JP2562417Y2 - 可倒式ドアミラー - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は車両用のドアミラーにおけるミラーボデー
の取付構造に関するものである。

［従来の技術］ 自動車のドアミラーはミラーボデーがドア側方に突出
して取り付けられているので、駐停車中または車庫入れ
などの際、側方に突出したミラーボデーに他の物体が当
たらないようにするため、ミラーボデーを車体最外側線
内側に倒すことができるようにした可倒式ミラーが多く
用いられている。

このような可倒式ミラーにおいては、ミラーボデーと
ミラーベースとの間に回動用嵌合凸部と凹部とを設ける
とともに、前記ベース側にボデーの位置決め用ボールを
数個所に配設して、ボデー側にボールが係合する凹部を
設け、前記ボールと凹部とを圧接してスプリングにより
ミラーボデーとベースとを保持する構造が一般的であっ
た。

［考案が解決しようとする問題点］ しかるに上記構造のものでは、ミラーボデーがその回
転軸周りに設けた位置決め用ボールにより円周上の数個
所で支持されているだけであるから、車両の振動等の外
力でミラーボデーとそのボデーを支持するベースとの間
でガタがでやすく、ミラーのぶれ（ビビリ）を生ずる。

そこで本考案は、上記のガタ及びミラーのぶれを防
ぎ、あわせて防水、防音効果のある可倒式ドアミラーを
提案することを目的とするものである。

［問題点を解決するための手段］ 上記目的を達成するために、本考案は、ミラーボデー
と、ミラーボデーを支持するベースとの間に凸部と凹部
とからなる嵌合部を設け、該嵌合部を介して前記ベース
上にミラーボデーを回動可能に取り付けるとともに、前
記ボデーに取り付けたスプリングにより前記凸部と凹部
を押圧するようにした可倒式ドアミラーにおいて、前記
凸部と凹部との間の前記凸部周りに外面を斜面とする軟
質弾性材料よりなる環状体を設け、前記斜面に環状体の
上部から下方に放射するように多数の隆起部を突設し、
かつ隣合う隆起部間に水平方向のシール片を一体に設け
たうえ、その隆起部の表面を前記凹部内面に当接させる
ようにしたことを特徴とするものである。

［作用］ 凸部周りに、外面を斜面とする軟質弾性材料よりなる
環状体を介置し、前記斜面に環状体の上部から下方に放
射するように多数の隆起部を突設し、かつ隆起部の表面
を前記凹部内面に当接させているので、前記凸部と凹部
とは面当たり（面接触）となり、両者の間でのガタ及び
ミラーのぶれ（ビビリ）を防止できる。また、隣合う隆
起部間に水平方向のシール片を一体に設けているので、
このシール片により風切り音の発生を少なくでき、また
前記隆起部の間から嵌合部の内側に雨水等が逆流するの
を防止できる。

［実施例］ 以下図示の実施例により本考案を具体的に説明する。
第１図は本考案の一実施例である要部の断面図、第２図
はその分解斜視図である。

図において符号11は、反射鏡（図示省略）を収容する
ミラーボデー、12はミラーボデーを支持するミラーベー
スである。その下部には側方に向かって張り出し部14が
形成されている。このミラーボデーとミラーボデーを支
持するベースとの間に、凸部及び凹部とからなる嵌合部
を設ける。図示の実施例は、ミラーボデーの底面側に凹
部13を設け、ベース側の前記張り出し部14に凸部15を形
成させている。

符号16は、前記ベースの張り出し部14に立設するシャ
フトである。このシャフトは、ベースの張り出し部14の
下方から取り付けて前記凸部15のシャフト孔17とボデー
11のシャフト孔18に挿入し、ミラーボデー11をベース12
上に組み付ける。19はミラーボデー11とベース12とを固
定するためのセットスプリングである。このスプリング
は、シャフト16の上端にＵ型クランプ20により固定した
スプリング押さえ21と、ミラーボデーの底面内側に設け
たワッシャー22との間に縮設されている。

