JPH0526468B2 - - Google Patents

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JPH0526468B2
JPH0526468B2 JP59010941A JP1094184A JPH0526468B2 JP H0526468 B2 JPH0526468 B2 JP H0526468B2 JP 59010941 A JP59010941 A JP 59010941A JP 1094184 A JP1094184 A JP 1094184A JP H0526468 B2 JPH0526468 B2 JP H0526468B2
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JP
Japan
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cells
lymphokine
new
human
humans
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Masakazu Mihashi
Masashi Kurimoto
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Hayashibara Seibutsu Kagaku Kenkyujo KK
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Hayashibara Seibutsu Kagaku Kenkyujo KK
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Publication date
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  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、腫瘍細胞に対して細胞障害活性を有
する新リンホカインIの製造方法に関する。
腫瘍細胞に対して細胞障害活性を有するリンホ
カインとしては、リンホトキシンやツモア ネク
ロシス フアクターなどが知られている。
リンホトキシンは、青木隆一ほか共著「リンホ
カイン」新免疫学叢書6、87〜105頁(1979年)
医学書院、Bloom B.R.& Gnade P.R.共編「In
Vitro methods in cell−mediated im1unity」
Academic Press(1971年)およびGellular
Immunology Vol.38、388〜402頁(1978年)な
どに記載され、ツモア ネクロシス フアクター
は、Carswell E.A.et al.,Pr.Natl.Acad.Sci.,
U.S.A.,Vol.72、No.9 3666〜3670頁(1975年)
およびE.Pick編Tumor Necrosis Factor in
Lymphokines Vol..235〜272頁、Academic
Press(1981年)などに記載されている。
また、最近、大西治夫らが特開昭58−146293号
公報でリンホカインの一種である抗腫瘍性糖蛋白
を明らかにしている。
本発明者らは、リンホカインについて多年研究
してきた。その結果、従来知られているこれらリ
ンホカインとは全く違つた理化学的性質を有する
新リンホカインIの存在を認め、その製造方法を
確立して本発明を完成した。
すなわち、本発明は、理化学的性質が、 分子量 20000±2000 等電点 pI=5.6±0.2 易動度 Disc−PAGEで、Rf=0.29±0.02 紫外線吸収スペクトル 280nm付近に最大吸収 溶剤に対する溶解性 水、生理食塩水またはリン酸塩緩衝液に可
溶、エチルエーテル、酢酸エチルまたはクロロ
ホルムに難溶乃至不溶 呈色反応 ローリー法またはミクロビユーレツト法で蛋
白質陽性反応を示し、フエノール硫酸法または
アントロン硫酸法で糖質陽性反応を示す。
作用 KB細胞に対して細胞増殖抑制活性をおよび
L929細胞に対して細胞障害活性を示し、インタ
ーフエロン活性を実質的に示さず 水溶液での活性安定性 PH7.2で3分間保持する条件により60℃まで
安定、4℃で16時間保持する条件によりPH4.0
乃至11.0の範囲で安定、デイスパーゼ
(DISPASE)処理により不安定 −10℃での凍結貯蔵で1ケ月以上安定である
