JP2559520Y2 - スローアウェイ式エンドミル - Google Patents

スローアウェイ式エンドミル

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JP2559520Y2
JP2559520Y2 JP1992002833U JP283392U JP2559520Y2 JP 2559520 Y2 JP2559520 Y2 JP 2559520Y2 JP 1992002833 U JP1992002833 U JP 1992002833U JP 283392 U JP283392 U JP 283392U JP 2559520 Y2 JP2559520 Y2 JP 2559520Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、工具本体の外周にスロ
ーアウェイチップ(以下、チップと略する。)が装着さ
れて外周刃が形成されたスローアウェイ式エンドミルに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、このようなスローアウェイ式エン
ドミル(以下、単にエンドミルと称する。)としては、
例えば実開昭62−168210号公報に記載されたよ
うなものが知られている。この公報に記載されたエンド
ミルは、工具本体の外周に切屑排出溝が螺旋状に形成さ
れており、この切屑排出溝の工具回転方向後方側に該切
屑排出溝に沿って複数のチップ取付座が形成されてい
て、これらのチップ取付座に四角形平板状のチップがク
ランプネジにより着脱自在に装着され、チップ列が形成
された構成となっている。
【0003】このチップは通常、超硬合金等の硬質材料
より成形されており、その上記四角形をなす上面を工具
外周側に向けて装着されていて、この上面の工具回転方
向前方側に位置する辺稜部には切刃が形成されている。
そして、この公報のエンドミルでは、各チップ列におい
て互いに隣接するチップの工具軸線方向のピッチを最小
限まで狭めるとともに各チップ取付座を工具周方向に少
しずつずらし、上記切刃の工具軸線回りの回転軌跡を工
具軸線方向に連続させることにより、単一のチップの切
刃長を越える長さの外周刃が各螺旋溝ごとに形成される
ようになっている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】ところで、このような
エンドミルによる切削加工においては、エンドミルの工
具本体をその工具軸線に垂直な方向のみに移動させて切
削を行う場合の他、これに加えて工具本体を工具軸線方
向基端側にも移動させて、いわゆる引き上げ加工を行う
場合がある。そして、このような場合には、工具外周に
装着されたチップに工具軸線方向先端側に作用する負荷
が生じることとなる。ここで、上記チップ列を形成する
チップのうち、工具基端側に位置するチップについて
は、その周面がチップ取付座の工具先端側の壁面に当接
することにより、上記負荷に抗して確実にチップを保持
することができる。しかしながら、工具最先端に位置す
るチップは、工具軸線方向先端側に向かう方向について
はクランプネジによって支持されているのみであり、こ
のため引き上げ加工の際に上述したような負荷がチップ
に作用すると、クランプネジに過大な負担を強いる結果
となってしまう。
【0005】さらに、上記従来例のように単なる四角形
平板状のチップを装着したエンドミルによって引き上げ
加工を行った場合には、このチップの工具基端側を向く
周面が工具本体の引き上げによって被削材に接触してし
まうおそれがあり、これによって切削抵抗の増大を招い
たり、上記クランプネジへの負担を一層大きくする可能
性があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本考案は、このような課
題を解決するためになされたもので、軸線回りに回転さ
れる工具本体の外周に、切刃を有する着脱自在な一以上
のチップより成るチップ列が少なくとも一列以上形成さ
れて成るエンドミルにおいて、上記スローアウェイチッ
プのうち、少なくとも一のチップ列の工具最先端に位置
