JP2585714Y2 - 切削工具 - Google Patents

切削工具

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JP2585714Y2
JP2585714Y2 JP1992000628U JP62892U JP2585714Y2 JP 2585714 Y2 JP2585714 Y2 JP 2585714Y2 JP 1992000628 U JP1992000628 U JP 1992000628U JP 62892 U JP62892 U JP 62892U JP 2585714 Y2 JP2585714 Y2 JP 2585714Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、内径ボーリング加工等
に使用されるボーリングカッタ等の切削工具に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】このような切削工具としては、例えば図
4ないし図6、もしくは図7ないし図9に示すようなス
ローアウェイ式のものが知られている。これらの切削工
具はいずれも、鋼材等から成る工具本体1の先端部外周
に複数(これらの例では7つ)のチップ取付座2と凹部
3とが該工具本体1の周方向に沿って等間隔に設けら
れ、これらチップ取付座2と凹部3とにそれぞれ、超硬
合金等から成るスローアウェイチップ(以下、チップと
略する)4とクサビ部材5とが装入され、該チップ4が
クサビ部材5によって着脱自在に楔着された構成となっ
ている。
【0003】工具本体1は、その先端部が該工具本体1
の軸線方向先端側に向かうに従って拡径する多段円錐台
状に成形されており、またこの工具本体1にはその軸線
Oに沿って取付穴1aが形成されている。一方、上記チ
ップ4は、方形をなす上下面4a1,4a2とこれらの上
下面4a1,4a2の周囲に配置された4つの周面4b…
とから成る平板状をなしており、少なくともこの上面4
a1と一の周面4bとの交差稜線部には主切刃4cが形
成されている。そしてこのチップ4は、主切刃4cに連
なる上面4a1をすくい面として工具回転方向(図5お
よび図8において反時計回り方向)に向け、また主切刃
4cに連なる上記一の周面4bを逃げ面として上記軸線
方向先端側に位置させて工具本体1に装着されている。
なお、この主切刃4cの工具本体1外周側に連なるチッ
プ4の他の交差稜線部には副切刃4dが形成されてお
り、これら主切刃4cと副切刃4dとが交わる角部はノ
ーズ部4eとされている。
【0004】ここで、図4ないし図6に示した例におい
ては、チップ4の工具回転方向前方側にクサビ部材5が
配置されるとともに後方側には平板状のシート6が配置
されており、チップ4はこれらクサビ部材5とシート6
とによって工具本体1の周方向に狭装されている。ま
た、工具本体1に装着された状態でクサビ部材5の工具
先端側を向く面および工具本体1の径方向外側を向く面
には、それぞれ上記軸線方向基端側および上記径方向内
側に凹む凹面5a,5bが形成されている。これらの図
に示す例では、上述のようにチップ4をクサビ部材5お
よびシート6によって狭装してチップ取付座2に装入
し、クランプネジ7によってクサビ部材5を凹部3内に
押し込むことにより、チップ4およびシート6はクサビ
部材5の傾斜面5cに押圧されて工具本体1に取付取り
付けられる。そして、この状態においてチップ4の上記
すくい面の工具回転方向前方には、クサビ部材5の上記
凹面5a,5bによって工具本体1の先端面および外周
面に開口するチップポケット8が形成される。
【0005】他方、図7ないし図9に示した例において
は、チップ取付座2はクサビ部材5が装入される凹部3
の工具回転方向前方に形成されている。また、工具本体
1の先端面および外周面には上記チップ取付座2の工具
回転方向前方側に、それぞれ上記軸線方向基端側および
上記径方向内側に凹む凹面1b,1cが形成されてい
る。これらの図に示す例では、チップ4はクサビ部材5
とチップ取付座2の工具回転方向後方側を向く面2aと