新リンホカインI(本明細書を通じて、本物質
を新リンホカイIと言う。)の製造方法に関す
る。
本発明の製造方法は、新リンホカインI産生能
を有するヒト由来の細胞を、ヒト以外の温血動物
体内に移植し、またはその温血動物の体液の供給
を受けながら増殖させた細胞から新リンホカイン
Iを産生せしめることを特徴とする新リンホカイ
ンIの製造方法である。ヒト由来の細胞は、常法
に従つて、生体外(in vitro)で増殖させた細胞
を使用することもできる。
しかしながら、本発明における新リンホカイン
Iの製造方法の場合には、ヒト由来の細胞、とり
わけ、培養株化されたヒト由来の細胞の増殖に際
し、ヒト以外の温血動物体内に直接移植するか、
または拡散チヤンバー内へ接種して、その温血動
物の体液の供給を受けながら増殖させる方法がき
わめて有利である。
即ち、生体外(in vrtro)で増殖させる場合と
は違つて、高価な血清などを含む栄養培地が不
要、または大幅に節約できるばかりではなく、細
胞増殖中の維持管理も極めて容易であり、その
上、得られた細胞から誘導生成される新リンホカ
インI活性が高い特徴を有している。
ヒト以外の温血動物を利用する方法は、培養株
化されたヒト由来の細胞を、ヒト以外の温血動物
体内に移植し、あるいは、その動物の体液の供給
を受けるとのできる拡散チヤンバーを動物体内に
埋設して通常の飼育をすれば、温血動物体から供
給される栄養物を含有する体液を利用してその細
胞が容易に増殖しうるのである。
更に、生体外(in vitro)で増殖させる場合と
比較して、この細胞の増殖が安定であること、そ
の増殖速度が大きいこと、得られる細胞量が多い
こと、更には細胞当りの新リンホカインIの収量
が著しく増加することも大きな特徴である。
本発明で使用する増養株化されたヒト由来の細
胞は、ヒト以外の温血動物体内に移植して容易に
増殖し得て、しかも新リンホカインI産生能を有
する細胞であればよく、例えば「蛋白質核酸酵素
Vol.20、No.6」616〜643頁(1975年)に記載され
ているヒト由来の各種株化細胞を用いることがで
きる。とりわけ、「Journal of Clinical
Microbiology Vol.1」116〜117頁(1975年)に
記載されているNamalva細胞、I,Miyoshi著
「Nature Vol.267」843〜844頁(1977年)に記載
されているBALL−1細胞、TALL−1細胞、
NALL−1細胞、「Journal of Immunology
Vol.113」1334〜1345頁(1974年)記載のM−
7002細胞、B−7101細胞、「組織培養」第6巻、
第13号、527〜546頁(1980年)に記載されている
JBL細胞、EBV−Sa細胞、EBV−Wa細胞、
EBV−HO細胞、MOLT−3細胞や、その他
BALM−2細胞、CCRF−SB細胞(ATCC CCL
120)CCRF−CEM細胞、DND−41細胞などの
株化されたリンパ芽球様細胞や、また、正常な単
核細胞、顆粒性白血球細胞などを各種ウイルス、
薬剤、放射線などで処理し培養株化させた細胞な
どが好適である。
また、これらヒト由来の細胞の新リンホカイン
I産生能を有する遺伝子を、例えば、ポリエチレ
ングリコールやセンダイウイルスなどを利用する
細胞融合の手段、DNAリガーゼ、制限酵素(ヌ
クレアーゼ)、DNAポリメラーゼなどの酵素を利
用する遺伝子組み換えの手段などによつて処理
し、その増殖速度を高めたり、細胞当りの新リン
ホカイン1産生能を高めたりして使用してもよ
く、本明細書に記載する株化細胞のみに限定され
るものではない。これらの細胞は、後に述べる新
リンホカインIを誘導生成させるまでの過程で、
単独、または2種以上を混合して自由に利用され
る。必要ならば、これに、例えばヒトから採取し
調整される白血球、リンパ球などを併用すること
もできる。
本発明で使用する温血動物は、ヒト由来の細胞
が増殖し得るものであればよく、例えばニワト
リ、ハトなどの鳥類、イヌ、ネコ、サル、ウサ
ギ、ヤギ、ブタ、ウマ、ウシ、モルモツト、ラツ
ト、ヌードラツト、ハムスター、普通マウス、ヌ
ードマウスなどの哺乳類が使用できる。
これらの動物にヒト由来の細胞を移植すると好
ましくない免疫反応を起すおそれがあるので、そ
の反応をできるだけ抑えるため、使用する動物は
できるだけ幼若な状態、即ち卵、胚、胎児、また
は新生期、幼少期のものの方が好ましい。
また、これらの動物に例えば200〜600レム程度
