JP2562657Y2 - 自動車のコンソールボックス及びテーブルセット - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は，テーブル及び灰皿を着
脱可能に取付けたコンソールボックス及びコンソールボ
ックスの背面に着脱可能なテーブルセットに関する。

【０００２】

【従来技術】一般に，普通乗用車には飲食のためのテー
ブル等が設けられていない。そのため，車中で飲食をす
るときには，飲食物を膝の上や座席の上等に置かねばな
らず甚だ不便である。一方，テーブルを車中に常設して
おくのは，居住性を妨げる等の問題がある。

【０００３】このような不具合を解決するために，実開
昭６４−９８３２号公報に記載のシートサイドテーブル
が提案されている。該シートサイドテーブルは，アーム
レストを兼ねる箱形構造のものであり，その脚部をフロ
アに固着させて，コンソールボックスの背面に立設させ
るものである。

【０００４】

【解決しようとする課題】しかしながら，従来提案され
ている上記シートサイドテーブルは構造が複雑で高価で
あると共に，容易に着脱できるようには構成されていな
い。本考案は上記従来の問題点に鑑み，簡単な構造でコ
ンソールボックスへの着脱が容易なテーブルセット，及
び着脱が容易なテーブルセットを有する構造の簡単なコ
ンソールボックスを提供しようとするものである。

【０００５】

【課題の解決手段】本願の第１考案は着脱可能なテーブ
ルセットと，着脱可能な灰皿と，灰皿収納部とを有する
コンソールボックスであって，上記テーブルセットは，
コンソールボックスに着脱可能に取付ける取付板と，該
取付板に設けられて前後両方向に展開可能なテーブル
と，該テーブルを上記取付板と直角な位置に保持する支
持部材とを有しており，また，上記取付板には上記灰皿
の胴部を挿通することのできる開口部を設けてあり，一
方，上記灰皿及び灰皿収納部はコンソールボックスの背
面部に配設されており，上記灰皿は上記取付板の開口部
周縁をコンソールボックスとの間に挟持する挟持部と上
記灰皿収納部に係止される係止部とを有し，上記灰皿収
納部は上記灰皿の係止部と係合する係合部を有すること
を特徴とする自動車のコンソールボックスにある。

【０００６】本考案において，最も注目すべきことは，
コンソールボックスの背面部に灰皿収納部と該灰皿収納
部に係止される灰皿を設けてあり，該灰皿はコンソール
ボックスとの間にテーブルセットの取付板を挟持する挟
持部を有するよう構成したことである。

【０００７】即ち，テーブルセットの取付板には灰皿の
胴部を挿通することのできる開口部を設けてあり，灰皿
は該開口部の周縁をコンソールボックスとの間に挟持す
る挟持部を有している。そして，灰皿はコンソールボッ
クスの背面部に設けた灰皿収納部の係合部と係合する係
止部を有している。

【０００８】また，テーブルセットは，例えばヒンジ等
によって取付板に取付けられ，取付板の前後両方向に展
開可能なテーブルを有している。そして，テーブルセッ
トには，上記テーブルを取付板と直角な位置に保持する
支持部材を設けてある。

【０００９】一方，本願の第２考案は，自動車のコンソ
ールボックスに着脱可能に取付けるテーブルセットであ
って，該テーブルセットは，コンソールボックスの背面
部に着脱可能に取付ける取付板と，該取付板に設けられ
て前後方向に展開可能なテーブルと，該テーブルを上記
取付板と直角な位置に保持する支持部材とを有してお
り，上記取付板には，コンソールボックスの背面部に着
脱可能に取付ける灰皿の胴部を挿通することのできる開
口部を有することを特徴とするテーブルセットにある。

【００１０】本第２考案において注目すべきことは，テ
ーブルセットの取付板に灰皿の胴部を挿通することので
きる開口部を設けたことである。そして上記灰皿はコン
ソールボックスの背面部に着脱可能に取付けられるもの
である。