に挟まれるように該チップ取付座2内に挿入され、クラ
ンプネジ7によりクサビ部材5を押し込むことにより、
該クサビ部材5の傾斜面5cに押圧されて工具本体に楔
着される。そして、この楔着状態においてチップ4の上
記すくい面の工具回転方向前方には、上記凹面1b,1
cによるチップポケット8が形成される。
【0006】このようにしてチップ4…が装着された工
具本体1は、その基端部が図示しない工作機械の主軸端
に取り付けられ、さらに上記取付穴1aに挿通された取
付ボルトを上記主軸端に螺着することにより、上記工作
機械に装着される。そして、この工作機械を駆動して工
具本体1をその軸線回りに回転しつつ、被削材の穴H内
に挿入して上記軸線方向に送りを与えることにより、上
記切刃4cがこの穴Hの内周を切削して当該切削工具は
内径ボーリング加工に供される。
【0007】このように、これらの切削工具において上
記チップポケット8はチップ4のすくい面の工具回転方
向前方に配置されるクサビ部材5の凹面5a,5b、も
しくは凹具本体1の凹面1b,1cによって形成され
る。ここで、これらの凹面5a,5bは図5および図6
に示すように、また凹面1b,1cは図8および図9に
示すように、それぞれそのすくい面前方の部分が工具本
体1の周方向に略均一な幅となるように形成されてい
る。また、これらチップポケット8は、工具本体1の径
方向には上記軸線方向基端側に向かうに従い、図4,図
5あるいは図7,図8に示すようにそれぞれ凹面5a,
1b上では略一定な幅で推移した後、該凹面5a,1b
の底部から上記凹面5b,1cが始まるところで段階的
に変化し、そのまま当該チップポケット8の基端側に至
る。すなわち、これらのチップポケット8は、上記凹面
5a,1b上で周方向および径方向にそれぞれ一様な幅
を有し、また凹面5b,1c上で周方向および径方向に
それぞれ一様な幅を有している。
【0008】
【考案が解決しようとする課題】ところが、このような
切削工具による内径ボーリング加工では、図4および図
7に示すように主切刃4cの上記ノーズ部4e近傍の部
分が専ら切削に供されることとなる。従って切削時に生
成される切屑も、この切刃4cのノーズ部4e近傍から
最も多く生成される。しかしながら、上述したような幅
構成のチップポケット8を有する切削工具では、各凹面
5a,5b、1b,1c上で当該チップポケット8の周
方向および径方向の幅が一様であるため、このチップポ
ケット8において上記ノーズ部4eから離れた部位では
生成される切屑に対してチップポケット8の方が相対的
に大きく、このため切屑排出にあまり寄与しない部分が
生じる一方、上記ノーズ部4eに近接する部位では生成
される切屑に対してチップポケット8の大きさが不十分
となってしまう。そしてこの結果、チップ4の上記ノー
ズ部4e近傍において切屑排出性が著しく阻害されてし
まい、切削抵抗の増大等を招いて円滑なボーリング加工
に支障を来したり、切刃4c,4dの寿命が短縮された
りするおそれがあった。
【0009】また一方、このようにチップポケット8の
周方向の幅が工具本体1の径方向に一定であると、周方
向に隣接するチップポケット8,8同士の間の肉厚が上
記径方向の内側に向かうに従って小さくなってしまう。
従って、チップ4の数を多くすると、工具本体1の径方
向内側に向かうに従って剛性が大きく低下してしまい、
切削時にビビリ等が発生し易くなって切削精度の劣化を
引き起こすおそれが生じる。このため、従来は工具本体
1に設けることができる切刃4cの数、すなわち工具本
体1に装着可能なチップ4の数は自ずと限られたものと
ならざるを得なかった。
【0010】
【課題を解決するための手段】本考案は、このような課
題を解決するためになされたもので、軸線回りに回転さ
れる工具本体の先端部外周に工具本体の先端面および外
周面に開口するチップポケットが形成されるとともに、
このチップポケットの工具回転方向を向く面と上記先端
面との稜線部分に切刃が設けられて成る切削工具におい
て、上記チップポケットの周方向の幅を、工具本体の軸
線方向基端側および径方向内側に向かうに従って漸次
