JP2565328Y2 - 転がり軸受 - Google Patents

転がり軸受

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JP2565328Y2
JP2565328Y2 JP2757492U JP2757492U JP2565328Y2 JP 2565328 Y2 JP2565328 Y2 JP 2565328Y2 JP 2757492 U JP2757492 U JP 2757492U JP 2757492 U JP2757492 U JP 2757492U JP 2565328 Y2 JP2565328 Y2 JP 2565328Y2
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pocket
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清 谷本
弘明 大戸
康一 奥田
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Koyo Seiko Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、金属製のもみ抜き型の
保持器を備える転がり軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の転がり軸受を例えばガスタービ
ンエンジンなどのような高速回転域で使用する場合、一
般的には、転動体の摩擦抵抗を小さくするために、保持
器のポケット内面の粗さを小さくする必要がある。
【0003】従来、もみ抜き型の保持器のポケットは、
下記するブローチ加工による打ち抜き方法や、種々な加
工の組み合わせによる方法でもって形成される。
【0004】前者の方法は、ポケットの平面形状に対応
する刃先を持つ刃物(ブローチと称する)を円筒形の保
持器基材に対してその径方向に貫通させるものである。
【0005】後者の方法は、まず、図5の(a)に示す
ように、円筒形の保持器基材50のポケット形成予定位
置の四隅に微小の貫通孔51を開けておいて、図5の
(b)に示すように、四つの貫通孔51で囲む四角い部
分を取り除き、取り除かれた開口部分の内面をミーリン
グ加工およびホーニング加工によって仕上げて、面粗さ
を小さくする。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】ところで、ブローチ加
工による方法では、円筒ころ軸受用の保持器の場合、下
記理由により一回の打ち抜き処理で二つのポケットが形
成されてしまうため、ポケット総数が偶数個に限定され
ることになり、ポケット総数を奇数個にできないなど自
由度が制約されるという不都合がある。なお、前記理由
は、刃物(ブローチ)に設ける刃数を多くする必要があ
って、刃物全長が、打ち抜き処理時に保持器基材の所定
位置からその180度対向位置へと刃物が届いてしまう
程に長くなってしまうからである。但し、針状ころ軸受
用の保持器のようにポケットの周方向幅を比較的短くで
きる場合に限っては、刃物(ブローチ)に設ける刃数を
少なくできて刃物全長を短くできるから、一回の処理で
一つのポケットを形成することが可能である。
【0007】一方、複数の加工を組み合わせる方法で
は、円筒ころ軸受用の保持器の場合であっても、ポケッ
ト総数を奇数個でも任意に設定できる。ところが、この
場合、前述のブローチ加工による方法に比べて手間がか
かる他、ポケット四隅に貫通孔51の一部が残るため、
保持器50においてポケット52の軸方向両端部位53
やポケット間を仕切る部位54で幅が部分的に小さくな
ってしまい、そこの強度が低下し、貫通孔51がひび割
れの起点になりうる、という不都合がある。
【0008】そこで、本願考案者らは、上述したような
機械的な方法ではなく、化学的な方法すなわち、放電加
工によってポケットを形成することを考え、実験した。
この場合、上述した二つの方法における不都合を解決で
きるものの、ポケット内面の面粗さが、上述の二つの方
法に比べると、かなり粗くなる。このため、このポケッ
トを有する保持器に金属製の転動体を保持させると、ポ
ケット内面との摺接によって転動体が損傷しやすくな
り、短期間のうちに焼き付きやすくなることが判った。
このようなことから、放電加工処理した保持器は、保持
器強度やポケット総数の自由度に優れていながらも使う
ことができなかった。
【0009】本考案は、このような事情に鑑みて創案さ
れたもので、放電加工処理する保持器を用いながらも転
動体の損傷を防止できるようにし、回転性能の向上を図
ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本考案は、次のような構成をとる。
【0011】本考案の転がり軸受は、セラミックス製の
転動体と、転動体保持用のポケットが放電加工により形
成されている金属製のもみ抜き型の保持器とを備えてい
る、ことに特徴を有する。
【0012】
【作用】放電加工処理する保持器だから、ポケット数を
任意に設定できる他、ポケット形状を単純な形にできて
ポケットの周辺部位を十分な強度に設定できるようにな
る。
【0013】ところで、放電加工でポケットを形成する
と、ポケット内面の面粗さが従来例に比べるとかなり粗
くなる点については、硬質なセラミックス製の転動体を