【００１１】また，取付板にはテーブルが装着されてお
り，テーブルは取付板の前後の両方向に展開可能なよう
に，例えばヒンジ等によって結合されている。更に，テ
ーブルセットは，上記テーブルを取付板と直角な位置に
保持する支持部材を有している。

【００１２】

【作用及び効果】本願の第１考案に係るコンソールボッ
クスは，灰皿を用いてテーブルセットをコンソールボッ
クスの背面部に取付けることができる。即ち，テーブル
セットの取付板の開口部に灰皿の胴部を挿入した後，灰
皿の係止部と灰皿収納部の係合部とを係合させて灰皿を
取付ける。すると，灰皿の挟持部が取付板の開口部周縁
をコンソールボックスとの間に挟持し，取付板をコンソ
ールボックスに保持することが可能となる。

【００１３】このようにして，テーブルセットの取付板
をコンソールボックスの背面部に保持した後，支持部材
によってテーブルを取付板と直角な位置に展開する。そ
うすれば，テーブルは水平状態となり，飲食物等をその
上に載置することができる。即ち，テーブルが車の前方
方向に向くように取付板と直角に展開すれば，前部座席
でのテーブルの利用が可能となる。そして，反対方向の
直角位置にテーブルを保持すれば，後部座席でのテーブ
ル利用が可能となる。

【００１４】また，テーブルを使用しないときはテーブ
ルと取付板とを重ね合わせるように，テーブルを展開さ
せれば，テーブルはスペースを占有せず，邪魔にならな
い。また，単に灰皿を着脱することによって，テーブル
セットのコンソールボックスからの着脱が可能である。

【００１５】また，本考案は，着脱可能な灰皿を用いる
と共に，取付板に開口部を設けて，そこに灰皿を挿通し
てテーブルセットを保持するという簡単な構成であり，
テーブルセットを保持するための特に手の込んだ部品は
用いていない。上記のように，本願の第１考案によれ
ば，着脱が容易なテーブルセットを有し，構造の簡単な
コンソールボックスを提供することができる。

【００１６】次に，第２考案の作用効果について述べ
る。本考案に係るテーブルセットは，第１考案における
テーブルセットと同様の構成を有しており，第１考案に
おけると同様の灰皿及び灰皿収納部によって，コンソー
ルボックスに着脱可能であり，同様の効果を得ることが
できる。

【００１７】また，本考案に係るテーブルセットは，取
付板に前記開口部を設けることにより，コンソールボッ
クスに着脱可能とするもので極めて簡単な構造である。
上記のように，本願の第２考案によれば，簡単な構造で
コンソールボックスへの着脱が容易なテーブルセットを
提供することができる。

【００１８】

【実施例】本考案の実施例に係るコンソールボックスに
ついて，図１〜図５を用いて説明する。本例は，図１〜
図３に示すように，着脱可能なテーブルセット２と，着
脱可能な灰皿３０と，灰皿収納部４０とを有するコンソ
ールボックス１０である。

【００１９】そして，テーブルセット２はコンソールボ
ックス１０に着脱可能に取付ける取付板２２と，該取付
板２２に設けられて前後方向に展開可能なテーブル２０
と，該テーブル２０を上記取付板２２と直角な位置に保
持する支持部材であるブラケット２７と支持アーム２６
とを有している。

【００２０】また，上記取付板２２には，上記灰皿３０
の胴部３１を挿通することのできる開口部２３を設けて
ある。一方，上記灰皿３０及び灰皿収納部４０はコンソ
ールボックス１０の背面部１１に配設されている。

【００２１】そして，灰皿３０は図４，図５に示すよう
に上記取付板２２の開口部２３周縁２３１をコンソール
ボックス１０との間に挟持する挟持部３３と，上記灰皿
収納部４０に係止される係止部３５とを有している。ま
た，灰皿収納部４０は上記灰皿３０の係止部３５と係合
する係合部４５とを有している。

