JP2566072Y2 - 燃料噴射ノズル - Google Patents

燃料噴射ノズル

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JP2566072Y2 JP6445292U JP6445292U JP2566072Y2 JP 2566072 Y2 JP2566072 Y2 JP 2566072Y2 JP 6445292 U JP6445292 U JP 6445292U JP 6445292 U JP6445292 U JP 6445292U JP 2566072 Y2 JP2566072 Y2 JP 2566072Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、燃料噴射ポンプから圧
送されてきた燃料をエンジンの燃焼室に噴射させる燃料
噴射ノズルに関する。
【0002】
【従来の技術】特開昭59ー136564号公報にはス
ロットル型の燃料噴射ノズルが開示されている。詳述す
ると、この燃料噴射ノズルは、中空の細長いノズル本体
と、ノズル本体に収容された針弁とを備えている。ノズ
ル本体は、燃料溜まり室と、これより下方に形成された
先細のテーパをなす弁座と、この弁座に連なる一つの噴
射孔を有している。この噴射孔は、ノズル本体の軸線方
向に延び、ノズル本体の下端面に開口している。針弁
は、上記燃料溜まり室に臨む受圧部と、これより下方に
形成された先細コーン形状の当接部と、当接部の下端か
ら針弁の軸線方向に延びる第1ピン部と、この第1ピン
部の下端からさらに延びる第2ピン部とを有している。
第1ピン部,第2ピン部は円柱形状をなし、第1ピン部
の径は噴射孔の内径より若干小さく、両者の間に絞りが
形成されている。第2ピン部の径は第1ピン部より小さ
い。
【0003】上記燃料噴射ノズルにおいて、上記針弁は
スプリングの力により付勢され、その当接部が弁座に着
座している。この着座状態において、噴射孔は閉じられ
ている。燃料噴射ポンプから燃料溜まり室へ送られて来
た燃料の圧力が受圧部に作用することにより、スプリン
グに抗して針弁がリフトし、当接部が弁座から離れる。
その結果、上記噴射孔が開いて燃料がエンジン燃焼室へ
噴射される。この燃料噴射の初期、すなわち、針弁のリ
フト量が小さい時には、上記第1ピン部の外周面と噴射
孔の内周面との間の絞り効果により燃料がわずかしか噴
射せず、予備噴射となる。そして、針弁がさらにリフト
して第1ピン部が噴射孔から離れ、小径の第2ピン部が
噴射孔に位置するようになると、燃料の流通断面積が飛
躍的に増大して、燃料が多量に噴射され、主噴射とな
る。
【0004】しかしながら、上記燃料噴射ノズルでは、
噴射燃料の粒径とペネトレーションについて次の問題が
あった。まず、噴射燃料の粒径の問題について説明す
る。リフト初期において、絞り効果により噴射燃料の流
速が低いので、空気との摩擦による微細化が進まず、燃
料の粒径が大きい。このため、燃焼を活発化させること
ができない。次に、ペネトレーションの問題について説
明する。リフト初期には、絞り効果で噴射燃料の流速が
低いのでペネトレーションは小さい。針弁のリフト量が
増大して所定値に達すると、第2ピン部が噴射孔に配置
された状態になるので、噴射燃料の流速が高くなり、ペ
ネトレーションが大となる。針弁のリフト速度はエンジ
ン回転数に関係なくほぼ一定であるため、エンジン回転
数が大きい場合には、燃料噴射ポンプのカムアングルが
大きくなってもリフト量が所定値に達せず、ペネトレー
ションが小さいままである。このため、燃焼を効率良く
行えなかった。
【0005】特開昭62ー197666号公報には、上
述した燃料噴射ノズルと形状が似ているが2つの噴射孔
を備えた燃料噴射ノズルが開示されている。この燃料噴
射ノズルでは、ノズル本体の噴射孔は第1噴射孔として
提供されている。針弁の当接部の下方に形成されたピン