するスローアウェイチップを先端外周刃チップとし、こ
の先端外周刃チップに、工具外周側を向く略四角形状の
上面と、この上面の工具先端側と基端側とに配置される
凹状周面とを設け、この凹状周面を上記工具本体の周方
向に沿って中央部がチップ内方に凹むように形成すると
ともに、この先端外周刃チップを、その工具先端側に配
置された凹状周面を工具本体の外周面先端に形成された
外周凸部に係合させて取り付けたことを特徴とするもの
である。
【0007】
【作用】このような構成のエンドミルによれば、先端外
周刃チップの工具先端側に配置された凹状周面が工具本
体の外周面先端に形成された外周凸部に係合することに
より、この先端外周刃チップも他のチップと同様に工具
本体の軸線方向に拘束された状態で工具本体に装着され
ることとなる。このため、上述したような引き上げ加工
を行う場合でも、先端外周刃チップを確実に保持するこ
とができる。また、この先端外周刃チップの工具基端側
の周面も凹状周面とすることにより、先端外周刃チップ
の上記上面はその角部の頂角がすべて鋭角に設定され、
この基端側の周面に逃げ角が付されることとなる。そし
て、これにより被削材と先端外周刃チップとの不必要な
接触が避けられ、引き上げ加工の際に先端外周刃チップ
に作用する工具先端側への負荷を低減させることができ
る。
【0008】
【実施例】図1ないし図5は、本考案の一実施例を示す
ものである。これらの図において工具本体1は鋼材等か
ら成形されて略円柱状をなし、工具基端側に図2に示す
ような切欠部2を有するシャンク3が形成される一方
で、工具先端側には刃部4が設けられている。この刃部
4の外周部には、工具軸線Oの回りに負の捩れ角で捻れ
る螺旋状の切屑排出溝5が、工具本体1の周方向に等間
隔をおいて複数条(本実施例では4条)形成され、これ
らの切屑排出溝5…の工具回転方向後方側には、上記刃
部4の外周面と切屑排出溝5とに開口するチップ取付座
6…が形成されている。
【0009】ここで、これらの切屑排出溝5…のうち工
具軸線Oに対して対称位置にある一対の切屑排出溝5
A,5Aには6つのチップ取付座6が設けられており、
このうち工具最先端に位置するチップ取付座6Aには先
端外周刃チップ7がクランプネジ8によって着脱自在に
装着されている。また、他の一対の切屑排出溝5B,5
Bには7つのチップ取付座6が設けられており、このう
ち工具最先端に位置するチップ取付座6Bには底刃チッ
プ9が装着されている。さらに、これら工具最先端のチ
ップ取付座6A,6Bを除いた他のチップ取付座6…に
は外周刃チップ10…が装着されていて、これら先端外
周刃チップ7と外周刃チップ10…、あるいは底刃チッ
プ9と外周刃チップ10…により各切屑排出溝5…ごと
に工具本体1の先端から工具基端側に向かうチップ列が
形成されている。
【0010】図6ないし図9は、この先端外周刃チップ
7を示すものである。この先端外周刃チップ7は超硬合
金等の硬質材料より成る平板状のものであって、これら
の図に示されるように略平行四辺形状の上面11と、こ
の上面11に平行に配置される下面12と、これら上下
面11,12の周囲に配置される4つの周面13,1
3,14,14とを有している。また、この先端外周刃
チップ7の平面視中央には、上記クランプネジ8が挿通
される貫通孔15が形成されている。ここで、これら4
つの周面13,13,14,14のうち、上面11の互
いに相対向する一対の辺稜部16,16に連なる一対の
周面13,13は、それぞれ当該先端外周刃チップ7の
周回り方向(図6において、貫通孔15を中心として反
時計回り方向)に連なる3つの平面部13A,13B,
13Cから構成されている。これらの平面部13A,1
3B,13Cは、いずれも上下面11,12に垂直な、
いわゆるネガ面とされており、従って図8に示すよう
に、これらの平面部13A,13B,13Cと上下面1
1,12との交差角αは90°に設定される。
【0011】そして図6に示すように、これらの平面部
のうち、まず平面部13Aは上記周回り方向に該周面1
3の中央部側に向かうに従い当該先端外周刃チップ7の
