JPS5829150B2 - 噴霧装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、例えば通常の塗装及び静電塗装等に使用され
る噴霧装置に関する。

現在広く使用されている静電塗装における噴霧装置には
、（１）例えば一定速度で回転される円形の回転体に薄
膜状に塗料を供給し、円形の先端部と被塗装物との間Ｏ
こ直流高電圧を印加、電気力で霧化し被塗装物上に塗料
粒子を沈着させる手段がある。

また、他の噴霧装置として（２）環状のオリフィスに塗
料を供給し、その外周に圧縮空気を供給して気流（こて
霧化し、被塗装物と該オリフィス端に直流高電圧を印加
して被塗装物に沈着させる手段が耐着効率の優れた静電
塗装装置として広く使用されている。

しかしながら、（１）円形回転体の電気霧化手段（こ於
ては、塗料が円形回転体面を薄膜状に拡がり気中に露出
されて乾燥固着するため、稼働休止毎に、円形回転体の
塗料の膜状流出面を洗浄する必要があり、短時間で塗料
の色替えが困難であり、また電気力で霧化が成されるた
め、低抵抗値の水溶性塗料等に於ては、十分な霧化が得
られず実質的に静電気力による塗装効果は得られない。

又、上述した（２）のオリフィスによる気流霧化で噴霧
装置は、第１図及び第２図に示されるように、噴霧本体
ａの圧縮空気の集束気流が中心部に巻き込まれる気流を
発生するため、噴霧器頭部すに塗料粒子が堆積し、長時
間に亘って稼働すると、大きな粒塊物に成長し、粗い粒
子となり、これが被塗装物Ｗに沈着し、塗装不良の原因
となるばかりでなく、塗料出口のオリフィスを塞ぎ、噴
霧粒子のパターンを変形させるので、度々ノズル頭部す
を洗浄して使用しなければならない。

一般（こ、気流霧化手段Ｇこよる水溶性塗料等の低抵抗
値の塗料の霧化は圧縮空気の圧力を増大させるか、塗料
を加温し、塗料の表面張力を小さくする事により、可能
であるが、静電塗装に於て気流の速度を増大させること
は、耐着効率を低下させることになり、効率の良い静電
塗装が困難である。

液体微粒化過程は、近時多くの研究発表が成されており
、円形回転体の電気霧化の場合、円形の端部までは液膜
が形成され端部より延びたところにリガメント（液柱）
が発生し、これが電気力により振動を与えられて、網状
の分裂することは知られている。

他方、上記オリフィス手段気流による液膜の霧化の場合
も圧縮空気圧の増大により、オリフィスから噴出された
液膜は、オリフィス端部でカスプ（突起）を発生し、網
状の分裂となる明らかとなった。

塗料の供給量を一定にした場合、円形回転体の場合は印
加電圧が定まれば、回転数の増大によりリガメントの発
生数は多くなり、気流による霧化の場合も圧縮空気圧の
増大Ｇこより、カスプの発生は多くなる事が実験的に知
られている。

しかしながら回転数の増大も限度があり、圧縮空気の増
大も機構の制限があるため、カスプの発生数は、倒れも
液膜流出端での塗料固有の表面張力により限定される。

本発明は、上述した点に鑑み、噴射本体内にラッパ状の
開口部を形成した導電材によるガイド筒体を設け、この
ガイド筒体内に旋回流路を形成するようにした旋回形成
体を挿着し、上記開口部に位置する上記旋回形成体の自
由端部に複数の接線溝を形成し、上記ガイド筒体の外が
わに塗料案内筒体を塗料流路を形成するようにして同心
的に設け、この塗料案内筒体の外がわ（こ気流ガイド筒
体を気体流路を形成するようにして挿着し、上記塗料流
路を形成する上記案内筒体の開口部に複数の塗料分配片
及び貯溜部を形成し、上記開口部の先端縁を上記ガイド
筒体の開口部よりも僅かに外方へ突出して設け、これに
より高電圧による静電場内で、上記塗料流路の開口部か
らの塗料を、上記旋回気体流路と上記気体流路の各流体
によって液膜から表面張力を小さくした状態で微粒化し
、低圧気流で微細な霧化を増大し霧化効率を向上し得る
ようにしたことを目的とする噴霧装置を提供するもので
ある。

以下、本発明を図示の一実施例０こついて説明する。

第３図乃至第７図において、符号１は、静電塗装機にお
ける塗装装置の絶縁材による噴射本体であって、この噴
射本体１の基部１ａｔこは絶縁材による筒体２が連設さ
れており、この筒体２及び噴射本体１内（こはラッパ状
の開口部３ａを形成した導電材によるガイド筒体３が気
体供給管４に連通して設けられている。

又、上記筒体２内には高電圧発生器（図示されず）に接
続した高圧ケーブル５が設けられており、この高電圧ケ
ーブル５は、スパーク発生を抑制するための電流制限用
高抵抗値を有する抵抗器６、端子７、コイルはね８、球
体９を介して上記−次気流ガイド筒体３に外接され、更
に後述の塗料分配片１４を介して塗料ガイド筒１２に接
続されている。

