その動物の通常の飼育を
続ければよく、移植後と言えども特別の取扱いは何ら必
要としないので好都合である。
HBL−38細胞を増殖させるための期間は通常約1〜10
週の期間で目的を達成することができる。
このようにして得られるHBL−38の細胞数は動物個体
当り約107〜1012、またはそれ以上に達する。
換言すれば、ヒト以外の温血動物を利用する方法によ
り増殖させたHBL−38細胞数は、動物個体当り移植した
細胞数の約102〜107倍、またはそれ以上にも達し、生体
外の栄養培地に接種して増殖させる場合の約101〜10
6倍、またはそれ以上にも達して、γ−インターフェロ
ンの製造のため極めて好都合である。
このようにして増殖させたHBL−38の生細胞を用いて
γ−インターフェロンを産生させる方法は自由である。
それが増殖した動物体内のままで、γ−インターフェロ
ン誘導剤を作用させることもできる。例えば、腹腔内の
腹水に浮遊状で増殖したHBL−38細胞に、また皮下に生
じた腫瘍細胞に、γ−インターフェロン誘導剤を直接作
用させてγ−インターフェロンを誘導生成させ、次いで
その腹水または腫瘍からγ−インターフェロンを精製分
取すればよい。
また、HBL−38細胞を動物体内から取り出し、生体外
でγ−インターフェロン誘導剤を作用させてγ−インタ
ーフェロンを誘導生成させることもできる。例えば、腹
水中で増殖したHBL−38細胞を分取し、または皮下に生
じたHBL−38細胞を含む腫瘍を摘出、分散し、得られる
細胞を約20〜40℃に保った栄養培地に細胞濃度が約105
〜108/mlになるように浮遊させ、これにγ−インターフ
ェロン誘導剤を作用させることによってγ−インターフ
ェロンを誘導生成させ、これを精製分取すればよい。
更に、HBL−38細胞を拡散チャンバー内で増殖させた
場合には、増殖させた細胞をチャンバー内のままで、ま
たはチャンバーから取り出して、γ−インターフェロン
誘導剤を作用させ、γ−インターフェロンを誘導生成さ
せることもできる。
また、γ−インターフェロンの誘導生成に際して、必
要ならば例えばヒトに種特異性の高いインターフェロン
を用いてプライミング処理をしたり、代謝阻害剤を使用
するスーパーインダクション法などの公知の方法を採用
することによって生成するγ−インターフェロン量を更
に高めることも自由である。
また、例えば増殖させたHBL−38細胞に先ず動物体内
のままでγ−インターフェロンを誘導生成させた後、次
いで同一動物個体の特定の部位または全体から採取した
HBL−38細胞に動物体外でγ−インターフェロンを誘導
生成させる方法、また一度γ−インターフェロンの誘導
生成に使用した細胞を更に2度以上γ−インターフェロ
ンの誘導生成に使用する方法、または動物体内に埋設、
若しくは接続するチャンバーを交換して得られる細胞数
を増加させる方法などの方法によって、使用する動物個
体当りのγ−インターフェロン生成量を更に高めること
も自由である。
γ−インターフェロン誘導剤としては、通常、例えば
フォトヘマグルチニン、コンカナバリンA、ポークウィ
ードミトーゲン、リポポリサッカリド、リピドA、エン
ドトキシン、多糖類、細菌などのミトーゲンが好適であ
る。
また、感作化された細胞にとっては抗原もγ−インタ
ーフェロン誘導剤である。これらγ−インターフェロン
誘導剤を用いる場合には、通常約0.001μg/10mg/mlの濃
度で使用される。必要ならば、例えば、ウィルス、核
酸、ポリヌクレオチドなどのα−インターフェロン誘導
剤を併用して、γ−インターフェロン量を更に増加させ
ることも、α−インターフェロンとγ−インターフェロ
ンとを同時に生成させることも自由である。
このようにして誘導生成させたγ−インターフェロン
は、公知の精製分離法、例えば、塩析、透析、濾過、遠
心分離、濃縮、凍結乾燥などを行うことによって容易に
精製分離し、採取することができる。更に、高度の精製
を必要とする場合には、例えばイオン交換体への吸着・
溶出、ゲル濾過、アフィニティクロマトグラフィー、等
電点分画、高速液体クロマトグラフィー、電気泳動など
の公知の方法を更に組み合せればよく、とりわけ、モノ
クローナル抗体を利用したクロマトグラフィーなどによ
り最高純度のγ−インターフェロンを採取することも可
能である。
このようにして得られたγ−インターフェロンは、γ
−インターフェロン感受性疾患の予防剤、治療剤などと
して有利に利用できる。