内方に向かうように傾斜して形成されており、またこの
平面部13Aに連なる平面部13Bは、平面部13Aよ
りも大きく傾斜してチップ内方に向かうように形成され
ている。さらにこの平面部13Bに連なる平面部13C
は、上記周回り方向に周面13の中央部側から離間する
に従い当該先端外周刃チップ7の外方に向かうように傾
斜して形成されている。すなわち、平面部13Aと13
Bとは凸状に曲折して連なっており、また平面部13B
と13Cとは凹状に曲折して連なっていて、周面13全
体としてはその中央部が当該先端外周刃チップ7の内方
に凹む凹状周面とされている。従ってこれにより、この
凹状周面13,13に連なる上記一対の辺稜部16,1
6も、その中央部が当該辺稜部16,16が対向する方
向に凹む凹状に形成されることとなる。なお、この周面
13と下面12との交差稜線部には平面状の面取りが施
されている。また上記平面部13Aと上面11との交差
稜線部には、曲面状の面取りが施されている。
【0012】さらに、上面11の他の一対の辺稜部1
7,17に連なる他の一対の周面14,14は、それぞ
れ上面11に対して鋭角に交差する一の平面から構成さ
れており、いわゆるポジ面とされている。従って、この
周面14には図9に示すような逃げ角βが付されること
となり、この逃げ角βは本実施例では11°に設定され
ている。周面13,14が上述のような構成を採ること
により、当該先端外周刃チップ7の上面11は図6に示
すように、そのすべての角部の頂角が鋭角となるように
形成される。さらに、これらの角部の頂角は、上記平面
部13Aと周面14とが交差する部分の角部C1の頂角
θ1の方が、上記平面部13Cと周面14とが交差する
部分の角部C2の頂角θ2よりも大きくなるように設定さ
れており、本実施例ではこれらの頂角θ1,θ2は、それ
ぞれ80°,76°に設定されている。そして、この上
面11の上記他の一対の辺稜部17,17、つまり上面
11と周面14,14との交差稜線部には、当該先端外
周刃チップ7の主切刃18,18が形成されている。ま
た、周面13の平面部13Aと周面14との交差稜線部
には、主切刃18に連なる副切刃19が形成されてい
る。
【0013】一方、このような先端外周刃チップ7が装
着される上記チップ取付座6Aは、工具外周側を向く底
面6aと、この底面6aから屹立して工具本体1の外周
面に連なる二つの壁面6b,6cとから構成されてお
り、これらの壁面のうち工具先端側を向く壁面6bは、
先端外周刃チップ7の凹状周面13中央部の平面部13
Bと13Cとがなす凹状部分に係合するように、工具外
周側からみて工具先端側に向かって膨らんだ山型に成形
されている。さらに、このチップ取付座6Aの工具先端
側には外周凸部21が工具本体1に一体に形成されてい
る。この外周凸部21は、当該チップ取付座6Aの底面
6aから工具外周側に向けて突出するように形成されて
おり、その工具基端側を向く壁面21aは、上記壁面6
bと同様に先端外周刃チップ7の凹状周面13中央部の
凹状部分に係合するように、工具外周側からみて工具基
端側に膨らんだ山型に成形されている。なお、図中の符
号22は、先端外周刃チップ7の角部C1との干渉を避
けるための逃げ部である。
【0014】そして本実施例では、このような構成のチ
ップ取付座6Aに上記先端外周刃チップ7が、その上面
11を工具外周側に向けて下面12を底面6aに密着さ
せ、また二つの凹状周面13,13のうちの一方を工具
先端側に向けて外周凸部21に係合させるとともに他方
の凹状周面13を工具基端側に向けて壁面6bに当接さ
せ、さらに二つの周面14,14の一方を工具回転方向
後方側に向けて壁面6cに当接させて着座せしめられて
いる。さらに、この状態で先端外周刃チップ7の工具回
転方向を向く主切刃18には正のアキシャルレーキ角が
付されており、またこの主切刃18に連なる副切刃19
は工具本体1の先端面よりも工具先端側に突出せしめら
れていて、当該エンドミルの底刃の一部をなしている。
【0015】一方、他の一対の切屑排出溝5B,5Bの
工具最先端に臨んで装着される底刃チップ9,9は、本
実施例では上記先端外周刃チップ7と同形同大で同一材