用いるから、この転動体がポケット内面によって損傷せ
ずに済む。しかも、ポケット内面の面粗さが粗いという
ことは、硬質なセラミックス製転動体の場合、ポケット
内面との接触が微小な凹凸どうしの接触となるため、両
者の接触面積が小さくなって摩擦抵抗が小さくなり、回
転性能が向上する。
【0014】
【実施例】以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。
【0015】図1ないし図4に本考案の一実施例を示し
ている。この実施例では、転がり軸受を円筒ころ軸受と
している。図中、1は内輪、2は外輪、3は内・外輪
1,2間に介装される複数の円筒ころ、4は複数の円筒
ころ3をそれぞれ回動自在に個別に保持するもみ抜き型
の保持器である。
【0016】円筒ころ3は、Si34などを主体とする
セラミックスを素材として構成されている。また、保持
器4は、鉄系金属(例えばAMS6414)を基材とし
て構成されたもので、その案内面となる外周面にはAg
などの保護膜5がコーティングされている。
【0017】この保持器4の円周複数箇所には、円筒こ
ろ3に対応した平面視ほぼ長方形のポケット6が下記す
る放電加工により形成されている。
【0018】この放電加工について図3を参照して説明
する。放電加工の前準備として、図4に示すように、保
持器基材4′のポケット形成予定位置にそれぞれ予め電
極8の下記最下段部位が入るような大きさの孔6′を形
成しておく。この孔6′を放電加工によって徐々に広げ
るのである。この保持器基材4′を、容器10内に満た
してある放電加工油中に浸漬させた状態で、この保持器
基材4′をアース電極11に接続し、この保持器基材
4′を電源7が接続された電極8に相対配置させるとと
もに、この電源7を作動させることにより、電極8と保
持器基材4′との間に放電を起こさせることでポケット
形成予定位置に存在する孔6′の内周面を加工するもの
である。このとき加工効率を上げるために使用する電極
8としては、例えば図3に示すように下から上へ向けて
三段階に太くなった四角い形状のものが選択される。そ
の最下段部位は下向きに細くなる角錐形に、また、中段
部位は形成対象となるポケット6の形状に対応した形状
すなわちここでは長方形の四角い筒に、さらに、最上段
部位は中段部位よりも大きな四角い筒に形成されてい
る。なお、最上段部位の形状は特に関係ない。
【0019】このような放電加工によりポケット6を形
成すれば、ポケット6の総数を任意に設定できる他、ポ
ケット形状は単純な長方形になるから、保持器4におい
てポケット6の軸方向両端部位4やポケット6間を仕
切る部位4の幅が均一になり、各部位4a,4bの強
度を十分保証できるようになる。
【0020】そして、放電加工により得られるポケット
6の内面の面粗さは、保持器4をAMS6414とした
場合、Rz=10〜12μm、Ra=2.0〜2.3μ
mになることを本願考案者らは確認しており、この面粗
さは、従来の二つのポケット形成方法による場合(Rz
≦3.0μm、Ra≦0.75μm)に比べると、かな
り粗くなってしまう。これに対しては、円筒ころ3をセ
ラミックスとすることによってそれが損傷しないように
している。しかも、ポケット6の内面の面粗さが粗くな
っているためにセラミックス製の円筒ころ3との接触
は、微小な凹凸どうしの接触となって両者の接触面積が
小さくなり、結果的に摩擦抵抗が小さくなって回転性能
が向上するようになる。また、ポケット6の内面が粗い
と、そこに潤滑油が溜まりやすくなるので、この内面の
潤滑性が向上する他、保持器4の外輪2との接触部位へ
の潤滑油供給が良好に行われるようになって、そこの潤
滑性が向上するようになる。
【0021】なお、本考案は上記実施例で説明した円筒
ころ軸受のみに限定されず、他のころ軸受や玉軸受など
にも適用できる。
【0022】
【考案の効果】以上説明したように、本考案では、放電
加工で形成される粗い内面のポケットを有する保持器と
セラミックス製転動体とを組み合わせているから、保持
器のポケット総数設定の面で自由度を増すことができる
とともに保持器のポケット周辺部位を十分な強度にでき
るようになり、しかも、ポケット内面とセラミックス製
転動体との間の摩擦抵抗が小さくなって回転性能が向上
するようになる。さらに、粗いポケット内面には潤滑油
が溜まりやすくなるため、ポケット内面の潤滑性向上が
望める他、保持器の軌道輪に対する接触部位への潤滑油
供給が良好に行えるようになって、そこの潤滑性向上も
望めるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の円筒ころ軸受の一実施例の上半分の縦
断面図。
【図2】保持器の一部を示す斜視図。
【図3】放電加工を示す模式図。
【図4】放電加工によるポケットの加工状態を示す模式
図。
【図5】従来のポケット形成手順を示す説明図。
【符号の説明】
3 円筒ころ 4 保持器 6 ポケット

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミックス製の転動体と、転動体保持用
    のポケットが放電加工により形成されている金属製のも
    み抜き型の保持器とを備えている、ことを特徴とする転
    がり軸受。
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