次的に狭めるとともに、該チップポケットの上記径方向
の幅も上記軸線方向基端側に向かうに従って漸次狭め
当該チップポケットを、上記軸線方向先端側からの正面
視においても、また上記工具本体の側面視においても、
略三角形状をなすように形成したことを特徴とするもの
である。
【0011】ここで本考案では、上記切刃はロウ付け等
によって直接的に工具本体に設けることもできるが、な
るべくは、上記チップポケットの工具回転方向を向く面
に臨む位置に、多角形をなす上下面とこの上下面の周囲
に配置される周面とを有する平板状のチップを着脱自在
に装着し、上記切刃をこのチップの上下面の少なくとも
一方と少なくとも一の周面との交差稜線部に形成して、
いわゆるスローアウェイ式の構成とすることが好まし
い。また、このような構成とした場合には、このチップ
を工具本体の軸線方向先端側から螺着されるクランプネ
ジによって上記工具本体先端に装着するのが望ましい。
【0012】
【作用】このような構成の切削工具では、工具本体の先
端部外周に形成されるチップポケットの周方向および径
方向の幅が上述のように狭められており、これにより該
チップポケットの周方向の幅は工具本体の先端側かつ外
周側で最も大きくなるように、また径方向の幅は工具本
体の軸線方向先端側で最も大きくなるように設定され
る。すなわち該チップポケットは、上述したような内径
ボーリング加工において切屑の生成が少ないノーズ部か
ら離れた切刃部位でその周方向の幅が小さく設定される
一方、最も切屑の生成が著しい切刃のノーズ部近傍にて
その周方向の幅が最も大きくなり、さらにその径方向の
幅は切刃が設けられる工具本体の軸線方向先端側で最も
大きく基端側に向かって漸減する。このため本考案によ
れば、切屑の生成量に応じた形状のチップポケットを有
する切削工具を提供することが可能となり、切屑排出性
の向上を促して円滑な切削作業を行うことができる。
【0013】しかも、チップポケットの周方向の幅が軸
線方向基端側および径方向内側に向かって一次的に狭め
られていて、正面視および側面視においてもチップポケ
ットが三角形状をなしており、このため切刃によって生
成された切屑は、チップポケットの工具回転方向を向く
面に沿って流れた後に、この面に対向するチップポケッ
トの工具回転方向公報後方側を向く面に当たって小さく
曲げられることとなるので、切屑排出性の向上とも相俟
って、一層効率的な切屑処理を図ることができる。また
本考案では、チップポケットが上述のような構成を採る
ことから、周方向に隣接するチップポケット同士の間の
肉厚は工具本体の軸線方向基端側および径方向内側に向
かうに従い漸次大きくなるので、チップポケット間の肉
厚不足による剛性低下を抑えることが可能となり、工具
本体に設けることが可能な切刃の数を増やすことができ
る。
【0014】さらに、このような切削工具において上述
のようにスローアウェイ式の構成を採り、かつチップを
軸線方向先端側から螺着されるクランプネジにより工具
本体に装着した場合には、チップの周方向前後にクサビ
部材等の拘束手段を設ける必要がなくなり、従ってこの
ような拘束手段を設けるための凹部等のスペースも不要
となるため、上記工具剛性をより一層向上させることが
可能となって、工具本体に設けることができる切刃の数
をさらに増やすことができる。
【0015】
【実施例】図1ないし図3は、本考案の一実施例を示す
ものである。本実施例では、鋼材等から成る工具本体1
1の先端部外周に該工具本体11の先端面および外周面
に開口するチップポケット12が、工具本体11の周方
向に沿って複数(本実施例では9つ)等間隔に形成され
るとともに、それぞれのチップポケット12…の工具回
転方向(図2において反時計回り方向)後方にはチップ
取付座13が形成され、これらのチップ取付座13…の
それぞれに超硬合金等から成るチップ14が取り付けら
れている。工具本体11は上記従来例同様、その先端部
が工具軸線方向先端側に向かうに従って拡径する多段円
錐台状に成形されるとともに、その中央部には軸線Oに
沿って工具本体11を工作機械の主軸端に装着するため
