JPH0426274Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【考案の技術分野】 本考案は自動車用の可倒式アウトサイドミラー
に関する。特に、ミラーハウジングに外部衝撃が
加わつた場合に、該ミラーハウジングがベースに
対して回動傾倒することによつて衝撃力を緩和す
ることができる可倒式アウトサイドミラーに関す
るものである。

【従来技術と問題点】

従来、この種の可倒式アウトサイドミラーは、
例えば実公昭58−39945号「ドアミラーにおける
衝撃吸収機構」によつて開示されている。この従
来技術を第４図および第５図に基づいて概略説明
すると、ミラーａを有するミラーハウジングｂの
側部にはステーｃが一体に形成されている。該ス
テーｃの下面には環状凹部ｅとこの環状凹部ｅの
中心より下方に突設された回転中心軸ｄを備えて
いる。そして、前記環状凹部ｅの底部には嵌合凹
部ｇが凹設されている。 一方、前記ステーｃを介してミラーハウジング
ｂを自動可能に保持するベースｈは、ミラーハウ
ジングｂ側に前記回転中心軸ｄの貫通孔ｊを設け
た上壁ｉを有する軸受ｋが形成されている。さら
に、前記上壁ｉの上面には前記嵌合凹部ｇに対応
する嵌合凹部ｌが設けられている。 前記ステーｃは該回転中心軸ｄをベースｈの貫
通孔ｊからベースｈに貫通させるとともに環状凹
部ｅを軸受ｋに嵌合する。このときに環状凹部ｅ
の底部に形成した嵌合凹部ｇとステーｃの上壁ｉ
に形成した嵌合凹部ｌとの間にベアリングｍを介
在させる。そして、ステーｃ内に挿入された回転
中心軸ｄにワツシヤーｆを介してスプリングｎを
縮設することによつてミラーハウジングｂをベー
スｈに対して回転可能に保持している。 しかしながら、このような従来技術にあつて
は、ステーｃの環状凹部ｅとベースｈの軸受ｋ並
びに上壁ｉ等の寸法を正確に形成し、ベアリング
ｍを介在させる必要がある。仮に、寸法が比較的
不正確でバラツキがあると、ステーｃがベースか
ら浮き上がり、その当接面イに若干の隙間が生じ
る虞があつた。又、ステーｃすなわちミラーハウ
ジングｄが回動する場合にはステーｃがベースｈ
から浮き上がつて回動するためミラーハウジング
ｂが上下に揺動する場合があつた。この為、ミラ
ーハウジングｂの角がステーｃに当接し、ミラー
ハウジングｂあるいはステーｃを損傷したり、又
回動障害となる等の問題があつた。

【考案の目的】

本考案は上述した事情に鑑みなされたもので、
ミラーハウジングと、該ミラーハウジングを回動
傾倒可能に軸支するベースとを常時密着保持する
とともに、回動傾倒時においても密着状態を保つ
ことによりミラーハウジングがベースに対して揺
動することのない可倒式アウトサイドミラーを提
供するものである。

【考案の構成】

上記の目的を達成するため、本考案の可倒式ア
ウトサイドミラーは、ベース１を、車体への取付
部１２と該取付部１２に連続し略水平方向に突出
して形成する支持部１１とにより略逆Ｌ字状に構
成し、前記ベース１の支持部１１に回転中心軸１
５を立設した環状凹部１４を有する突起１３を設
けると共に、開口にミラー６を配設したミラーハ
ウジングに前記支持部１１に摺接する摺接壁２２
とこれに連続し前記突起１３が嵌合する嵌合凹部
２４を設け、該嵌合凹部２４の上壁２４ａには、
前記回転中心軸１５の貫通孔２４ｂが穿設される
と共に前記回転中心軸に回転可能に挿入された固
定部材５を回転不能に取り付け、該固定部材５の
下部における前記環状凹部１４内に前記回転中心
軸１５にスライド可能に且つ回転不能に挿入する
スペーサ３を配し、該スペーサー３の上面および
前記固定部材５の下面にそれぞれ押え凹部３５お
よび嵌合凹部５２を形成してボールベアリング３
４を挿入し、該ボールベアリング３４を前記固定
部材５側に押圧するスプリング４を前記スペーサ
ー３および前記環状凹部１４の底部間に縮設し、
前記ボールベアリング３４、スプリング４、スペ
ーサー３および固定部材５によつてデイテントを
構成したことを特徴とするものである。

