JPH09295213A - スローアウェイチップ及びスローアウェイ式カッタ - Google Patents

スローアウェイチップ及びスローアウェイ式カッタ

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JPH09295213A
JPH09295213A JP11285896A JP11285896A JPH09295213A JP H09295213 A JPH09295213 A JP H09295213A JP 11285896 A JP11285896 A JP 11285896A JP 11285896 A JP11285896 A JP 11285896A JP H09295213 A JPH09295213 A JP H09295213A
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JP
Japan
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cutting edge
throw
flank
main cutting
angle
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Application number
JP11285896A
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English (en)
Inventor
Tatsuo Arai
辰夫 新井
Takanobu Saitou
貴宣 斉藤
Norio Aso
典夫 麻生
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 切屑排出性を高め、ノーズ部の強度を向上さ
せる。 【解決手段】 略正方形板状で、上面12の稜線部にそ
れぞれ主切刃13及び副切刃15をコーナー刃14を挟
んで形成する。上面12の切刃稜線部の内側に平坦ラン
ド26を設け、その内側にブレーカ溝27を形成し、副
切刃15の幅広ランド部26aから中央面31にかけて
補強リブ32を設ける。補強リブ32からブレーカ溝2
7の上り傾斜面30に凹面34を配列し、特に補強リブ
32の凹面32aの径を他より大きくする。主切刃13
の第一逃げ面23は、逃げ角がコーナー刃14側のネガ
から漸次大きくなるねじれ逃げ面とする。チップ10
は、ラジアルレーキ角がネガでアキシャルレーキ角がポ
ジとなるようにカッタ本体の先端外周側に装着し、直角
削りを行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、正面フライスやエ
ンドミル等のスローアウェイ式カッタに装着されるスロ
ーアウェイチップ及びスローアウェイ式カッタに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えばスローアウェイ式カッタの
先端外周部に装着されて被削材の直角削り(90度肩壁
削り)ができるような種類のスローアウェイチップとし
て、例えば図12及び図13に示すように、正面フライ
ス1の先端外周側に取り付けられた略四角形板状のチッ
プ2がある。このスローアウェイチップ2は、図12に
示すように、着座面をなす下面3と対向する上面4を有
しており、その四周側面5は下面3から上面4に向けて
外側に傾斜する平面をなしている。各側面5と上面4と
が交差する稜線はそれぞれ主切刃6をなし、各主切刃6
の同一稜線上のコーナー部4a近傍には副切刃7が形成
されている。そして、上面4がすくい面をなし、側面5
が主切刃6と副切刃7の逃げ面をなしており、主切刃逃
げ面と副切刃逃げ面とが同一面(側面5)上に形成され
ている。又、上面4の中央部には、上下面を貫通してチ
ップ2を正面フライス1に装着固定するためのネジ用穴
8が穿設されている。
【0003】このようなスローアウェイチップ2を正面