の取付穴11aが形成されている。
【0016】上記チップ14は、本実施例では略長方形
をなす2つの上下面14a1,14a2とこれらの上下面
14a1,14a2の周囲に配置される大小2つずつの周
面14b,14b,14c,14cとを有する平板状の
ものであり、上記上面14a1と一の大なる周面14b
との交差稜線部には主切刃14dが形成されるととも
に、この主切刃14dに連なる上記周面14b,14c
同士の交差稜線部には副切刃14eが形成され、さらに
これら主切刃14dと副切刃14eとが交差する上記一
の周面14bの角部にはノーズ部14fが設けられてい
る。また、このチップ14の上記上面14a1の中央か
らは上下面14a1,14a2に垂直に、取付穴14gが
当該チップ14を貫通するように穿設されている。
【0017】一方、このようなチップ14が装着される
チップ取付座13は、本実施例では工具本体11の先端
面から上記チップ14の上下面14a1,14a2の形状
に応じ該チップ14の略厚さ分だけ凹んで上記軸線方向
先端側を向く取付座底面13aと、この取付座底面13
aから屹立して工具本体11の先端面に連なる2つの取
付座壁面13b,13cとから構成されており、上記チ
ップポケット12底面の工具回転方向を向く面12aお
よび工具本体11の外周面に開口する凹所として形成さ
れている。また、このチップ取付座13の取付座底面1
3aには、チップ14の取付穴14gに略対応する位置
に取付ネジ穴(図示略)が形成されている。
【0018】上記チップ14は、このようなチップ取付
座13に、上記主切刃14dに連なる上面14a1を上
記軸線方向先端側に向けるとともに、これとは反対側の
下面14a2を取付座底面13aに密着させ、また上記
主切刃14dに連なる一の大なる周面14bを工具回転
方向に向けるとともに、これとは反対側の他の大なる周
面14bを工具回転方向を向く取付座壁面13bに密着
させ、さらに上記副切刃14eに連なる一の小なる周面
14cを工具本体11の外周側に向けるとともに、これ
とは反対側の他の小なる周面14cを工具本体11の外
周側を向く取付座壁面13bに密着させて着座せしめら
れており、上記取付穴14gに挿通されたクランプネジ
15を上記取付ネジ穴に螺着することによって工具本体
11に固定されている。なお、図中に符号13dで示す
のは、チップ14のノーズ部14fとは反対側の角部と
チップ取付座13との干渉を防ぐ逃げ部である。
【0019】そして、本実施例において上記チップポケ
ット12は、その底面のうち上記工具回転方向を向く面
12aとこの面12aに対向して工具回転方向後方側を
向く面12bとの工具本体11周方向の幅W1が、工具
本体11の径方向内側に向かうに従い漸次一次的に狭め
られるとともに、上記軸線方向基端側に向かうに従って
も漸次一次的に狭まるように形成されている。また、こ
のチップポケット12の径方向の幅W2、すなわち工具
本体11の軸線Oを含む断面視において当該チップポケ
ット12の上記底面から工具本体11外周までの距離
も、何れの断面をとっても上記軸線方向先端側から基端
側に向かうに従って漸次狭まるように形成されている。
これにより、当該チップポケット12は図1ないし図3
に示すように、上記軸線Oを含む側断面視においても、
また該軸線方向先端側からの正面視においても、さらに
側面視においても、その断面形状や開口部が略三角形を
なすように形成される。さらにまた、上記軸線Oに直交
する断面や該軸線Oに平行な面による断面においても、
該チップポケット12の断面形状は略三角形をなすよう
に形成される。
【0020】このような構成のチップポケット12を有
する切削工具では、該チップポケット12の周方向の幅
W1は工具本体11の先端部外周において最も大きくな
る。また、径方向の幅W2は該チップポケット12の上
記軸線方向先端側で最も大きくなる。一方、このような
内径ボーリング用の切削工具において加工時に切刃14
d,14eにより生成される切屑は、上述のように主切
刃14dの外周側および副切刃14eの先端側、すなわ
ちチップ14のノーズ部14f近傍にて最も多く生成さ