γ−インターフェロン感受性疾患とは、γ−インター
フェロンによって予防され、若しくは治療される疾患で
あり、それがウィルス性疾患、例えば、流行性血膜炎、
ヘルペス性角膜炎、インフルエンザ、風疹、血清肝炎、
エイズなどであっても、また非ウィルス性疾患、例え
ば、肺ガン、肝ガン、骨肉腫などの悪性腫瘍などであっ
てもよい。
また、γ−インターフェロン感受性疾患予防剤、若し
くは治療剤は、その目的に応じてその形状を自由に選択
できる。その一例を上げれば、噴霧剤、点眼剤、うがい
剤、注射剤などの溶剤、軟膏のようなペースト剤、粉
剤、顆粒剤、錠剤などの固剤などである。
これら予防剤、治療剤には、γ−インターフェロン
を、通常、グラム当り1〜10,000,000単位程度の活性を
含有せしめればよく、必要に応じて他の成分、例えば、
α−インターフェロン、ツモア ネクロシス ファクタ
ー、リンホトキシンなどのリンホカインや、他の化学療
法剤などを併用して、その予防効果、治療効果を高める
ことも有利に実施できる。
更に必要ならば、補助剤、増量剤、安定剤などの1
種、若しくは2種以上を併用することも自由である。
ヒトに種特異性の高いインターフェロンの活性は「蛋
白質 核酸 酵素 Vol.20 No.6」第616〜643頁 1975
年に報告されているヒト羊膜由来のFL細胞を使用して公
知のブラーク半減法で測定した。
なお、γ−インターフェロンの活性は、抗α−インタ
ーフェロン抗体及び抗β−インターフェロン抗体を共存
させて、α−インターフェロン及びβ−インターフェロ
ンを中和後、測定した。
以下、本発明で新たに樹立した骨髄単球系細胞HBL−3
8について説明する。
急性骨髄性白血病患者(男性 55才)からの白血球細
胞をin vitroで栄養培地に培養した結果、21日後に細胞
の増殖が認められた。それを継代培養し、このうちの1
種類を安定して増殖させることに成巧し、これをHBL−3
8と命名した。
(1) 増殖能 牛胎児活性10v/v%を加えたRPMI 1640培地での増殖能
を測定したところ、倍加時間は約30時間であった。
(2) 形態 増殖時にフラスコの底面に付着する性質を有していた
が付着性は弱くすぐ遊離した。また増殖時に細胞集塊の
形成もみられたが、強固ではなく軽く触れると容易に単
一細胞に分散された。この細胞を、位相差顕微鏡で観察
した結果を第1図に示した。細胞の形態は約15μmの単
一なほぼ円形をしていた。ギムザ染色を行なった結果、
核は円形のものの他に不規則な切込や分葉傾向を示すも
のも認められた。
(3) 染色体数 染色体の分析には対数増殖期の細胞を使用した。染色
体数の頻度分布を第1表に示した。150個の細胞につい
て観察した結果、染色体数は低2倍体域にあり、その頻
度分布は45本が最も多く53個であった。また44本の細胞
も42個認められた。
(4) 細胞表面形質 各種細胞表面抗体を用いてHBL−38細胞の同定を行な
った結果を第2表に示した。ヒツジ赤血球(E)、抗体
感作ウシ赤血球(EA)、ヒト補体感作ウシ赤血球(EA
C)を用いた分析では、EAに10%のロゼット形成がみら
れたが、他のものは認められなかった。ヤギ抗ヒト抗体
を使用して、細胞表面免疫グロブリンの検出を行なった
結果、6種全て陰性であった。またモノクローナル抗体
を用いた表面マーカーの検索の結果3A1,MCS−2,B3/25,M
Y−9は高い陽性率を示し、NU−T2,Leu−5,Leu−4,A−5
0,BA−2,OKT−1,NU−N1,B2,MO−1,MO−2は全て陰性で
あった。
(5) EBウィルス特異核抗原(EBNA)の検索 EBNAについては、細胞株樹立後早期より数回にわたっ
て検索したが、常に陰性であった。
(6) 軟寒天培地中でのコロニー形成 コロニー形成因子(CSF)を含む0.3%寒天培地中での
コロニー形成を試験し、培養14日目で倒立顕微鏡により
観察した結果、ミエロイド様のコロニーを形成する細胞
が認められた。それらの頻度は1〜2%であった。コロ
ニー形成因子を加えない場合は全く造られなかった。以
上の結果より、HBL−38細胞は、骨髄単球系細胞に属す
ることが判明した。
次に、本発明を実験で詳細に説明する。
実験 培養株化されたヒト由来の各種リンパ芽球様細胞
のγ−インターフェロン産生能の比較 実験1. 生体外で増殖させた細胞によるインターフェロ
ンの産生 牛胎児血清20v/v%を補足したRPMI 1640培地(pH7.