【考案の実施例】

第１図乃至第３図は、本考案の実施例を示した
ものである。 ベース１は、水平方向に延出したミラーハウジ
ング２の支持部１１と該支持部１１に対して垂直
に形成された車体への取付部１２とをダイカスト
等によつて逆Ｌ字状に一体成型されている。前記
支持部１１には該先端側に突起１３がミラーハウ
ジング２側に突設されている。そして該突起１３
には、中心部に中空部１５ａを有する回転中心軸
１５を形成した環状凹部１４を設けている。ま
た、環状凹部１４の周壁には120°間隔に回り止め
突起１４ａが突設されている。 ミラーハウジング２は、開口にミラー６を配設
するとともにベース１側の端部下面に支持部１１
の嵌合部２１を形成するとともに、該嵌合部２１
の上方に支持部１１の表面に摺接する摺接壁２２
と支持部１１の先端を覆う側壁２３とを備えてい
る。そして、前記摺接壁２２には、ベース１の支
持部１１側に開放された前記支持部１１の嵌合凹
部２４が設けられている。更に、該嵌合凹部２４
の上壁２４ａには回転中心軸１５の貫通孔２４ｂ
が穿設され、かつ内面に環状凹部１４内に配設す
る固定部材５のストツパー５１の係止孔２４ｃが
形成されている。 前記ベース１の支持部１１に形成された突起１
３の環状凹部１４内に配設されるスペーサー３
は、円形のフランジ３１と中心に貫通孔３２を有
する軸受３３とを備え、前記フランジ３１の上面
には120°間隔でボールベアリング２４の押え凹部
３５が設けられ、かつ周縁には前記環状凹部１４
の周壁に形成した廻り止め突起１４ａの係止凹部
３６が形成されている。 更に、前記スペーサー３を環状凹部１４内に配
設する固定部材５は、円板状を成し、中央に回転
中心軸１５の貫通孔２４ｂを設けるとともに表面
端部に嵌合凹部２４の上壁２４ａに形成された係
止孔２４ｃに係止するストツパー５１が突設され
ている。又、裏面にはボールベアリング２４の嵌
合凹部５２が形成されている。４はスペーサー３
を介して固定部５にボールベアリング３４を押圧
するスプリングで、該スプリング４は、回転中心
軸１５に巻設され、スペーサー３と環状凹部２４
の底部との間に縮設されており、これによつて、
ボールベアリング３４、スペーサー３および固定
部材５と共に、デイテントを構成する。 上記の如く構成されたベース１とミラーハウジ
ング２とスペーサー３並びに固定部材５は次の如
くして組付けられる。 第１にベース１の支持部１１に形成された突起
１３の環状凹部１４内に立設された回転中心軸１
５にスプリング４を巻装させ、そのスプリング４
の上方からスペーサー３の突起３３の貫通孔３２
を前記回転中心軸１５に貫通させながら配設す
る。この時スペーサー３のフランジ３１の周縁に
形成した係止凹部３６を環状凹部１４の周壁に突
設した突起１４ａに係止し、スペーサー３の軸回
りの回転を防止している。 そして、次に、スペーサー３のフランジ３１の
表面に凹設した押え凹部３５にボールベアリング
３４を載置し、その上に固定部材５を載せる。こ
の時、ボールベアリング３４は前記スペーサー３
の押え凹部３５と固定部材５の嵌合凹部５２との
間に挟持されている。 最後に、ミラーハウジング２の嵌合凹部２４を
ベース１の突起１３に嵌合し、嵌合凹部２４の上
壁２４ａに形成した貫通孔２４ｂから回転中心軸
１５をミラーハウジング内に貫通せしめ、その回
転中心軸１５にワツシヤー６を取付けることによ
つてミラーハウジング２をベース１に回動傾倒可
能に軸支する。この時、スペーサー３は、該表面
に設けたストツパー５１がミラーハウジング２内
の嵌合凹部２４の上壁２４ａに設けた係止孔２４
ｃに係止された固定部材５と共に、ミラーハウジ
ング２の回転と同調する。このように組付けられ
た可倒式アウトサイドミラーのミラーハウジング
２を第２図に示す如く、強制的に前後方向（矢
印）に回動傾倒すると、ボールベアリング３４は
固定部材５によつて下方に押され、それにともな
つてスペーサー３もスプリング４を収縮させ、全
体を環状凹部１４内に沈め込む。従つて、ミラー
ハウジング２は定位置は無論回動傾倒時において
も常時摺接壁２２が支持部１１の表面に摺接して
いる。

