JP2564197B2 - アモルファス金属膜及びその製造方法 - Google Patents
アモルファス金属膜及びその製造方法Info
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はアモルファス金属膜及びその製造方法に関す
るものである。
るものである。
[従来の技術] 熱力学的非平衡状態にあるアモルファス材料は、その
構造に長距離秩序がなく、このため結晶粒界がなく、耐
蝕性や耐摩擦性などに優れるという特質を示す。
構造に長距離秩序がなく、このため結晶粒界がなく、耐
蝕性や耐摩擦性などに優れるという特質を示す。
更に、アモルファス鉄または鉄合金は、高磁束密度、
高透磁率及び低保持力という優れた磁気特性をも示し、
トランスや磁気ヘッド等種々の応用分野に好適な材料を
提供できる。このため、アモルファス材料についての研
究が進んできている。
高透磁率及び低保持力という優れた磁気特性をも示し、
トランスや磁気ヘッド等種々の応用分野に好適な材料を
提供できる。このため、アモルファス材料についての研
究が進んできている。
従来、このアモルファス材料、特にアモルファス膜を
作成する方法として、真空蒸着法、スパッタリング法及
び液体急冷法等が知られている。
作成する方法として、真空蒸着法、スパッタリング法及
び液体急冷法等が知られている。
真空蒸着法は、真空排気されたチャンバ内で試料をヒ
ータ等により加熱蒸発させ、基板上に蒸着させて冷却
し、アモルファス膜を形成する方法である。
ータ等により加熱蒸発させ、基板上に蒸着させて冷却
し、アモルファス膜を形成する方法である。
一方、スパッタリング法は、真空チャンバ内でアルゴ
ンや窒素ガスのプラズマを作り、このプラズマ粒子で試
料粒子をスパッタし(叩き出し)、基板上に蒸着させて
冷却し、アモルファス膜を形成する方法である。
ンや窒素ガスのプラズマを作り、このプラズマ粒子で試
料粒子をスパッタし(叩き出し)、基板上に蒸着させて
冷却し、アモルファス膜を形成する方法である。
また、液体急冷法は試料を融点以上に加熱して溶融
し、この溶融試料を急冷することによりアモルファス膜
を形成する方法である。
し、この溶融試料を急冷することによりアモルファス膜
を形成する方法である。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、液体急冷法では、冷却速度に限界があ
り(上限速度約107K/sec)、このためアモルファス化で
きる金属または合金がごく一部に限られていた。
り(上限速度約107K/sec)、このためアモルファス化で
きる金属または合金がごく一部に限られていた。
また、真空蒸着法においては、蒸着時の試料粒子のエ
ネルギーが比較的低いため、基板上での冷却速度が小さ
く、アモルファス化に限界があった。
ネルギーが比較的低いため、基板上での冷却速度が小さ
く、アモルファス化に限界があった。
また、スパッタリング法においては、基板上での冷却
速度は真空蒸着法に比べ大きいものの、スパッタリング
時の雰囲気中の残留ガスが膜に混入し、膜質が劣化する
問題があり、良質のアモルファス膜を形成することが困
難であった。一方、単金属または合金のアモルファス膜
を形成するためには、高冷却速度が必要とされ、例え
ば、Fe(鉄)では、1010K/sec以上の冷却速度が要求さ
れ[文献;H.A.Davies:proc.of 3rd intern.conf.on Rap
idly quenched Metals(1978)1]、従来これを形成す
ることができなかった。
速度は真空蒸着法に比べ大きいものの、スパッタリング
時の雰囲気中の残留ガスが膜に混入し、膜質が劣化する
問題があり、良質のアモルファス膜を形成することが困
難であった。一方、単金属または合金のアモルファス膜
を形成するためには、高冷却速度が必要とされ、例え
ば、Fe(鉄)では、1010K/sec以上の冷却速度が要求さ
れ[文献;H.A.Davies:proc.of 3rd intern.conf.on Rap