のエツクス線若しくはガンマ線を照射するか、ま
たは抗血清若しくは免疫制剤などを注射するなど
の前処理をほどこして、免疫反応を弱めて移植し
てもよい。
使用する動物がヌードマウスあるいはヌードラ
ツトの場合には、成長したものであつても免疫反
応が弱いので、これらの前処理を必要とすること
もなく、培養株化されたヒト由来の細胞が移植で
き、急速に増殖できるので特に好都合である。
また、培養株化されたヒト由来の細胞を例えば
先づハムスターに移植し増殖させた後、この細胞
を更にヌードマウスに移植するなどのように、ヒ
ト以外の温血動物間で移植してヒト由来の細胞の
増殖を、より安定化したり、更にそれらから誘導
生成される新リホカインI量を増加させることも
自由である。
この場合、同種間、同属間は勿論のこと、同綱
間、同門間移植であつてもよい。ヒト由来の細胞
を移植する動物体内の部位は、移植した細胞が増
殖しうる部位であればよく、例えば尿液腔、静
脈、腹腔、皮下など自由に選ばれる。
また、動物体内にヒト由来の細胞を移植するこ
となく、動物細胞の通過を阻止し得る多孔性の濾
過膜、例えば孔径約10-7〜10-5mを有するメンブ
ランフイルター、限外濾過膜またはフオローフア
イバーなどを設けた公知の各種形状、大きさの拡
散チヤンバーを動物体内、例えば腹腔内に埋設し
て、動物体からの栄養物を含む体液の供給を受け
つつ、そのチヤンバー内で前述の培養株化された
ヒト由来の細胞を何れも増殖させることができ
る。
また必要に応じて、このチヤンバー内の栄養物
を含む溶液を動物体内の体液と接続し、潅流させ
るようにしたチヤンバーを、例えば動物体表に取
付け、チヤンバー内のヒト由来の細胞の増殖状態
をその表面に設けた窓を通じて透視できるように
することも、また、このチヤンバー部分のみを着
脱交換できるようにして動物を屠殺せずに寿命一
杯細胞を増殖させて、動物個体当りの細胞生産量
を更に高めることもできる。
これらの拡散チヤンバーを利用する方法は、ヒ
ト由来の細胞が動物細胞と直接接触しないので、
ヒト由来の細胞のみが容易に採取できるだけでな
く、好ましくない免疫反応を起す心配も少ないの
で、免疫反応を抑制する前処置の必要もなく、各
種温血動物を自由に利用できる特徴を有してい
る。
移植した動物の維持管理は、その動物の通常の
飼育管理を続ければよく、移植後といえども特別
の扱いは何ら必要としないので好都合である。
ヒト由来の細胞を増殖させるための期間は通常
1〜10週の期間で目的を達成することができる。
このようにして得られるヒト由来の細胞数は動物
個体当り約107〜1012個、またはそれ以上に達す
ることも見出した。
換言すれば、動物生体内で増殖させたヒト由来
の細胞数は、動物個体当り移植した細胞数の約
102〜107倍、またはそれ以上にも達し、生体外の
栄養培地に接種して増殖させる場合の約101〜106
倍、またはそれ以上にも達して、新リンホカイン
Iの製造のために極めて好都合である。
このようにして増殖させたヒト由来の細胞から
新リンホカインIを誘導生成させる方法は自由で
ある。それが、増殖した動物体内のままで新リン
ホカインI誘導剤を作用させることもできる。例
えば、腹腔内の腹水に浮遊状で増殖したヒト由来
の細胞に、また皮下に生じた腫瘍細胞に、新リン
ホカインI誘導剤を直接作用させて新リンホカイ
ンIを誘導生成させ、次いで、その血清、腹水ま
たは腫瘍から新リンホカインIを精製採取すれば
よい。
また、ヒト由来の増殖細胞をヒト以外の動物体
内から取り出し、生体外で新リンホカインI誘導
剤を作用させて新リンホカインIを誘導精製させ
ることも有利に採用できる。例えば、腹水中で増
殖したヒト由来の細胞を採取し、または皮下に生
じたヒト由来の細胞を含む腫瘍を摘出、分散し、
得られる細胞を約20〜40℃に保つた栄養培地に細
胞濃度が105〜108/mlになるよう浮遊させ、これ
に新リンホカインI誘導剤を作用させることによ
つて新リンホカインIを誘導生成させ、これを精
製採取すればよい。
更に、ヒト由来の細胞を拡散チヤンバー内で増
殖させた場合は、増殖させた細胞をチヤンバー内
のままで、またはチヤンバーから取り出して、新
リンホカインI誘導剤を作用させ、新リンホカイ
ンIを誘導生成させることもできる。
また、前述のようにヒト以外の温血動物を利用
して得られるヒト由来の細胞を、必要ならば、更
にインビトロで1〜4日間程度培養し細胞の増殖
世代を同調させるなどした後、新リンホカインI
誘導剤を作用させ新リンホカインIを誘導生成さ