部には、第2噴射孔が形成されている。この第2噴射孔
の一端はこのピン部の外周面に開口し、他端はピン部の
下端面に開口している。この燃料噴射ノズルでは、針弁
のリフト量が小さい時には、ピン部の外周面と第1噴射
孔の内周面の隙間から燃料が噴射される。しかし、ピン
部の外周面を流れる燃料の流速が早いので、第2噴射孔
からは噴射されない。ピン部の外周面針弁のリフト量が
大きくなると、第2噴射孔の一端が第1噴射孔の内周面
から離れるため、第1,第2の両方の噴射孔から燃料が
噴射される。この燃料噴射ノズルにおいて、ピン部の径
と第1噴射孔の径の差が小さい場合には、絞り効果が生
じるため、前述した特開昭59ー136564号公報と
同様の不都合が生じる。ピン部の径と第1噴射孔の径の
差が大きい場合には、噴射初期において噴射される燃料
の流速が大きく、燃料の粒径が小さくなるため、噴射開
始から少し遅れて着火した瞬間に急激な燃焼が生じ、騒
音発生の原因となる。
【0006】特開昭58ー165566号公報の燃料噴
射ノズルでは、上述した特開昭59ー136564号公
報に開示したものと同様に、2つの噴射孔を有してい
る。針弁は当接部の下に第1ピン部と第2ピン部を有し
ている。しかし、第1ピン部の径は、ノズル本体に形成
された第1噴射孔の径と極めて僅かしか差がなく、第1
ピン部が第1噴射孔に位置している間は、第1噴射孔は
閉塞されている。この燃料噴射ノズルでは、針弁に第2
噴射孔が形成されている。この第2噴射孔の一端は当接
部の外周面に開口し、他端は針弁の下端面に開口してい
る。針弁が所定のリフト量に達するまでは、第1ピン部
が第1噴射孔を塞いでいるので第2噴射孔だけから燃料
が噴射し、所定リフト量を越えると、第1,第2の両方
の噴射孔から燃料が噴射する。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開昭58ー165566号公報の燃料噴射ノズルでは、
燃料噴射の初期に第2噴射孔から噴射する燃料の流速が
大きいので、燃料の粒径が小さく、上述した特開昭62
ー197666号公報の場合と同様に、騒音発生の原因
となっていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】本考案は上記課題を克服
するためになされたものであり、その要旨は、一端が針
弁の当接部の外周面に開口するとともに他端が針弁の下
端面に開口する第2噴射孔を形成し、上記第1噴射孔
は、当接部が弁座に着座することによってのみ閉じら
れ、針弁のリフト初期においては、第1噴射孔の有効流
路断面積が、弁座の先端縁と当接部の隙間によって決定
されることを特徴とする燃料噴射ノズルにある。
【0009】
【作用】針弁のリフト初期においては、ノズル本体の弁
座と針弁の当接部の隙間が狭いので、オリフィス効果が
働き、第2噴射孔の燃料圧力が高く、第1噴射孔の燃料
圧力が低い。その結果、第2噴射孔から噴射された燃料
の流速が高く、この第2噴射孔からの燃料を囲むように
して第1噴射孔から噴射された燃料の流速が低い。この
ことは燃料噴射初期における燃料の特殊な粒径分布をも
たらす。すなわち、噴射された燃料のうち内部に位置す
る燃料は、主に第2噴射孔から高い流速で噴射されたも
のであり、空気との摩擦により微細化される。他方、周
部に位置する燃料は主に第1噴射孔から低い流速で噴射
されたものであり、空気との摩擦による微細化が促進さ
れず、粒径は比較的大きいままである。このように、周
部の燃料の粒径が大きいので、着火直後の急激な燃焼を
抑制でき、騒音発生を抑制できる。また、その後の拡散
燃焼においては、内部の燃料が微細化されているので、
活発な燃焼を行うことができる。
【0010】また針弁のリフト初期においては、上述し
たオリフィス効果により、第2噴射孔からの比較的高い
流速の燃料の噴射量が、第1噴射孔からの比較的低い流
速の燃料の噴射量より多いので、燃料全体のペネトレー
