JP2564300Y2 - プラズマ加工用電極 - Google Patents

プラズマ加工用電極

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JP2564300Y2
JP2564300Y2 JP1993014940U JP1494093U JP2564300Y2 JP 2564300 Y2 JP2564300 Y2 JP 2564300Y2 JP 1993014940 U JP1993014940 U JP 1993014940U JP 1494093 U JP1494093 U JP 1494093U JP 2564300 Y2 JP2564300 Y2 JP 2564300Y2
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野 忠 星
下 礦 三 山
黒 盈 昭 乙
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日鐵溶接工業株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、金属材料の溶接あるい
は切断に用いられるプラズマアーク加工用トーチの電極
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、切断ガスとして酸素または空気
のような活性ガスを使用したプラズマ切断用トーチは、
図2に示されるものであり、切断ガスを旋回流にして狭
搾したノズル2より放出しておき、電極材21と加工材
料10との間にアークを発生させて、そのアーク熱と、
高温のプラズマガス気流9により加工材料10を溶融
し、吹き飛ばしながら切断を行っている。
【0003】しかしながら、この時、アーク放電を行っ
ている電極材21は非常に高温の活性ガス雰囲気中にさ
らされ短時間で消耗してしまう為、電極材21を流体で
冷却した銅製の電極ホルダーに埋め込み強制冷却し、電
極材21の温度上昇を抑え、なおかつ電極材材料として
ハフニウムまたは、ジルコニウム等のような高温の酸化
性雰囲気中で高融点で放電特性の優れた材料を使用し
て、できるだけ電極材21の寿命を延ばす工夫をして使
用している。
【0004】従来例としては、特公昭49−8622号
公報,実開昭58−170174号公報,特開平4−5
5062号公報等があり、銅製の電極ホルダーに穴を開
け電極材を圧入または挿入し、電極ホルダーを外周より
圧縮して、冷却した電極ホルダーと電極材を出来るだけ
密着させ、電極材の昇温を押さえ、電極寿命を延ばす構
造をとっている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
電極の場合、その冷却構造上冷却効果に問題があり、電
極寿命が短い。また個々の電極の寿命にばらつきが大き
い等の問題があり、自動切断作業において大きな支障と
なっている。
【0006】従来技術の電極は、図3の(a)あるいは
(b)に示す構造であり、電極材21は、電極ホルダー
20に完全に埋め込まれているか、もしくは、電極材2
1が直接冷却流体に接していてもその面積は極めて小さ
く、又発熱部から遠く離れていた。従って電極材21の
冷却の大部分は、電極材21と電極ホルダー20との接
触面と電極ホルダー20の金属を通して水冷、または空
冷していた。このため、電極ホルダー20の熱抵抗及び
接触面の接触熱抵抗分は、冷却効率が低下する事とな
り、それに対応して電極材21の温度も高く、電極材先
端の溶融消耗速度が速くなり、結果として電極寿命もそ
の分短かった。
【0007】また、電極寿命のばらつきの原因として
は、電極材21と銅ホルダー20との接触部の接触面積
および接触圧力は製造上の誤差により個々の電極によっ
て差があり、これが電極寿命のばらつきを生じる大きな
原因の1つになっていた。
【0008】この為、電極材21および電極ホルダー2
0の凹部の合わせ面全域の寸法精度および面粗度の加工
精度を可能な限り良くし、電極寿命のばらつきを抑える
対策が施されてきたが、長時間安定した作業はできず満
足のいくものでは無かった。電極寿命が短い、または電
極寿命にばらつきが大きいと、電極交換が頻繁となる
為、度々切断装置を停止しなければならず、切断効率が
非常に低下し、生産性の低下およびコスト高となる原因
になっていた。
【0009】そこで本考案は、電極寿命を延ばし、寿命
ばらつきの少ないプラズマアーク加工用電極を提供する
ことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この考案は、前述した従
来の問題点に留意してなされたものであり、冷却流体
流すための内孔(1d)および前端面(1b)と対向する内孔面
(1c)を有する金属製電極ホルダー(20)の軸中心の前端面
から内孔面への貫通孔に、高融点の丸棒状の電極材(21)
を挿入装着してなる活性動作ガスを用いるプラズマア
ーク加工用電極(1)において、前記挿入装着された電極
材(21)が、前端が電極ホルダー(20)の前端面(1b)と面一
となる形状で後端部の端面および外周面が電極ホルダ
ーの内孔面(1c)よりも冷却流体が流れる内孔(1d)に突出
