JPS6328686Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は緩衝式ドアミラーに係り、特に、軽量
で丈夫なミラーハウジングを構成するように改良
した緩衝式ドアミラーに関するものである。

第１図は緩衝式ドアミラーの一例を示す斜視図
で、１は自動車々体（図示せず）に固定したミラ
ーベース、２はミラー３（仮想線で示す）を支承
したミラーハウジングである。

上記のミラーハウジング３はヒンジ部材４およ
びヒンジピン５，６を介してミラーベース１に対
して回動自在に螺着され、かつ、テンシヨンスプ
リング７によりミラーベース１に向けて付勢され
ている。本図はミラーハウジング２が正常時の姿
勢から矢印Ａ方向に、ヒンジピン６の回りに回動
して傾倒した状態を描いたものである。この緩衝
式ドアミラーは、ミラーハウジング２が外部物体
と衝突したとき本図のごとく矢印Ａ方向に回動
し、若しくはヒンジピン５の回りに矢印Ｂのごと
く回動して傾倒することができ、この傾倒作動は
テンシヨンスプリング７の付勢力に抗しつつ該テ
ンシヨンスプリング７を伸長させて行なわれるの
で、外力の衝撃を緩和吸収する作用を生じる。

以上のような構造、機能を有する緩衝式ドアミ
ラーにおけるミラーハウジング２は、テンシヨン
スプリング７の強い張力を受けるのでこれに耐え
得る丈夫な部材でなければならない。一方、上記
の張力に耐える強度を保ちつつドアミラーの軽量
化とコストダウンを計るため、従来、このミラー
ハウジング２を分割構造とし、強い力を受ける本
体部分をダイカストなどの金属材料で構成すると
共に、強い力を受けない外周の枠状部（以下、リ
ングと言う）を合成樹脂で構成して、双方の部材
を相互に固着することが行なわれている。

第２図は従来形のミラーハウジングの一例を、
第１図に示す面Ｃで切断した断面図であり、ミラ
ーハウジング２はダイカスト製のミラーハウジン
グ本体８に合成樹脂製のリング９を嵌め合わせて
構成されている。

リング９の嵌着部には、ハウジング本体８の縁
８ａに嵌合する溝９ａを形成すると共に、取付ネ
ジ用ブラケツト９ｂを形成し、取付ネジ１０によ
りハウジング本体８に取り付けてある。８ｂは取
付ネジ用のタツプ穴を設けた脚柱で、ハウジング
本体８と一体成形してある。

７は既述のテンシヨンスプリング、１１はスプ
リングカバーを兼ねたスプリングブラケツトで、
取付ネジ１２によりハウジング本体８に固着して
ある。８ｃは取付ネジ用のタツプ穴を設けた脚柱
で、ハウジング本体８と一体成形してある。

以上のように構成された従来形のミラーハウジ
ング２は、１対のテンシヨンスプリング７の両側
にリング取付用の脚柱８ｂを設けた構造であるた
め、この部分がデツドスペースとなり、テンシヨ
ンスプリング設置区域の幅W₁に比してミラーハ
ウジング２の幅W₂が著しく大きくなるという不
具合がある。その上、リング９の全周をハウジン
グ本体に均等に締めつけようとすると、取付ネジ
１０の個数を多くしなければならず、これに伴つ
て脚柱８ｂの個数も増さねばならないので形状が
複雑になつて製造コストが高くなり、取付作業の
工数も増加する。

本考案は以上の事情に鑑みて為され、テンシヨ
ンスプリング設置区域の幅W₁に比してミラーハ
ウジング全体の幅が比較的狭く、簡単で安価な構
造でリングの全周を均一に取りつけることがで
き、しかも取付所要工数の少ないミラーハウジン
グを備えた緩衝式ドアミラーを提供することを目
的とする。

上記の目的を達成するため、本考案の緩衝式ド
アミラーは、リングの内周に内向フランジ状の突
起を形成するとともに、ハウジング本体に固定し
たテンシヨンスプリングブラケツトの周縁を上記
の内向フランジ状の突起に当接せしめて、リング
をハウジング本体に向けて押圧固定したことを特
徴とする。

次に、本考案の一実施例を第３図について説明
する。本図において従来形の装置（第２図）と同
一の図面参照番号を附したテンシヨンスプリング
７、脚柱８ｃ、及び取付ネジ１２は従来形装置に
おけると同様の構成部材である。また、従来形の
装置（第２図）における図面参照番号にダツシを
附して示したハウジング本体８′、リング９′およ
びスプリングブラケツト１１′は、それぞれ従来
装置における構成部材に本考案を適用して改良し
た構成部材である。

リング９′の内周に、内向フランジ状の突起９
ｃを形成する。そして、スプリングカバー兼スプ
リングブラケツト１１′はその外周を延長して上
記の突起９ｃに当接せしめ、この突起９ｃを介し
てリング９′をハウジング本体８′に向けて押圧す
るように構成する。

本考案を適用したミラーハウジング本体８′に
は、リング取付ネジ用の脚柱８ｂ（第２図参照）
を設けない。このため、該脚柱８ｂを設置したた
めに生じていたデツドスペースが無くなり、その
結果、ミラーハウジング全体の幅W₃はテンシヨ
ンスプリング設置区域の幅W₁に比較して従来装
置よりも著しく短くなる。また、脚柱８ｂ及び取
付ネジ１０を設けなくてもよいので構造が簡単で
ある。

その上、リング９′は、その全周を均一にスプ
リングブラケツト１１′で押圧されてミラーハウ
ジング本体８′に固定され、しかも、この部分の
取付作業においては取付ネジ１２によりスプリン
グブラケツト１１′を取りつける操作だけで、リ
ング９′の取付け固定が同時に行なわれ、取付所
要工数が激減する。

以上詳述したように、本考案を適用すると、緩
衝式ドアミラーにおいて簡単で安価な構成でリン
グの全周を均一にミラーハウジング本体に取りつ
けることができて、取付所要工数が少なく、その
上、ミラーハウジング全体の幅を著しく短縮する
ことが可能になるという優れた実用的効果が得ら
れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は緩衝式ドアミラーの１例の斜視図、第
２図は従来形の緩衝式ドアミラーのミラーハウジ
ングを第１図の面Ｃで切断した断面図、第３図は
本考案の一実施例におけるミラーハウジングの断
面図で、従来形装置における第２図に対応する図
である。 １……ミラーベース、２……ミラーハウジン
グ、３……ミラー、４……ヒンジ部材、５，６…
…ヒンジピン、７……テンシヨンスプリング、
８，８′……ミラーハウジング本体、８ａ……同
縁、８ｂ，８ｃ……脚柱、９……リング、９ａ…
…同溝、９ｂ……同ブラケツト、９ｃ……同内向
フランジ状突起、１０，１２……取付ネジ、１１
……スプリングカバー兼スプリングブラケツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自動車の車体に固定したミラーベースに対して
   ミラーハウジングを当接せしめるように、双方の
   部材の間にテンシヨンスプリングを介装係着し、
   かつ、上記のミラーハウジングを金属製のハウジ
   ング本体と合成樹脂製のリングとによつて構成し
   た緩衝式ドアミラーにおいて、前記のリングの内
   周に内向フランジ状の突起を形成するとともに、
   ハウジング本体に固定したテンシヨンスプリング
   ブラケツトの周縁を上記の内向フランジ状の突起
   に当接せしめて、リングをハウジング本体に向け
   て押圧固定したことを特徴とする緩衝式ドアミラ
   ー。