2)に、培養株化されたヒト由来の各種細胞をそれぞれ
に接種し、37℃で常法に従って培養し、次いで、血清無
添加のRPMI 1640培地(pH7.2)で洗浄し、同培地に濃度
1×106/mlになるように懸濁した。
このようにして得たヒト由来の各種細胞懸濁液それぞ
れにリポポリサッカリドをml当り約10μgを添加して37
℃で2日間保ってインターフェロンを誘導させ、遠心分
離し、上清を用いてそのml当りのインターフェロン活性
及びγ−インターフェロン活性を測定した。
その結果を第3表にまとめた。
第3表の結果から明らかなように、培養株化されたヒ
ト由来の各種リンパ芽球様細胞のγ−インターフェロン
産生能を比較したところ、従来、その産生が全く知られ
ていない骨髄単球系細胞からの産生を見いだし、しか
も、その産生量の多いことが判明した。とりわけ、HBL
−38細胞は、γ−インターフェロン産生能が著しく高
い。
実験2. 生体内で増殖させた細胞によるインターフェロ
ンの産生 新生児のハムスターに、ウサギから公知の方法で調製
した抗血清を予め注射し、ハムスターの免疫を弱めた
後、その皮下に培養株化されたヒト由来の骨髄単球系細
胞をそれぞれ移植して、その後、通常の方法で3週間飼
育した。
皮下に生じた腫瘍を摘出した細切した後、トリプシン
含有の生理食塩水に懸濁して細胞を分散、分取した。
得られたそれぞれの細胞を実験1と同様に懸濁液と
し、同様に活性を測定した。
その結果を第4表にまとめた。
第3表および第4表の結果から明らかなように、培養
株化されたヒト由来の骨髄単球系細胞、とりわけ、HBL
−38細胞は、生体外で増殖させた細胞よりも、生体内で
増殖させた細胞の方が顕著に高いγ−インターフェロン
産生量を示すことが判明した。
以下、γ−インターフェロンの製造例を参考例として
示す。
参考例 1 HBL−38細胞を仔牛血清10v/v%を補足したRPMI 1640
培地(pH7.2)に細胞濃度5×105/mlになるよう接種し
た。
その後、常法に従って、定期的に新鮮な培地と取り替
えながら37℃で培養し、次いで、新鮮な同培地で洗浄
し、同培地に濃度2×106/mlになるよう懸濁した。これ
にリポポリサッカリドをml当り約10μg添加し、37℃で
2日間保ってインターフェロンを誘導させた。これを遠
心分離し、その上清ml当り約5,100単位のγ−インター
フェロンを得た。
参考例 2 新生児のハムスターにウサギから公知の方法で調製し
た抗血清を予め注射し、ハムスターの免疫反応を弱めた
後、その皮下にHBL−38細胞を移植し、その後、通常の
方法で4週間飼育した。皮下に生じた約20gの腫瘍を摘
出した後、コラゲナーゼ含有生理食塩水に懸濁して細胞
を分散、分取した。
この細胞をイーグルの最少基本培地で洗浄した後、37
℃に保った同じ組成の培地に細胞濃度が約2×106/mlに
なるように希釈し、これにml当りフィトヘマグルチニン
200μgおよびリピドA 5μgを加え、37℃で2日間保っ
てインターフェロンを誘導させた。これを遠心分離し、
上清ml当り約93,000単位のγ−インターフェロンを得
た。ハムスター1匹当り約183,000,000単位のγ−イン
ターフェロンが得られた。
参考例 3 37℃で5日間保ったニワトリの受精卵に、HBL−38細
胞を移植した後、37℃で1週間保った。この卵を割卵し
た後、増殖細胞を採取し、その細胞を参考例2と同様に
処理してインターフェロンを誘導させた。これを遠心分
離し、上清ml当り約36,000単位のγ−インターフェロン
を得た。受精卵10個当り約60,000,000単位のγ−インタ
ーフェロンが得られた。
【図面の簡単な説明】
図において、第1図は、HBL−38細胞の位相差顕微鏡写
真を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:91) (C12P 21/02 C12R 1:91)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】急性骨髄性白血病患者の白血球細胞から培
    養株化されたヒト由来のγ−インターフェロン産生能を
    有する骨髄単球系細胞に属するHBL−38細胞、または該
    細胞を細胞融合するかまたは遺伝子組換えして得られる
    該ヒト由来のγ−インターフェロン産生能を有する培養
    株化された骨髄単球系細胞。
  2. 【請求項2】モノクローナル抗体を用いた表面マーカー
    の検索において、モノクローナル抗体3A1、MCS−2、B3
    /25およびMY−9が高い陽性率を示す細胞であることを
    特徴とする特許請求の範囲第(1)項記載の骨髄単球系
    細胞。
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CANCER RES. *

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