JP2558460Y2 - 給紙装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、複写機、プリンタ、フ
ァクシミリ等の画像形成装置に用いられる給紙装置に関
する。

【０００２】

【従来の技術】複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画
像形成装置の多くは、Ａ判、Ｂ判等、定型に裁断された
用紙を画像形成部に供給するための給紙装置を備えてい
る。この給紙装置は、上下に積層された定型の用紙を収
納部（給紙カセット）に収納しておき、必要時に生じる
送り出しローラの回転により、該ローラに転接する最上
部の用紙を一側に送り出し、同側に配設されたガイド板
の案内により、送出された用紙を画像形成部に至る給紙
経路に導く構成となっている。

【０００３】以上の如き画像形成装置、特に、拡大，縮
小，多重複写，両面複写等、多機能化を図った複写機に
おいては、画像形成部及び給紙経路の複雑化に加え、多
種の用紙の取扱いを必要とし、これらの用紙の収納部を
備えた給紙装置が大型化する傾向にあり、これに伴う占
有面積の増加が問題となっている。そこで、画像形成部
及び給紙経路を含むハウジングの内部、一般的には、画
像形成部の下側に給紙装置を構成し、用紙の補給に際し
ては、ハウジングの前面側に収納部を引き出すようにな
し、占有面積の削減を図った複写機、所謂、フロントロ
ーディング型の複写機が実用化されている。

【０００４】そしてこのように構成された給紙装置にお
いては、ハウジング内側の収納部における用紙残量の把
握が難しいことから、収納部内の用紙の有無を検出する
センサ（用紙センサ）を設け、該用紙センサの検出結果
に基づいて使用者に用紙の補給時期を知らせるようにし
てあり、また、収納部からガイド板への用紙の受け渡し
に際して生じる給紙装置での紙詰まりに対処するため、
ガイド板の配設側にハウジングの一部を開閉する外装カ
バーを設け、紙詰まりの発生時にはこの外装カバーを開
けて、給紙状態の点検を行い得るようにしてある。

【０００５】前記用紙センサとしては、フォトセンサが
一般的に用いられている。図６は、この種の用紙センサ
の一例を示す回路図である。図示の如く用紙センサ１
は、発光素子（発光ダイオード）11及び受光素子（フォ
トトランジスタ）12を備えたフォトセンサ10を、スイッ
チングトランジスタ13と、３つの抵抗Ｒ₁ ，Ｒ₂ ，Ｒ₃
とからなる回路中に組み込み、コネクタ14の１ピンと２
ピンとの間にて発光素子11及び受光素子12に所定の駆動
電圧を印加する構成となっている。

【０００６】図７は、用紙センサの検出原理の説明図で
ある。以上の如く構成された用紙センサ１は、図示の如
く、給紙カセット（収納部）20の一側上部に、該給紙カ
セット20の内部に収納された用紙Ｐの表面に臨ませ、発
光素子11からの発光を下方に投射し、前記用紙Ｐの表面
からの反射光を受光素子12により捉えるべく配されてい
る。給紙カセット20は、その上部に積層された用紙Ｐを
押し上げる載置板21を備えており、該載置板21の上面の
用紙センサ１の配設位置に対向する部位には、光反射率
の低い材料からなるシート22が貼着してある。

【０００７】即ち、用紙センサ１の受光素子12は、給紙
カセット20内に用紙Ｐが存在する場合、用紙Ｐの表面か
らの反射光を受光するが、用紙Ｐが存在しない場合、光
反射率の低いシート22からの反射光を受光する一方、図
６の回路図における受光素子12側には、該受光素子12の
受光量に応じた電流が流れ、この電流により抵抗Ｒ₃の
両端に発生する電圧が所定値を超えた場合にスイッチン
グトランジスタ13がオン動作する。従って、スイッチン
グトランジスタ13のエミッタ、コレクタに夫々接続され
たコネクタ14の２ピンと３ピンとの間には、給紙カセッ
ト20中に用紙Ｐがなくなると共にハイレベルに転じる出
力が取り出されることになり、前記用紙Ｐの有無の検出
が可能となる。

