JP2559481Y2 - イナーシャロック型同期噛合装置 - Google Patents

イナーシャロック型同期噛合装置

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JP2559481Y2
JP2559481Y2 JP1991062904U JP6290491U JP2559481Y2 JP 2559481 Y2 JP2559481 Y2 JP 2559481Y2 JP 1991062904 U JP1991062904 U JP 1991062904U JP 6290491 U JP6290491 U JP 6290491U JP 2559481 Y2 JP2559481 Y2 JP 2559481Y2
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政宏 新井
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Mitsubishi Automotive Engineering Co Ltd
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Mitsubishi Automotive Engineering Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、自動車のトランスミッ
ション等に用いられるイナーシャロック型同期噛合装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図8乃至図11は、従来のイナーシャロ
ック型同期噛合装置の一例を示すもので、図8は同上同
期噛合装置の縦断面図、図9は図8のF−F線断面図、
図10は図9のG−G線拡大断面図、図11は図9のH
−H線拡大断面図である。図8乃至図11において、こ
のイナーシャロック型同期噛合装置は、トランスミッシ
ョンの出力軸101上に回り止めされて一体回転可能に
軸支された中間のクラッチハブ102と、このクラッチ
ハブ102を挟んでその左右両側に位置した状態で、そ
れぞれ出力軸101に対して回転可能に軸支された1速
用のクラッチギヤ103Aおよび2速用のクラッチギヤ
103Bと、このクラッチギヤ103A,103Bとク
ラッチハブ102との間にそれぞれ介装されたブロッキ
ングリング105A,105Bと、クラッチハブ102
および両ブロッキングリング105A,105Bの外周
部分にまたがって配設されたスリーブ104と、各ブロ
ッキングリング105A,105Bの外周上にそれぞれ
装着された弾性リング部材107等で構成されている。
【0003】さらに詳述すると、左右一対のクラッチギ
ヤ103A,103Bは、外周にスプライン103aと
スプライン103bが設けられているとともに、ハブ1
03cの外周面がテーパーコーン部103dとして形成
されている。
【0004】左右一対のブロッキングリング105A,
105Bは、中心にクラッチギヤ103A,103Bの
テーパーコーン部103dと対応したテーパー面を有す
るテーパー孔105aが設けられている。これに対し
て、外周側には、クラッチギヤ103A,103Bと対
応してスプライン105bが設けられているとともに、
周方向に略120度づつずれた3箇所の位置毎に凹溝1
05cが形成されており、この凹溝105cが形成され
た外周上にそれぞれ弾性リング部材107が配設され
る。
【0005】弾性リング部材107は、鋼材でリング状
に形成されている。また、各ブロッキングリング105
A,105Bの各凹溝105cと対応した位置には、こ
の凹溝105c内にそれぞれ係合される凹部107bが
設けられている。そして、各ブロッキングリング105
A,105Bの各凹溝105c内に凹部107bを係合
させ、この係合によってブロッキングリング105A,
105Bに対して回り止めされた状態で取り付けられ
る。加えて、この弾性リング部材107には、各凹部1
07b,107bとの間にそれぞれ位置するようにし
て、3つの凸部107aが120度づつずれた位置に形
成されている。
【0006】スリーブ104は、内周面にクラッチギヤ
103A,103Bのスプライン103bおよびブロッ
キングリング105A,105Bのスプライン105b
と対応しているスプライン104aが形成されている。
また、このスプライン104aには、弾性リング107
