JP2561529B2 - 静電塗装ヘッド洗浄方法及び洗浄装置 - Google Patents
静電塗装ヘッド洗浄方法及び洗浄装置Info
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Description
及び洗浄装置,例えば,カップ状回転霧化頭を有し,該
霧化頭の回転放出縁より静電霧化し,被塗物を塗装する
静電塗装装置の洗浄方法及び洗浄装置に関し,さらに詳
しくは,特に水性塗料を用いる静電塗装装置において,
該霧化頭への高電圧の印加を中断することなく,該霧化
頭を安全かつ効率よく洗浄する方法に関するものであ
る。
剤型塗料は溶剤を大気中に大量に揮散させ,大気汚染や
作業環境の悪化の原因となるので,水性塗料の使用が検
討され,特に静電塗装への水性塗料の適用が行われるよ
うになってきている。
系)を霧化するノズル,ベル,スプレーガン,ディスク
等の静電塗装ヘッドに該塗装液の固着物(半乾燥物ない
し乾燥物)が形成され成長する。成長した固着物は,塗
装液の噴霧化を妨げ塗膜にむらを生じさせ,あるいは被
塗装体に付着する等して塗膜に外観不良を引き起こし塗
膜の品質を著しく低下させる。そのため,前記固着物
は,成長して塗膜に外観不良を引き起こす前に,静電塗
装ヘッドに水や温水や固着物を溶解する液を直接供給し
て取り除かれていた。実公昭62−31174号公報では被塗
装物周辺に設けた液膜形成板に水や温水を流して固着物
の成長を防ぐ噴霧塗装装置が提案されている。
る液を直接供給する場合,短絡を防止するために静電塗
装ヘッドに印加する高電圧電源を切断しなければなら
ず,さらに水や温水による洗浄では大量の水が必要であ
ること,洗浄速度が遅い等の問題があり,これらの結果
静電塗装ヘッドの洗浄に時間がかかりすぎていた。
を行なうおそれもあり安全性の点で問題があった。
する静電塗装装置の問題点及びその問題点に対する従来
の対策について詳述する。
静電塗装装置において,塗料供給ノズルより塗料受部に
供給された塗料は上記カップ状回転霧化頭の回転によっ
て生ずる遠心力により薄膜状となり、回転放出縁より放
出霧化させている。このような静電塗装方法を用いて
(揮発性の溶媒に富み,しかも沸点のコントロールが困
難な)上述の水性塗料を霧化すると,従来次のような問
題を生ずるものであった。
する場合に,霧化頭内部空間に減圧状態が生じ,空気が
該霧化頭内部空間に巻き込まれる現象(エアポンピング
現象と呼ぶ)が起こる。この時回転放出縁より放出され
た水性塗料の微粒化液滴の一部は該霧化頭内部空間に巻
き込まれる空気に同伴され,該霧化頭の内周面に付着す
るが,水性塗料の薄膜が形成されていない内周面におい
ては,付着した液滴中の水分が蒸発し,該塗料液滴が半
乾燥ないし乾燥して該霧化頭に固着した固形成分の固着
物が析出する。このよう状況で長時間連続的に水性塗料
を霧化し続けると,固形成分が次々と析出,蓄積し法線
方向に成長しついには薄膜状となり流出する水性塗料の
流れを防げるようになる。さらに霧化を続けると,流れ
が阻害された内周面の放出縁側に同様に液滴が付着し固
形成分が析出するようになり,ついには放出縁まで析出
が成長する。従って薄膜状になりながら放出縁に導かれ
る過程において水性塗料は均一な薄膜を形成することが
できず塗装機に使用した場合には霧化された水性塗料の
粒径が大きくなり,塗装品質を低下させるという欠点を
生じさせ,さらにエアモーターを使用する塗装機の場
合,析出した固形成分のため,霧化頭の回転数が低下
し,同様の欠点を生じさせていた。
出された水性塗料の微粒化液滴の一部が,少なからず付
着し,固形成分が法線方向に析出,成長し時には被塗物
に付着し,塗装品質を低下させるという欠点を生じさせ
ている。