フライス1の外周側先端部でシート部に取り付ける際、
カッタ本体の回転軸線Lに対して正の角度αをなすよう
に、ポジティブのアキシャルレーキ角を持たせて位置さ
せる。しかも、カッタ本体の半径方向の軸線Mに対して
負の角度βをなすように、ネガティブのラジアルレーキ
角を持たせて位置させる。このようなカッタ1で被削材
Wを直角削り(90度肩壁削り)切削しようとする場
合、図13に示すように、スローアウェイチップ2のカ
ッタ外周側に位置する主切刃6で、被削材Wの直角壁面
をつくるよう切削し、先端側に位置する稜線外側の副切
刃7がポジのアキシャルレーキ角とネガのラジアルレー
キ角によって切込み角を付けられているので、略四角形
板状のチップ2で直角削りを行うことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ようなスローアウェイチップ2では、アキシャルレーキ
角がポジでラジアルレーキ角がネガになるようカッタ1
に装着されており、しかも主切刃6と副切刃7の逃げ角
が同一面(側面5)上にあるために、主切刃6の逃げ角
は過大なポジとなる。そのため、切刃全長に亘って刃先
角が小さく、切刃強度が小さくなって欠損を生じ易いの
で、チップの寿命が短いという欠点があった。
【0005】本発明は、このような実情に鑑みて、高い
切削性能を有し、切刃強度を大きくできて、その寿命を
大幅に向上できるようにしたスローアウェイチップを提
供することを目的とする。又、本発明の他の目的は、直
角削りが可能で、高い切削性能を有し、切刃強度を大き
くできて、その寿命を大幅に向上できるようにしたスロ
ーアウェイチップ及びスローアウェイ式カッタを提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によるスローアウ
ェイチップは、着座面に対向する上面の稜線部が切刃を
なすと共に、この上面がすくい面とされ、着座面と上面
との間の側面が逃げ面とされているスローアウェイチッ
プにおいて、上面のコーナー部につながる二つの稜線部
の一方に主切刃が設けられると共に他方に副切刃が設け
られ、主切刃の逃げ面として、この主切刃に沿ってコー
ナー部から離れる方向に逃げ角が漸次大きくなるように
形成された、ねじれ逃げ面が設けられていると共に、す
くい面は、このねじれ逃げ面の逃げ角の増大につれて、
そのすくい角が漸次大きくなるように形成され、上面の
稜線部の内側にブレーカ溝が形成されていると共に、こ
のブレーカ溝には副切刃から上面中央方向に向かって補
強リブが設けられたことを特徴とするものである。
【0007】このスローアウェイチップをカッタに装着
すると、先端外側に副切刃が位置し、外周側に主切刃が
位置することになり、主切刃で切削され生成される切屑
はブレーカ溝でよくカールさせられ、分断させられるこ
とになり、しかもコーナー部付近の副切刃には補強リブ
が設けられているから、副切刃の強度を高くでき、更に
逃げ角とすくい角の大きい基端側の主切刃の強度が高く
なるよう補強でき、コーナー部付近の切刃強度が高く、
ノーズ部の強度が高い上に、低切込み時の切屑を補強リ
ブの上り傾斜面でカールできる。しかも、このスローア
ウェイチップが、ラジアルレーキ角がネガでアキシャル
レーキ角がポジとなるようにカッタに装着されると、外
周側に位置する主切刃は、先端側から基端側にかけてス
ローアウェイ式カッタの回転軸線により近付く方向に傾
斜しており、これに応じて、主切刃のねじれ逃げ面は、
主切刃に沿って先端から基端側に向かうに従って逃げ角
が漸次大きくなるように変化することで、この逃げ面が
被削材の加工壁面に当接するのを回避でき、又、主切刃
すくい面のすくい角がこれに応じて漸次大きくなってい
るので、低切込み側で逃げ角とすくい角が共に小さく刃
先角が大きいために切刃強度が高く、切削抵抗は比較的
大きいが切込みが浅いので問題とならず、また深切込み
側では切れ味が良くなり切削抵抗が大きくならない。よ
