JP2562604Y2 - ディスクプレーヤのディスクトレー - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は光ディスク等のディスク
を載置してローディングを行うディスクプレーヤのディ
スクトレーに関する。

【０００２】

【従来の技術】据置型のコンパクトディスクプレーヤ等
には図５に示すようにディスクのローディングをプレー
ヤ外匣１に対して出し入れされるディスクトレー２にデ
ィスクＤを載置して行うようにしたものがある。このデ
ィスクプレーヤに用いられるディスクトレー２としては
ディスクＤを載置して出入動作されるトレー本体３の前
面に、これと別体に形成され、プレーヤ外匣１の表面と
同一体裁が施された前面パネルとしてのローディングパ
ネル４を取付けて構成したものが多く用いられている。
そして、このディスクトレー２は、トレー本体３にロー
ディングパネル４を、このパネル４の外面側から取付ね
じ５を挿通してトレー本体３に締付けることにより取付
けて構成されている。また、ローディングパネルを断面
略Ｔ型押出し材を用いて形成、即ち、パネル部の裏面側
に取付片を一体に突設した形状に形成して、このローデ
ィングパネルを取付片においてトレー本体にねじ止めす
ることにより取付けて構成するものもある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】このように構成される
従来のディスクトレーにおいて、ローディングパネルを
トレー本体に外面側からねじにより取付ける前者の場合
は、ねじの頭部がローディングパネルの表面に表出する
ことになるので、頭部を特殊な形状にしたり、色彩を施
した体裁用ねじを用いなければならずコスト高になり、
また、ローディングパネルを裏面の取付片を介して取付
ける後者の場合は、パネル部と取付片との角度のばらつ
きによりパネル部の裏面とトレー本体との間に間隙が生
じ体裁を損なうと共に、取付片をトレー本体の幅の内側
に位置させなければならず、そのため、その両側部を切
削する必要があり、手数を要することになってコスト高
になる不具合がある。

【０００４】本考案はかかる点に鑑みてなされたもの
で、ローディングパネルがトレー本体に体裁を損なうこ
となく、確実に取付けられて成るディスクプレーヤのデ
ィスクトレーを提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本考案は、ディスクを載置するトレー本体の前面側に
別体のローディングパネルを取りつけてなるディスクプ
レーヤのディスクトレーにおいて、ローディングパネル
の裏面側に取付け部材を取り付け、この取付部材を介し
てローディングパネルをトレー本体に固定することによ
り構成したものである。

【０００６】

【作用】このように構成される本考案は、ローディング
パネルの裏面側に、取付部材としての例えば板金を断面
Ｌ字状に曲げ加工したアングル金具をその一辺側におい
てねじ止め或いはインサート成形により取付ける。そし
て、ローディングパネルの裏面をトレー本体の前面に当
接した状態でアングル金具の他辺側をトレー本体にねじ
止めすることによりローディングパネルはトレー本体に
固定される。これによりローディングパネルはトレー本
体に対して表面側に止めねじが表出されず、高精度に取
付けられる。

【０００７】

【実施例】以下、本考案の１実施例を図１〜図４を参照
して説明する。

【０００８】本例における、プレーヤ外匣１１に対して
出し入れされるディスクトレー１２も図１及び図３に示
すようにディスクＤを載置するトレー本体１３と前面パ
ネルとしてのローディングパネル１４とを接合して構成
されるもので、本例においてはこのトレー本体１３とロ
ーディングパネル１４との接合に取付部材１５を用いた
ものである。

【０００９】即ち、本例のトレー本体１３に対するロー
ディングパネル１４の取付けに用いる取付部材１５は板
金を断面略Ｌ字状に曲げ加工したアングル金具として形
成するもので（以下、取付部材をアングル金具とい
う）、このアングル金具１５は一辺側の立上面部１５ａ
をローディングパネル１４の裏面１４ａに当接させて止
めねじ１６の締付けにより取付ける。そしてこのアング
ル金具１５の他辺側の水平面部１５ｂをトレー本体１３
の下面側の取付脚部１３ａ₁ ，１３ａ₂ に、ローディン
グパネル１４の裏面１４ａをトレー本体１３の前端面１
３ｂに当接した状態で載置し、止めねじ１７により締結
する。これにより、ローディングパネル１４はトレー本
体１３の前端面１３ｂ側に、表面に取付用のねじが表出
することなく密接状態で取付けられ、ディスクトレー１
２が構成される。