の各凸部107aと各々対応している3箇所の部分に、
その径方向に傾斜してなる傾斜カム部106が設けられ
ている。一方、スリーブ104の外周面には、ギヤ10
4b、および図示せぬシフトフォークが係合される係合
溝104cが形成されている。
【0007】そして、このイナーシャロック型同期噛合
装置は、スリーブ104が外周にスプライン係合されて
取り付けられている中間のクラッチハブ102をトラン
スミッションの出力軸101に軸支させるとともに、ブ
ロッキングリング105A,105Bをテーパーコーン
部103dにそれぞれ装着した1速用と2速用のクラッ
チギヤ103A,103Bを、クラッチハブ102を挟
んでその軸方向両側に軸支して組み立てられる。また、
この組立時に、各ブロッキングリング105A,105
Bはクラッチハブ102に対して少なくともスプライン
105bの半ピッチ分だけ相対回転し得るように係合さ
れる。さらに、この後からは、スリーブ104の係合溝
104cにシフトフォークが取り付けられ、このシフト
フォークを介してスリーブ104が軸方向に往復移動切
り替え可能になっている。
【0008】次に、このイナーシャロック型同期噛合装
置の動作について説明する。まず、スリーブ104が図
8の状態である中立位置から、シフトフォークにより、
例えば軸方向一側の1速用クラッチギヤ103Aに向か
ってシフト動作させると、スリーブ104の内周の各傾
斜カム部106が一側のブロッキングリング105Aに
回り止めされている弾性リング部材107の各凸部10
7aに当接し、この弾性リング部材107をクラッチギ
ヤ103A側に押す。すると、この弾性リング部材10
7を介して一側のブロッキングリング105Aが軸方向
に移動され、テーパー孔105aがクラッチギヤ103
Aのテーパーコーン部103dに摩擦係合される。ま
た、これに伴い、ブロッキングリング105Aがクラッ
チハブ102に対する遊び分だけ相対回転して、スリー
ブ104のスプライン104aの端部のチャンファとブ
ロッキングリング105Aのスプライン105bのチャ
ンファとが相対する状態にインデックスされる。さら
に、この状態からスリーブ104が各傾斜カム部106
において、弾性リング部材107を径方向内方に押し付
けつつ移動すると、両チャンファ同士が当接してスリー
ブ104の移動が阻止されるとともに、ブロッキングリ
ング105Aのテーパー孔105aの内面がテーパーコ
ーン部103dに強く摩擦係合され、このポーク作用に
よりブロッキングリング105Aを介してスリーブ10
4とクラッチギヤ103Aとの同期が行われる。また、
同期完了時、各傾斜カム部106は、各凸部107aを
径方向内方に押し下げて、この各凸部107aを乗り越
える。また、各傾斜カム部106が各凸部107aを乗
り越えると、ブロッキングリング105Aとテーパーコ
ーン部103dとの間に作用する摩擦トルクが消滅す
る。すると、スリーブ104の阻止力も解除され、この
スリーブ104の移動が可能になり、そのスプライン1
04aがブロッキングリング105のスプライン105
bを押し分けてクラッチギヤ103Aのスプライン10
3bに噛合する。
【0009】なお、この状態からシフトフォークを介し
てスリーブ104を中立位置側に戻す動作が起こされる
と、前とは逆の順序を経て中立位置に戻され、図8の状
態に復帰する。また、さらに中立位置からスリーブ10
4がクラッチギヤ103B側へ移動されると、クラッチ
ギヤ103Aの場合と同様にしてスリーブ104とクラ
ッチギヤ103Bbとの噛合がなされる。
【0010】
【考案が解決しようとする課題】上述したように、従来
のイナーシャロック型同期噛合装置では、弾性スプリン
グ部材107に凸部107aと凹部107bを交互に設
けて、これをスリーブ104側と係合させて回り止めさ
れている。したがって、弾性スプリング部材107に凹
凸が多く形成されることになるので成形が複雑になる。
加えて、弾性スプリング部材107をリング状に形成し
てその両端同志を溶接し、その後で溶接部のバリを取り
除いているが、この場合に形状が複雑になっているので
取り除きずらく、手間がかかりコストが高くなっている
問題点等があった。また、弾性スプリング部材の成形状
態も安定せず、製品毎に切り替え操作時の感触が異なり
易いと言う問題点もあった。
【0011】本考案は、上記問題点に鑑みてなされたも
のであり、その目的はシンクロ用の弾性リング部材の構
造を簡略化してコストを下げ、安価なイナーシャロック