って、従来のチップと比較してその寿命が向上する。
尚、このスローアウェイチップのコーナー部を挟んだ副
切刃と主切刃は、直角より少し大きい角度を有してい
る。
【0008】また、補強リブから続くブレーカ溝の上り
傾斜面は、複数の凹面が配列されて形成されていてもよ
い。生成された切屑は、ブレーカ溝の上り傾斜面に当接
して走行するが、この上り傾斜面は複数の凹面が配列さ
れて形成されているから、切屑との擦過面積が小さく、
擦過抵抗や擦過による発熱が少ない。また、凹面は、補
強リブの領域に形成されたものが他の領域に形成された
ものより湾曲の径が大きくてもよい。低切込み時には、
生成された切屑が湾曲の径の大きい凹面でカールさせら
れることになり、低切込み時の切屑のカールを促進して
切屑詰まりを有効に防止できる。また、上面の稜線部に
小幅の平坦ランドが形成され、しかもこの平坦ランドは
副切刃の領域で幅広に形成され、補強リブはこの幅広の
平坦ランド部に接続されていてもよい。副切刃のランド
が幅広に形成されていることで、切込みに用いる副切刃
強度を向上させることができ、この幅広の平坦ランド部
に更に補強リブが接続されていることで、副切刃だけで
なく、ブレーカ溝が形成された上面のコーナー部即ちノ
ーズ部の強度をも向上できる。
【0009】また、ねじれ逃げ面の逃げ角は、コーナー
部との境界領域で0度のネガとされ、主切刃に沿ってコ
ーナー部から離れる方向に向けて漸次ポジで増大するよ
うにしてもよい。ねじれ逃げ面の逃げ角をその位置に応
じて必要最小限にすることで、低切込み時に用いる主切
刃の刃先角をより大きく設定できて、刃先強度が高くな
る。また、すくい面は、主切刃に沿って上面に形成され
たブレーカ溝の主切刃側から上面中央方向への下り傾斜
面として形成され、しかもすくい面の幅はすくい角が大
きくなる方向に向けて漸次狭くなるようにしてもよい。
すくい面の幅が低切込み側から深切込み側に漸次狭くな
っているから、すくい面を流れる切屑がカールしやすく
なる。また、すくい面に続くブレーカ溝の底面は、チッ
プ着座面に平行な平面とされている。ブレーカ溝の底面
が着座面と平行なので、チップ強度の低下が抑制され、
強度が確保されている。また、ねじれ逃げ面は、主切刃
からチップの厚み方向に所定幅で設定され、該ねじれ逃
げ面と着座面との間に形成された主切刃第2逃げ面は、
ねじれ逃げ面の逃げ角より大きい逃げ角で平面状に形成
されていてもよい。ねじれ逃げ面を所定幅に限定するこ
とで、平面状の主切刃第2逃げ面を大きくとれ、これを
チップ装着時のシート部の側面受け部とすれば、すくい
面により近い位置で当接するから、着座安定性が良い。
【0010】本発明によるスローアウェイチップは、平
面視略四角形板状をなし、上面の四周の稜線部にそれぞ
れ主切刃及び副切刃が形成され且つ各コーナー部にコー
ナー刃が形成されており、隣接する二つの主切刃が互い
に直交すると共に、隣接する二つのコーナー刃間で主切
刃に対して副切刃が微小角度だけチップ内側に傾斜して
形成されていることを特徴とする。これにより、チップ
を四コーナー使用できる。また本発明によるスローアウ
ェイ式カッタは、1または複数のスローアウェイチップ
が、ラジアルレーキ角がネガティブになると共にアキシ
ャルレーキ角がポジティブとなるように、カッタ本体の
先端外周側に装着されてなるスローアウェイ式カッタに
おいて、スローアウェイチップは上述した請求項1乃至
5のいずれかに記載のスローアウェイチップであっても
よい。このスローアウェイチップをスローアウェイ式カ
ッタの外周先端側に装着した状態で、切削に用いると、
外周側の主切刃で直角壁面削りが行われ、先端側の副切
刃で切込み切削が行われることになり、被削材の直角削
りができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1
乃至図11により説明するが、上述の従来技術と同様の
部分には同一の符号を用いてその説明を省略する。図1