660号,特開昭57−24661号,特開昭57−24672号,特開
昭57−24673号,及び特開昭57−24674号の各公報では回
転放出縁より水性塗料を静電霧化し,静電塗装するにあ
たって,カップ状回転霧化頭に,水,加温水,水溶解性
の溶剤,溶剤,水と溶剤の混合液等を供給して回転カッ
プの洗浄を行うことを特徴とする静電塗装装置及び方法
が開示されている。
浄時に,回転カップに印加される印加電圧が遮断される
と同時にアース装置によって自動的にアースされるよう
にした洗浄方法及び装置を改良し,回転カップに帯電し
た電荷を火花を発生させることなく放電させ,洗浄する
方法及び装置が開示されている。
いては多数知られており,実開昭61−106360号,実開昭
61−106361号,実開昭61−106362号等の各公報に開示さ
れている。
カップに印加された高電圧を一度遮断する必要があり,
洗浄のトータル時間を長くするのみでなく,連続的に塗
装する場合や,連続的に走行する被塗物に塗装する場合
には,時間当りの生産数量の低下あるいはロスの増大が
起り,非効率的である。
であって,その目的は上記従来の技術の欠点を解消した
静電塗装ヘッドの洗浄方法及び洗浄装置を提供すること
にある。すなわち,本発明の目的は,該霧化頭等の静電
塗装ヘッドの洗浄時間を短くし,静電塗装装置における
生産効率の低下,あるいは洗浄時に発生するロスの増大
を防止する洗浄方法及び洗浄装置を提供することにあ
る。
法及び洗浄装置により達成できる。
の固着物に対し加圧水蒸気噴出流を吹付け,該塗装液の
固着物を除去する静電塗装ヘッド洗浄方法。
出流を供給する水蒸気噴出流供給口を設けた静電塗装ヘ
ッド洗浄装置。
洗浄方法について静電塗装装置の静電塗装ヘッドに付着
した塗装液の固着物に対し吹付ける「加圧蒸気噴出流」
は「加圧水蒸気噴出流」のことをいい、本発明の静電塗
装ヘッド洗浄装置について静電塗装装置の静電塗装ヘッ
ドに対し供給する「加圧蒸気噴出流」は「加圧水蒸気噴
出流」のことをいうと共に「蒸気噴出流供給口」は「水
蒸気噴出流供給口」のことをいう。
に水系)の固着物に供給する加圧蒸気噴出流は,静電塗
装ヘッドに印加されている電圧を越えた絶縁破壊電圧を
有するので,静電塗装ヘッドに電圧が印加されている場
合でも該蒸気噴出流に電流が流れない。また,該蒸気噴
出流は,該塗装液(特に水系)の固着物より高温にでき
るので,該蒸気流より低温の該塗装液の固着物に供給さ
れると凝縮し液化する。該液体は,該塗装液の固着物に
しみ込み,該塗装液の固着物は,湿潤し液状化し,静電
塗装ヘッドから除去され易い状態になり,蒸気噴出流の
噴出エネルギによって除去される。
2(ゲージ圧)とする。
に接する配管部分は電気絶縁性材料から成り,静電塗装
ヘッドの前面(端面)及び背面に対し加圧蒸気噴出流を
夫々別個に供給する2以上の蒸気噴出流供給口を設け,
蒸気噴出流供給口の移動手段を設ける。
としては,高速度で回転可能な回転軸の前端部に具備さ
れるカップ状回転霧化頭に塗料を供給し,該霧化頭の回
転遠心力にて該霧化頭の内周面に該塗料の薄膜を形成す
ると共に,該霧化頭に高電圧を印加して,薄膜状の該塗
料を該霧化頭の回転放出縁より霧状にして飛散させ,被
塗物に付着させる静電塗装装置を用いる。その前記霧化
頭に固着した固形成分に対して,加圧水蒸気を吹き付け
前記固形成分を前記霧化頭から除去する。より好ましく
は,さらに続いて,該加圧水蒸気を供給する導管に低湿
空気を供給して該霧化頭の洗浄を完了する。
化頭の一般的な構成と水性塗料を微粒液滴にし回転放出
縁より放出し被塗物に塗装する時に問題となる該霧化頭
への該微粒化液滴の付着及び固形成分の析出について第
3図で詳細に説明する。
有し,その端部43は円環状に開口している。霧化頭本体