ションを必要レベルに確保することができる。したがっ
て、エンジン回転数が大の場合でも燃焼効率の悪化を防
止することができる。
【0011】
【実施例】以下、本考案を図面を参照して説明する。図
3に示ように、燃料噴射ノズルNは上から下に向かって
順に、細長いノズルホルダ10と、円盤形状のスペーサ
20と、細長いノズル本体30とを有している。ノズル
本体30は、筒形状のリテーナー40によってノズルホ
ルダ10に支持されている。詳述すると、ノズルホルダ
10の下端部外周には雄ねじ11が形成されている。リ
テーナー40の上端部内周には雌ねじ41が形成されて
おり、下端部内周にはテーパをなす段42が形成されて
いる。ノズル本体30の中間部にはテーパをなす段38
が形成されている。そして、リテーナー40にノズル本
体30を挿入した状態で、リテーナー40の雌ねじ41
をノズルホルダ10の雄ねじ11に螺合させることによ
り、ノズル本体30はノズルホルダ10と同軸をなして
ノズルホルダ10に支持される。この支持状態におい
て、スペーサ20はノズルホルダ10の下面とノズル本
体30の上面に挟まれ、リテーナー40の段42がノズ
ル本体30の段38に強く当たっている。このように、
ノズルホルダ10,スペーサ20,ノズル本体30,リ
テーナー40は、協働して一つのボデイを構成してい
る。
【0012】上記ノズル本体30は、細長い筒形状をな
しており、下端部が閉塞されている。ノズル本体30
は、その上端から下端側へ向かって順に、ガイド孔3
1、燃料溜まり室32、燃料通過孔33、先細の弁座3
4と、第1噴射孔35とを有している。燃料通過孔33
はガイド孔31より小径であり、両者は同軸をなしてい
る。燃料溜まり室32は、ノズルホルダ10の上端面に
形成された燃料入口18に、ノズル10の長手方向に沿
って形成された燃料通路19,スペーサ20に形成され
た燃料通路29,ノズル本体30の長手方向に延びる燃
料通路39を介して、連なっている。上記燃料入口18
は、パイプを介して燃料噴射ポンプ(図示しない)に接
続されている。上記第1噴射孔35の内周面は弁座34
に連なり、ノズル本体30の軸線に沿って延び、下端が
ノズル本体30の下端面に開口している。
【0013】ノズル本体30には針弁50が収容されて
いる。この針弁50は、上端から下端に向かって順に、
スライド部51と、受圧部52と、延長部53と、先細
コーン形状の当接部54と,円柱形状のピン部55とを
同軸に有している。延長部53はスライド部51より小
径であり、受圧部52はテーパをなしている。スライド
部51は、上記ノズル本体30のガイド孔31に軸方向
スライド可能に収容されている。受圧部52は、ノズル
本体30の燃料溜まり室32に臨み、燃料溜まり室32
の圧力を受ける。延長部53はノズル本体30の燃料通
過孔33に配置され、延長部53の外周面と燃料通過孔
33の内周面との間の間隙が、燃料通路として提供され
る。当接部54はノズル本体30の弁座34に対峙して
配置されており、ピン部55は第1噴射孔35に配置さ
れている。
【0014】第1図に良く示されているように、上記針
弁50の当接部54のテーパ角度は、弁座34のテーパ
角度に比べて極めて僅か(例えば10分程度)だけ大き
く、実質的に等しい。したがって、当接部54は、後述
するスプリング60の力により、僅かに弾性変形した状
態で弁座34に面接触することができる。上記当接部5
4の外周面のうち、延長部53との境の部分は弁座34
の内周面に最も強く接触するので、メイン当接部分54
aとして提供され、これより下方の面部分がサブ当接部
分54bとして提供される。また、弁座34のうち、メ
イン当接部分54aが当接する部分はメインシート部分
34aとして提供され、サブ当接部分54bが面接触す
る部分はサブシート部分34bとして提供される。な
お、サブ当接部分55bとサブシート部分34bは、面
接触せず微小の隙間だけ離れていてもよい。