し露出したものであることを特徴とする。なお、カッコ
内の記号は、図面に示し後述する実施例の対応要素を示
すものである。
【0011】
【作用】電極材(21)が電極ホルダー(20)の前端面(1b)と
面一となる形状の電極(1)で、電極材(21)が電極ホルダ
ー(20)の内孔面(1c)よりも冷却流路側に突出しているの
で、電極ホルダー(20)先端部内側の冷却流体通路(1d)に
電極材表面積の多くが露出しており、電極材(21)は冷却
流体と広面積で直接接触する。これにより電極材(21)の
冷却効率が高く、電極材(21)の消耗速度が遅くなる。
【0012】電極材(21)はまた、冷却された銅製の電極
ホルダー(20)に密着装着されている為、電極ホルダー(2
0)を通じても冷却される。これにより、電極材(21)の冷
却流体による直接冷却と、電極ホルダー(20)との接触面
を通じての間接冷却との相乗により、電極材(21)の冷却
効果が非常によくなり、電極材(21)のアーク中での過熱
が防止される。この為、電極材(21)の過熱昇温による短
時間での消耗が避けられ、従って電極(1)の寿命が長く
なる。
【0013】また、電極材21は冷却流体と直接接触す
る部分が有る事で、電極ホルダー20との密着むらによ
る冷却ばらつきが大いに軽減し、これにより個々の電極
寿命のばらつきが減少する。
【0014】
【実施例】以下、本考案を適用したプラズマ加工用電極
の実施例を、図を用いて説明する。図1の(a)及び
(b)は、本考案のそれぞれ別個の実施例を示す。これ
らの図面に示す電極1は、図2に示すプラズマ切断トー
チ電極1として用いられるものである。なお、図3の
(a)及び(b)は、従来用いられているそれぞれ別個
の電極1を示し、図4にはこれらの電極の寿命を示す。
【0015】本考案の1つの実施例を示す図1の
(a)、ならびにもう1つの実施例を示す図1の(b)
において、銅または銅合金からなる電極ホルダー20の
先端に前端面1bが形成されており、且つ内部には例え
ば冷却流体として水等を流すための内孔1dおよび前端
面1bと対向する内孔面1cが形成されている。また電
極ホルダー20の軸中心には前端面1bから内孔面1c
へ貫通孔1aが形成されている。前記貫通孔1aには、
ハフニウムまたはハフニウム合金からなる丸棒状の電極
材21の片端面が、電極ホルダー20の前端面1bと面
一にして内孔面1cに貫通して嵌装されている。該電極
材21のもう片端面側には、内孔面1cよりも突き出し
た形で電極材直接冷却面1eが形成されている。
【0016】次に、上記の如く構成した電極1を製造す
る場合について説明すると、先ず電極ホルダー20の軸
中心に前端面1bから内孔面1cまで貫通孔1aを形成
する。該貫通孔1aは電極材21の外形よりも僅かに大
きく形成されている。次いで、電極材21を、図1の
(a)の場合、所定の長さに切断し端面および外周面を
切削および研磨加工をする。図1の(b)の場合は、例
えば外形1.9mm径の大きさの電極材21をさらにワ
イヤ放電加工により溝幅0.5mmで円柱軸方向に所定
の深さのスリット状の溝付け加工を行う。これら各電極
材21を、電極ホルダー20に形成した貫通孔1aに挿
入し、電極材21が内孔面1cよりも所定長さ突起する
ように配置した後、電極ホルダー20を外周から中心軸
方向に押し圧して、電極材21を電極ホルダー20に密
着保持する。
【0017】その後、電極ホルダー20および電極材2
1の、前端面1bを含む外周面および内孔面1cを含む
内孔面を、所定の形状に切削など機械加工を行い電極を
形成する。
【0018】前記加工により電極材21は、電極ホルダ
ー20の前端面1bにおいて面一となる形状を有し、ま
た電極材21が内孔面1cよりも冷却流路1d側に突起
した形状の電極となる。また電極材21は、挿入前に電
気メッキを施しても良く、また、押し圧密着保持の代わ
りにロー付けにより電極材21を電極ホルダー20に接
合しても良い。また、電極材21は挿入前に適当な金属
スペーサーを取付てから電極ホルダー20に嵌装しても
良い。
【0019】上記の如く構成した図1の(a)に示す電
極および図1の(b)に示す電極と、従来の、図3の
(a)に示す電極、のそれぞれにつき5個をサンプルと
して比較実験を行った。共通条件として、電極材にはハ
フニウム材を使用し、母材10は実験のために水冷銅材
を使用し、冷却流体は水で流量5.7l/minとし
た。水温は約15℃であった。切断電流は250A、酸
素ガス流量は401/min、ノズル2穴径は2.3m
mで、アーク時間60秒、休止時間15秒の繰り返しで
実験した。
【0020】 〈図1の(a)に示す本考案の実施例〉 電極材の径 1.9mm 電極材の長さ 6.0mm 貫通孔1aの長さ 3.5mm 上記寸法の電極の寿命回数は、109〜126回で平均
寿命は117回であった。この時の寿命のばらつき率
[最大寿命−最小寿命/(平均寿命×2)×100]は
±7.2%であった。
【0021】 〈図1の(b)に示す本考案の実施例〉 電極材の径 1.9mm 電極材の長さ 6.0mm 電極材の溝深さ 3.0mm 貫通孔1aの長さ 3.5mm 上記寸法の電極の寿命回数は117〜141回で、平均