41はベルリムとも呼ばれ,霧化頭本体41の内部には,一
端を円環状に開口した管状部材からなる被噴霧液体受部
(ベルハブ)44が固定されている。
グ(図示せず)を埋設すると共にベルハブ44の背面には
霧化頭本体41を固定するためのネジ(図示せず))が数
本設けられ,これによって霧化頭本体41とベルハブ44と
は中心線を共通にして一体化させている。ベルハブ44は
先端部45を支柱46で支え,一方先端部45は,その一部を
固定用ボルト47で形成している。固定用ボルト47は回転
軸48とベルハブ44とを中心軸上で固定している。
で支えられた円環形スリット流出口(図示せず)が形成
されている。
ノズル50によりベルハブ44の内周面49に塗料が供給され
ると,霧化頭本体41の回転によって生ずる遠心力によ
り,内周面49に沿って薄膜状塗料が形成される。次にこ
の薄膜状塗料は円環形スリット流出口を経て流出し,霧
化頭本体41のコーン状内周面42に至り,更に薄膜化され
て進み,その端部43(回転放出縁とも言う)より霧化さ
れ放出される。
空間に減圧が生じ,空気が霧化頭内部に巻き込まれる現
象すなわちエアポンピング現象が発生する。かかるエア
ポンピング現象は,霧化頭本体41の端部43から霧化され
て放出された水性塗料の微粒化液滴の一部を同伴して巻
き戻し,ベルハブ44の先端部45の表面に付着・蓄積を連
続的に生じせしめる。このようにして付着・蓄積した水
性塗料の微粒化液滴は,該霧化頭の高速回転により法線
方向に成長しながら乾燥され,固形成分が析出する。こ
の固形成分の蓄積体は霧化頭の回転にとって過負荷とな
る場合があり,その時は霧化頭の回転数低下となり,塗
装品質に悪影響を及ぼす。また該蓄積体の一部が飛び出
し被塗物に付着した時は同様に塗装品質に悪影響を及ぼ
す。
形スリット流出口から流出する薄膜状水性塗料の流れを
阻害するようになり,コーン状内周面に微粒化液滴の付
着が起り,該コーン状内周面においても同様のことが起
こる。
を円環状に吹き出し,放出された微粒液滴をその中に閉
じ込める(シューピングという)方法があるが,加圧空
気吹き出し方あるいは量によっては,端部43の裏面に微
粒液滴が付着し,固形成分が析出する。この時も同様に
法線方向に蓄積体は成長し,一部が飛び出したりするの
で,塗装品質に影響を与える。
安全かつ効率よく除去する方法を鋭意検討した結果,水
性塗料を用いる該霧化頭に加圧水蒸気を吹き付け洗浄
し,次いで該加圧水蒸気を導管で供給する場合には好ま
しくは該導管に低温空気を供給する方法を見い出し,本
発明を完成するに至った。
て,該霧化頭に印加されている高電圧を中断することな
く,該蓄積体の除去を可能にしたことを見い出した点に
ある。
分な程度の圧力でよく,「噴出」効果上0.1kg f/cm2以
上あればよい。上限は特にないが,実用上10kg f/cm2程
度以下でよい。
又は溶解し易い温度であれば良い(通例100℃以上)。
(110℃以上,さらには120℃以上にすることは好まし
い。) 前記蒸気噴出流は通常飽和蒸気で足りるが,蒸気噴出
流供給口を出た後過飽和状態の蒸気噴出流や若干の水分
を混合している飽和蒸気(湿り蒸気)となっても良い。
本発明の洗浄装置においては,少なくとも蒸気噴出流供
給口より上流の配管を流れる時に絶縁性があれば良い。
に気体を混合することもできる。
ルにでき,また,蒸気噴出流供給口から上流の蒸気流に
接する配管部分の電気絶縁性材料としては,所定の電気
絶縁性及び耐熱性を有する材料であれば良く,例えば,
ポリエステル,ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリフ
ッ化エチレン系樹脂(テフロン),ブチルゴム,シリコ
ンゴム,フッ素ゴム,エチレンプロピレンゴム等の電気