従って、上記塗料の一次気流ガイド筒体３の開口部３ａ
の先端は高電圧による静電場を形成するようになってい
る。

さらに、上記ガイド筒体３内には、第５図及び第６図に
示されるように、旋流形成体１０が旋回気体流路１１を
形成するように嵌装されており、この旋回気体流路１１
は旋流形成体１０の截頭円錐をなす自由端部に複数の接
線溝１１ａを形成したものである。

従って、上記−次気流供給管４から流入した一次気流は
、上記旋回形成体１０の旋回気体流路１０の各接線溝１
１ａから上記ガイド筒体３のラッパ状をなす開口部３ａ
のラッパ面３ｂに層流を形成して噴射されるようＯこな
っている。

一方、上記−次気流ガイド筒体３の外がわには塗料ガイ
ド筒体１２が塗料流路１３を形成するようＧこ同心的に
設けられており、この塗料ガイド筒１２の先端の円錐部
１３ａと一次気流ガイド筒３の円錐部３ａの円錐角は、
−次気流の渦流層を効果的に塗料液膜に衝突させるため
に、円錐部１３ａよりも円錐部３ｂの円錐角の方を小さ
くすることが望ましい。

この塗料案内筒体１２の開口部１２ａ（こは、第３図及
び第４図に拡大して示されるように、複数の塗料分配片
１４及び貯溜部１５が形成されている。

さら（こ、上記塗料案内筒体１２の開口部１２ａの先端
部は、上記ガイド筒体３の開口部３ａよりも僅かに外方
へ突出して設けられている。

従って、上記塗料流路１３の開口部１３ａからの液膜塗
料が上記ガイド筒体３の開口部３ａから噴出する旋回渦
流によって波状の液膜振動を付加して、第７図Ｇこ示さ
れるように形成されて霧化塗料を生成するよう（こなっ
ている。

又、上記塗料案内筒体１２の外がわ（こは二次気流ガイ
ド筒体１６が気体流路１７を形成するように嵌装されて
おり、二次気流ガイド筒体１６の内面にはへリフイド溝
１６ａが形成され、二次気流は一次気流と同一旋回方向
の旋回流を形成するようになっている。

又この気流ガイド筒体１６の基部１６ａは、継筒１８と
一体のフランジ部材１９を介して上記噴射本体１に止ナ
ツト２０で取り外しできるように螺着されている。

さらに又、上記噴射本体１の一部には塗料供給管２１が
上記塗料流路１３Ｉこ連通し得るようにして設けられて
おり、上記塗料供給管２１の対岨位置の上記噴射本体１
には二次気流供給管２２が上記気体流路１７に連通し得
るようにして附設されている。

なお、上記ガイド筒体３の中程にはスパナ掛はナツト２
３が設けられており、このスパナ掛ナツト２３を緩める
ことＯこより、ガイド筒体３の開口部３ａを清掃できる
ようになっている。

従って、今、塗料供給管２１から液体塗料を圧送すると
同時に、−洗気流供給管４及び二次気流供給管２２から
圧力気流を圧送する。

すると、旋回気体流路１１の気流は各接線溝１１ａによ
り強制的に旋回過流を形成して、ガイド筒体３のラッパ
面３ｂに沿って旋回しながら層流を形成して円錐状に噴
射される。

又塗料流路１３？こ供給された圧力塗料は、各塗料分配
片１４及び貯溜部１５へ一旦、貯溜されるも、塗料流路
１３の開口部１３ａへ圧送されて環状に均−Ｇこ膨出す
る。

しかして、この開口部１３ａの膨出した塗料は、上記旋
回気流が塗料ガイド筒１２の円錐面に衝突するため局部
的に振動した薄液膜となり、第７図に示すように、カス
プ（突起）となって微細噴霧過程遷移領域の直前の状態
となる。

なお、この場合−洗気流は膨出した塗料に波立ちを励起
させる程度でよく、微粒化を伴う圧力まで上昇させる必
要はない。

また旋回流形成体１０の先端の接線溝１１ａは、溝数は
少ない方が旋回流に濃淡を生じ、膨出塗料に波立ちを励
起させるのに効果的である。

さらに二次電流は空気圧縮器（図示してない）より二次
気流供給管２２を通り、二次気流ガイド管１６の内面（
こ供給され、ヘリコイド溝１６ａにより一次気流と同一
方向の旋回流となり、高圧ケーブル５より供給された高
電圧の放電域である塗料ガイド筒１２の先端で振動液膜
のカスプを吸引微細粒子（こ分裂し、同時に帯電した粒
子を一次気流と合成された方向に旋回されながら噴霧し
、帯電粒子は接地された被塗装物に塗着する。