は本実施の形態によるスローアウェイチップの斜視図、
図2は図1に示すスローアウェイチップの平面図、図3
は同じく側面図、図4は図2のA−A線断面図、図5は
図2のB−B線断面図、図6は図2のC−C線断面図、
図7は図2のD−D線断面図、図8はスローアウェイチ
ップの平面図のコーナー部の拡大図、図9は実施の形態
によるスローアウェイチップが装着された正面フライス
の一部破断側面図、図10は図9の正面フライスの他の
側面図、図11は図9の正面フライスの正面図である。
図1乃至図3において、本実施の形態によるスローアウ
ェイチップ10は略四角形(図では略正方形)の板状を
なしていて、着座面をなす下面11と対向する上面12
とを有している。上面12の略四辺をなす稜線部には主
切刃13がそれぞれ形成され、各コーナー部には円弧状
のコーナー刃14が設けられている。隣接する二つの稜
線部の各主切刃13は互いに直交している(図8参
照)。
【0012】そして、各稜線部における主切刃13と一
方のコーナー刃14との間には、主切刃13に対して微
少角度γ(例えば、1〜5度)だけ上面12上で内側に
傾斜した副切刃(さらい刃)15が形成され、この副切
刃15は滑らかにコーナー刃14に接続されるようにな
っている。又、下面11と上面12との間の四周の側面
18は、図3に示すように、各切刃領域毎に、上面12
から下面11に向けて順次逃げ角の大きくなる二段の逃
げ面がそれぞれ形成されている。
【0013】即ち、図3に示す各副切刃15の領域の側
面18においては、副切刃15と交差し且つ各副切刃1
5に沿って延在する一定幅t(例えば0.5〜1.5m
m程度)の部分が、一定の逃げ角θ1(例えば、15
度)を有する平面状の副切刃第1逃げ面19とされ、そ
の下方領域は、第1逃げ面19よりも大きな逃げ角θ2
(例えば、20度)が設定された副切刃第2逃げ面20
とされている。そして、各コーナー刃14の領域の側面
18では、コーナー刃14と交差し且つコーナー刃14
に沿って延在する一定幅tの部分が、隣接する副切刃1
5側から隣りの辺の主切刃13側に向けて、逃げ角がθ
1(ポジ面)から0度(ネガ面)に漸次変化させられる
コーナー刃第1逃げ面21とされている。又、その下方
領域は、副切刃第1逃げ面20と同一の逃げ角θ2が設
定されたコーナー刃第2逃げ面22とされている。尚、
コーナー刃第1及び第2逃げ面21,22は、それぞれ
外側に傾斜する円筒側面形状に形成されている。
【0014】そして、主切刃13の領域の側面18で
は、主切刃13と交差し且つ主切刃13に沿って延在す
る一定幅tの部分が、主切刃13とコーナー刃14との
境界領域では、逃げ角θ3が0度(ネガ面)とされ、ま
た、副切刃15との境界領域では、逃げ角θ3が副切刃
第1逃げ面19の逃げ角θ1(ポジ面)に一致するよう
に、漸次変化する主切刃第1逃げ面23とされている。
即ち、この主切刃第1逃げ面23は、コーナー刃第1逃
げ面21との境界領域から副切刃第1逃げ面19との境
界領域まで、主切刃13に沿って、その逃げ角が0度か
らθ1まで滑らかに変化するように形成されて、ねじれ
逃げ面を構成する。又、主切刃第1逃げ面23の下方領
域は、主切刃第1逃げ面23の逃げ角θ3より大きい、
副切刃第1逃げ面20と同一の逃げ角θ2に設定された
平面状の主切刃第2逃げ面24とされている。
【0015】又、上面12において、各切刃をなす全周
の稜線部から中央側に向けて、下面11と平行な小幅の
平坦ランド(すくい面ランド)26が全周に亘って形成
され、しかもこのランド26には、各副切刃15の領域
において平面視で略台形に形成された幅広ランド部26
aが形成されている。上面12の平坦ランド26の内側
領域には、図5のB−B線断面図に示すように、凹部状
のブレーカ溝27が形成されており、このブレーカ溝2
7は平坦ランド26に続いて形成された下り勾配の下り
傾斜面28と、下り傾斜面28の最下部から形成された
下面11に平行な底面29と、その中央側で上り勾配の