絶縁性樹脂又はアルミナ,フォルステライト,ベリリ
ア,ムライト等の絶縁性セラミックが挙げられる。
を霧化するために静電塗装装置に備えられている静電塗
装ヘッドに適用でき,例えばノズル,ベル,スプレーガ
ン,ディスク等の種々の形態のものを挙げることができ
る。
プ状回転霧化頭6(回転軸方向の断面は第3図に示され
ている)及びその近傍(二点鎖線で示された部分)と,
本発明の洗浄装置の一態様(実施例で示された部分)を
示す概略図である。
概略四角柱状の蒸気噴出ノズルアッセンブリ3の,前記
霧化頭6に対応する一端に設けられている。蒸気噴出ノ
ズル1及び2は,夫々球関節継手を有するので,任意の
方向に蒸気噴出ノズル1及び2の噴出口を保ち蒸気噴出
流Sを供給することができる。
状のロッドレスエアシリンダ4のピストンと結合する部
材Cに接合している。ロッドレスエアシリンダ4のピス
トンと結合する部材Cは,ピストンの移動方向と平行に
該シリンダ4の側壁に穿たれた長手方向が少なくとも40
0mm以上のスリットからシリンダ4の外部に突出してお
り,このスリットに沿って往復運動する。従って,ノズ
ルアッセンブリ3は,第1図の矢印Lの方向に例えばス
トローク400mmで往復平行移動できる。そのため,後述
のように静電塗装装置と一体化して本発明の洗浄装置を
設けることができ,静電塗装時に邪魔にならない。ノズ
ルアッセンブリ3を案内する概略円筒状の案内ローラa
は,回転軸で固定され,ノズルアッセンブリ3は往復運
動を正確かつ確実に行なうことができる。
が霧化頭6の塗装液噴出中心軸と洗浄性の良い角度例え
ば50度で交わるように,また蒸気噴出ノズル2が霧化頭
6の背面に蒸気流を噴出するように,前記ノズルアッセ
ンブリのストローク及び蒸気噴出ノズル1及び2の噴出
口を調節する。
圧)の飽和蒸気流を,ミニベル形の霧化頭6に付着した
水系塗装液の固着物に供給し,該固着物を液状化して流
下ないし吹き飛ばして除去する。その後,噴出ノズル1
及び2は後述する蒸気・エア切替三方弁により霧化頭6
にエアを供給して霧化頭6ならびに絶縁配管内を乾燥・
冷却する。
動させる円筒状の前後移動機構部7に,該機構部7の表
面に沿って密着して設けられている固定部材d及びeを
介してつり下げられ固定されている。概略円筒状のノズ
ル回転用モータ5は,送液管を内蔵し霧化頭6の回転軸
を回転させる。
装体に噴霧する所定の位置で行なうこともできるが,被
塗装体に何ら影響を及ぼさないように被塗装体から霧化
頭6を離して洗浄を行なうこともできる。
ンダ4の駆動用配管は,夫々電気絶縁性のポリフッ化エ
チレン系樹脂(テフロン)チューブ配管である。
リンダ4に接続する蒸気・エア配管フロー図である。バ
ルブ21,蒸気ストレーナ22,圧力計23及び蓄圧ボックス24
を蒸気源上流から順に直列に有する配管Aは,蒸気・エ
ア切替三方弁(Lポート)25に接続する。配管Aは蒸気
源からの蒸気を供給する。蓄圧ボックス24には,スチー
ムトラップ26,及び該トラップ26と並列に接続するドレ
ーン除去ブローバルブ27を有する屋外ドレーン配管Dが
接続する。
方弁32,レマンドライフィルタ33及び蒸気逆流防止チェ
ッキ弁34をエア源上流から順に直列に有する配管Bは,
蒸気・エア切替三方弁25に接続する。配管Bはエア源か
らのエアを供給する。
蒸気噴出ノズル1及び2と接続する配管Cに洗浄用蒸気
又は乾燥用エアを供給できる。洗浄完了後に,配管Cか
ら蒸気噴出ノズル1及び2の内部にドレーンがたまらな
いように,好ましくは配管C以下の下流に乾燥除湿エア
を通す。
源からのエアが分割して流入する。配管F及びGは,ロ
ッドレスエアシリンダ4に接続する。配管Eは二位置四
方向制御弁35に接続しているので,配管Eのエアは該制
御弁35を適宜切替えることにより配管F又はGを経て該