れることとなる。従って本実施例によれば、切屑生成量
の少ない切刃部位ではチップポケットを小さくして切屑
排出に寄与しないチップポケット部が形成されるのを防
ぐ一方、切屑排出量の多い切刃部位ではチップポケット
を大きくとって円滑な切屑の排出を促すことができると
いう、切屑生成量に応じたチップポケット形状とするこ
とができる。そして、これにより切屑排出性の向上を図
ることができ、切屑詰まりの発生等による切削抵抗の増
大を抑えて円滑な切削作業を行うことができるととも
に、切刃14d,14eの寿命が短縮されるような事態
を未然に防ぐことが可能となる。しかも、本実施例では
上記チップポケット12の周方向の幅W1が径方向内側
および軸線方向基端側に向かうに従って漸次一次的に狭
められていて、工具本体11の軸線方向先端側からの正
面視においても側面視においても、チップポケット12
が略三角形状に形成されており、このため上記切刃14
d,14eによって生成された切屑は、このチップポケ
ット12の工具回転方向を向く面に沿って流れた後、上
記工具回転方向後方側を向く面に当たって小さく曲げら
れることになる。従って本実施例によれば、上述のよう
に切屑排出性の向上が図られることとも相俟って、一層
効率的な切屑処理を促すことができ、切屑詰まりの発生
等をより確実に防止することが可能となる。
【0021】また、本実施例ではチップポケット12の
周方向の幅W1が工具本体11の径方向内側および軸線
方向基端側に向かうに従い漸次狭められていることか
ら、周方向に隣接するチップポケット12,12同士の
間の部分の肉厚は、逆に工具本体11の径方向内側およ
び軸線方向基端側に向かうに従って漸次大きくなる。す
なわち、このチップポケット12,12の間の部分はそ
の基端側に向かうに従い断面が大きくなることとなり、
チップポケットの数を増やしても工具本体11に十分な
剛性を確保することが可能となる。
【0022】従って本実施例によれば、工具本体11の
先端部外周に取付可能なチップ14の数を増やすことが
でき、切削効率の向上をなすことが可能となるととも
に、切削時に一つ一つのチップ14にかかる負荷を低減
せしめてチップ寿命の延長を図ることができる。またこ
れとともに、工具本体の剛性不足に起因するビビリ等の
発生を防ぐことができるので、より精度の高い内径ボー
リング加工を可能とすることもできる。さらに、このよ
うに切刃14cの数が増えることにより、一つの切刃1
4cが削り取る切削量を少なくすることができ、これに
より生成される切屑を小さくすることができるので、上
記効果と相俟ってより一層の切屑排出性の向上を図るこ
とが可能となる。
【0023】一方、従来の切削工具ではそのチップ取付
座が、チップの上下面の縦横の幅の分だけ工具本体がそ
の先端面から軸線方向基端側に、また外周面から径方向
内側にそれぞれ削られて形成されていたのに対し、本実
施例では平板状のチップ14はその上下面14aを軸線
方向先端側に向けて工具本体11の先端部外周に装着さ
れており、このため当該チップ14が取り付けられるチ
ップ取付座13は上述のように工具本体11の先端面か
ら上記軸線方向基端側にチップ14の厚さ分だけ凹む凹
所として形成されることとなる。また、各チップ14は
クランプネジ15によって直接的にチップ取付座13に
取り付けられるため、従来のようにチップを楔着するた
めのクサビ部材を要せず、よってこのクサビ部材を挿入
するための凹部を形成する必要もない。
【0024】このように本実施例では、チップ14を工
具本体11に取り付けるために該工具本体11の先端部
外周が削り取られる部分を極力小さくすることができ
る。このため、上記の効果と相俟って工具本体11先端
部外周の剛性のより一層の向上を図ることが可能とな
り、工具本体11に取り付け可能なチップ14の数をさ
らに増加させることができるとともに、切削時のビビリ
等の発生をより効果的に抑えて加工精度の一層の向上を
図ることが可能となる。
【0025】
【考案の効果】以上説明したように本考案によれば、チ
ップポケットの周方向の幅を、工具本体の軸線方向基端
