JP2566141C - - Google Patents

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JP2566141C
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、低軟化点化合物を多量に含有した重合トナーと、球形キャリアから
成る二成分系現像剤に関する。 [従来の技術] 従来の一般的な懸濁重合法では、着色剤および重合性単量体を少なくとも有す
る単量体組成物を水性媒体中でトナ−粒径に造粒し、あらかじめ添加されている
重合開始剤または新たに加えられた重合開始剤が熱によって分解するときに発生
するラジカルで重合性単量体を重合して重合体を形成し、重合トナーを生成して
いる。すなわち、この方法では粉砕工程を含まないため重合トナーは脆性が必要
でなく形状も球形であるため、流動性に優れ、摩擦帯電性が均一である等の特徴 を有している。また、複写画像の画像品質向上、複写機の高速化および/または
省エネルギー化が指向され、トナーの現像特性をより向上させるとともに、耐ブ
ロッキング性、流動性、耐摩耗性を低下させずに、より低温定着および/または
低圧定着で良好な定着画像を形成し得るトナーが待望されている。このような状
況下で単量体組成物中に、室温では保形性を有する固形状のパラフィンワックス
または低分子量ポリオレフィンなどの低軟化点化合物を多量に添加して、従来の
重合トナーよりも多量に低軟化点化合物を内包している重合トナーも得られてい
る。 一般に、電子写真における画像形成方法は、トナー粒子とこれを摩擦帯電によ
る静電引力によって保持するキャリア粒子とから成る二成分系現像剤を用いた現
像法(二成分現像法)と、磁性微粉末を含有したトナー粒子のみを用いる一成分
系現像剤を用いた現像法(一成分現像法)に分けられる。一成分現像法は二成分
系に比べてトナーの帯電特性に安定性を欠き、またトナーに磁性微粉末を用いて
いるのでカラー化に不利であるという点からは、二成分現像法の方が好ましいが
、一方、二成分現像法の場合には、現像器中で現像剤がよく撹拌され、このとき
トナー粒子は力学的により強い強度を有するキャリア粒子によって強い剪断力を
受けるため、前述したような力学的に弱い低軟化点化合物を多量に内包したトナ
ーの場合、キャリア粒子から受ける剪断力によってトナーが破壊され、内包され
た低軟化点化合物がトナー表面に露出してしまう。このため高温下で現像器中の
現像剤を撹拌すると、現像スリーブ上に融着を生じるという問題が生じている。 [発明が解決しようとする問題点] 本発明の目的は、低軟化点化合物を多量に含有した球形の重合トナー粒子に対
し、球形のキャリア粒子を混合した二成分系の静電荷像現像剤を提供することに
ある。すなわち、球形のキャリア粒子を用いることによって、現像器中での現像
剤の撹拌に際しても、球形の重合トナーがキャリア粒子から受ける剪断力を減少
させ、重合トナーが破壊されて低軟化点化合物が表面に露出するということがな
く、更にこれによりトナーとキャリア粒子の混合系が常に一定で、高温下で長時
間にわたる現像剤の撹拌後もスリーブ上にトナーが融着することがない二成分系 の静電荷像現像剤を提供することを目的とする。 [問題点を解決するための手段および作用] 本発明は、少なくとも重合性単量体、着色剤および軟化点40〜130℃の低
軟化点化合物を含有する単量体組成物を重合して得られた重合トナーと、強磁性
金属酸化物を含有している樹脂結看球形磁性キャリアとを有し、 の条件を満足し、 球形磁性キャリアの抵抗率が108〜1014Ωcmであることを特徴とする静
電荷像現像剤に関する。キャリア粒子の形状を球形にすることにより、現像剤が
長時間撹拌された場合でもキャリア粒子によって重合トナーが破壊されず、低軟
化点化合物が表面に露出しないために、高温下での現像剤を長時間撹拌してもス
リーブ上にトナーの融着が生じないという作用がある。 本発明に使用される重合トナーとは、少なくとも重合性単量体と着色剤とを含
有する単量体組成物を、分散剤を含有する分散媒中にて懸濁重合することにより
得られるトナーである。 この重合トナーに使用される重合性単量体としては、スチレン、o−メチルス
チレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p