符号23は、ミラーボデー11とベース側の張り出し部14
との間で、ボデー側のシャフト孔周りに配設された位置
決め用の環状プレートストッパである。このプレートス
トッパには位置決め用スチールボール24と結合する係合
孔25が、３個所に定間隔に形成されている。

位置決め用スチールボール24は、第１図のように、シ
ャフト16の基部26に設けたボール用凹部27内にそれぞれ
収容されているとともに、このボールは前記環状プレー
トストッパ23と対向するように配置され、ミラーボデー
に向かってボール上面が突出するように取り付けられて
いる。

符号30は、ミラーボデー11とベース14との間に形成し
た凸部15と凹部13とからなる嵌合部において、前記凸部
15周りに取り付けたガスケット様の環状体である。

この環状体30は、軟質弾性材料を用いて形成され、第
１図〜第３図のように、外面は斜面31に形成されてい
る。また前記斜面31には、環状体の上部から下方に放射
するように多数の隆起部32を突設し、かつ隣合う隆起部
間に水平方向のシール片41を環状体本体の上面側に一体
に設けたうえ、その隆起部の表面を前記凹部13内面に当
接させるようにしている。

ちなみに、環状体30の内面は前記凸部15の側面形状に
対応する形状に形成するもので、例えば、垂直面または
斜面に形成することができる。この環状体30を前記凸部
15の周りに取り付け場合、凸部の外側面に対して適当な
接着手段もしくは環状体の内面に適当な締めしろを付与
して、第１図に示すように固着する。

実施例に示した環状体30は、ベース12とは別体とし、
凸部15の外側面に接着または無理嵌めにより固着してい
るが、この環状体と隆起部とベースとは、弾力性のある
軟質樹脂により一体成形されてもよい。

［考案の効果］ 以上説明した本考案によれば、凸部15の周りに外面を
斜面31とする軟質弾性材料よりなる環状体30を介置し、
前記斜面に環状体の上部から下方に放射するように多数
の隆起部32を突設し、その隆起部の表面を前記凹部14内
面に当接させているので、前記凸部と凹部とは面当たり
（面接触）となる。ミラーボデーに外力が加えられ隆起
部が圧縮変形したときの変形は両側の溝に吸収されるこ
とになり、ミラーボデーとベースの間でのガタが防止で
きる。したがってミラーのぶれ（ビビリ）を防止でき
る。また、隆起部間に水平方向のシール片を一体に設け
ているので、このシール片により環状体の歯状溝に流入
する空気による風切り音の発生を抑制でき、また前記隆
起部の間から嵌合部の内側に雨水等が流入するのを防止
できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す要部の断面図、第２図
はその分解斜視図、第３図は本考案で使用する環状体の
斜視図、第４図はその断面図である。 11:ミラーボデー、12:ミラーベース、13:凹部、14:張り
出し部、15:凸部、16:シャフト、17、18:シャフト孔、1
9:セットスプリング、20:クランプ、21:スプリング押さ
え、22:ワッシャー、23:プレートストッパ、24:スチー
ルボール、25:係合孔、26:シャフトの基部、27:ボール
用凹部、30:環状体、31:斜面、32:隆起部、41:シール片

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ミラーボデー（11）と、ミラーボデーを支
   持するベース（12）との間に、凸部と凹部とからなる嵌
   合部を設け、該嵌合部を介して前記ベース上にミラーボ
   デーを回動可能に取り付けるとともに、前記ボデーに取
   り付けたスプリングにより前記凸部と凹部を押圧するよ
   うにした可倒式ドアミラーにおいて、前記凸部と凹部と
   の間の前記凸部周りに外面を斜面（31）とする軟質弾性
   材料よりなる環状体（30）を設け、前記斜面（31）に環
   状体の上部から下方に放射するように多数の隆起部（3
   2）を突設し、かつ隣合う隆起部間に水平方向のシール
   片を一体に設けたうえ、その隆起部の表面を前記凹部内
   面に当接するようにしたことを特徴とする可倒式ドアミ
   ラー。
2. 【請求項２】前記軟質弾性材料は軟質樹脂であり、前記
   環状体（30）と隆起部（32）とベース（12）とが前記樹
   脂により一体成形されている第１項記載の可倒式ドアミ
   ラー。