【００２２】以下それぞれについて詳説する。図１〜図
５に示すように，コンソールボックス１０の背面部１１
には，灰皿収納部４０が設けられており，着脱可能な灰
皿３０が装着されている。即ち，灰皿３０は灰皿収納部
４０内に収容される胴部３１を有し，図４に示すように
該胴部３１の上下面３１１，３１２には凸状の係止部３
５が形成されている。

【００２３】そして，上記係止部３５は灰皿収納部４０
の上下面４１１，４１２に設けられた凹状の係合部４５
と嵌合する形状を有している。また，上記灰皿収納部４
０の係合部４５と灰皿３０の係止部３５とは共に適度の
弾性を有する素材によって形成されており，適度のスプ
リングアクションを有して両部材３５，４５は嵌合し合
っている。

【００２４】また，灰皿３０は，図４，図５に示すよう
に，胴部３１の入口側に設けられた，幅の広い鍔状の挟
持部３３を有している。該挟持部３３は適度の弾性を有
する金属板によって形成されている。そして，挟持部３
３には，図１に示すように下部を支点にして開閉するふ
た３７が取付けられている。

【００２５】そして，前記係止部３５を係合部４５に嵌
合させて，灰皿３０をコンソール１０に装着したとき，
灰皿収納部４０の入口の縁部４２（図４，図５）と上記
挟持部３３の裏面３３１（図４，図５）との間には若干
の空隙Ｇが形成される（図示せず）。なお，図４に示す
ようにコンソールボックス１０の背面部１１の灰皿収納
部４０の装着部１１１は，若干凹ませてあり，灰皿収納
部４０の縁部４２と背面部１１との面位置は一致させて
ある。

【００２６】一方，テーブルセット２は，図１〜図３に
示すように，取付板２２とテーブル２０とを有してい
る。取付板２２は，前記灰皿３０の胴部３１を挿通する
ことのできる開口部２３を下方に設けてある。

【００２７】また，取付板２２の板厚ｔ（図２，図３）
は，灰皿３０を灰皿収納部４０に装着したときの灰皿３
０の挟持部３３と灰皿収納部４０の縁部４２との前記空
隙Ｇより若干だけ大きく形成されている。そして，テー
ブル２０は，取付板２２の上端部２２１に蝶番２９によ
って取付けられている。

【００２８】該テーブル２０の先端方向には，円形のカ
ップホルダ２０２が穿設されている。また，前記取付板
２２の前面２２２と後面２２３には，それぞれテーブル
２０の支持部材としてのブラケット２７と支持アーム２
６とが設けられている。

【００２９】ブラケット２７は図１〜図３に示すよう
に，横長の三角柱形状を有し，その上面２７１が取付板
２２と直角になるように取付板２２の前面２２２上方に
取付けられている。そして，ブラケット２７の上面２７
１は，取付板２２の上端からテーブル２０の板厚ｔ
₂ （図２，図３）だけ下方に位置している。

【００３０】また，支持アーム２６は略長方形のリング
状であり，その端部２６２が取付板２２の後面２２３中
ほどに設けられた１対のヒンジ２６１に回動可能に装着
されている。また，テーブル２０の後面２０３には，上
記支持アーム２６の上辺２６３を把持する掛け金２０１
が設けられている。

【００３１】そして，上記掛け金２０１によってアーム
２６の上辺２６３を把持したとき，テーブル２０は後方
に向かって取付板２２と直角となり水平位置に保持され
るよう掛け金２０１は配設されている。なお，図１にお
いて符号９０は運転席シートである。

【００３２】次に本例の作用効果について述べる。本例
のコンソールボックス１０は，取付板２２の開口部２３
を灰皿収納部４０の縁部４２（図４，図５）に合わせて
おき，図１に示すように灰皿３０を装着して取付板２２
をコンソールボックス１０の背面部１１に取付けること
ができる。