【０００８】

【考案が解決しようとする課題】さて、前述の如き構成
の用紙センサ１として、前述した各構成部品をプリント
基板上に半田付けしてなる簡素な構成のディスクリート
タイプがあるが、これを図７に示す如く配した場合、例
えば、前記外装カバーを開放して行われる給紙状態の点
検、また給紙カセット20を引き出して行われる用紙Ｐの
補給に際し、前述の如く固定された用紙センサ１に作業
者が触れ、各構成部品の損傷、各構成部品間の短絡、更
には、作業者の感電事故を招来する虞があった。

【０００９】そこで従来においては、前述した各構成部
品を相互に接続した後、これらを樹脂製のケース中に一
体的にモールドしてなるモールドタイプの用紙センサ１
が用いられているが、この種の用紙センサ１は、ディス
クリートタイプの用紙センサ１に比して大幅に高価であ
る上、用紙センサ１は、多種の用紙の夫々に対して構成
される多数の給紙装置の夫々に必要であることから、製
品コストの低減のためにディスクリートタイプの用紙セ
ンサ１の使用が望まれている。

【００１０】またモールドタイプの用紙センサ１に何ら
かの故障が生じた場合、取替えを必要とするのに対し、
ディスクリートタイプの用紙センサ１は、配線部分の点
検修理が可能であり、使用者側でのメインテナンス費用
の負担を軽減するためにもディスクリートタイプの用紙
センサ１の使用が望まれている。

【００１１】本考案は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、収納部における用紙の有無を検出する用紙セン
サとしてディスクリートタイプの使用が、給紙点検及び
用紙補給に際しての短絡、感電等の事故を招来すること
なく可能となる給紙装置を提供することを目的とする。

【００１２】

【課題を解決するための手段】本考案に係る給紙装置
は、上下に積層された定型の用紙を収納する収納部の一
側に、該収納部からの送出用紙を所定の給紙経路に導く
ガイド板と、前記収納部内の用紙の有無を検出するセン
サとを備え、これらを内蔵するハウジングに、前記ガイ
ド板の配設側を開閉する給紙点検用の外装カバーを備え
た給紙装置において、前記センサは、前記収納部の上側
への前記ガイド板の延長部に前記外装カバー側から取付
けてあり、前記ガイド板に形成された窓を経て前記用紙
の表面に臨ませてあることを特徴とする。

【００１３】

【作用】本考案においては、ガイド板の一部を収納部の
上部にまで延長し、この延長部により収納部内の用紙か
ら隔てられた位置に用紙の有無を検出するセンサを取付
け、発光素子から用紙表面への光投射、用紙表面からの
反射光の受光は、延長部に形成された窓を経て行わせる
一方、ガイド板の延長部へのセンサの取付けを給紙点検
用の外装カバー側から行えるようにし、外装カバー側か
らのセンサの点検を可能とする。

【００１４】

【実施例】以下本考案をその実施例を示す図面に基づい
て詳述する。図１は本考案に係る給紙装置を備えた複写
機の縦断面図であり、この複写機は、図示の如く、ハウ
ジングＨの内側下部に給紙部２を、上部に光走査部３
を、これらの間に画像形成部４を夫々構成してなる。

【００１５】図示の如く光走査部３は、光源30及び反射
ミラー31を備えた走査ユニットを、ハウジングＨの上面
に架設されたガラス製の原稿台30に沿って走査させ、該
原稿台32上の原稿33からの反射光を、図示の如き多数の
反射ミラー及びレンズにより集光し、画像形成部４の略
中央に位置する感光ドラム40に導く動作をなす。

【００１６】一方給紙部２は、上下に複数段に亘って並
設され、夫々の幅方向両側又は一側に用紙Ｐを収納する
複数の給紙カセット20，20…と、各給紙カセット20の両
側又は一側に（用紙Ｐの収納側）夫々配された上下各一
対のガイド板23，24と、これらのガイド板23，24の配設
側にて用紙Ｐの上部に臨ませてあり、水平軸回りに回転
する送り出しローラ25とを備えてなる。各給紙カセット
20に収納された用紙Ｐは、これの最上部に転接する送り
出しローラ25の回転により上側から順に送り出され、送
出された用紙Ｐは、ガイド板23，24の間に導入され、上
方に導かれて、画像形成部４の一側に構成された給紙経
路42に沿って感光ドラム40の配設位置に達するようにな
してある。