エアシリンダ4に供給され,該エアシリンダ駆動用に用
いられ,その後配管F又はGを通って排出される。
軸方向の断面は第3図に示されている)を具備した静電
塗装装置の概略及び本発明の洗浄方法の実施に好適な洗
浄装置の概略を示す。
頭であって,第3図に示すように霧化頭本体41及びベル
ハブ44から構成され,エアモータ62の回転軸48の先端に
具備されている。エアモータ62に霧化頭61が具備された
塗装ヘッド部63は支持部材64によって固定されている。
エアモータ62は,高圧エア発生装置(図示せず)からの
高圧エアをエアホース65aを通じ,エアモータ62の供給
口66に供給すると共にエアホース65bから排気すること
により回転させられる。またエアモータ62には,シェー
ピング用に,円環状吹き出し孔67及びエア供給口68が設
けられると共に塗料を霧化頭に供給するための塗料供給
ノズル69が設けられている。
70を通して塗料供給ノズル69に供給され,霧化頭61へと
導かれる。エアモータ62には,高電圧発生装置(図示せ
ず)からの高電圧ケーブル71によって高電圧が印加さ
れ,エアモータ62の回転軸48を通して霧化頭61に高電圧
が印加される。塗装ヘッド部63からのリークを防止する
ため,エアホース65a,65c,ペイントホース70及び支持部
材64は,ポリプロピレン,ポリ塩化ビニル,ポリアセタ
ール,ポリエチレン,ポリテトラフロロエチレン,等の
絶縁材料が用いられるが,支持部材64を絶縁材料にする
ことが不可能な時には,支持部材64を固定する架台(図
示せず)を絶縁材料とし,支持部材64の周囲に絶縁空間
距離をとる方法がある。塗装ヘッド部63の周囲に絶縁空
間距離をとることは言うまでもない。
静電塗装を行うと,前述のように霧化頭61に水性塗料の
固形成分が析出し,蓄積する。
いて説明する。第4図に示すように,72は加圧水蒸気を
吹き付けるためのステンレスなどの金属製スプレーノズ
ル(即ち,蒸気噴出流供給口)であって,スプレーノズ
ル72には加圧水蒸気及び低湿空気を供給するためのホー
ス73が連結されている。ホース73はポリエステル,ポリ
エチレン,ポリプロピレン,ポリテトラフロロエチレ
ン,ポリ四フッ化エチレン,ブチルゴム,シリコンゴ
ム,フッ素ゴム,エチレンプロピレンゴム等の絶縁材料
が用いられるが,加圧水蒸気を供給することを考える
と,耐熱性の点からポリ四フッ化エチレン,ポリテトラ
フロロエチレン,フッ素ゴム等が望ましい。スプレーノ
ズル72は霧化頭61の内周面及び端部43の裏面に同時に加
圧水蒸気を吹き付けられるように2ケ所に設けられてお
り,それぞれアーム74に固定されている。スプレーノズ
ル72の吹き出し方向はそれぞれ霧化頭61の内周面の中心
及び端部43の裏面に向けられている。
ダー(図示せず)の作動により洗浄時には前進,終了時
には後退ができる。
それぞれ上述のような方向となり,後退した時は静電塗
装に影響を及ぼさない位置となる。アーム74が前進し停
止する位置は,常に同じであることが,スプレーノズル
72の方向を固定でき,それによって設備のシンプル化が
可能となるので好ましい。
た水性塗料の固形成分を除去し再び塗装を続けるにはま
ず水性塗料の供給を停止し,アーム74を前進させる。次
いで加圧水蒸気をホース73に供給し,スプレーノズル72
より吹き出させ,固形成分を除去し,ただちに低湿空気
を該ホース73に供給し該ホース73内の水分を除去すると
同時にアーム74を後退させる。最後に再び水性塗料を供
給すれば塗装は開始される。これらの一連の操作は自動
的に行われるのが好ましい。
に支障がない場合は,時間短縮の点から,連続して供給
する方が好ましい。また塗装ヘッド部63に印加している
高電圧については,この一連の操作中リークは起らない