せることも自由である。
また、例えば、増殖させたヒト由来の細胞に先
づ動物体内のままで新リンホカインIを誘導生成
させた後、次いで、同一動物個体の特定の部位ま
たは全体から採取したヒト由来の細胞に動物体外
で新リンホカインIを誘導生成させる方法、ま
た、一度新リンホカインIの誘導生成に使用した
細胞を、更に2度以上新リンホカインIの誘導生
成に使用する方法、または動物体内に埋設、若し
くは接続するチヤンバーを交換して得られる細胞
数を増加させる方法などによつて、使用する動物
個体当りの新リンホカインI生成量を更に高める
ことも自由である。
本発明の新リンホカインI誘導剤としては、α
−インターフエロン誘導剤として知られているウ
イルス、核酸、ヌクレオチドなどやγ−インター
フエロン誘導剤として知られているフイトヘマグ
ルチニン、コンカナバリンA、ボークウイードミ
トーゲン、リポポリサツカリド、エンドトキシ
ン、多糖類、細菌などが適宜用いられる。また、
感作化された細胞にとつては、抗原も新リンホカ
インIの誘導剤である。
更に、ヒト由来の細胞から新リンホカインIを
誘導生成させるに際し、新リンホカインI誘導剤
として、α−インターフエロン誘導剤とγ−イン
ターフエロン誘導剤とを併用することにより新リ
ンホカインIの生産量を高めることも自由であ
る。
また、これら誘導生成によつて新リンホカイン
Iが産生されるだけでなく、種特異性の高いヒト
インターフエロンも同時に産生されることが判明
した。
このことは、貴重な2種以上のヒト生理活性物
質の同時生産を可能にして、更に、ヒト由来の細
胞の高度利用を可能にし、新リンホカインI及び
ヒトインターフエロンを大量に安価に供給する点
からきわめて好都合である。
このようにして誘導生成された新リンホカイン
Iは、公知の精製分離法、例えば、塩析、透析、
濾過、遠心分離、濃縮、凍結乾燥などを行うこと
によつて容易に精製分離し、採取することができ
る。更に高度の精製を必要とする場合には、例え
ば、イオン交換体への吸着−溶出、ゲル濾過およ
び等電点分画、電気泳動、イオン交換クロマトグ
ラフイー、高速度液体クロマトグラフイー、カラ
ムクロマトグラフイー、アフイニテイクロマトグ
ラフイーなど公知の方法を組合せれば、最高純度
の新リンホカインIを採取することも可能であ
る。
また、このようにして得られた新リンホカイン
Iを、抗原としてヒト以外の温血動物を免疫し、
該動物から抗体産生細胞を採取して、この細胞と
骨髄腫細胞とを融合せしめ、得られる融合細胞か
ら抗新リンホカイン抗体産性能を有する融合細胞
を選択し、この選択細胞を増殖させ、生成したモ
ノクローナル抗体を、例えば、ブロムシアン活性
化セフアロースと反応させて得られる固定化モノ
クローナル抗体を用いて精製し、高純度の新リン
ホカインを高収率で採取することも有利に用い
ることができる。
このようにして精製し製造された新リンホカイ
ンは、理化学的性質が、 分子量 20000±2000 等電点 p=5.6±0.2 易動度 Disc−PAGEで、Rf=0.29±0.02 紫外線吸収スペクトル 280nm付近に最大吸収 溶剤に対する溶解性 水、生理食塩水またはリン酸塩緩衝液に可
溶、エチルエーテル、酢酸エチルまたクロロホ
ルムに難溶乃至不溶 呈色反応 ローリー法またはミクロビユーレツト法で蛋
白質陽性反応を示し、フエノール硫酸法または
アントロン硫酸法で糖質陽性反応を示す 作用 KB細胞に対して細胞増殖抑制活性をおよび
L929細胞に対して細胞障害活性を示し、インタ
ーフエロン活性を実質的に示さず 水溶液での活性安定性 PH7.2で30分間保持する条件により60℃まで
安定、4℃で16時間保持する条件によりPH4.0
乃至11.0の範囲で安定、デイスパーゼ
(DISPASE)処理により不安定 −10℃での凍結貯蔵で1ケ月以上安定である
ことが判明した。
また、新リンホカインは、マウスL929細胞の
みならず、各種ヒト腫瘍細胞に障害を与え死滅さ
せる能力を有してしることも判明した。
従つて、新リンホカイは、これを含有する組
成別などとして、新リンホカイン感受性疾患、
例えば、悪性腫瘍の予防剤、治療剤なかでも、従
来、治療がきわめて困難とされていたヒトの各種
悪性腫瘍治療剤として有利に用いることができ
る。
新リンホカインの活性は、標的細胞として
KB細胞、またはL929細胞を用いて測定した。即
ち、KB細胞を用いる場合には、Cancer
Chemotherapy Reports Parts 3、Vol.3、No.