idly quenched Metals(1978)1]、従来これを形成す
ることができなかった。
本発明は上記従来の課題に鑑みなされたものであり、
その目的は、単金属または合金のアモルファス膜及びそ
の製造方法を提供することにある。
その目的は、単金属または合金のアモルファス膜及びそ
の製造方法を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 請求項(1)記載の発明は、基板表面上に蒸着形成さ
れた金属膜で、X線回折結果がブロードパターンを呈す
る非晶質構造を有し、107K/sec以上の臨界冷却速度を有
する金属から成ることを特徴とする。
れた金属膜で、X線回折結果がブロードパターンを呈す
る非晶質構造を有し、107K/sec以上の臨界冷却速度を有
する金属から成ることを特徴とする。
本発明のアモルファス金属膜または合金膜は、非晶質
膜及び部分的な結晶構造を有する非晶質状態を含む。
膜及び部分的な結晶構造を有する非晶質状態を含む。
請求項(2)記載の発明は、前記請求項(1)に記載
される、107K/sec以上の臨界冷却速度を有する金属が純
鉄又は純タングステンであることを特徴とする。
される、107K/sec以上の臨界冷却速度を有する金属が純
鉄又は純タングステンであることを特徴とする。
請求項(3)記載の発明は、高真空に保持された真空
チャンバ内に107K/sec以上の臨界冷却速度を有する金属
のターゲットと、このターゲットからの蒸発物が蒸着さ
れる基板を配設し、ターゲットの表面にレーザ光を照射
して高速蒸発物を発生させるとともに、前記ターゲット
と前記基板間に蒸発物の基板上でのアモルファス化に必
要な臨界冷却速度及び前記高速蒸発物の基板への衝突エ
ネルギーに応じた電場を印加し、蒸発物を基板上におい
て、前記臨界冷却速度で高速冷却するとともに、蒸発物
中の電荷を有する成分を加速して、基板への衝突エネル
ギーを増大させ、膜の原子配置に乱れを生じさせ、前記
基板上に非晶質の合金膜または単金属膜を形成すること
を特徴とする。
チャンバ内に107K/sec以上の臨界冷却速度を有する金属
のターゲットと、このターゲットからの蒸発物が蒸着さ
れる基板を配設し、ターゲットの表面にレーザ光を照射
して高速蒸発物を発生させるとともに、前記ターゲット
と前記基板間に蒸発物の基板上でのアモルファス化に必
要な臨界冷却速度及び前記高速蒸発物の基板への衝突エ
ネルギーに応じた電場を印加し、蒸発物を基板上におい
て、前記臨界冷却速度で高速冷却するとともに、蒸発物
中の電荷を有する成分を加速して、基板への衝突エネル
ギーを増大させ、膜の原子配置に乱れを生じさせ、前記
基板上に非晶質の合金膜または単金属膜を形成すること
を特徴とする。
ここで、レーザはエネルギーを高密度にターゲットに
集中させることが可能であるため、蒸発物の速度が従来
法に比べて大きく、蒸発物の温度(エネルギー)が高
い。従って基板上での冷却速度(蒸発物温度→室温)を
増大できる。更に、蒸発物の生成を高真空中で行えるた
め、膜中への不純物の混入を防ぐことができる。
集中させることが可能であるため、蒸発物の速度が従来
法に比べて大きく、蒸発物の温度(エネルギー)が高
い。従って基板上での冷却速度(蒸発物温度→室温)を
増大できる。更に、蒸発物の生成を高真空中で行えるた
め、膜中への不純物の混入を防ぐことができる。
また、蒸発物に正または負の電荷を持った粒子がある
場合、電場印加により、蒸発物の電荷を有する成分のエ
ネルギーを増大させると共に、蒸発物中の電荷を有する
成分の冷却速度を助長し、堆積膜中の化学結合を切断す
ると共に高エネルギー蒸発物を注入して、膜の原子配列
に乱れを生じさせ、アモルファス化を助長できる。そし
て、特に高冷却速度を必要とする単金属または合金のア
モルファス膜、例えば優れた磁気特性を有するFe等のア
モルファス磁性膜を製造することができる。
場合、電場印加により、蒸発物の電荷を有する成分のエ
ネルギーを増大させると共に、蒸発物中の電荷を有する