上り傾斜面30とで形成されている。そして、この上り
傾斜面30に続いて、下面11と平行で平面視略正方形
の中央面31が形成されている。中央面31は、主切刃
13等の稜線部より下面11との距離が小さく、その中
央にチップネジ止め用のネジ用穴16が穿設されている
(クランプ面等でもよい)。
【0016】又、下り傾斜面28と底面29との境界線
は、図2に示す平面視で、上面12の各主切刃13に対
して、微小角度傾斜したように形成されている。また、
底面29はブレーカ溝27の底を成している。更に、こ
のブレーカ溝27には各副切刃15の幅広ランド部26
aから中央面31の角部まで延在する補強リブ32が設
けられ、この補強リブ32はその高さが幅広ランド部2
6aから中央面31まで漸次低められている(図7参
照)。この補強リブ32によって、ブレーカ溝27はそ
れぞれ主切刃13に対向するように4つに分離されてい
る(図1及び2参照)。各ブレーカ溝27の上り傾斜面
30は、図1及び図2に示すように、補強リブ32の幅
広ランド26aの領域から隣接するコーナーの補強リブ
32の領域まで延在することになり、特に隣接する補強
リブ32との接続部までの上り傾斜面30は、例えば水
平断面円弧状の高さ方向の凹面34が複数配列されて形
成されている。これらの凹面34によって、走行する切
屑との接触面積を少なくでき、擦過による抵抗や発熱を
減少させている。しかも、上り傾斜面30の凹面34の
うち、補強リブ32の領域の凹面34aは中央面31の
領域の凹面34より大径で大きく湾曲されて、更に中央
面31の次の凹面34bとの間に凸面35が形成されて
おり、大径の凹面34aで低切込み時の切屑をカールし
易くして切屑詰まりを防止でき、凸面35で比較的深切
込み時の切屑先端のカールをし易くしている。
【0017】又、各主切刃13に対応する下り傾斜面2
8の領域を主切刃すくい面37とすると、この主切刃す
くい面37は、コーナー刃14側から副切刃15に向け
て主切刃第1逃げ面(ねじれ逃げ面)23の逃げ角λが
漸次増大するのに対応して、そのすくい角δが漸次増大
するように構成されることで、刃先角μが漸次減少する
ように形成されている。即ち、主切刃13のコーナー刃
14との境界領域では、主切刃逃げ面23の逃げ角λ1
は最小の0度(ネガ面)に設定されており、これに対応
する主切刃すくい面33のすくい角δは最小のδ1とさ
れる。そして、主切刃13の中央付近の断面(図5参
照)では、主切刃第1逃げ面23の逃げ角λはλ2(>
λ1)とされ、主切刃すくい面37のすくい角δはδ2
(>δ1)とされる。又、副切刃15との境界領域で
は、切刃第1逃げ面23の逃げ角λはλ3(=15度>
λ2)とされ、このすくい角δはδ3(>δ2)とされ
る。
【0018】従って、主切刃13がコーナー刃14との
境界から副切刃15との境界へ向かうに従って、主切刃
第1逃げ面23の逃げ角λは、λ1(=0)<λ2<λ3
(=15)と増大し、これに応じて主切刃すくい面37
のすくい角δも、δ1<δ2<δ3と増大することにな
る。そのため、この主切刃13の刃先角μは、低切込み
側で最大(=μ1)であり、中央付近でμ2(<μ1)、
副切刃15との境界で最小μ3(<μ2)となり、低切込
み側から深切込みに向けて漸次刃先強度が小さくなる。
また、主切刃すくい面37は、主切刃13のコーナー刃
14との境界領域(低切込み側)で最大幅とされ、副切
刃15との境界領域(深切込み側)で最小幅となるよう
に(直線状に)漸次変化して形成されている。
【0019】このようなスローアウェイチップ10が正
面フライス1に装着された状態が、図9乃至図11に示
されている。このチップ10は装着状態で、図9に示す
ように、副切刃15が先端外側に正面切刃として位置
し、外周先端側に、コーナー刃14を挟んで隣接する稜
線部の主切刃13がカッタ本体の回転軸線Lと(図上
で)平行に位置する外周刃となる。又、チップ10は、
図10に示すようにポジティブのアキシャルレーキ角α