−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、p−エ
チルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−te
rt−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン
、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレ
ン等のスチレンおよびその誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチ
レンなどのエチレン不飽和モノオレフィン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭
化ビニル、フッ化ビニルなどのハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニル、ベンゾエ酸ビニルなどのビニルエステル類;メタクリル酸メチル、メ タクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタク
リル酸イソブチル、メタクリル酸−n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタ
クリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニ
ル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルな
どのα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリ
ル酸エチル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロ
ピル、アクリル酸−n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸−2−エチ
ルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸−2−クロルエチル、アクリル
酸フェニルなどのアクリル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチル
エーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル類;ビニルメチルケ
トン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソブロペニルケトンなどのビニルケトン
類;N−ビニルピロール、ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビ
ニルピロリドンなどのN−ビニル化合物;ビニルナフタレン類;アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなどのアクリル酸もしくはメタクリル
酸誘導体などのビニル系単量体がある。これらを単独あるいは二種以上用いても
良い。また、これらの重合性単量体の重合体を単量体組成物中に添加しても良い
。上記した単量体の中で、スチレン、またはアルキル基のような置換基を有する
スチレン、またはスチレンと他の単量体との組合せが重合トナーの現像性、耐久
性を考慮した場合好ましい。 また、単量体組成物中には必要に応じて荷電制御剤、各種着色剤、流動性改質
剤を添加しても良い。荷電制御剤としては含金属染料、ニグロシン等があり、着
色剤としては従来より知られている染料、カーボンブラック、カーボンブラック
の表面を樹脂で被覆しているグラフト化カーボンブラックのような顔料が使用可
能であり、流動性改質剤としてはコロイダルシリカ、脂肪酸金属塩などがある。
また、増量の目的で炭酸カルシウム、微粉状シリカ等の充填剤を0.5〜20重
量%の範囲でトナー中に配合してもよい。さらにトナー粒子相互の凝集を防止し
て流動性を向上するために、テフロン微粉末のような流動性向上剤を配合しても
よい。 本発明においては、重合時に極性基を有する重合体、共重合体または環化ゴム を加えた重合性単量体系を該極性重合体と逆荷電性の分散剤を分散せしめた水相
中に懸濁させ、重合させることが好ましい。すなわち、重合性単量体系中に含ま
れるカチオン性またはアニオン牲重合体、共重合体または環化ゴムは、水相中に