型同期噛合装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本考案に係るイナーシャロック型同期噛合装置によ
れば、クラッチハブと、クラッチギヤと、このクラッチ
ギヤのテーパーコーン部に装着したブロッキングリング
と、前記ブロッキングリング上に配設した線材製の弾性
リング部材と、前記クラッチハブにスプライン係合され
ているとともに内周面には前記弾性リング部材と係合可
能な複数の傾斜カム部を設けてなるスリーブとを備え、
前記スリーブの軸に沿う方向へのシフト動作により前記
傾斜カム部が前記弾性リング部材を軸に沿う方向に押圧
し、この弾性リング部材と共に前記ブロッキングリング
を軸に沿う方向に移動させて前記テーパーコーン部に摩
擦係合させるようにしたものであって、前記弾性リング
部材に複数箇所の凸部を前記傾斜カム部に対応して形成
するとともに、弾性リング部材と前記ブロッキングリン
グとで一体回転可能とすべく、前記ブロッキングリング
に前記弾性リング部材の前記凸部の背面側における凹所
内に係合して配設される凸部を形成してなる構成とした
ものである。
【0013】
【作用】この構成によれば、弾性リング部材の凸部にお
いて、その突出側にスリーブの傾斜カムより軸に沿う方
向への押圧力が加わり、これによって弾性リング部材と
スリーブとの回転方向位置決め機能が持たされるととも
に、その凸部の背面側の凹所内にブロッキングリングの
凸部が係合されて弾性リング部材とブロッキングリング
との間の回り止め機能が持たされ、ここでの弾性リング
部材の凸部が2つの機能を兼ね備える。したがって、ブ
ロッキングリングに支持され相対的な回転を規制された
弾性リング部材に対し、スリーブの軸に沿う方向へのシ
フト動作でスリーブの傾斜カムがブロッキングリングの
凸部に位置ずれなく当接してこれを軸に沿う方向へ押圧
し、弾性リング部材と一体的に押圧力を受けたブロッキ
ングリングがクラッチギヤのテーパコーン部に摩擦係合
し、同期作動が行われる。
【0014】
【実施例】以下、本考案の実施例について図面を用いて
詳細に説明する。図1乃至図6は本考案の一実施例に係
るイナーシャロック型同期噛合装置を示すもので、図1
は同上同期噛合装置の縦断面図、図2は図1のA−A線
断面図、図3は図2のD−D線拡大断面図、図4は図2
のE−E線拡大断面図、図5は図2のB部拡大図、図6
は図2のC部拡大図である。
【0015】図1乃至図6において、このイナーシャロ
ック型同期噛合装置は、トランスミッションの出力軸1
上に回り止めされて一体回転可能に軸支された中間のク
ラッチハブ2と、このクラッチハブ2を挟んでその左右
両側に位置した状態で、それぞれ出力軸1に対して回転
可能に軸支された1速用のクラッチギヤ3Aおよび2速
用のクラッチギヤ3Bと、このクラッチギヤ3A,3B
とクラッチハブ2との間にそれぞれ介装されたブロッキ
ングリング5A,5Bと、クラッチハブ2および両ブロ
ッキングリング5A,5Bの外周部分にまたがって配設
されたスリーブ4と、各ブロッキングリング5A,5B
の外周上にそれぞれ装着された弾性リング部材7等で構
成されている。
【0016】さらに詳述すると、左右一対のクラッチギ
ヤ3A,3Bは、外周にスプライン3aとスプライン3
bが設けられているとともに、ハブ3cの外周面がテー
パーコーン部3dとして形成されている。
【0017】左右一対のブロッキングリング5A,5B
は、それぞれ中心にクラッチギヤ3A,3Bのテーパー
コーン部3dと対応したテーパー面を有するテーパー孔
5aが設けられている。これに対して、外周側にはクラ
ッチギヤ3A,3Bと対応してスプライン5bが設けら
れているとともに、周方向に略120度づつずれた3箇
所の位置毎に凸部5cが形成されているとともに、この
3つの凸部5cの略中間に位置して小突起部5dが形成
されており、この凸部5cおよび小突起部5dが形成さ
れている外周上に弾性リング部材7が配設される。
【0018】弾性リング部材7は、一本の鋼材で、その
両端を溶接してリング状に形成されている。また、各ブ
ロッキングリング5A,5Bの各凸部5cと対応した位
置には、径方向外側へ突出された状態での凸部7bが設
けられている。そして、この凸部7bの背面側における
凹所7B内に対応するブロッキングリング5A,5Bの
各凸部5cを係合させ、この係合によってブロッキング
リング5A,5Bに対してこの弾性リング部材7が回り