2、September1972の記載に準じて、KB細胞の
増殖抑制活性を測定し、L929細胞を用いる場合に
は、E.Pick編、Tumor Necrosis Factor in
“Lymphokines”Vol.、pp245〜249、
Academic Press(1981年)の記載に準じて、ア
クチノマイシンD存在下でのL929細胞に与える細
胞障害活性を判定した。本明細書では、特にこと
わらない限り、L929細胞を用いる活性測定法を採
用した。
ヒトに種特異性の高いエンターフエロンの活性
は「蛋白質核酸酵素」Vol.20、No.6、616〜643頁
(1975年)に報告されているヒト羊膜由来のFL細
胞を使用して公知のブラーク半減法で測定した。
赤血球凝集価はJ.E.Salk著「Journal of
Immunology」Vol.49、87頁、(1944年)の方法
に準じて測定した。
次に、本発明を実験で説明する。
実験1 部分精製した新リンホカインの調製 新生児のハムスターに、ウサギから公知の方法
で調製した抗血清を注射して、ハムスターの免疫
反応を弱めた後、その皮下にBALL−1細胞を移
植し、その後通常の方法で3週間飼育した。皮下
に生じた腫瘤を摘出して細切し、生理食塩水中で
分散させほぐした。得られた細胞を血清添加の
RPMI 1640培地(PH7.2)で洗浄し、同培地に約
2×106/mlになるように懸濁した。本細胞懸濁
液に対して、ml当り約400赤血球凝集価のセンダ
イウイルスを添加し、37℃で24時間保つて新リン
ホカインを誘導生成させた。
これを約4℃、約1000gで遠心分離し、沈澱物
を除去し、得られた上清をPH7.2、0.01Mリン酸
塩緩衝液を含有する生理的食塩水で20時間透析
し、更に、精密濾過して得た瀘液を、抗インター
フエロン抗体を固定化している抗体カラムに流
し、その非吸着画分を採取し、更に、これをクロ
マトフオーカツシング法により活性画分を採取
し、濃縮し、凍結乾燥して新リンホカイン活性
を含有する粉末を得た。
本粉末の比活性は、約106単位/mg蛋白質であ
つた。また、新リンホカインの収量は、ハムス
ター1匹当り約3000万単位であつた。
実験2 抗新リンホカイン抗体の調製 実験1の方法で得た新リンホカインを生理食
塩水に蛋白質濃度として約0.05w/v%になるよ
うに溶解し、これとフロイント完全アジユバント
乳化液とを等量混合して、この混合液0.2mlをマ
ウスの皮下に注射し、7日後再び同様に注射して
マウスを免疫した。その抗体生産能を有する細胞
に抗体リンホカイン抗体を誘導生成せしめ、こ
のマウスからひ臓を摘出し、細切分散して得られ
るひ臓細胞とマウス骨髄腫細胞P3−X63−Ag8
(Flow Laboratories社製)とを、血清無含有
Eagleの最小基本培地で調製した50w/v%ポリ
エチレングリコール−1000溶液(PH7.2、温度37
℃)に、それぞれ104/mlになるように浮遊させ
て5分間保つた後、前記基本培地で20倍に希釈
し、次いで、DavisonなどがSomatic Cell
Genetics、Vol.2、175〜176頁(1976年)に報告
している方法に準じてヒポキサンチン−アミノブ
テリン−チミジン培養液で増殖しうる融合細胞を
採取し、この融合細胞から抗新リンホカイン抗
体産生能を有する融合細胞を選択した。得られた
融合細胞をマウス膜腔内に1匹当り約106個移植
して2週間飼育した後、これを屠殺して腹水、血
液などの体液を集め、遠心分離し、この上清を硫
安塩析し飽和度30〜50%の沈澱画分を集め、次い
で透析し、更に、この液を、実験1の方法で得た