ので,高電圧の印加を中断する必要はなく,高電圧を連
続して印加できる。従って,時間短縮の点で極めて有利
である。
くは0.1〜4kg f/cm2ゲージ圧(より好ましくは0.2〜2kg
f/cm2ゲージ圧)であり,圧力が低すぎると固形成分の
除去効率は著しく低下し,また圧力が高すぎてもそれほ
どの効果は期待できず,危険をともなうのみである。
きつけると,固形成分が除去されるのは,固形成分は本
来水に可溶であり,一般に例えば水蒸気が凝縮してでき
た高温の水に対してはさらに可溶化されること,高速で
回転している霧化頭61に水蒸気を吹きつけることにより
物理的な固形成分の剥離が起ること等の相乗効果による
ものと考えられる。そのため,本発明の方法は,非水性
塗料の固形成分に対しても適用できる場合があると考え
られる。
装ヘッド部63に加圧水蒸気をスプレーノズル72より吹き
つけている時のホース73は,その中に蒸気が満たされて
いるが,このホース73からリークは起らない。これは,
スプレーノズル72は,高電圧が印加されている霧化頭61
との間にある程度距離が保たれているため,スプレーノ
ズル72の先端と霧化頭61の間には蒸気のみでなく,絶縁
体である空気が存在すること,ホース73を絶縁材料にし
ていること,スプレーノズル72を設けているアーム74も
同様に絶縁材料にしていること,加圧水蒸気は体積抵抗
率が約107Ω・cmの蒸溜水が気体になったものであると
考えられること,等の相乗効果により,絶縁破壊以下に
なっているためと考えられる。
ち,ホース73に水蒸気が凝縮するのを防止するため,た
だちに低湿空気を供給して水分を除去する。低湿空気の
露点としては0℃以下,好ましくはマイナス4℃以下が
望ましく,供給時の圧力は0.1〜5kg f/cm2ゲージ圧,好
ましくは0.3〜3kg f/cm2ゲージ圧が望ましい。
切換える方法の概略を第5図に示すフローを用いて説明
する。
76aを通り,ドレインエリミネータ77に入る。またドレ
インエリミネータ77を保温するための加圧水蒸気は,蒸
気源75から圧力調整バルブ76bを通り,保温ジャケット7
8に入り,ドレインエリミネータ77を保温する。この時
それぞれの加圧水蒸気は圧力調整バルブ76a,76b,圧力計
79a,79bにより適正に圧力が調整されるが,保温ジャケ
ット78に供給される加圧水蒸気の圧力は0.5〜5kg f/cm2
ゲージ圧が好ましい。
はそこでドレインが分離され,3方切換バルブ80及びホー
ス74を通り,スプレーノズル72から吹き出される。
したドレインはドレインバルブ81a,81bにより系外へ排
出される。
調整バルブ76c及び圧力計79cにより適正に圧力が調整さ
れ,フィルター83及び逆止バルブ84を通り,3方切換バル
ブ80に至る。この3方切換バルブ80により,加圧水蒸気
または低湿空気の選択を行い,ホース74及びそれに続く
スプレーノズル72に供給される。加圧水蒸気の後に3方
切換バルブ80を切換え,低湿空気をスプレーノズル72に
供給すると,ホース中の水分は除去される。
てきたが本発明の効果を一層明瞭にするために,以下に
その実施例を掲げる。この実施例は何ら本発明の範囲を
制限するものではない。
0.05cm,流量8.6kg/hr)によりカップ状回転霧化頭形
(ベル型)の水系塗装液塗装ヘッド(直径5cm,印加電圧
−80kVの洗浄を行なった。洗浄用の蒸気噴出流は,飽和
蒸気,圧力3kg f/cm2(ゲージ圧),温度132℃であっ
た。
浄した場合2〜3分要したが,前記自動洗浄装置によれ
ば20秒で洗浄できた。
コープで観察したところ,析出蓄積した固形成分は完全
に除去されていることが分かった。また洗浄完了後の霧
化液滴の平均スポットサイズは,塗装開始時と変わらな
い。
ど同じであった。
を用い,下記の条件で静電塗装を実施した。