【0015】図3に示すように、上記針弁50はスプリ
ング60の力により下方に付勢され、当接部54が弁座
34に当接されている。このスプリング60は、ノズル
ホルダ10の下端部に形成された収容孔15に収容さ
れ、ばね受け61および針弁50の上端に形成された突
起58を介して、針弁50に作用する。
【0016】次に、本考案の特徴部について特に図1を
参照して説明する。針弁50の下端部には略T字形の第
2噴射孔56が形成されている。この第2噴射孔56
は、針弁50の軸線に沿って延びる軸孔部56aと、針
弁50の軸線と直交して延びる横孔部56bとからな
る。軸孔部56aはピン部55を貫通し、その下端がピ
ン部55の下端面に開口する。横孔部56bの両端は当
接部54の外周面に開口し、中央部が軸孔部56aの上
端に連なる。また、ピン部55の径は第1噴射孔35の
径に比べて小さい。ピン部55の外周面と第1噴射孔5
6の内周面との間の隙間の断面積は、第2噴射孔56の
軸孔部56aの断面積より大きい。針弁のリフト時の第
1噴射孔の有効流通断面積は、リフト量が所定量に達す
るまでは、弁座34の下端縁と当接部54との隙間D
(図2参照)の断面積によって決定され、リフト量が所
定量を越えた時には、ピン部55の外周面と第1噴射孔
56の内周面との間の隙間の断面積によって決定され
る。なお、この所定リフト量は、針弁50の着座状態に
おける弁座34の下端縁と当接部54の下端縁との距離
Lにほぼ相当する。
【0017】上記構成の燃料噴射ノズルNは、図4に示
すように、エンジンEのシリンダヘッドHに、シリンダ
SおよびピストンPの軸線に対して傾斜して装着されて
いる。ノズルNの先端は、ピストンPの上端面に形成さ
れた凹部R(燃焼室を形成する)に臨んでいる。
【0018】上記構成の燃料噴射ノズルNには、燃料噴
射ポンプから燃料が間欠的に圧送されてくる。燃料圧送
がない状態では、スプリング60の力で針弁50が下方
に押されるため、針弁50の当接部54は、弁座34に
面接触状態で着座している。この状態では、第1噴射孔
35,第2噴射孔56はともに閉じられている。
【0019】燃料噴射ポンプから燃料が圧送された時、
燃料溜まり室32の圧力が上昇し、この圧力が針弁50
の受圧部52に作用するため、針弁50がリフトし、針
弁50の当接部54が弁座34から離れる。この時、燃
料溜まり室32から燃料通過孔33を経た燃料が、噴射
孔35,56からエンジンEの燃焼室Rに噴射される。
【0020】上記燃料噴射の特性を説明する前に、まず
針弁50のリフトに伴う噴射孔35,56の有効流通断
面積の変化について説明する。第1噴射孔35の有効流
通断面積は、針弁50のリフト初期では、弁座34の下
端縁と当接部54との間の隙間Dの断面積によって決定
されるので、針弁50のリフト量に応じて増大する。針
弁50のリフト量が所定量Lを越えると、一定(ピン部
55の外周面と第1噴射孔56の内周面との間の隙間の
断面積)となる。第2噴射孔56の有効流通断面積は、
針弁50のリフト初期では、弁座34と当接部54との
間の距離と、2つの横孔部56bの開口周縁の合計長さ
の積によって決定されるので、針弁50のリフト量に応
じて増大する。針弁50のリフト量が所定量(上記所定
量Lとは異なる)を越えると、一定(軸孔部56aの断
面積)となる。
【0021】次に、燃料噴射特性について詳述する。針
弁50のリフト初期においては、ノズル本体30の弁座
34と針弁50の当接部54の隙間が狭いので、特に第
2噴射孔56の横孔部56bより下方の隙間でのオリフ
ィス効果により、第2噴射孔56の燃料圧力が高く、第
1噴射孔35の燃料圧力が低くなる。したがって、第2
噴射孔56から噴射された燃料の流速が高く、この第2
噴射孔56からの燃料を囲むようにして第1噴射孔35
から円筒状に噴射された燃料の流速が低い。その結果、
燃料噴射初期において、図5に示すような特殊な燃料粒
径分布が得られる。すなわち、噴射された燃料のうち内