【００１７】画像形成部４は、略中央部の感光ドラム40
と、これの両側に夫々構成された給紙経路42及び排紙経
路43と、排紙経路43の中途に構成された定着ユニット41
とを備えてなり、給紙部２から給紙経路42に導かれた用
紙Ｐは、給紙経路42に沿って配された搬送手段の動作に
より感光ドラム40に導かれる。感光ドラム40は、図にお
ける時計回りに回転し、この回転の間に光走査部３から
導かれた光により外周面に静電潜像に形成され、この潜
像にトナーを付着されて前記用紙Ｐに転接し、該用紙Ｐ
にトナー像を転写せしめる動作をなす。

【００１８】トナー像を転写された用紙Ｐは、排紙経路
43に沿って配された搬送手段の動作により定着ユニット
41に導かれる。定着ユニット41は、前記トナー像を用紙
Ｐに溶融定着させる動作をなし、定着ユニット41から送
出される用紙Ｐは、排紙経路43末端の排出ローラ44の回
転によりハウジングＨの外部に送出され、該位置に取付
けた排紙受け５に排出される。

【００１９】以上の如き複写機のハウジングＨには、給
紙部２の給紙カセット20からガイド板23，24間への用紙
Ｐの導入に際して生じる紙詰まりの点検のため、給紙点
検用の外装カバー６が、各給紙カセット20の両側に外部
からの開閉自在に設けられている。図２は、一側の外装
カバー６近傍の拡大断面図である。

【００２０】図示の如く、給紙カセット20の底部には、
ばねにより上向きに付勢された載置板21が配してあり、
給紙カセット20に収納された用紙Ｐは、前記載置板21の
作用により常に押し上げられ、上部に配された前記送り
出しローラ25との確実な転接がなされるようにしてあ
る。送り出しローラ25による送り出し側には、前述した
如く、上下一対のガイド板23，24が配してある。これら
の内、上部のガイド板23は、送り出しローラ25の配設位
置近傍にまで延長され、給紙カセット20内部の用紙Ｐの
上面に対向させてあり、この対向面の裏側には、用紙Ｐ
の有無を検出するための用紙センサ１が固定され、ガイ
ド板23に貫通形成された窓部７を介して用紙Ｐの表面に
臨ませてある。

【００２１】図３及び図４は用紙センサ１の取り付け状
態を示す斜視図である。図４に示す如く用紙センサ１
は、発光素子11及び受光素子12（図６参照）を備えたフ
ォトセンサ10、該フォトセンサ10への入力及び出力用の
コネクタ14等の構成部品をプリント基板15の一面に半田
付けして構成されたディスクリートタイプの用紙センサ
であり、この用紙センサ１は、図３に示す如くガイド板
23に固定されるホルダ８に、図４に示す如く取り付けて
ある。

【００２２】図３及び図４に示す如くホルダ８は、幅方
向に所定の間隔を隔てて突設された一対の取り付け脚8
a，8aと、これらの基部から夫々斜めに立ち上がる一対
の固定脚8b，8bと、固定脚8b，8bの間を折り曲げ、取り
付け脚8a，8aと同向きに突出させてなる覆い板8cとを備
えてなり、ガイド板23の先端側の一部を斜めに屈曲させ
てなる固定ブラケット 23aに固定脚8b，8bを沿わせ、一
対の止めねじ9a，9aにより夫々ねじ止めして、図２に示
す如く、取付け脚8a，8aとガイド板23の裏面とが所定の
隙間を隔てて対向するように固定されている。