止めされた状態で取り付けられるとともに、弾性リング
部材7の内側には小突起部5dが当接される。なお、図
2はこの状態を示している。
【0019】スリーブ4は、内周面にクラッチギヤ3
A,3Bのスプライン3bおよびブロッキングリング5
A,5Bのスプライン5bと対応しているスプライン4
aが形成されている。また、スプライン4aには、弾性
リング7の各凸部7と各々対応している3箇所の部分
に、その径方向に傾斜してなる傾斜カム部6が内側に突
出することなく軸方向両端にそれぞれ設けられている。
なお、ここで傾斜カム部6を内側へ突出することなく設
けている理由は、傾斜カム部6の加工を容易にするため
である。すなわち、スプライン4a一部だけが突出し
ている場合はその部分を特別に加工しなければならない
が、同じにした場合は同時に加工をすることができる。
また、傾斜カム部6が設けられていない他の部分の先端
にはストッパー17が設けられている。これに対して、
スリーブ4の外周面には、図示せぬシフトフォークが係
合される係合溝4cが形成されている。
【0020】そして、このイナーシャロック型同期噛合
装置は、スリーブ4が外周にスプライン係合されて取り
付けられている中間のクラッチハブ2をトランスミッシ
ョンの出力軸1に軸支させるとともに、ブロッキングリ
ング5A,5Bをテーパーコーン部3dに装着した1速
用と2速用のクラッチギヤ3A,3Baを、クラッチハ
ブ2を挟んでその軸方向両側に軸支して組み立てられ
る。また、この組立時に各ブロッキングリング5A,5
Bはクラッチバルブ2に対して少なくともスプライン5
bの半ピッチ分だけ相対回転し得るように係合される。
そして、この後からは、スリーブ4の係合溝4cにシフ
トフォークが取り付けられ、このシフトフォークを介し
てスリーブ4を軸方向に往復移動切り替え可能になって
いる。
【0021】次に、このイナーシャロック型同期噛合装
置の動作について説明する。まず、スリーブ4が図1の
状態である中立位置から、シフトフォークにより例えば
軸方向一側の1速用クラッチギヤ3Aに向かってシフト
動作させると、スリーブ4の内周の各傾斜カム部6が一
側のブロッキングリング5Aに回り止めされる弾性リン
グ部材7の各凸部7bに当接し、この弾性リング部材7
をクラッチギヤ3A側に押す。すると、この弾性リング
部材7を介して一側のブロッキングリング5Aが軸方向
に移動され、テーパー孔5aがクラッチギヤ3Aのテー
パーコーン部3dに摩擦係合される。また、これに伴
い、ブロッキングリング5Aがクラッチハブ2に対する
遊び分だけ相対回転して、スリーブ4のスプライン4a
の端部のチャンファとブロッキングリング5Aのスプラ
イン5bのチャンファとが相対する状態にインデックス
される。さらに、この状態からスリーブ4が各傾斜カム
部6において弾性リング部材7を径方向内方に押し付け
つつ移動すると、両チャンファ同士が当接してスリーブ
4の移動が阻止されるとともに、ブロッキングリング5
Aのテーパー孔5aの内面がテーパーコーン部3dに強
く摩擦係合され、このポーク作用でブロッキングリング
5Aを介してスリーブ4とクラッチギヤ3Aとの同期が
行われる。また、同期完了時、各傾斜カム部6は、各凸
部7bを径方向内方に押し下げ、この各凸部7bを乗り
越える。また、各傾斜カム部6が各凸部7bを乗り越え
ると、ブロッキングリング5Aとテーパーコーン部3d
との間に作用する摩擦トルクが消滅する。すると、スリ
ーブ4の阻止力も解除され、このスリーブ4の移動が可
能になり、そのスプライン4aがブロッキングリング5
のスプライン5bを押し分けてクラッチギヤ3Aのスプ
ライン3bに噛合する。
【0022】図7は、シンクロ機構が動作されるとき
に、弾性スプリング部材7に作用する応力分布状態を示
したもので、この弾性スプリング部材7では、傾斜カム
部6が当接する箇所6aと小突起部5dが当接している
箇所6bとの中間部分となる部分Kの付近が最も応力が
小さくなるので、この実施例ではこの部分に弾性スプリ
ング部材7の溶接部を位置させ、溶接部のへたりを最小
限にするようにしている。
【0023】なお、この状態からシフトフォークを介し
てスリーブ4を中立位置側に戻す動作が起こされると、
前とは逆の順序を経て中立位置に戻され、図1の状態に
復帰する。また、さらに中立位置からスリーブ4がクラ
ッチギヤ3B側へ移動されると、クラッチギヤ3Aの場
合と同様にしてスリーブ4とクラッチギヤ3Bbとの噛
合がなされる。