部Aに位置する燃料は、主に第2噴射孔56から高い流
速で噴射されたものであり、空気との摩擦により微細化
される。他方、周部Bに位置する燃料は主に第1噴射孔
35から低い流速で噴射されたものであり、空気との摩
擦による微細化が促進されず、粒径は比較的大きいまま
である。このように、周部Bの燃料の粒径が大きいの
で、着火直後の急激な燃焼を抑制でき、騒音発生を抑制
できる。また、その後の拡散燃焼においては、内部Aの
燃料が微細化されているので、活発な燃焼を行うことが
できる。
【0022】また、針弁50のリフト初期においては、
図6に示すように、第2噴射孔56からの比較的高い流
速の燃料はペネトレーションが大きく、第1噴射孔35
からの比較的低い流速の燃料はペネトレーションが小さ
い。しかし、図7に示すように、第1噴射孔35からの
燃料噴射量が第2噴射孔56からの燃料噴射量より多い
ので、燃料全体のペネトレーションを必要レベルに確保
することができる。したがって、エンジン回転数が大の
場合でも燃焼効率の悪化を防止することができる。
【0023】針弁50のリフト量が増大すると、上述し
たようなオリフィス効果がなくなり、燃料噴射は、第
1,第2噴射孔35,56の有効断面積によって議論で
きるようになる。この場合、第2噴射孔56からの噴射
燃料の流速が伸び悩むのに対して、第1噴射孔35から
の噴射燃料の流速が増大し、図6のようなペネトレーシ
ョン特性を得る。また、第2噴射孔56からの燃料噴射
量が減少していくのに対して、第1噴射孔35からの燃
料噴射量が増大する(図7参照)。このように、第2噴
射孔56の役割は相対的に低くなり、第1噴射孔35の
役割が増大し、前述した第1,第2ピン部を有するスロ
ットル型燃料噴射ノズルにおいて針弁が所定リフト量越
えた時とほぼ同等の作用が得られる。
【0024】なお、本考案は上記の実施例に限定される
ことなく、その要旨を逸脱しない範囲において適宜変更
可能である。以下に示す実施例では、先行する実施例に
対応する構成について、図中同番号を付すことによりそ
の詳細な説明を省略する。
【0025】図8に示す実施例では、当接部54の外周
に環状の溝58が形成されている。針弁50のリフト初
期において、この溝58に高圧燃料を滞留させ第2噴射
孔56への燃料の流入をより円滑に行うことにより、針
弁50のリフト領域において、第2噴射孔56からの燃
料噴射が流速,量ともに第1噴射孔35より勝る領域を
広げる。
【0026】図9に示す実施例では、第2噴射孔56が
略Y字形に形成されている。すなわち、横孔部56b′
は中央部が低く、その両側部が斜め上方に延びており、
その両端は、当接部54のメイン当接部54aに近い位
置に開口している。この実施例では、横孔部56b′の
開口端より下方での当接部54と弁座34との間のオリ
フィス効果を高めることができ、図8の実施例と同様
に、針弁50のリフト領域において、第2噴射孔56か
らの燃料噴射が流速,量ともに第1噴射孔35より勝る
領域を広げることができる。
【0027】図10の実施例の針弁50は、当接部54
の下方にピン部を有していない。図11の実施例のノズ
ル本体30は、弁座34の下端周縁によって形成された
第1噴射孔35′を有している。図12の実施例では、
図10の針弁50と図11のノズル本体30が組み合わ
されている。
【0028】さらに、本考案では、第2噴射孔は、軸孔
部と軸孔部の状態から径方向に延びる1つの横孔部によ
り逆L字形に形成してもよい。また、軸孔部の上端から
延びる横孔部を3つ以上形成してもよい。本考案は、上
述した実施例のようにエンジン燃焼室に直接燃料を噴射
するタイプの燃料噴射ノズルに限らず、副燃焼室へ燃料
を噴射するタイプの燃料噴射ノズルにも適用できる。
【0029】
【考案の効果】本考案は以上説明したように、特にリフ
ト初期において、噴射燃料のうち内部に位置する燃料の
粒径が小さく、その周囲の燃料の粒径が大きくなるよう