質のチップが用いられている。従って、ここでは図6な
いし図9に示した符号を用いて説明を簡略化する。ま
た、この底刃チップ9が装着されるチップ取付座6B
は、工具本体1の先端面から一段後退して形成されて工
具先端側を向く底面6dと、この底面6dから屹立して
上記先端面に連なる壁面6e,6fとから構成されてお
り、これらの壁面のうち工具外周側を向く壁面6eは底
刃チップ9の凹状周面13に係合するように、工具先端
側から見て工具外周側に向かって膨らんだ山型に成形さ
れている。さらに、このチップ取付座6Bの工具外周側
には工具本体1に一体に、先端凸部23が上記底面6d
から工具先端側に向けて突出するように形成されてお
り、その工具軸線O側を向く壁面23aは底刃チップ9
の凹状周面13に係合するように、工具先端側からみて
工具軸線O側に膨らんだ山型に成形されている。
【0016】そして本実施例では、このようなチップ取
付座6Bに底刃チップ9が、その上面11を工具先端側
に向け、二つの凹状周面13,13のうちの一方を工具
外周側に向けて先端凸部23に係合させ、他方の凹状周
面13を工具軸線O側に向けて壁面6eに当接させ、さ
らに一の周面14を工具回転方向後方側に向けて壁面6
fに当接させて着座せしめられ、クランプネジ8によっ
て固定されている。さらに、この状態で底刃チップ9の
工具回転方向を向く主切刃18は、工具軸線O方向に上
記先端外周刃チップ7の工具先端側に突出する副切刃1
9と略同じ位置に配置され、当該エンドミルの底刃を構
成している。また、この主切刃18に連なる底刃チップ
9の副切刃19は工具本体1の外周面に臨む位置に配置
され、当該エンドミルの外周刃の一部をなしている。な
お、上記チップ取付座6Bの底面6dは工具回転方向後
方側に向かうに従い工具基端側に僅かに傾斜するように
形成されており、これにより底刃チップ9,9も図5に
示すように、その上面11が工具回転方向前方側から後
方側に向かうに従い工具基端側に僅かに傾斜するように
配置されていて、底刃とされる主切刃18の逃げとされ
ている。
【0017】さらにまた、各チップ取付座6に装着され
るチップのうち上記先端外周刃チップ7および底刃チッ
プ9を除いた他の外周刃チップ10は超硬合金等の硬質
材料から成り、図10ないし図12に示すように略正三
角形状の上下面24,25と、この上下面24,25の
周囲に配置される三つの周面26…とを有するポジ型の
チップであって、これらの周面26との交差稜線部であ
る上面24の三つの辺稜部27…にはそれぞれ切刃28
が形成されている。また、この外周刃チップ10の二つ
の周面26,26同士が交差する三つの角部C3…のそ
れぞれには、これらの周面26,26の双方に等しい角
度で交わる切欠面29が形成されており、この切欠面2
9と上面24との交差稜線部にはコーナー刃30が形成
されている。従って、このコーナー刃30は切刃28の
両端部に、該切刃28に120°で交わる方向に形成さ
れることとなる。なお、この外周刃チップ10の平面視
中央には、クランプネジ8が挿通される貫通孔31が形
成されている。
【0018】一方、この外周刃チップ10が装着される
チップ取付座6は、工具本体1の外周面から一段低めら
れた略正三角形状の底面6gと、この底面6gから屹立
して上記外周面に連なる二つの壁面6h,6iとから構
成されており、これらの壁面6h,6iは工具回転方向
後方側から前方側に向かって互いに離間するように形成
されている。また、これらのチップ取付座6…は上記各
チップ列ごとに工具先端側から基端側に向かうに従い、
各切屑排出溝5に沿って工具回転方向前方側に段階的に
ずらされて形成されており、さらに各チップ列の互いに
隣接する二つのチップ取付座6,6においては、工具先
端側の一方のチップ取付座6の工具先端側を向く壁面6
hと、工具基端側の他方のチップ取付座6の工具基端側
を向く壁面6iとが交差するように形成されている。
【0019】そして上記外周刃チップ10は、このよう
なチップ取付座6に、その上面24を工具外周側に向け
るとともに下面25を底面6gに密着させ、また三つの