因に本発明の第３図に示される実施例における噴霧器の
使用塗料はビニール・エマルジョンペイントを蒸溜水で
薄め粘度をホードカップ＃４４０秒にて、二次気流空気
圧１．５時／７、塗料吐出量２５ ｃｃ／ｍｘにて印加
電圧８０ＫＶＰにて、−洗気流と二次気流を共に噴出印
加電圧を８０ＫＶＰにて、−洗気流と二次気流を共に噴
出した場合と、二次気流のみの場合と比較した実験結果
は、−洗気流、二次気流を共に噴出した場合、噴霧器頭
部の塗料粒子の堆積は認められず、カスプの発生が多く
認められ、平均粒子径粒径分布共に小さく良好な噴霧が
得られた。

また気流ガイド筒１６の先端及び−吹気流ガイド筒体１
２の先端のギャップを０．３７１ｍと１ｍの場合−次気
流二次気流共に噴出して平均粒子径を比較した場合、そ
の差は殆んど認められず、塗料流出オリフィスを大きく
できることが判明し、塗料オリフィスの目詰りが解消さ
れた。

またアミノポリエステル塗料で固形分７５％の高不揮発
分塗料においても同様の効果が得られ、比抵抗を５０Ｍ
Ω−のと大きくできるため、高電圧による液膜振動と、
−洗気流Ｏこよる液膜振動の相乗効果により、水溶性塗
料の場合より二次気流は低空気圧で良好な噴霧粒子が得
られる。

次に、第８図に示される実施例は、本発明の他の実施例
であって、これは旋流形成体１０の先端部に帽体１０ａ
を形成し、これ（こより塗料流路１３からの圧力塗料に
波状の振動液膜を形成するようにして、第７図に示す如
く、多数のカスプと生成して静電場内で帯電した均一な
塗料微粒子として噴霧化するようにしたものであり、実
質的には、上述した具体例と同一内容をなすものである
。

又、第９図に示される実施例は、本発明のさらに他の実
施例であって、これは旋流形成体１０の先端部に扁平な
傘部１０′ａを形成し、これにより塗料を扁平な放射状
を示す霧化パターンを形成するようにしたものであり、
実質的ζこは上述した具体例と同一内容をなすものであ
る。

以上述べたように本発明によれば、噴射本体１内にラッ
パ状の開口部３ａを形成した導電材によるガイド筒体３
を設け、このガイド筒体３内に旋回流路１１を形成する
よう（こした旋回形成体１０を挿着し、上記開口部３ａ
に位置する上記旋回形成体１０の自由端部Ｑこ複数の接
線溝１１ａを形成し、上記ガイド筒体３の外がわに塗料
案内筒体１２を塗料流路１３を形成するようにして同心
的に設け、この塗料案内筒体１２の外がわに気流ガイド
筒体１６を気体流路１７を形成するようにして挿着し、
上記塗料流路１３を形成する上記案内筒体１２の開口部
１２ａに複数の塗料分配片１４及び貯溜部１５を形威し
、上記開口部１２ａの先端縁を上記ガイド筒体３の開口
部３ａよりも僅かに外方へ突出して設け、高電圧による
静電場内で上記塗料流路１３の開口部１３ａからの塗料
を、上記旋回気体流路１１と上記気体流路１７の各流体
によって、波状を形成した液膜をカスプに生成し、膨出
した塗料に波立ちを励起し得るよう（こなり、低圧気流
でも均一な塗料粒子に霧化し得るばかりでなく、噴霧器
頭部の汚染がなくなり、しかも度々洗浄を行う必要もな
い。

さらに又本発明では、色替が容易であり、塗料オリフィ
スを常に清浄な状態で気流を供給し、微粒化ができるか
ら、安定した噴霧塗装を行うことができる等の優れた効
果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は既に提案されている噴霧装置を説明
するための図、第３図は本発明による噴霧装置の断面図
、第４図は本発明の要部のみを示す拡大断面図、第５図
は本発明に使用される旋流形成体の側面図、第６図は第
５図の正面図、第７図は本発明による作用を説明するた
めの図、第８図及び第９図は他の実施例を示す図である
。 １・・・噴射本体、３・・・ガイド筒体、５・・・高電
圧ケーブル、１０・・・旋流形成体、１１・・・旋流気
体流路、１２・・・塗料ガイド筒体、１３・・・塗料流
路、１６・・・電流ガイド筒体、１７・・・気体流路。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 噴射本体１内にラッパ状の開口部３ａを形成した導
   電材によるガイド筒体３を設け、このガイド筒体３内に
   旋回流路１１を形成するようをこした旋回形成体１０を
   挿着し、上記開口部３ａに位置する上記旋回形成体１０
   の自由端部に複数の接線溝１１ａを形成し、上記ガイド
   筒体３の外がわに塗料案内筒体１２を塗料流路１３を形
   成するようにして同心的に設け、この塗料案内筒体１２
   の外がわに気流ガイド筒体１６を気体流路１７を形成す
   るようにして挿着し、上記塗料流路１３を形成する上記
   案内筒体１２の開口部１２ａに複数の塗料分配片１４及
   び貯溜部１５を形成し、上記開口部１２ａの先端縁を上
   記ガイド筒体３の開口部３ａよりも僅かに外方へ突出し
   て設けたことを特徴とする噴霧装置。