な特殊な粒径分布を得ることができ、これにより、着火
直後の急激な燃焼を押えて騒音発生を抑制することがで
きるとともに、その後の拡散燃焼を活発化させて燃焼効
率を向上させることができる。また、リフト初期におけ
る必要なペネトレーションを確保することができ、エン
ジン回転数が大きい場合でも良好な燃焼効率を確保する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の特徴部をなす燃料噴射ノズルの先端部
の拡大断面図である。
【図2】針弁リフト時の燃料噴射ノズルの先端部を更に
拡大して示す断面図である。
【図3】燃料噴射ノズルの全体を示す断面図である。
【図4】エンジンに燃料噴射ノズルを装着した状態を示
す断面図である。
【図5】針弁のリフト初期の噴射ノズルの粒径分布を示
す図である。
【図6】燃料噴射開始からのカムアングルの増大に伴う
第1,第2噴射孔からの燃料のペネトレーションを示す
図である。
【図7】燃料噴射開始からのカムアングルの増大に伴う
第1,第2噴射孔の燃料噴射量を示すずである。
【図8】本考案の他の実施例を示す要部断面図である。
【図9】本考案のさらに他の実施例を示す要部断面図で
ある。
【図10】本考案のさらに他の実施例を示す要部断面図
である。
【図11】本考案のさらに他の実施例を示す要部断面図
である。
【図12】本考案のさらに他の実施例を示す要部断面図
である。
【符号の説明】
30 … ノズル本体 32 … 燃料溜まり室 34 … 弁座 35 … 第1噴射孔 50 … 針弁 52 … 受圧部 54 … 当接部 56 … 第2噴射孔 60 … スプリング

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)燃料溜まり室と、これより先方に形
    成された先細のテーパをなす弁座と、この弁座に連なり
    ノズル本体の軸線方向に延びるとともに先端面に開口す
    る第1噴射孔を有する細長いノズル本体と、 (b)上記ノズル本体に収容され、上記ノズル本体の燃
    料溜まり室に対向して形成された受圧部と、この受圧部
    より先方に形成され上記弁座に対峙して配置された先細
    コーン形状の当接部とを有し、スプリングの力により上
    記弁座に着座するとともに、燃料溜まり室の燃料圧力が
    受圧部に作用することに起因する力により弁座から離れ
    る針弁とを備えた燃料噴射ノズルにおいて、上記針弁
    に、一端が上記当接部の外周面に開口するとともに他端
    が針弁の下端面に開口する第2噴射孔を形成し、上記第
    1噴射孔は、当接部が弁座に着座することによってのみ
    閉じられ、針弁のリフト初期においては、第1噴射孔の
    有効流路断面積が、弁座の先端縁と当接部との隙間によ
    って決定されることを特徴とする燃料噴射ノズル。
JP6445292U 1992-08-24 1992-08-24 燃料噴射ノズル Expired - Lifetime JP2566072Y2 (ja)

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JP6445292U JP2566072Y2 (ja) 1992-08-24 1992-08-24 燃料噴射ノズル

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JP6445292U JP2566072Y2 (ja) 1992-08-24 1992-08-24 燃料噴射ノズル

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JPH0622565U JPH0622565U (ja) 1994-03-25
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