周面26…のうちの一の周面26Aを工具回転方向に向
けるとともに、他の二つの周面のうちの一方の周面26
Bを工具先端側に向けて壁面6hに当接させ、他方の周
面26Cを工具基端側に向けて壁面6iに当接させて着
座せしめられており、これによって上記三つの切刃28
…のうちの一の切刃28Aが、工具回転方向を向いて切
屑排出溝5に臨む位置に配置される。
【0020】さらにこの状態で、図10に示すように一
のチップ列にて互いに隣接する二つの外周刃チップ10
A,10Bは、それぞれの工具回転方向を向く切刃28
A,28Aの端部が工具軸線O方向に所定量εだけ重な
り合うように工具本体1の周方向および工具軸線O方向
にずらされ、かつ工具軸線O方向に最大限に接近して配
置されている。すなわち、これらの外周刃チップ10
A,10Bのうち、工具先端側(図10において下側)
に位置する一方の外周刃チップ10Aは、上記周方向に
工具基端側(図10において上側)に位置する他方の外
周刃チップ10Bよりも工具回転方向後方側(図10に
おいて右側)にずらされるとともに、その工具回転方向
(図10において左側)を向く周面26Aの工具基端側
に位置する切欠面29Aが、他方の外周刃チップ10B
の工具先端側を向く周面26Bに対向するように、工具
軸線O方向に接近して配置されている。このため、一方
の外周刃チップ10Aの上記切欠面29Aに連なるコー
ナー刃30Aは、他方の外周刃チップ10Bの上面24
の辺稜部27…のうち上記周面26Bに連なる辺稜部2
7Bに略平行に対向するように配置されることとなる。
そして、これにより刃部4の外周には、その回転軌跡に
おいて連続する4条の外周刃が、各切屑排出溝5に沿っ
て延びるように形成される。
【0021】このような構成のエンドミルでは、工具最
先端に配置された先端外周刃チップ7の工具先端側の凹
状周面13が、工具本体1に形成された外周凸部21に
係合しており、このため先端外周刃チップ7も他の外周
刃チップ10と同様に工具軸線O方向先端側への移動が
拘束されることとなる。従って、先端外周刃チップ7は
より強固にチップ取付座6Aに保持されることとなり、
上述したような引き上げ加工を行う際に、先端外周刃チ
ップ7に工具軸線O方向先端側に作用する負荷が働いた
場合でも、クランプネジ8に過大な負担が生じるのを防
ぐことができる。
【0022】また上記構成のエンドミルでは、先端外周
刃チップ7の工具基端側を向く周面13も凹状に形成さ
れており、これによってこの周面13に引き上げ加工の
際の逃げ角が付されることとなる。そしてこれにより、
この工具基端側を向く周面13が被削材に接触すること
が避けられるので、先端外周刃チップ7への負荷を減ら
してクランプネジ8への負担を一層軽減させることがで
きるとともに、切削抵抗の低減を図ることも可能とな
る。
【0023】このように本実施例によれば、引き上げ加
工に用いてきわめて最適なエンドミルを提供することが
可能であるが、一方、本実施例の工具本体1の先端には
底刃チップ9が取り付けられており、引き上げ加工以外
の通常の切削加工に供することももちろん可能である。
そして本実施例では、この底刃チップ9が上記先端外周
刃チップ7と同形同大のチップであって、かつその工具
外周側を向く凹状周面13を先端凸部23に係合させて
おり、工具本体1の径方向外側に拘束された状態で取り
付けられている。このため、底刃チップ9に工具外周側
に作用する負荷が生じても、これに抗して底刃チップ9
を確実に保持することができ、上記先端外周刃チップ7
と同様にクランプネジ8への負担を低減させることが可
能である。
【0024】また、本実施例では先端外周刃チップ7お
よび底刃チップ9の凹状周面13が三つの平面部13
A,13B,13Cから構成されており、チップの上面
11の各角部C1,C2の頂角は、平面部13Aと周面1
4との交わる角部C1の頂角θ1の方が、他の角部C2
の頂角θ2よりも大きくなるように設定されている。従
って本実施例によれば、先端外周刃チップ7においては
底刃の一部を構成する副切刃19の刃先角を、また底刃
チップ9においては外周刃の一部を構成する副切刃19