成分の冷却速度を助長し、堆積膜中の化学結合を切断す
ると共に高エネルギー蒸発物を注入して、膜の原子配列
に乱れを生じさせ、アモルファス化を助長できる。そし
て、特に高冷却速度を必要とする単金属または合金のア
モルファス膜、例えば優れた磁気特性を有するFe等のア
モルファス磁性膜を製造することができる。
[作用] 上述のようにレーザを利用して、アモルファス単金属
膜または合金膜を得ることができる。
膜または合金膜を得ることができる。
そして、このアモルファス金属膜または合金膜、例え
ばアモルファス鉄系膜は、耐蝕性や耐摩耗性に優れるの
みならず、高磁束密度、高透磁率及び低保持力という優
れた磁気特性を示し、トランスや磁気ヘッド等種々の応
用分野に好適な材料を提供できる。
ばアモルファス鉄系膜は、耐蝕性や耐摩耗性に優れるの
みならず、高磁束密度、高透磁率及び低保持力という優
れた磁気特性を示し、トランスや磁気ヘッド等種々の応
用分野に好適な材料を提供できる。
以上説明したように、本発明によれば、真空排気され
たチャンバ内に配設したターゲットにレーザを照射し、
その一部を蒸発させ、蒸発物のアモルファス形成の臨界
冷却速度に呼応してターゲットと基板間に所定の電場を
印加することにより、蒸発物中の電荷を有する成分のエ
ネルギーを増大させ、蒸発物の冷却速度を助長すると共
に、堆積膜中の化学結合を切断し、高エネルギー蒸発物
を注入して、膜の原子配列に乱れを生じさせ、アモルフ
ァス金属または合金膜を製造できる。
たチャンバ内に配設したターゲットにレーザを照射し、
その一部を蒸発させ、蒸発物のアモルファス形成の臨界
冷却速度に呼応してターゲットと基板間に所定の電場を
印加することにより、蒸発物中の電荷を有する成分のエ
ネルギーを増大させ、蒸発物の冷却速度を助長すると共
に、堆積膜中の化学結合を切断し、高エネルギー蒸発物
を注入して、膜の原子配列に乱れを生じさせ、アモルフ
ァス金属または合金膜を製造できる。
[実施例] 以下、図面を用いつつ、本発明の実施例に係るアモル
ファス金属膜及びその製造方法について説明する。
ファス金属膜及びその製造方法について説明する。
第1図(A)は本実施例のアモルファス金属膜を形成
するアモルファス金属膜形成装置の概略構成図、第1図
(B)はその一部拡大構成図である。
するアモルファス金属膜形成装置の概略構成図、第1図
(B)はその一部拡大構成図である。
真空チャンバ10は不図示のポンプによりその内部が真
空排気される。この真空チャンバ10内にはアモルファス
膜の材料となるターゲット12がターゲットホルダ14に装
着され、不図示のレーザ光発生手段からのレーザ光16
が、集光レンズ18、透過窓20を経て照射される。このタ
ーゲット12は、照射レーザ光16による熱損傷を防ぐため
に直流モータ22により一定速度で回転される。
空排気される。この真空チャンバ10内にはアモルファス
膜の材料となるターゲット12がターゲットホルダ14に装
着され、不図示のレーザ光発生手段からのレーザ光16
が、集光レンズ18、透過窓20を経て照射される。このタ
ーゲット12は、照射レーザ光16による熱損傷を防ぐため
に直流モータ22により一定速度で回転される。
また、このターゲット12から所定間隔をおいて基板ホ
ルダ24が対向配置され、この基板ホルダ24に装着される
基板26上に、ターゲット12から蒸発した粒子が蒸着し、
膜が形成される。なお、本実施例では基板26としてガラ
スを用いた。
ルダ24が対向配置され、この基板ホルダ24に装着される
基板26上に、ターゲット12から蒸発した粒子が蒸着し、
膜が形成される。なお、本実施例では基板26としてガラ
スを用いた。
そして、ターゲット12と基板26との間に所望の電位差
を与えるべく、基板ホルダ24は接地し、ターゲットホル
ダ14は直流電源28に接続されている。直流電源28は、切
替スイッチ28a、正の可変電源28b及び負の可変電源28c
からなっており、ターゲット12を所望の電位に保持する
ことができる。
を与えるべく、基板ホルダ24は接地し、ターゲットホル