新リンホカインをブロムシアン活性化セフアロ
ースと室温下で反応させて得られる固定化新リン
ホカイゲルを用いてアフイニテイクロマトグラ
フイーを行ない、抗新リンホカイン抗体画分を
得、透析した後濃縮し、凍結乾燥して新リンホカ
インのモノクローナル抗体粉末を採取した。
本品は、新リンホカインの細胞障害活性に対
して免疫学的に特異的な中和活性を示した。
実験3 高純度に精製した新リンホカイの調製
とその理化学的性質 実験1の方法で調製した新リンホカインの部
分精製品を、実験2の方法で調製したモノクロー
ナル抗体を固定したゲルを用いてアフイニテイク
ロマトグラフイーを行ない新リンホカイの活性
画分を採取し、透析し、濃縮して凍結乾燥した。
本品は、高純度に精製された新リンホカイン
であつて、その比活性は、約109単位/mg蛋白質
であつた。また、本品はKB細胞を用いる活性測
定方法においてもほぼ同じ比活性を示した。
本品を用いて、理化学的性質を調査した。
分子量 K.Weber and M.Osborn、J.Biol.Chem.、
Vo1.224、4406頁(1969年)の記載に準じて、
SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動により
調べた。即ち、0.1%SDS存在下、10%アクリ
ルアミドゲルカラムに試料約10μgを負荷し、
カラム当り8mAで4時間泳動後、抽出し、そ
の活性測定から分子量を求めたところ、20000
±2000であつた。
等電点 スウエーデン、LKB社製、等電点電気泳動
用ゲル、商品名AMPHOLINE PAGPLATE
(PH3.5〜9.5)用いて、25W、2時間泳動した
結果、等電点pIは5.6±0.2であつた。
電気易動度 B.J.Davis、Ann.N.Y.Acad.Sci.、Vol.121、
404頁(1964年)の記載に準じて、7.5%アクリ
ルアミドゲルカラムに試料約10μg負荷し、PH
8.3、カラム当り3mAで2時間泳動後、抽出し
てその活性測定から電気易動度を求めたとこ
ろ、Rf0.29±0.02であつた。
紫外線吸収スペクトル 株式会社島津製作所製の分光光度計、商品名
UV−250を用いて紫外部での吸収スペクトル
を調べた結果、280nm付近に最大吸収を示し
た。
溶剤に対する溶解性 水、生理食塩水またはリン酸塩緩衝液に可
溶。エチルエーテル、酢酸エチルまたはクロロ
ホルムに難乃至不溶であつた。
呈色反応 ローリー法またはミクロビユーレツト法で蛋
白質陽性反応を示し、フエノール硫酸法または
アントロン硫酸法で糖質陽性反応を示した。
作用 KB細胞に対して細胞増殖抑制活性および
L929細胞に対して細胞障害活性を示した。イン
ターフエロン活性は実質的に示さなかつた。
水溶液での活性安定性 (i) 熱安定性 約1×105単位/mlの試料を各温度により
PH7.2で30分間保持した時、残存する活性を
測定した結果、60℃まで安定であつた。
(ii) PH安定性 約1×106単位/mlの試料0.1mlを各PH緩衝
液(PH2〜7…Mcllvaine buffer.PH7〜8
…Phosphase buffer。PH8〜11…Glycine−
NaOH buffer)1mlに加え、4℃で16時間
保持した後、この0.1mlをPH7.2、0.05Mリン
酸塩緩衝液でPH7.2に調製して残存する活性
を測定した結果、PH4.0乃至11.0の範囲で安
定であつた。
(iii) デイスパーゼ(DISPASE)に対する安定
性約1×105単位/mlの試料にデイスパーゼ
(合同酒精株式会社製造のバシラス属細菌由
来のブロテアーゼ)100単位/mlになるよう