の刃先角を、それぞれ大きく設定することが可能とな
り、刃先強度の向上を図って欠け等が生じるのを防ぐこ
とができる。
【0025】さらに本実施例では、これら先端外周刃チ
ップ7以外の外周刃チップ10にはその角部C3にコー
ナー刃30が形成されており、図10に示すように互い
に隣接する当該外周刃チップ10A,10Bは、一方の
外周刃チップ10Aのコーナー刃30Aが他方の外周刃
チップ10Bの辺稜部27Bに略平行して対向するよう
に配置されている。このため各外周刃チップ10…を工
具軸線O方向に、より接近させて配置することが可能と
なり、これらの外周刃チップ10の切刃28が工具軸線
O方向に重なり合う量εを大きく設定し得て、各外周刃
チップ10に作用する負荷の低減を図ることができると
ともに、特にこのような負荷が上記角部に作用すること
によって生じるチップの欠け等を未然に防止することが
可能となる。
【0026】なお、本実施例においては底刃チップ9を
有するエンドミルについて説明したが、本考案では引き
上げ加工専用として、このような底刃チップ9を有する
ことのない構成としてもよい。また本実施例では、先端
外周刃チップ7および底刃チップ9の一対の周面13,
13をネガ面とし、他の一対の周面14,14をポジ面
としたが、これを逆としても構わないし、周面13,1
4の双方がネガ面であっても、あるいはポジ面であって
も構わない。
【0027】さらに上記のエンドミルでは、先端外周刃
チップ7および底刃チップ9の工具軸線方向基端側に外
周刃チップ10…を連ねて装着し、各切屑排出溝5に沿
って複数のチップより成るチップ列を形成した構成とし
たが、例えば図13および図14に示すように各切屑排
出溝5について、それぞれ1つの先端外周刃チップ7あ
るいは底刃チップ9のみを設けた構成としてもよい。た
だし、これら図13および図14において工具本体1の
刃部4は、工具軸線O方向先端側に向かうに従い拡径す
る円錐台状に成形されており、またその他の部分につい
ては図1ないし図5に示したエンドミルと同じ部分に同
一の符号を配して説明を省略する。
【0028】
【考案の効果】以上説明したように本考案によれば、先
端外周刃チップの工具先端側を向く周面が凹状周面とさ
れ、この凹状周面が工具本体に形成された外周凸部に係
合して先端外周刃チップが工具軸線方向先端側に拘束さ
れているため、この先端外周刃チップを強固に保持する
ことができ、引き上げ加工の際に生じる負荷によってク
ランプネジに過大な負担が生じるのを防ぐことができ
る。また、この先端外周刃チップの工具基端側を向く周
面も同じく凹状に形成することにより、この周面に引き
上げ加工の際の逃げ角が付されるので、被削材との接触
を防いでチップへの負荷の低減を図ることが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例を示す側面図である。
【図2】図1に示す実施例のUU断面図である。
【図3】図1に示す実施例の刃部4の拡大図である。
【図4】図1に示す実施例の工具先端側からの拡大正面
図である。
【図5】図1に示す実施例のチップの配列を示す側面展
開図である。
【図6】図1に示す実施例に用いられる先端外周刃チッ
プ7の上面11側からの平面図である。
【図7】図6に示す先端外周刃チップ7のV方向視の側
面図である。
【図8】図6に示す先端外周刃チップ7のW方向視の側
面図である。
【図9】図6に示す先端外周刃チップ7のXX断面図で
ある。
【図10】図1に示す実施例に用いられる外周刃チップ
10の配列を示す上面24側からの平面図である。
【図11】図10に示す外周刃チップ10のY方向視の
側面図である。
【図12】図10に示す外周刃チップ10のZZ断面図
である。
【図13】本考案の他の実施例を示す側面図である。
【図14】図13に示す実施例の工具先端側からの正面
図である。
【符号の説明】
1 工具本体 4 刃部 5,5A,5B 切屑排出溝 6,6A,6B チップ取付座 6a,6d,6g チップ取付座底面 6b,6c,6e,6f,6h,6i チップ取付座壁