側および径方向内側に向かうに従って漸次一次的に狭め
るとともに、該チップポケットの径方向の幅も軸線方向
基端側に向かうに従って漸次狭めることにより、切屑生
成量に応じたチップポケット形状を提供することが可能
となり、工具本体の先端部外周における剛性を維持して
ビビリの発生等を抑えつつ、切屑排出性の向上を図るこ
とができるとともに、このチップポケットが軸線方向先
端視においても側面視においても略三角形状をなしてい
て、生成された切屑を小さく曲げることができるので、
より効率的な切屑処理を促すことが可能となり、これら
により切屑詰まり等を未然に防いで円滑な加工を行うこ
とができる。さらにチップ数を増やしても工具剛性を維
持することができるから、結果的に工具本体に設けるこ
とができる切刃の数も増やすことができ、効率的な切削
を行うことが可能となる。また、当該切削工具をスロー
アウェイ式とした場合には、平板状のチップをその上下
面を軸線方向先端側に向け、クランプネジにより工具本
体に装着することにより、工具本体先端部外周における
剛性をより確実に確保して工具本体に設けられる切刃の
数をさらに増やすことができ、一層効率的な切削作業を
行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例を示す側断面図である。
【図2】図1に示す実施例の軸線方向先端側からの正面
図である。
【図3】図1に示す実施例のチップポケット12近傍の
側面図である。
【図4】従来の切削工具の一例を示す側断面図である。
【図5】図4に示す従来例の軸線方向先端側からの正面
図である。
【図6】図4に示す従来例のチップポケット8近傍の側
面図である。
【図7】従来の切削工具の他の例を示す側断面図であ
る。
【図8】図7に示す従来例の軸線方向先端側からの正面
図である。
【図9】図7に示す従来例のチップポケット8近傍の側
面図である。
【符号の説明】
1,11 工具本体 2,13 チップ取付座 4,14 チップ 4a1,14a1 チップ4,14の上面 4c,14d,14e 切刃 4e,14f ノーズ部 5 クサビ部材 6 シート 8,12 チップポケット O 工具本体1,11の軸線 W1 チップポケット12の周方向の幅 W2 チップポケット12の径方向の幅

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸線回りに回転される工具本体の先端部
    外周に該工具本体の先端面および外周面に開口するチッ
    プポケットが形成されるとともに、このチップポケット
    の工具回転方向を向く面と上記先端面との稜線部分に切
    刃が設けられて成る切削工具において、 上記チップポケットの周方向の幅が、上記工具本体の軸
    線方向基端側および径方向内側に向かうに従って漸次
    次的に狭められているとともに、該チップポケットの上
    記径方向の幅も上記軸線方向基端側に向かうに従って漸
    次狭められていて、当該チップポケットが、上記軸線方
    向先端側からの正面視においても、また上記工具本体の
    側面視においても、略三角形状をなすように形成されて
    ることを特徴とする切削工具。
  2. 【請求項2】 上記チップポケットの工具回転方向を向
    く面に臨む位置には、多角形をなす上下面とこの上下面
    の周囲に配置される周面とを有する平板状のスローアウ
    ェイチップが着脱自在に装着され、上記切刃は、このス
    ローアウェイチップの上記上下面の少なくとも一方と少
    なくとも一の上記周面との交差稜線部に形成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の切削工具。
  3. 【請求項3】 上記スローアウェイチップが、上記工具
    本体の軸線方向先端側から螺着されるクランプネジによ
    って上記工具本体先端に装着されていることを特徴とす
    る請求項2記載の切削工具。
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