に加え、PH7.2、温度37℃で0乃至2時間反
応させ、経時的にサンプリングし、牛血清ア
ルブミンを1w/v%になるように加えて反
応を止めた。この液の新リンホカインの残
存活性を測定した結果、新リンホカインは
デイスパーゼ処理により不安定で、その反応
につれて新リンホカインの活性が失なわれ
た。
凍結貯蔵による安定性 PH7.2の水溶液を−10℃で凍結し1ケ月間貯
蔵した後、融解し、活性を測定した結果、活性
の低下は見られなかつた。
以上の結果から、新リンホカインは、従来知
られてしるリンホトキシン、ツモアネクロシス
フアクター(TNF)、インターフエロンなどのリ
ンホカインとは、明らかに違つた理化学的性質を
有する。
以下、本発明の実施例を述べる。
実施例 1 新生児のハムスターに、ウサギから公知の方法
で調製した抗血清を注射してハムスターの免疫反
応を弱めた後、その皮下に培養株化されたヒト由
来のリンパ芽球様細胞BALL−1細胞を移植し、
その後通常の方法で3週間飼育した。皮下に生じ
た約15gの腫瘤を摘出し細切し、生理食塩水中で
分散させほぐした。得られた細胞を血清無添加の
RPMI1640培地(PH7.2)で洗浄し、同培地に約
5×106/mlに懸濁した。この懸濁液に、センダ
イウイルスをml当り約1000赤血球凝集価及びE.
coli由来のエンドトキシンをml当り約10μgの添
加し、37℃で1日間保つて新リンホカインを誘
導生成させた。これを約4℃、約1000gで遠心分
離し、沈澱物を除去し、得られた上清をPH7.2、
0.01Mリン酸塩緩衝液を含有する生理食塩水で21
時間透析し、更に精密濾過して得た瀘液を、実験
1と同様に抗インターフエロン抗体のカラムに流
し、その非吸着画分を、実験3で述べた方法でモ
ノクローナル抗体のゲルカラムを用いてアフイニ
テイクロマトグラフイーにより精製し、得られる
溶液を濃縮し、凍結乾燥して比活性約109単位/
mg蛋白質を有する新リンホカインの粉末を得
た。活性収率は、約4000万単位であつた。
実施例 2 成長したヌードマウスの腹腔内に、培養株化さ
れたヒト由来のリンパ芽球様細胞TALL−1細胞
を移植後、通常の方法で5週間飼育した。この腹
腔内へ、約3000赤血球凝集価のニユーカツスル病
ウイルスを紫外線によつて予めほとんど失活させ
て注入し、24時間後に屠殺して腹水を採取した。
以後、実施例1と同様に精製し濃縮乾燥して新リ
ンホカインの粉末を得た。
活性収率は、ヌードマウス1匹当り約400万単
位であつた。
実施例 3 成長した普通マウスに約400レムのエツクス線
を予め照射してマウスの免疫能を弱めた後、その
マウス皮下に培養株化されたヒト由来のリンパ芽
球細胞Mono−1細胞を移植し、その後通常の方
法で3週間飼育した。皮下に生じた約10gの腫瘤
を摘出した後、実施例1と同様にして細胞を分散
させた。この細胞を実施例1と同様に懸濁した
後、この懸濁液に、センダイウイルスをml当り約
500赤血球凝集価及びコンカナバリンAをml当り
0.8μgを添加し、37℃で1日間保つて新リンホカ
インを誘導生成させた。以後、実施例1と同様
に精製、濃縮、乾燥して新リンホカインの粉末
を得た。
活性収率は、マウス1匹当り2400万単位であつ
た。
実施例 4 新生児のハムスターに実施例1と同様にして培
養株化されたヒト由来のリンパ芽球細胞
Namalva細胞を移植し、その後通常の方法で4
週間飼育した。皮下に生じた約20gの腫瘤を実施
例1と同様にほぐして約3×106/mlの細胞懸濁
液を得た。本懸濁液にセンダイウイルスをml当り
約1000赤血球凝集価を添加し36℃で2日間保つて