寿命は129回であった。この時の寿命のばらつき率は
±9.3%であった。
【0022】 〈図3の(a)に示す従来例〉 電極材の径 1.9mm 電極材の長さ 6.0mm 貫通孔1aの長さ 6.0mm 上記寸法の電極の寿命回数は61〜97回で、平均寿命
は79回であった。この時の寿命のばらつき率は±2
2.8%であった。
【0023】上記実験からも明らかなように、本考案の
電極(図1のaおよびb)は従来のもの(図3のa)に
比べ平均寿命で約50〜60%向上した。また、寿命ば
らつき率も60〜70%向上した。
【0024】このように、本考案電極の寿命が長くなっ
た要因は、図4の電極寿命グラフでも明らかなごとく、
従来例は電極材消耗深さが約0.8mmを境に消耗速度
が速くなるが、本考案電極の場合は電極材消耗深さが約
0.8mmを越えても従来例よりも緩やかな消耗速度と
なるため、電極寿命が長くなったものである。
【0025】これは、従来例の場合、電極消耗が進むに
つれアーク発生点が電極ホルダー穴1aの奥より発生す
ることから、電極ホルダーがアーク発生点での高温発熱
を穴1aの壁面を通して受けることになり、この結果銅
製電極ホルダーの温度が上昇し電極材冷却効率が低下す
るため、電極消耗速度が速くなり電極寿命が短くなった
ものと考えられる。
【0026】これに対し、本考案電極は電極消耗が進ん
で電極ホルダーの温度が上昇しても、直接水冷面1eで
も冷却していることから、冷却効率が大きく減少するこ
とはなく、また電極材が消耗するにつれ発熱部が直接冷
却面1eに近づくため逆に冷却効率がよくなる。この結
果、電極消耗速度は従来よりも緩やかとなり、これによ
り電極寿命が延びたものである。
【0027】
【考案の効果】以上詳細に説明したように、本考案のプ
ラズマ加工用電極は、電極ホルダーに挿入装着された電
極材が電極ホルダー内孔面1cよりも冷却流路側に突起
して嵌装したので、電極材は、従来技術の電極ホルダー
を通しての間接冷却プラス冷却流体による直接冷却によ
り冷却効率が良くなり、電極寿命が従来に比べ平均寿命
で50〜60%向上した。また、電極寿命のばらつきも
寿命ばらつきの原因であった間接冷却が少なくなり、冷
却効率にばらつきの出ない直接冷却が強いので、ばらつ
き率が従来に比べ60〜70%も改善された。また、加
工精度を必要とする間接冷却面の面積が減ったことで、
製造コストが低減する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)及び(b)は、それぞれが本考案の別
個の実施例を示す縦断面図である。
【図2】 本考案の電極を使用するプラズマ切断トーチ
の縦断面図である。
【図3】 (a)及び(b)は、それぞれが従来の別個
の電極を示す縦断面図である。
【図4】 図1の(a)および(b)ならびに図3の
(a)に示す電極の、消耗速度を示すグラフである。
【符号の説明】
1:電極 3:流通パイプ 20:電極ホルダー 21:電極材 1a:貫通孔 1b:前端面 1c:内孔面 1d:冷却流体
通路 1e:直接冷却面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−229696(JP,A) 特開 昭63−192569(JP,A) 特開 昭63−154273(JP,A)

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】冷却流体を流すための内孔および前端面と
    対向する内孔面を有する金属製電極ホルダーの軸中心の
    前端面から内孔面への貫通孔に、高融点の丸棒状の電極
    材を挿入装着してなる活性動作ガスを用いるプラズマ
    アーク加工用電極において、 前記挿入装着された電極材が、前端が電極ホルダーの前
    端面と面一となる形状で後端部の端面および外周面が
    電極ホルダーの内孔面よりも冷却流体が流れる内孔に突
    出し露出したものであることを特徴とするプラズマアー
    ク加工用電極。
JP1993014940U 1993-03-29 1993-03-29 プラズマ加工用電極 Expired - Lifetime JP2564300Y2 (ja)

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JPH0677976U JPH0677976U (ja) 1994-11-01
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS63154273A (ja) * 1986-12-17 1988-06-27 Mitsubishi Heavy Ind Ltd プラズマト−チ
JPS63192569A (ja) * 1987-02-06 1988-08-09 Mitsubishi Heavy Ind Ltd プラズマト−チ
JPH02229696A (ja) * 1989-03-02 1990-09-12 Koike Sanso Kogyo Co Ltd プラズマ加工用電極の製造方法及び電極

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