【００２３】前記用紙センサ１は、図４中に白抜矢符に
て示す如く、取り付け脚8a，8aと覆い板8cとの間に挿入
され、基板15の両側を一対の止めねじ9a，9aにより取り
付け脚8a，8aに夫々ねじ止めして、フォトセンサ10の取
付け面が取り付け脚8a，8a間からガイド板23の裏面に対
向するように固定してある。この固定によりフォトセン
サ10は、ガイド板23を表裏に貫通する窓部７を介して給
紙カセット20内部の用紙Ｐの表面に対向し、フォトセン
サ10の発光素子11（図６参照）からの発光が窓部７を経
て用紙Ｐの表面に達し、該用紙Ｐからの反射光が窓部７
を経てフォトセンサ10の受光素子12（図６参照）に捉え
られ、前述した如く用紙Ｐの有無が検出されるようにな
してある。

【００２４】図５は、ガイド板23，24間での紙詰まり
等、内部点検のために外装カバー６を開放した状態を示
している。本図及び第２図に示す如く、前述の如く取付
けられた用紙センサ１は、ガイド板23とホルダ８の覆い
板8cとにより上下両側を覆われている。従って、外装カ
バー６を開放して行われる給紙カセット20からガイド板
23，24への受け渡し部において詰まった用紙Ｐの取り除
き作業、及び周辺部の点検作業において、用紙センサ１
に作業者が接触し、該用紙センサ１の構成部品の損傷、
各構成部品間の短絡、及び感電事故が発生する虞はな
い。

【００２５】一方、用紙センサ１の点検修理は、外装カ
バー６側に開口するホルダ８の取付け脚8aと覆い板8cと
の間の隙間から止めねじ9b，9bを緩め、基板15を取り外
すことにより容易に実施でき、ディスクリートタイプの
使用によるメインテナンス面の優位性は確保される。

【００２６】なお以上の実施例は、複写機への適用例に
ついて述べたが、本考案に係る給紙装置は、プリンタ、
ファクシミリ等、定型の用紙を用いる他の画像形成装置
への適用が可能であることは言うまでもない。

【００２７】

【考案の効果】以上詳述した如く本考案に係る給紙装置
においては、収納部内の用紙の有無を検出する用紙セン
サが、収納部の上側へのガイド板の延長部の前記用紙か
ら隔てられた位置に、給紙点検用の外装カバー側から取
付けてあり、用紙表面への光投射及び用紙表面からの反
射光の受光を、ガイド板の延長部に形成された窓を経て
行わせるから、外装カバーを開放して行われる給紙点検
に際しての短絡、感電等の事故を招来することなくディ
スクリートタイプの用紙センサを用いることができ、こ
れによる製品コストの低減が可能となる上、外装カバー
の開放側から用紙センサ自体の点検が行える等、本考案
は優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る給紙装置を備えた複写機の縦断面
図である。

【図２】本考案に係る給紙装置を備えた複写機の要部拡
大断面図である。

【図３】用紙センサの取付け状態を示す斜視図である。

【図４】用紙センサの取付け状態を示す斜視図である。

【図５】本考案に係る給紙装置を備えた複写機の外装カ
バーを開放した状態を示す要部拡大断面図である。

【図６】用紙センサの回路図である。

【図７】用紙センサの検出原理の説明図である。

【符号の説明】

１ 用紙センサ ２ 給紙部 ３ 光走査部 ４ 画像形成部 ６ 外装カバー ７ 窓部 ８ ホルダ 10 フォトセンサ 15 基板 20 給紙カセット 21 載置板 23 ガイド板 24 ガイド板 25 送り出しローラ

フロントページの続き (72)考案者 鈴木 茂樹 大阪府守口市京阪本通２丁目18番地 三 洋電機株式会社内 (56)参考文献 特開 平４−66443（ＪＰ，Ａ) 特開 平１−299143（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−198949（ＪＰ，Ａ)

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 上下に積層された定型の用紙を収納する
   収納部の一側に、該収納部からの送出用紙を所定の給紙
   経路に導くガイド板と、前記収納部内の用紙の有無を検
   出するセンサとを備え、これらを内蔵するハウジング
   に、前記ガイド板の配設側を開閉する給紙点検用の外装
   カバーを備えた給紙装置において、前記センサは、前記
   収納部の上側への前記ガイド板の延長部に前記外装カバ
   ー側から取付けてあり、前記ガイド板に形成された窓を
   経て前記用紙の表面に臨ませてあることを特徴とする給
   紙装置。