分散している逆荷電性のアニオン性またはカチオン性分散剤と重合進行中のトナ
ーとなる粒子表面で静電気的に引き合い、粒子表面を分散剤が覆うことにより粒
子同士の合一を防ぎ、安定化せしめる。 本発明に使用し得る極性重合体(極性共重合体を包含する)及び逆荷電性分散
剤を以下に例示する。 (a) カチオン性重合体としては、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジ
エチルアミノエチルアクリレート等含窒素単量体の重合体もしくはスチレン、不
飽和カルボン酸エステル等と該含窒素単量体との共重合体がある。 (b) アニオン性重合体としてはアクリロニトリル等のニトリル系単量体、塩
化ビニル等の含ハロゲン系単量体、アクリル酸等の不飽和カルボン酸、不飽和二
塩基酸、不飽和二塩基酸の無水物、ニトロ系単量体の重合体がある。 (c) アニオン性分散剤としては、酢酸ビニル系重合体の部分ケン化物等の水
溶性高分子またアエロジル#200,#300(日本アエロジル社製)等のコロ
イダルシリカがある。 (d) カチオン性分散剤としては酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ア
ミノアルキル、変性コロイダルシリカ等の親水牲正帯電性シリカ微粉末等がある
。極性重合体のかわりに環化ゴムを使用しても良い。 さらに、重合トナーの定着温度の低温化および/または定着圧の低圧化の目的
で、単量体組成物中に室温では保形性を有する固形状のパラフィンまたは低分子
量ポリオレフィンのような低軟化点化合物を多量に添加する。本発明における低
軟化点化合物とは、環球法(JIS K 2531等参照)で測定した軟化点が
40〜130℃、好ましくは50〜120℃を有するものである。軟化点が40
℃未満ではトナーの耐ブロッキング性及び保形性が不充分であり、130℃を超
える場合は定着温度または定着圧力を低下させる効果が少ない。 低軟化点化合物としては、軟化点40〜130℃のパラフィンワックス、低分
子量ポリオレフィン、芳香族基を有する変性ワックス、脂環基を有する炭化水素 ル等を例示し得る。異なる低軟化点化合物を混合して用いても良い。具体的には
、パラフィンワックス(日本石油製)、パラフィンワックス(日本精蝋製)、マ
イクロワックス(日本石油製)、マイクロクリスタリンワックス(日本精蝋製)
、硬質パラフィンワックス(日本精蝋製)、PE−130(ヘキスト製)、三井
ハイワックス110P(三井石油化学製)、三井ハイワックス220P(三井石
油化学製)、三井ハイワックス660P(三井石油化学製)、三井ハイワックス
210P(三井石油化学製)、三井ハイワックス320P(三井石油化学製)、
三井ハイワックス410P(三井石油化学製)、三井ハイワックス420P(三
井石油化学製)、ハイレッツT−100X(三井石油化学製)、ハイレッツT−
200X(三井石油化学製)、ハイレッツT−300X(三井石油化学製)、ペ
トロジン80(三井石油化学製)、ペトロジン100(三井石油化学製)、ペト
ロジン120(三井石油化学製)、タックエースA−100(三井石油化学製)
、タックエースF−100(三井石油化学製)、タックエースB−60(三井石
油化学製)、変性ワックスJC−1141(三井石油化学製)、変性ワックスJ
C−2130(三井石油化学製)、変性ワックスJC−4020(三井石油化学
製)、変性ワックスJC−1142(三井石油化学製)、変性ワックスJC−5
020(三井石油化学製):密ロウ、カルナバワックス、モンタンワックス等を
挙げることができる。なお、100℃以上の軟化点の低軟化点化合物を使用する
場合には、加圧下で水性媒体の液温を100℃以上にして分散造粒するのが好ま
しい場合もある。 上記低軟化点化合物は、重合トナーの定着温度および/または定肴圧力を下げ
るために、重合性単量体100重量部に対して50〜3,000重量部混合され
る。特に70〜1,000重量部混合されるのが好ましい。50重量部未満では
定着ローラの定着温度または定着圧力を下げるには不充分であり、3,000重
量部を超える場合は耐ブロッキング性および耐久性が低下する傾向が強まる。 低軟化点化合物を多量に含有する場合、前述の重合性単量体に添加した極性重
合体がトナーとなる粒子表層部に集まるため、一種の殻のような形態となり、得 られた粒子は擬似的なカプセルとなる。比較的高分子量の極性重合体、共重合体