ダ14は直流電源28に接続されている。直流電源28は、切
替スイッチ28a、正の可変電源28b及び負の可変電源28c
からなっており、ターゲット12を所望の電位に保持する
ことができる。
電位印加は、Fe、Ni等の特に高冷却速度を必要とする
単金属または合金に対して実施するもので、蒸発物中の
電荷を有する成分のエネルギーを増大させ、これにより
蒸発物の冷却速度を助長すると共に、堆積膜中の化学結
合を切断し、高エネルギー蒸発物を注入して、膜の原子
配列に乱れを生じさせ、アモルファス化を助長できる。
ここで、正の電位を印加した場合、放出物中の負の電荷
を持つものに対して反発、正の電荷を持つものに対して
は加速として作用し、負の電位を印加した場合、放出中
の負の電荷を持つものに対しては加速、正の電荷を持つ
ものに対しては反発として作用する。
単金属または合金に対して実施するもので、蒸発物中の
電荷を有する成分のエネルギーを増大させ、これにより
蒸発物の冷却速度を助長すると共に、堆積膜中の化学結
合を切断し、高エネルギー蒸発物を注入して、膜の原子
配列に乱れを生じさせ、アモルファス化を助長できる。
ここで、正の電位を印加した場合、放出物中の負の電荷
を持つものに対して反発、正の電荷を持つものに対して
は加速として作用し、負の電位を印加した場合、放出中
の負の電荷を持つものに対しては加速、正の電荷を持つ
ものに対しては反発として作用する。
従って、正の電位を印加するか、負の電位を印加する
ことによって蒸発物のエネルギーが増大すると共に、冷
却速度も増大し、堆積膜中の化学結合を切断させると共
に高エネルギー蒸発物が注入され、アモルファス化でき
る。
ことによって蒸発物のエネルギーが増大すると共に、冷
却速度も増大し、堆積膜中の化学結合を切断させると共
に高エネルギー蒸発物が注入され、アモルファス化でき
る。
なお、基板ホルダ24及びターゲットホルダ14は、図に
示すように位置決めのための回転ステージ30に絶縁物32
を介して載置されている。
示すように位置決めのための回転ステージ30に絶縁物32
を介して載置されている。
実験例1 アモルファス純鉄膜を形成すべくターゲットホルダ14
に純鉄を装着後、真空チャバ10内を1×10-5Torr以下に
真空排気した。
に純鉄を装着後、真空チャバ10内を1×10-5Torr以下に
真空排気した。
そして、蒸着用レーザ光16として高出力が得られるKr
Fエキシマレーザ(波長249nm、パルス幅16nsec、パルス
周波数25パルス/sec、パルスエネルギー250mJ)を20rpm
で回転する純鉄(純度99.999%)のターゲット12に20分
照射した。照射角度はホルダ面の法線に対し約45度で、
純鉄ターゲット12に照射された蒸着用レーザ光16のスポ
ット径は約6×10-3cm2である。
Fエキシマレーザ(波長249nm、パルス幅16nsec、パルス
周波数25パルス/sec、パルスエネルギー250mJ)を20rpm
で回転する純鉄(純度99.999%)のターゲット12に20分
照射した。照射角度はホルダ面の法線に対し約45度で、
純鉄ターゲット12に照射された蒸着用レーザ光16のスポ
ット径は約6×10-3cm2である。
そして、ターゲットホルダ14に直流電源28によって所
定の電位を印加し、ガラス基板26上に本実施例に係るア
モルファス純鉄膜を形成した。
定の電位を印加し、ガラス基板26上に本実施例に係るア
モルファス純鉄膜を形成した。
第2図(A),(B),(C)に、印加電圧1kV、0kV
−1kV時の本実施例のアモルファス純鉄膜のX線回折結
果を示す。
−1kV時の本実施例のアモルファス純鉄膜のX線回折結
果を示す。
図において横軸はX線の入射角を、縦軸は回折X線の
強度を示す。図に示されているように、印加電圧0kVの
X線回折パターンは、(110)面でピーク34を示す結晶
構造であるのに対し、印加電圧1kV及び−1kV時の形成膜
は、共にそのX線回折パターンが顕著なピークを示さな
い、ブロードパターンであり、非晶質状構造となってい