ト−アクリル酸ソーダ(重量比68:20:12(仕込量比))
共重合体ポリマー水性液(固形分濃度10%) 水性塗料の送液量 毎分50ミリリットル 静電塗装ヘッドへの印加電圧 −90キロボルト 霧化頭回転数 毎分30,000回転 塗装の開始直後の霧化液滴の平均スポットサイズは約
30ミクロンであったが,ただちに固形成分の析出(霧化
頭へ付着した塗料の乾燥による霧化頭への塗料成分の固
着)がみられ,約1時間後には霧化頭内周面に水性塗料
の薄膜を形成するのは困難となると同時に霧化頭の回転
数も毎分約24,000回転まで低下し,霧化液滴の平均スポ
ットサイズが約60ミクロンと大きくなると共に約300ミ
クロンのスポットも発見され塗装品質の低下をもたらし
た。そこで,第5図に示すようなフローを用い,次の条
件で霧化頭の洗浄を実施した。
圧 スプレーノズル〜霧化頭間距離 約100ミリメートル なお,水性塗料の供給及び高電圧の印加は中断するこ
となく連続して実施した。
ろ,析出・蓄積した固形成分は完全に除去されているこ
とがわかった。また洗浄完了後の霧化液滴の平均スポッ
トサイズは約30ミクロンであった。さらに洗浄中におけ
るリーク電流も洗浄前後とほとんど同じであった。
ジ圧にした以外は実施例2と同様の塗装及び洗浄を実施
したところ実施例2と同様の結果が得られた。
れぞれ0.1kg f/cm2ゲージ圧,20秒にした以外は,実施例
2と同様の塗装及び洗浄を実施したところ,霧化頭内周
面には一部固形成分の蓄積が残っていたが,洗浄完了の
霧化液滴の平均スポットサイズ及び洗浄中におけるリー
ク電流は実施例2と同じであった。
電塗装装置の静電塗装ヘッドに印加する高電圧電源を切
断しなくとも短絡なしに静電塗装ヘッドの洗浄(霧化液
滴が霧化頭に付着し析出・蓄積した固形成分の固着物の
除去)ができるので,洗浄を短時間で行なうことができ
る。即ち,前記高電圧電源の切断が不要であるから,つ
まみを回して電圧を再設定する高圧再投入,及び電圧の
安定化が不要となり短時間でかつ安全に(高電圧電源を
切断しないにもかかわらず)静電塗装ヘッドを洗浄でき
る。特に,連続走行する長尺帯状体を塗装するヘッドの
場合,該ヘッドを洗浄すると該帯状体は塗装されずロス
になるが,本発明はこのロスを最小にとどめることがで
きる。このように,静電塗装装置の稼働率を向上させる
ことができる。また,本発明の洗浄装置は,容易に自動
装置化できるので,人身の安全をより一層図ることがで
きる。
る。第2図は第1図の洗浄装置の蒸気・エア配管フロー
図である。第3図は静電塗装装置の霧化頭6,61の回転軸
方向の断面図である。 第4図は静電塗装装置の塗装ヘッド近傍及び本発明の洗
浄装置の一態様を表す概略図,第5図は第4図に示され
た洗浄装置のための加圧水蒸気及び低湿空気のフローの
概略図である。 1,2……蒸気噴出ノズル 3……ノズルアッセンブリ 4……ロッドレスエアシリンダ 41……霧化頭本体,42……コーン状内周面 44……ベルハブ,45……先端部 6,61……霧化頭,62……エアモータ 63……塗装ヘッド,71……高電圧ケーブル 72……スプレーノズル,73……ホース 75……蒸気源 77……ドレインエリミネータ 80……3方切換バルブ,82……低湿空気源
Claims (2)
- 【請求項1】静電塗装装置の静電塗装ヘッドに付着した
塗装液の固着物に対し加圧水蒸気噴出流を吹付け、該塗
装液の固着物を除去することを特徴とする静電塗装ヘッ
ド洗浄方法。 - 【請求項2】静電塗装装置の静電塗装ヘッドに対し加圧
水蒸気噴出流を供給する水蒸気噴出流供給口を設けたこ
と特徴とする静電塗装ヘッド洗浄装置。
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