または環化ゴムは、多量の低軟化点化合物をトナー粒子内部に内包するので、ト
ナー粒子に耐ブロッキング性、現像性、耐摩耗性の優れた性質を付与する一方で
、定着性も付与し、これら相反する要求を満足するトナーを得ることが出来る。 また、本発明で使用する重合開始剤は重合性単量体に可溶であるものが通常使
用する量範囲(単量体100重量部に対して重合開始剤2〜5重量部)で使用さ
れる。本発明に使用可能な重合開始剤としては、例えば2,2’−アゾビス−(
2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、
1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾ
ビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、その他のアゾビスイソ
ブチロニトリル(AIBN)などのアゾ系またはジアゾ系重合開始剤;ベンゾイ
ルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、イソプロピルパーオキ
シカーボネート、キュメンハイドロパーオキサイド、2,4−ジクロリルベンゾ
イルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドのような過酸化物系重合開始剤
が挙げられる。またこれらを2種以上混合して用いてもよい。 懸濁重合反応は、通常重合温度50℃以上でおこなわれ、重合開始剤の分解速
度を考慮して上限温度が設定される。設定重合温度が高すぎると、重合開始剤が
急激に分解されてしまうので好ましくない。従って使用する低軟化点化合物の軟
化点温度が高い(通常70℃以上)場合には、重合に適する湿庶での造粒は単量
体組成物の粘度が増加して行なえないので、水性分散媒の温度をこの軟化点以上
に保ち、重合開始剤を添加していない単量体組成物の造粒を最初に行なった後に
、分散系の温度を重合に適した上限温度以下の温度域まで下げてから、水性媒体
中に重合開始剤を添加するという特別の手法が必要となる。 懸濁方法は、着色剤を低軟化点化合物に分散させたものに重合性単量体、及び
添加剤等を均一に溶解、または分散せしめた単量体組成物を、0.1〜50重量
%の分散剤(例えば、難溶性無機分散剤)を含有する水性媒体(例えば重合温度
よりも5℃以上、好ましくは10℃以上高い温度に加温されている)中に通常の
撹拌機またはホモミキサー、ホモジナイザ等により分散せしめる。好ましくは単 量体液滴が所望のトナー粒子のサイズ、一般に30μm以下(例えば体積平均粒
径0.1〜20μm)の大きさを有する様に撹拌速度、時間および水性媒体の液
温を調整する。その後、分散剤の作用によりほぼその状態が維持される様、撹拌
を粒子の沈降が防止される程度に行ないながら、水性媒体の液温を重合温度まで
下げる。重合温度は50℃以上、好ましくは55〜80℃、特に好ましくは60
〜75℃の温度に設定し、撹拌しながら実質的に非水溶性の重合開始剤を添加し
重合を行なう。反応終了後、生成したトナー粒子を洗浄、ろ過、デカンテーショ
ン、遠心等の適当な方法により回収し乾燥することにより重合トナーが得られる
。懸濁重合法においては、通常重合性単量体100重量部に対し水200〜30
00重量部を水性分散媒として使用する。 また、適当な安定化剤、例えばポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセル
ロース、メチルハイドロプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメ
チルセルロースのナトリウム塩、ポリアクリル酸およびそれらの塩、デンプン、
ガムアルギン酸塩、ゼイン、カゼイン、リン酸三カルシウム、タルク、硫酸バリ
ウム、ベントナイト、水酸化アルミニウム、水酸化第2鉄、水酸化チタン、水酸
化ナトリウム等のいずれか1種または混合物を本発明の製造方法に悪影響を与え
ない程度に水性媒体に包含したものを使用しても良い。 また、前記無機分散剤の均一な分散のために、界面活性剤を本発明の製造方法
に悪影響を与えない程度に使用することもよい。これは上記分散剤の所期の作用
を促進するためのものであり、その具体例としては、ドデシルベンゼンスルホン
酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オ
クチル硫酸ナトリウム、アリル−アルキル−ポリエーテルスルホン酸ナトリウム
、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カプ
リル酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸
カルシウム、3,3−ジスルホンジフェニル尿素−4,4−ジアゾ−ビス−アミ
ノ−8−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム、オルト−カルボキシベンゼン
−アゾ−ジメチルアニリン、2,2,5,5−テトラメチル−トリフェニルメタ
ン−4,4−ジアゾ−ビス−β−ナフトール−ジスルホン酸ナトリウム、その他
を挙げることができる。 また、水に易溶性のモノマーは水中で乳化重合を同時におこし、生成した懸濁
重合物を副生の小さな乳化重合粒子で汚染するので、水溶性の重合禁止剤、例え
ば金属塩等を加えて水相での乳化重合を防ぐこともよい。また、水性媒体の粘度
を増して重合時の粒子の合一を防ぐために、水にグリセリン、グリコールなどを
添加する事も可能である。また、易溶性モノマーの水への溶解度減少のためにN
aCl,KCl,Na2SO4などの塩類を、または極性基のイオン性を高めるた
めに塩酸のようなブレンステッド酸を水性媒体へ添加することも可能である。 このようにして得られた重合トナーに対して、樹脂結着球形磁性キャリアを混
合することによって本発明の静電荷像現像剤が得られる。 樹脂結着球形磁性キャリアとしては、例えば、フェライト、マグネタイト、ヘ
マタイト等の強磁性金属酸化物微粉末と樹脂とを結着させ粉砕した不定形の樹脂
結着キャリアを、加熱気流を使ったり機械的な研磨法によって球形に成形するこ
とにより得られる樹脂結着球形磁性キャリアが挙げられる。 き、おのおのが の条件を満たす場合に重合トナーが樹脂結着球形磁性キャリア粒子に波壊されな
いという結果が得られる。この条件をみたす場合には、第2図に示されるように
、3個の樹脂結着球形磁性キャリア粒子21が形成する空間にトナー粒子22が
入るこどが可能となる。一方、この空間にトナーが入りこめない場合には、トナ
ー粒子には樹脂結着球形磁性キャリア粒子から強い剪断力がかかりやすくなるた
め、高温下で長時間現像剤が撹拌されると、重合トナーは破壊され内包していた
低軟化点化合物が表面に露出して現像スリーブ上にトナーの融着を生じる。 本発明で用いられる樹脂結着球形磁性キャリアの抵抗率は108〜1014Ωc
mである。抵抗率が108Ωcm未満のときはトナーに静電荷像の現像に必 要な帯電を充分に与えることができず、また、1014Ωcmを超えるときは、ト
ナーに過剰な帯電を与えてしまい、樹脂結若球形磁性キャリアとトナーの付着力
が増大して静電荷像を現像することができなくなる。また、樹脂結着球形磁性キ
ャリアの個数平均粒径は20〜300μm、好ましくは40〜100μmである
。 [実施例] 以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。 実施例 上記成分をアトライター(MA−ISD,三井三池製)で4時間混合し、この
混合物154gを75℃に保ったものに同じ温度で溶融させたパラフィンワック
ス155°F 100gを混合撹拌し、単量体組成物を調製した。 得られた単量体組成物を、アミノ変性シリカ(100重量部のアエロジル20
0をアミノプロピルトリエトキシシラン5重量部で処理したもの)18gおよび
0.1N塩酸23gを含有する75℃に加温された蒸留水600gの水性媒体へ
T.K.ホモミキサーの撹拌下に投入し、投入後1時間10,000r.p.m.で撹
拌して、分散造粒した。 造粒後液温を65℃に下げ、重合開始剤として2,2’−アゾビス−(2,4
−ジメチルバレロニトリル)4gおよび2,2’−アゾビスイソブチロニトリル
2gを水性媒体へ添加し、さらに30分撹拌した。さらに、撹拌をパドル刃撹拌
に変えて60℃で10時間撹拌し、重合を完結させた。 洗浄後水性分散媒をろ過により除去した(トナーは、水にぬれた状態になって
いる)。この重合トナーの個数平均粒径は6μmであった。 一方疎水性コロイダルシリカR972(日本アエロジル(株)製)20gとエ タノール160gを室温下で混合した後、これに水2000gを加えてT.K.