【００１０】このように構成される本例においてトレー
本体１３は樹脂材により射出成形されるので、この成形
において金型から取り出しやすくするために、周面は所
要の角度の抜き勾配を持っており、これによりトレー本
体１３の前端面１３ｂも抜き勾配として水平下面に対し
て所要角度αで傾斜されており、この前端面１３ｂに当
接するローディングパネル１４の裏面１４ａも前端面１
３ｂに密着させるために同角度で傾斜させてある。これ
により、アングル金具１５の立上面部１５ａと水平面部
１５ｂとの曲げ角度をトレー本体１３の前端面１３ｂの
傾斜角度αと同角度にすればよいことになるが、それぞ
れの部材の成形におけるトレー本体１３の抜き勾配、ア
ングル金具１５の曲げ角のばらつきにより、トレー本体
１３の前端面１３ｂとローディングパネル１４の裏面１
４ａとの間に間隙が生じることになる。

【００１１】そこで、本例ではこれを解消するために、
アングル金具１５の曲げ角度βをトレー本体１３の前端
面１３ｂの傾斜角度αより小に設定、例えばトレー本体
１３の前端面１３ｂの傾斜角度は約８９．５度程度であ
るのでアングル金具１５の曲げ角度を約８８°に設定し
てある。これにより、ローディングパネル１４をトレー
本体１３への取付けにおいてアングル金具１５はその曲
げ力に抗して曲げ角度が広げられることになり、このた
めローディングパネル１４はアングル金具１５の復元力
によりトレー本体１３側へ偏倚されてその裏面１４ａは
トレー本体１３の前端面１３ｂに圧接され、両者はなじ
む状態となり、その間の間隙をほとんど無く、密着され
る。

【００１２】なお、トレー本体１３には取付脚部１３ａ
₁ ，１３ａ₂ に隣接してアングル金具１５の位置決め突
子１３ｃ₁ ，１３ｃ₂ が突設され、これに対応してアン
グル金具１５の水平面部１５ｂにねじ挿通孔１５ｃ₁ ，
１５ｃ₂ に隣接して位置決め孔１５ｄ₁ ，１５ｄ₂ が穿
設されている。このアングル金具１５をローディングパ
ネル１４に取付けられた状態で水平面部１５ｂにおいて
トレー本体１３にねじ止めする際に突子１３ｃ₁ ，１３
ｃ₂ と位置決め孔１５ｄ₁ ，１５ｄ₂ とを係合すること
によりアングル金具１５はトレー本体に対して位置決め
されると共に仮止めされることになってねじ止め作業を
確実に行えるようになされている。

【００１３】以上、本考案の一実施例を説明したが、本
考案はこの実施例に限定されるものではなく、本考案の
趣旨を逸脱しない範囲で種々変更できるものである。

【００１４】例えば、ローディングパネル１４を樹脂成
形により形成するようにして取付部材としてのアングル
金具１５を、トレー本体１３にねじ止めする水平面部１
５ｂのみを裏面１４ａから突出するようにインサート成
形して一体化してもよい。また、本考案はコンパクトデ
ィスクプレーヤ、ビデオディスクプレーヤに限ることな
く、他の記録媒体の装填用トレーに適用できるものであ
る。

【００１５】

【考案の効果】以上のように本考案によれば、ディスク
を載置するトレー本体の前端面側に前面パネルとしての
ローディングパネルを、その裏面側に別体の取付部材を
介在して固定するので、両者間に間隙が生じることなく
精度良く組立てることができると共にローディングパネ
ルは特別な体裁用の止めねじ等を使用することなく取付
けられ、また、取付部を一体化した押し出し成形による
ローディングパネルの如き後加工の必要もないのでコス
トの低減化が可能になり、また、ローディングパネルの
表面側には止めねじ等の表出物はなく、デザインの自由
度が増し、優美な外観に仕上げることができる等の効果
を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一例の要部の断面図

【図２】取付部材としてのアングル金具の側面図

【図３】本考案の一例のディスクトレーの分解斜視図

【図４】本考案のディスクトレーを備えたディスクプレ
ーヤの一部分の斜視図

【図５】従来例のディスクプレーヤの斜視図

【符号の説明】

１２ ディスクトレー １３ トレー本体 １３ｂ 前端面 １４ ローディングパネル １４ａ 裏面 １５ 取付部材としてのアングル金具 １５ａ 立上面部 １５ｂ 水平面部 １６，１７ 止めねじ Ｄ ディスク

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ディスクを載置するトレー本体の前面側
   に別体のローディングパネルを取り付けてなるディスク
   プレーヤのディスクトレーにおいて、 上記ローディングパネルの裏面側に取付部材を取り付
   け、この取付部材を介して上記ローディングパネルを上
   記トレー本体に固定したことを特徴とするディスクプレ
   ーヤのディスクトレー。