【0024】したがって、この実施例のイナーシャロッ
ク型同期噛合装置の構造によれば、弾性リング部材7の
凸部7bにおいて、その突出側にスリーブ4の傾斜カム
部6が当接されることによって弾性リング部材7とスリ
ーブ4との回転方向位置決め機能が持たされるととも
に、その凸部7bの背面側における凹所7B内にブロッ
キングリング5A(または5B)の凸部5cが係合され
て弾性リング部材7とブロッキングリング5A(または
5B)との間の回り止め機能が持たされる。すなわち、
弾性リング部材7における一つの凸部7bで上記2つの
機能を持つことができるので、従来構造で弾性リング部
材に凸部と交互に設けていた凹部が不要になる。これに
より、弾性リング部材の形状が簡略化され、コストが下
がる。
【0025】
【考案の効果】以上説明したとおり、本考案に係るイナ
ーシャロック型同期噛合装置によれば、弾性リング部材
の凸部において、その突出側にスリーブの傾斜カムより
軸に沿う方向への押圧力が加わり、これによって弾性リ
ング部材とスリーブとの回転方向位置決め機能が持たさ
れるとともに、その凸部の背面側の凹所内にブロッキン
グリングの凸部が係合されて弾性リング部材とブロッキ
ングリングとの間の回り止め機能が持たされる。このよ
うに、弾性リング部材における一つの凸部が回転方向位
置決め及び回り止めの2つの機能を兼ね備えるので、従
来構造で弾性リング部材に凸部と交互に設けていた凹部
が不要になり、弾性リング部材の形状が簡略化されてコ
ストが下がり、イナーシャロック型同期噛合装置そのも
のを安価に提供することができる。更に、一般的に、シ
ンクロ動作が行われる前段階では、ブロッキングリング
の回転を妨げる摩擦力はできるだけ少ない方がシンンク
ロ効率は良く、この点で、本願考案では、弾性リング部
材とブロッキングリングとが一体的に回転するため、シ
ンクロ動作を行う前段階において、摩擦抵抗がスリーブ
と弾性リング部材の凸部との間のみで生じ、摩擦抵抗が
比較的低くシンクロ効率も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例に係るイナーシャロック型同
期噛合装置の縦断面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】図2のD−D線拡大断面図である。
【図4】図2のE−E線拡大断面図である。
【図5】図2のB部拡大図である。
【図6】図2のC部拡大図である。
【図7】図1に示した同上同期噛合装置におけるシンク
ロスプリングの応力分布図である。
【図8】従来におけるイナーシャロック型同期噛合装置
の一例を示す縦断面図である。
【図9】図8のF−F線断面図である。
【図10】図9のG−G線断面図である。
【図11】図9のH−H線断面図である。
【符号の説明】
2 クラッチハブ 3A クラッチギヤ 3B クラッチギヤ 3d テーパーコーン部 4 スリーブ 5A ブロッキングリング 5B ブロッキングリング 5c 凸部 6 傾斜カム部 7 弾性リング部材 7b 凸部 7B 凹所

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】クラッチハブと、 クラッチギヤと、 このクラッチギヤのテーパコーン部に装着したブロッキ
    ングリングと、 前記ブロッキングリングに配設した線材製の弾性リング
    部材と、 前記クラッチハブにスプライン係合されているとともに
    内周面には前記弾性リング部材と係合可能な複数の傾斜
    カム部を設けてなるスリーブとを備え、 前記スリーブの軸に沿う方向へのシフト動作により前記
    傾斜カム部が前記弾性リング部材を軸に沿う方向に押圧
    し、この弾性リング部材と共に前記ブロッキンリング
    を軸に沿う方向に移動させて前記テーパコーン部に摩擦
    係合させるようにしたイナーシャロック型同期噛合装置
    において、 前記弾性リング部材に複数箇所の凸部を前記傾斜カム部
    に対応して形成するとともに、弾性リング部材と前記ブ
    ロッキングリングとで一体回転可能とすべく、前記ブロ
    ッキングリングに前記弾性リング部材の前記凸部の背面
    側における凹所内に係合して配設される凸部を形成して
    なることを特徴とするイナーシャロック型同期噛合装
    置。
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