で、図11に示すようにネガティブのラジアルレーキ角
βになるよう位置決めされている。特に、図10に示す
アキシャルレーキ角αを有するチップ10において、カ
ッタ1の外周面側に位置する側面18に関して、外周刃
をなす主切刃13は、被削材Wの直角壁面を形成するべ
く軸線方向先端側に位置し、基端側(後端側)に切削に
関与しない副切刃15が位置することになる。しかも、
基端側の逃げ面である副切刃第1逃げ面19が主切刃第
1逃げ面23よりも軸線Lに近接するために、副切刃第
1逃げ面19には、主切刃第1逃げ面23よりも大きい
ポジティブの逃げ角θ1が与えられることで、切削時に
この逃げ面19が被削材Wの加工壁面に接触することを
回避できる。
【0020】そして、主切刃13の領域では基端側から
先端方向に向けて、次第に軸線Lから離れていくため
に、主切刃第1逃げ面23の逃げ角λは副切刃第1逃げ
面19の逃げ角θ1よりも次第に小さくてしてよい。こ
のため、本実施の形態では主切刃第1逃げ面23を、逃
げ角λが基端側(副切刃第1逃げ面19側)から先端方
向にポジ角θ1から0度へ次第に変化するねじれ逃げ面
とすることで、必要最小限の逃げ角λを設定できる。し
かも、主切刃13を挟んで主切刃第1逃げ面23に対応
する主切刃すくい面37は、そのすくい角δを基端側か
ら先端方向に向けて、主切刃第1逃げ面23の逃げ角λ
の減少(λ3〜0度)につれて、漸次減少(δ3〜δ1
度)するようにしたから、低切込み時には主切刃13の
刃先角度μが大きいため、切削時の刃先強度が高い。こ
の場合、切削抵抗は比較的大きいが、切込みが浅いの
で、切削の障害となることはない。また、深切込み時に
は、刃先角μが漸次小さくなるが、すくい角δが漸次増
大するので切れ味が向上し、切削抵抗が漸次小さくな
る。そのため、主切刃13全体の切削抵抗は大きくなら
ない。特に主切刃13は、副切刃15と比較してその長
さが大きく且つ切削によって直角壁面を形成するために
被削材Wとの接触領域が大きいものであるため、スロー
アウェイチップ10の寿命を大幅に向上できる。
【0021】又、図9に示すカッタ本体1aのシート部
39の隣接する二つの側面受け39a,39bでスロー
アウェイチップ10の各側面18を支持する際、主切刃
第2逃げ面24を一定角度θ2の平面状に形成したため
に、この主切刃第2逃げ面24を支持することで、ねじ
れ逃げ面を備えていても、着座の安定性を確保できるこ
とになる。
【0022】以上のように、本実施の形態によれば、ス
ローアウェイチップ10のスローアウェイ式カッタ1へ
の装着姿勢に起因して、(外周刃をなす)主切刃13の
主切刃第1逃げ面23の逃げ角λが、先端側から基端側
に向けて漸次増大すると共に、主切刃すくい面37のす
くい角δが漸次増大するようにしたから、低切込み時に
は、主切刃13の刃先角μが大きいため、切削時の刃先
強度が高く、その際、切削抵抗は比較的大きいが、切込
みが浅いので、切削の障害となることはない。また、深
切込み時には、刃先角μが漸次小さくなるが、すくい角
δが漸次増大するので切れ味が向上し、切削抵抗が漸次
小さくなる。そのため、主切刃13全体の切削抵抗は大
きくならない。従って、従来のものと比較して、直角削
りをするためのスローアウェイチップ10の寿命を向上
できる。
【0023】また、平坦ランド26の副切刃15の領域
に幅広ランド部26aを形成し、しかもこの幅広ランド
部26aから中央面31にかけて補強リブ32が設けら
れたから、切込みの際に欠損しやすい副切刃15からノ
ーズ部のコーナー刃14にかけて刃先強度を強化するこ
とができる。しかも、補強リブ32の起立側面をなすブ
レーカ溝27の上り傾斜面30に湾曲径の大きい凹面3
4aを設けたことで、主切刃13による低切込みの際、
切屑詰まりを防いで低切込みでの切屑のカールを促し、
切屑の排出性が良好になる。又、深い切込みの際にも、
上り傾斜面30に凸面35や凹面34が連続して形成さ