新リンホカインを誘導生成させ次いで実施例1
と同様に精製濃縮して新リンホカインの濃縮を
得た。
活性収率は、ハムスター1匹当り約2600万単位
であつた。
実施例 5 孔径0.5ミクロンのメンブランフイルターを設
けた内容量約10mlのプラスチツク製円筒型拡散チ
ヤンバー内に、培養株化されたヒト由来のリンパ
芽球様細胞NALL−1細胞を生理食塩水で浮遊
させ、これを成長したラツトの腹腔内に埋設し
た。このラツトを通常の方法で4時間飼育した
後、この拡散チヤンバーを取り出した。これによ
り得られたヒト由来の細胞の濃度は約5×108
mlであつて、生体外の栄養培地に炭酸ガスインキ
ユベーター中で増殖させる場合の約102倍以上に
も達することがわかつた。この細胞を実施例1と
同様に懸濁し、この懸濁液に、ml当り約500赤血
球凝集価のニユーカツスル病ウイルスを紫外線で
予めほとんど失活させて加え、さらにフイトヘマ
グルチニンをml当り約50μg加え37℃で1日間保
つて新リンホカインを誘導生成させた。以後、
実施例と同様に精製し、濃縮、乾燥して新リン
ホカインの粉末を得た。活性収率は、ラツト1
匹当り約1000万単位であつた。
実施例 6 37℃で5日間保つたニワトリの受精卵に、ヒト
由来の株化細胞CCRF−CEM細胞を移植した後、
37℃で1週間保つた。この卵を割卵した後、増殖
細胞を採取した。この細胞を血清無添加のEagle
の最小基本培地(PH7.4)で洗浄し、同培地に5
×106/mlに懸濁した。この懸濁液にml当り約500
赤血球凝集価のセンダイウイルスを添加し、37℃
で1日間保つて新リンホカインを誘導生成さ
せ、次いで実施例1と同様に精製し、濃縮、乾燥
して新リンホカイの粉末を得た。活性収率は、
受精卵10個当り約80万単位であつた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 理化学的性質が、 分子量 20000±2000 等電点 pI=5.6±0.2 易動度 Disc−PAGEで、Rf=0.29±0.02 紫外線吸収スペクトル 280nm付近に最大吸収 溶剤に対する溶解性 水、生理食塩水またはリン酸塩緩衝液に可
    溶、エチルエーテル、酢酸エチルまたはクロロ
    ホルムに難溶乃至不溶 呈色反応 ローリー法またはミクロビユーレツト法で蛋
    白質陽性反応を示し、フエノール硫酸法または
    アントロン硫酸法で糖質陽性反応を示す 作用 KB細胞に対して細胞増殖抑制活性をおよび
    L929細胞に対して細胞障害活性を示し、インタ
    ーフエロン活性を実質的に示さず 水溶液での活性安定性 PH7.2で30分間保持する条件により60℃まで
    安定、4℃で16時間保持する条件によりPH4.0
    乃至11.0の範囲で安定、デイスバーゼ
    (DISPASE)処理により不安定 −10℃での凍結貯蔵で1ケ月以上安定 である新リンホカインI産生能を有し、かつヒト
    以外の温血動物の体内に移植して増殖し得るヒト
    由来の細胞を、ヒト以外の温血動物体内に移植し
    て増殖させるか、または、ヒト以外の温血動物の
    体液の供給を受けながら増殖させた該ヒト由来の
    細胞から新リンホカインIを産生せしめることを
    特徴とする新リンホカインIの製造方法。 2 増殖させたヒト由来の細胞に新リンホカイン
    I誘導剤を作用させて新リンホカインIを産生せ
    しめることを特徴とする特許請求の範囲第1項記
    載の製造方法。
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