【考案の効果】

本考案は、上記構成を有するため、次のような
効果を奏することができる。 (1) 自動車の輸送時或いは衝撃によつてミラーハ
ウジングがベースに対して回動傾倒した時に、
ミラーハウジングは、摺接壁を常時ベースの支
持部表面に摺接した状態で回動傾倒するためミ
ラーハウジングがベース自体から浮き上がり、
上下に揺動してミラーハウジング自体やベース
を損傷することもなく、又、回動傾倒の障害と
なることもない。 (2) ミラーハウジングとベースとは摺接壁と支持
部とによつて常時大きな接触面にて支持されて
いるため、振動等によつてミラーハウジングが
ぶれたり、視認性を低下させることも少ない。 (3) ミラーハウジングの嵌合凹部とベースの突起
との間に固定部材を配設したため、ミラーハウ
ジングを合成樹脂等にて成型した場合であつて
も、嵌合凹部がボールベアリング等によつて安
定して寸法精度を低下させることなく、常に安
定して軸支することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の可倒式アウトサイドミラーを
示した正面図、第２図はミラーハウジングの回動
傾倒状態を示し、第１図のＡ−Ａ線断面図、第３
図は第２図の一部を省略したＢ−Ｂ線断面図、第
４図、第５図は従来例を示したもので、第４図は
要部断面図、第５図は要部分解図である。 １……ベース、１１……支持部、１２……取付
部、１３……突起、１４……環状凹部、１５……
回転中心軸、２……ミラーハウジング、２２……
摺接壁、２４……嵌合凹部、３……スペーサー、
３４……ボールベアリング、３５……押え凹部、
４……スプリング、５……固定部材、６……ミラ
ー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ベース１を、車体への取付部１２と該取付部１
   ２に連続し略水平方向に突出して形成する支持部
   １１とにより略逆Ｌ字状に構成し、前記ベース１
   の支持部１１に回転中心軸１５を立設した環状凹
   部１４を有する突起１３を設けると共に、開口に
   ミラー６を配設したミラーハウジングに前記支持
   部１１に摺接する摺接壁２２とこれに連続し前記
   突起１３が嵌合する嵌合凹部２４を設け、該嵌合
   凹部２４の上壁２４ａには、前記回転中心軸１５
   の貫通孔２４ｂが穿設されると共に内面に形成し
   た係止孔２４ｃに固定部材５のストツパー５１を
   係合して固定部材５が取付けられると共に、前記
   固定部材５を前記回転中心軸に回転可能に挿入
   し、該固定部材５の下部における前記環状凹部１
   ４内に前記回転中心軸１５にスライド可能に且つ
   回転不能に挿入するスペーサー３を配し、該スペ
   ーサー３の上面および前記固定部材５の下面にそ
   れぞれ押え凹部３５および嵌合凹部５２を形成し
   てボールベアリング３４を挿入し、該ボールベア
   リング３４を前記固定部材５側に押圧するスプリ
   ング４を前記スペーサー３および前記環状凹部１
   ４の底部間に縮設し、前記ボールベアリング３
   ４、スプリング４、スペーサー３および固定部材
   ５によつてデイテントを構成したことを特徴とす
   る可倒式アウトサイドミラー。