ホモミキサーを用いて10,000r.p.m.で3分間予備分散の後、この分散液を
ピストン型高圧式均質化機(ゴーリン社製、型式15M−87A)を用いて吐出
圧力580Kg/cm2で分散液を2度循環させて、疎水性シリカを均一に分散
させた(所要時間3分)。 この分散液と先に得られているろ過後の重合トナーとを混合し、パドル撹拌翼
にて100r.p.m.で5分間予備混合撹拌を行なった。その後、この分散液をピス
トン型高圧式均質化機(15M−87A,ゴーリン社製)を用いて吐出圧力50
0Kg/cm2で2度循環させて重合トナーの表面に疎水性シリカを均一に付着
させた。その後、分散媒をろ過し乾燥させた後、分級器(西独HEYMAIV社
製、アルピネ100MZR)を使用して、微粉トナー、過剰な疎水性シリカ、未
反応物などの微粉物を除いた。 四三酸化鉄とエポキシ樹脂からなる不定形の樹脂結着磁性キャリアを加熱ジェ
ット気流中で撹拌する球形化処理により、球形に成形して個数平均粒径45μm
の樹脂結着球形磁性キャリアを得た。この樹脂結着球形磁性キャリア90重量部
と上記重合トナーとを混合して静電荷像現像剤とした。 次いで、下記条件で現像を行なった。 現像器として第1図に示すものを使用した。像担持体8はセレン感光体を有し
、感光体の周速は100mm/秒、像担持体8に形成された静電荷像の最高電位
は+750V、スリーブ9の外径は20mmであり、その周速は100mm/秒
、磁石のN,S極のスリーブ表面の垂直方向の磁束密度は1000ガウス、現像
剤層の厚さ200μm、スリーブ9と像担持体8との間隙300μm、スリーブ
9に印加するバイアス電圧は直流電圧成分+200V、交流電圧成分3.0KH
zで1400Vppで現像をおこなった。静電荷潜像は良好に現像され、現像され
たトナー像を晋通紙へ静電転写し、180℃で定着した。 表1に初期および50℃下15分カラ回転耐久後の画像濃度およびスリーブ上
へのトナー融着の有無を示した。 比較例 キャリア粒子として不定形の樹脂結着磁性キャリアをそのまま用いる外は実施 例と同様の操作を行なった。その結果を表1に示した。[発明の効果] 本発明は低軟化点化合物を多量に含有した重合トナーと球形のキャリア粒子か
ら成る二成分系の静電荷像現像剤に関するものである。本発明は、このような構
成を採用することによって下記の作用効果を奏するものである。 樹脂結着球形磁性キャリアを用いることによって、現像器中での現像剤の撹
拌に際しても、球形の重合トナーがキャリア粒子から受ける剪断力を減少させる
ことができるため、重合トナーが破壊されて低軟化点化合物が表面に露出すると
いうことがない。これにより重合トナーと球形キャリア粒子の混合系が常に一
定であり、高温下で長時間にわたる現像剤の撹拌後もスリーブ上にトナーが融着
することがない。
【図面の簡単な説明】 第1図は、本発明の実施例および比較例で使用した現像装置を概略的に示した
図である。第2図は本発明に係る重合トナーと球形キャリア粒子との相互の個数
平均粒径の関係を示す概念図である。 8…感光ドラム、9…スリーブ、 10…マグネットローラ、11…現像剤、 12,13…現像バイアス電源、 17…ドクターブレード、21…球形キャリア、 22…重合トナー。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 (1)少なくとも重合性単量体、着色剤および軟化点40〜130℃の低軟化点
    化合物を含有する単量体組成物を重合して得られた重合トナーと、強磁性金属酸
    化物を含有している樹脂結着球形磁性キャリアとを有し、 の条件を満足し、 球形磁性キャリアの抵抗率が108〜1014Ωcmであることを特徴とする静
    電荷像現像剤。 (2)低軟化点化合物の含有量が重合性単量体100重量部に対して50〜30
    00重量部である特許請求の範囲第1項に記載の静電荷像現像剤。

Family

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