ることがわかる。
強度を示す。図に示されているように、印加電圧0kVの
X線回折パターンは、(110)面でピーク34を示す結晶
構造であるのに対し、印加電圧1kV及び−1kV時の形成膜
は、共にそのX線回折パターンが顕著なピークを示さな
い、ブロードパターンであり、非晶質状構造となってい
ることがわかる。
このように、電場印加による高エネルギー蒸発物の注
入を伴うことにより、アモルファス純鉄膜を形成するこ
とができる。
入を伴うことにより、アモルファス純鉄膜を形成するこ
とができる。
また、第3図に他の金属元素を添加した場合の添加元
素による磁束密度の変化を示す。本実施例のアモルファ
ス純鉄膜によれば、飽和磁束密度が24kGとなっており、
Ni,Si,Cr,Mo等の元素を添加した場合と比較し、飽和磁
束密度が大きくなっていることが理解される。
素による磁束密度の変化を示す。本実施例のアモルファ
ス純鉄膜によれば、飽和磁束密度が24kGとなっており、
Ni,Si,Cr,Mo等の元素を添加した場合と比較し、飽和磁
束密度が大きくなっていることが理解される。
そこで、この実施例のアモルファス純鉄膜は、従来の
合金の金属膜に比べ高磁束密度を実現でき、トランス等
種々の機器に好適に利用することができる。
合金の金属膜に比べ高磁束密度を実現でき、トランス等
種々の機器に好適に利用することができる。
実験例2 アモルファスタングステン(以下、Wという)膜を形
成すべくターゲットホルダ14に純Wを装着後、真空チャ
ンバ10内を1×10-5Torr以下に真空排気した。
成すべくターゲットホルダ14に純Wを装着後、真空チャ
ンバ10内を1×10-5Torr以下に真空排気した。
そして、蒸着用レーザ光16として、高出力が得られる
KrFエキシマレーザ(波長249nm、パルス幅16nsec、パル
ス周波数25パルス/sec、パルスエネルギー250mJ)を20r
pmで回転する純Wターゲット12に20分間照射した。照射
角度は、ホルダ面の法線に対し、約45度で、純Wターゲ
ット12に照射された蒸着用レーザ16のスポット径は、約
6×10-3cm2である。
KrFエキシマレーザ(波長249nm、パルス幅16nsec、パル
ス周波数25パルス/sec、パルスエネルギー250mJ)を20r
pmで回転する純Wターゲット12に20分間照射した。照射
角度は、ホルダ面の法線に対し、約45度で、純Wターゲ
ット12に照射された蒸着用レーザ16のスポット径は、約
6×10-3cm2である。
そして、ターゲットホルダ14に直流電源28によって所
定の電位を印加し、ガラス基板26上に本実施例に係るア
モルファスW膜を形成した。
定の電位を印加し、ガラス基板26上に本実施例に係るア
モルファスW膜を形成した。
第4図(A),(B),(C)に、印加電圧1kV、0k
V、−1kV時の本実施例のアモルファスW膜のX線回折結
果を示す。
V、−1kV時の本実施例のアモルファスW膜のX線回折結
果を示す。
図において、横軸はX線の入射角を、縦軸は回折X線
の強度を示す。図に示されているように、印加電圧0kV
のX線回折パターンは、(110)面でピークを示す結晶
構造であるのに対し、印加電圧1kV及び−1kV時の形成膜
は、共にそのX線回折パターンが顕著なピークを示さな
い、ブロードパターンであり、非晶質状構造となってい
ることがわかる。
の強度を示す。図に示されているように、印加電圧0kV
のX線回折パターンは、(110)面でピークを示す結晶
構造であるのに対し、印加電圧1kV及び−1kV時の形成膜
は、共にそのX線回折パターンが顕著なピークを示さな
い、ブロードパターンであり、非晶質状構造となってい
ることがわかる。
このように、電場印加による高エネルギー蒸発物の注
入を伴うことにより、アモルファスW膜を形成すること
ができる。
入を伴うことにより、アモルファスW膜を形成すること
ができる。
ここで、本発明は本実験例で示した純鉄、純Wに限ら
ず、純鉄以下の臨界冷却速度を有する金属または合金に