れていることによって走行する切屑の接触面積が少なく
擦過抵抗や発熱を少なくすることができる。しかも、主
切刃すくい面37は、低切込み側で幅広とされ、深切込
み側で漸次幅が狭くなるから、切削時に切屑がカールし
やすくなる。また、ブレーカ溝27の底面29は下面1
1と平行であるから、チップ強度の低下を抑えることが
できる。
【0024】又、上述の実施の形態において、コーナー
刃14は平面視で円弧状に形成するようにしたが、チャ
ンファに形成してもよい。尚、実施の形態では、主切刃
13の逃げ面を二段構成としたが、これに限定されるこ
となく、主切刃第1逃げ面23が下面11まで延在する
1段構成、または3段以上の構成でもよい(副切刃15
とコーナー刃14も同様)。
【0025】
【発明の効果】上述のように、本発明に係るスローアウ
ェイチップは、上面のコーナー部につながる二つの稜線
部の一方に主切刃が設けられると共に他方に副切刃が設
けられ、主切刃の逃げ面として、この主切刃に沿ってコ
ーナー部から離れる方向に逃げ角が漸次大きくなるよう
に形成された、ねじれ逃げ面が設けられていると共に、
すくい面は、このねじれ逃げ面の逃げ角の増大につれ
て、そのすくい角が漸次大きくなるように形成され、上
面の稜線部の内側にブレーカ溝が形成されていると共
に、このブレーカ溝には副切刃から上面中央方向に向か
って補強リブが設けられたから、先端外側に副切刃が位
置し、外周側に主切刃が位置するようにカッタに装着す
ると、主切刃で切削され生成される切屑はブレーカ溝で
よくカールさせられ、分断させられることになり、しか
もコーナー部付近の切込みに用いられる副切刃には補強
リブが設けられているから、低切込み時の切屑が補強リ
ブの上り傾斜面でよくカールさせられ、また副切刃の強
度が高く、逃げ角とすくい角の大きくなる主切刃部分の
強度も向上し、ノーズ部の強度が高い。また、このスロ
ーアウェイチップが、ラジアルレーキ角がネガでアキシ
ャルレーキ角がポジとなるようにカッタに装着される
と、外周側に位置する主切刃は、先端側から基端側にか
けてスローアウェイ式カッタの回転軸線により近付く方
向に傾斜しており、これに応じて、主切刃のねじれ逃げ
面は、主切刃に沿って先端から基端側に向かうに従って
逃げ角が漸次大きくなるように変化させることで、この
逃げ面が被削材の加工壁面に当接するのを回避でき、
又、主切刃すくい面のすくい角がこれに応じて漸次大き
くなっているので、低切込み側で刃先角が大きいために
切刃強度が高く、切削抵抗は比較的大きいが切込みが浅
いので問題とならず、また深切込み側では切れ味が良く
なり切削抵抗が大きくならない。よって、従来のチップ
と比較してその寿命が向上する。また、補強リブから続
くブレーカ溝の上り傾斜面は、複数の凹面が配列されて
形成されているから、生成された切屑はブレーカ溝の上
り傾斜面に当接して走行するが、この上り傾斜面は複数
の凹面が配列されて形成されているから、切屑との擦過
面積が小さく、擦過抵抗や擦過による発熱が少ない。ま
た、凹面は、補強リブの領域に形成されたものが他の領
域に形成されたものより湾曲の径が大きいから、低切込
み時には、生成された切屑が湾曲の径の大きい凹面でカ
ールさせられることになり、低切込み時の切屑のカール
を促進して切屑詰まりを有効に防止できる。また、上面
の稜線部に小幅の平坦ランドが形成され、しかもこの平
坦ランドは副切刃の領域で幅広に形成され、補強リブは
この幅広の平坦ランドに接続されているから、副切刃の
ランドが幅広に形成されていることで、切込みに用いる
副切刃強度を向上させることができ、この幅広の平坦ラ
ンドに更に補強リブが接続されていることで、副切刃だ
けでなく、ブレーカ溝が形成された上面のコーナー部
(ノーズ部)の強度をも向上できる。また、本発明によ
るスローアウェイ式カッタは、スローアウェイチップが
請求項1乃至4のいずれかに記載のスローアウェイチッ
プであるから、このスローアウェイチップの外周側の主