面 7 先端外周刃チップ 8 クランプネジ 9 底刃チップ 10 外周刃チップ 11 先端外周刃チップ7の上面 13 凹状周面 18,19,27 切刃 21 外周凸部 23 先端凸部 29 外周刃チップ10の切欠面 30 外周刃チップ10のコーナー刃 C1,C2,C3 各チップの角部 θ1 先端外周刃チップ7の角部C1の頂角 θ2 先端外周刃チップ7の角部C2の頂角 O 工具軸線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−181502(JP,A) 実開 昭63−100116(JP,U) 実開 平2−110410(JP,U) 特公 昭58−50807(JP,B2)

Claims (5)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸線回りに回転される工具本体の外周
    に、切刃を有する着脱自在な一以上のスローアウェイチ
    ップより成るチップ列が少なくとも一列以上形成されて
    成るスローアウェイ式エンドミルにおいて、 上記スローアウェイチップのうち、少なくとも一のチッ
    プ列の工具最先端に位置するスローアウェイチップは先
    端外周刃チップとされ、この先端外周刃チップは、工具
    外周側を向く略四角形状の上面と、この上面の工具先端
    側と基端側とに配置される凹状周面とを備え、この凹状
    周面は上記工具本体の周方向に沿って中央部がチップ内
    方に凹むように形成されていて、当該先端外周刃チップ
    は上記工具先端側に配置された凹状周面を上記工具本体
    の外周面先端に形成された外周凸部に係合させて取り付
    けられていることを特徴とするスローアウェイ式エンド
    ミル。
  2. 【請求項2】 上記先端外周刃チップの上面の角部のう
    ち、工具先端側かつ工具回転方向前方側に位置する角部
    の頂角が、工具基端側かつ工具回転方向前方側に位置す
    る角部の頂角よりも大きく設定されていることを特徴と
    する請求項1記載のスローアウェイ式エンドミル。
  3. 【請求項3】 上記チップ列の最先端に位置するスロー
    アウェイチップのうち、上記先端外周刃チップを除く他
    の少なくとも一つのスローアウェイチップは底刃チップ
    とされ、この底刃チップは、工具先端側を向く略四角形
    状の上面と、この上面の工具外周側に配置される凹状周
    面とを備え、この凹状周面は上記周方向に沿って中央部
    がチップ内方に凹むように形成されていて、当該底刃チ
    ップは上記工具外周側に配置された凹状周面を、上記工
    具本体の先端面外周に形成された先端凸部に係合させて
    取り付けられていることを特徴とする請求項1または2
    記載のスローアウェイ式エンドミル。
  4. 【請求項4】 上記先端外周刃チップと底刃チップとが
    同形同大のスローアウェイチップであることを特徴とす
    る請求項3記載のスローアウェイ式エンドミル。
  5. 【請求項5】 上記スローアウェイチップのうち、上記
    先端外周刃チップおよび上記底刃チップを除いた他のス
    ローアウェイチップは外周刃チップとされ、この外周刃
    チップは、工具外周側を向く略正三角形状の上面と、こ
    の上面の辺稜部のうち少なくとも工具回転方向前方の一
    の辺稜部に形成される切刃と、この切刃の両端部に形成
    されて該切刃に鈍角に交差するコーナー刃とを備えると
    ともに、上記チップ列にて互いに隣接する当該外周刃チ
    ップは、一方の外周刃チップの上記コーナー刃の一つ
    が、他方の外周刃チップの上記上面の他の一の辺稜部に
    略平行に対向するように、かつこれらの外周刃チップの
    上記切刃の回転軌跡が互いに重なり合うように、上記工
    具本体の周方向および軸線方向にずらされて配置されて
    いることを特徴とする請求項1、2、3、または4記載
    のスローアウェイ式エンドミル。
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