対してもそのアモルファス膜を形成できる。
ず、純鉄以下の臨界冷却速度を有する金属または合金に
対してもそのアモルファス膜を形成できる。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば、純鉄等のアモ
ルファス金属膜を得ることができ、種々の分野に好適な
材料を提供できる。
ルファス金属膜を得ることができ、種々の分野に好適な
材料を提供できる。
更に、本発明によれば、高真空状態における高速粒子
の蒸着であるので、純度の高い、強付着力の膜が製造で
きる。
の蒸着であるので、純度の高い、強付着力の膜が製造で
きる。
第1図は本発明の一実施例に係るアモルファス金属膜を
形成するためのアモルファス金属膜形成装置の一例の概
略構成図、 第2図は実験例のアモルファス純鉄膜のX線回折結果を
示す回折パターン図、 第3図は実験例のアモルファス純鉄膜及び鉄合金膜の飽
和磁束密度を示す特性図、 第4図は実験例のアモルファスW膜のX線回折結果を示
す回折パターン図である。 10……真空チャンバ 12……ターゲット 14……ターゲットホルダ 16……レーザ光 18……集光レンズ 20……透過窓 22……直流モータ 24……基板ホルダ 26……基板 28……直流電源 30……回転ステージ 32……絶縁物 34……純Feの(110)面のX線回折ピーク
形成するためのアモルファス金属膜形成装置の一例の概
略構成図、 第2図は実験例のアモルファス純鉄膜のX線回折結果を
示す回折パターン図、 第3図は実験例のアモルファス純鉄膜及び鉄合金膜の飽
和磁束密度を示す特性図、 第4図は実験例のアモルファスW膜のX線回折結果を示
す回折パターン図である。 10……真空チャンバ 12……ターゲット 14……ターゲットホルダ 16……レーザ光 18……集光レンズ 20……透過窓 22……直流モータ 24……基板ホルダ 26……基板 28……直流電源 30……回転ステージ 32……絶縁物 34……純Feの(110)面のX線回折ピーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木▲崎▼ 好美 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1 株式会社豊田中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭61−91355(JP,A) 特開 昭61−27036(JP,A) 特開 昭63−53258(JP,A) 特開 昭63−262446(JP,A) 特開 昭62−77440(JP,A) 実開 昭59−88459(JP,U)
Claims (3)
- 【請求項1】基板表面上に蒸着形成された金属膜で、X
線回折結果がブロードパターンを呈する非晶質構造を有
し、107K/sec以上の臨界冷却速度を有する金属から成る
ことを特徴とするアモルファス金属膜。 - 【請求項2】前記特許請求の範囲第1項に記載されるア
モルファス金属膜において、 前記107K/sec以上の臨界冷却速度を有する金属は純鉄又
は純タングステンであることを特徴とするアモルファス
金属膜。 - 【請求項3】高真空に保持された真空チャンバ内に107K
/sec以上の臨界冷却速度を有する金属のターゲットと、
このターゲットからの蒸発物が蒸着される基板を配設
し、 前記ターゲットの表面にレーザ光を照射して高速蒸発物
を発生させるとともに、前記ターゲットと前記基板間に
蒸発物の基板上でのアモルファス化に必要な臨界冷却速
度及び前記高速蒸発物の基板への衝突エネルギーに応じ
た電場を印加し、 蒸発物を基板上において、前記臨界冷却速度で高速冷却
するとともに、蒸発物中の電荷を有する成分を加速し
て、基板への衝突エネルギーを増大させ、膜の原子配置
に乱れを生じさせ、前記基板上に非晶質の合金膜または
単金属膜を形成することを特徴とするアモルファス金属
膜の製造方法。
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