切刃で直角壁面削りが行われ、先端側の副切刃で切込み
切削が行われることになり、被削材の直角削りができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態によるスローアウェイチッ
プの斜視図である。
【図2】図1に示すスローアウェイチップの平面図であ
る。
【図3】図1に示すスローアウェイチップの側面図であ
る。
【図4】図2に示すスローアウェイチップのA−A線断
面図である。
【図5】図2に示すスローアウェイチップのB−B線断
面図である。
【図6】図2に示すスローアウェイチップのC−C線断
面図である。
【図7】図2に示すスローアウェイチップのD−D線断
面図である。
【図8】図2に示すスローアウェイチップのコーナー部
の拡大図である。
【図9】実施の形態によるスローアウェイチップが装着
された正面フライスの一部破断側面図である。
【図10】図9に示す正面フライスの他の側面図であ
る。
【図11】図9に示す正面フライスの正面図である。
【図12】従来のスローアウェイチップの斜視図であ
る。
【図13】従来のスローアウェイチップが装着された正
面フライスによる直角削り状態を示す部分断面図であ
る。
【符号の説明】
1…正面フライス、10…スローアウェイチップ、11
…下面、12…上面、13…主切刃、14…コーナー
刃、15…副切刃、19…副切刃第1逃げ面、23…主
切刃第1逃げ面、24…主切刃第2逃げ面、27…ブレ
ーカ溝、28…下り傾斜面、26…平坦ランド、26a
…幅広ランド部、29…底面、32…補強リブ、34,
34a,34b…凹面、37…主切刃すくい面。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 着座面に対向する上面の稜線部が切刃を
    なすと共に、この上面がすくい面とされ、着座面と上面
    との間の側面が逃げ面とされているスローアウェイチッ
    プにおいて、 前記上面のコーナー部につながる二つの稜線部の一方に
    主切刃が設けられると共に他方に副切刃が設けられ、 前記主切刃の逃げ面として、該主切刃に沿ってコーナー
    部から離れる方向に逃げ角が漸次大きくなるように形成
    された、ねじれ逃げ面が設けられていると共に、前記す
    くい面は、このねじれ逃げ面の逃げ角の増大につれて、
    そのすくい角が漸次大きくなるように形成され、 前記上面の稜線部の内側にブレーカ溝が形成されている
    と共に、該ブレーカ溝には前記副切刃から上面中央方向
    に向かって補強リブが設けられたことを特徴とするスロ
    ーアウェイチップ。
  2. 【請求項2】 前記補強リブから続くブレーカ溝の上り
    傾斜面は、複数の凹面が配列されて形成されていること
    を特徴とする請求項1記載のスローアウェイチップ。
  3. 【請求項3】 前記凹面は、補強リブの領域に形成され
    たものが他の領域に形成されたものより湾曲の径が大き
    いことを特徴とする請求項2記載のスローアウェイチッ
    プ。
  4. 【請求項4】 前記上面の稜線部に小幅の平坦ランドが
    形成され、しかもこの平坦ランドは前記副切刃の領域で
    幅広に形成され、前記補強リブはこの幅広の平坦ランド
    に接続されていることを特徴とする請求項1乃至3のい
    ずれかに記載のスローアウェイチップ。
  5. 【請求項5】 1または複数のスローアウェイチップ
    が、ラジアルレーキ角がネガティブになると共にアキシ
    ャルレーキ角がポジティブとなるように、カッタ本体の
    先端外周側に装着されてなるスローアウェイ式カッタに
    おいて、前記スローアウェイチップは請求項1乃至4の
    いずれかに記載のスローアウェイチップであることを特
    徴とするスローアウェイ式カッタ。
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