【００３３】即ち，灰皿３０と灰皿収納部４０とは，図
４，図５に示すように係止部３５と係合部４５とが係合
し合って係止する。そして，弾性を有する挟持部３３が
撓んで上記空隙Ｇが取付板２２の板厚ｔまで拡大し，そ
の差（ｔ−Ｇ）に伴う弾性力Ｆが働き取付板２２を挟持
する。

【００３４】このようにして，取付板２２をコンソール
ボックス１０に装着した後はテーブル２０を次の３つの
態様に操作して利用に供することができる。第１は，図
１に示すようにテーブル２０を前方に展開し，ブラケッ
ト２７によって取付板２２と直角の位置に支持する。こ
のようにして前方座席でテーブル２０を利用することが
できる。

【００３５】第２は，図２に示すように，テーブル２０
を後方に展開し，支持アーム２６をテーブル２０の掛け
金２０１に係合させて，テーブル２０を取付板２２と直
角の位置に支持する。このようにして，後部座席にてテ
ーブル２０を利用に供することができる。

【００３６】そして，第３の態様としてテーブル２０を
使用しないときは，図３に示すようにテーブル２０を折
りたたんで取付板２２と重ね合わせて，スペースを占有
しないようにする。また，灰皿３０を引き外せばテーブ
ルセット２を容易に取り外すことができる。そして，上
記第３の態様のようにテーブルセット２を折りたため
ば，ほとんどスペースは占有せず，コンソールボックス
１０外に別置きも可能である。

【００３７】そして，持ち運びも容易であるから，テー
ブルセット２だけ他の車で利用することも可能である。
また，本例のコンソールボックス１０は簡単な部材の組
合せにより構成されており，構造が簡単である。上記の
ように，本例によれば着脱が容易なテーブルセット２を
有し，構造の簡単なコンソールボックス１０を提供する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例に係るコンソールボックスの全体斜視
図。

【図２】テーブルを後方に展開したときの実施例に係る
テーブルセットの斜視図。

【図３】テーブルを折りたたんだときの実施例に係るテ
ーブルセットの斜視図。

【図４】実施例に係るコンソールボックスの縦断面図。

【図５】実施例に係るコンソールボックスの横断面図。

【符号の説明】

１０．．．コンソールボックス， １１．．．背面部， ２．．．テーブルセット， ２０．．．テーブル， ２０１．．．掛け金， ２２．．．取付板， ２３．．．開口部， ２６．．．支持アーム， ２７．．．ブラケット， ３０．．．灰皿， ３１．．．胴部， ３３．．．挟持部， ３５．．．係止部， ３７．．．ふた， ４０．．．灰皿収納部， ４２．．．縁部， ４５．．．係合部，

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 着脱可能なテーブルセットと，着脱可能
   な灰皿と，灰皿収納部とを有するコンソールボックスで
   あって， 上記テーブルセットは，コンソールボックスに着脱可能
   に取付ける取付板と，該取付板に設けられて前後両方向
   に展開可能なテーブルと，該テーブルを上記取付板と直
   角な位置に保持する支持部材とを有しており，また，上
   記取付板には上記灰皿の胴部を挿通することのできる開
   口部を設けてあり， 一方，上記灰皿及び灰皿収納部はコンソールボックスの
   背面部に配設されており，上記灰皿は上記取付板の開口
   部周縁をコンソールボックスとの間に挟持する挟持部と
   上記灰皿収納部に係止される係止部とを有し，上記灰皿
   収納部は上記灰皿の係止部と係合する係合部を有するこ
   とを特徴とする自動車のコンソールボックス。
2. 【請求項２】 自動車のコンソールボックスに着脱可能
   に取付けるテーブルセットであって，該テーブルセット
   は，コンソールボックスの背面部に着脱可能に取付ける
   取付板と，該取付板に設けられて前後両方向に展開可能
   なテーブルと，該テーブルを上記取付板と直角な位置に
   保持する支持部材とを有しており， 上記取付板には，コンソールボックスの背面部に着脱可
   能に取付ける灰皿の胴部を挿通することのできる開口部
   を有することを特徴とするテーブルセット。