JP2556817B2 - 板金製プーリの製造方法 - Google Patents

板金製プーリの製造方法

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JP2556817B2 JP6032617A JP3261794A JP2556817B2 JP 2556817 B2 JP2556817 B2 JP 2556817B2 JP 6032617 A JP6032617 A JP 6032617A JP 3261794 A JP3261794 A JP 3261794A JP 2556817 B2 JP2556817 B2 JP 2556817B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、板金製プーリの製造方
法、特にベルト掛け用の円筒状の胴壁の端部に単層の耳
部が環状に張出されている板金製プーリの製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】金属製の平板状素材にプレス工程などを
行って基板部と粗胴壁部とを備えたカップ状の成形体を
製作し、その成形体の胴壁部を軸方向に圧縮して厚肉化
した後、粗胴壁部に耳部やV溝を成形してベルト掛け用
の円筒状の胴壁とした板金製プーリの製造方法は従来よ
り知られている。
【0003】図9〜図12は従来方法で板金製プーリを
製造するときに中間工程で得られる成形体の形状を順に
示したものである。図9の成形体A1は平板状の金属製
素材(不図示)に2工程にわたるプレスを行って製作さ
れており、平板部51とその周囲の傾斜板部52とを備
える円形の基板部5の外周に円筒状の粗胴壁61を有し
ている。図10の成形体A2は、図9の成形体A1の基
板部5にプレスを行って凹入部53とその周囲の平坦な
環状部54とを成形することによって製作されている。
この成形体A2においては、基板部5と粗胴壁61とに
より形成されるコーナ部分aが同図に拡大して示したよ
うに円弧状の輪郭線a1を有する形状になっている。図
11の成形体A3は図10の成形体A2の粗胴壁61の
厚肉化処理とコーナ処理とを行うことによって製作され
ており、この成形体A3においては、粗胴壁62が軸方
向の圧縮によって図10の粗胴壁61よりも厚肉化され
ており、また、上記コーナ部分aが同図に拡大して示し
たように円弧部分をほとんど持たない直角輪郭線a2を
有する形状になっている。図12の成形体A4は、図1
1の成形体A3の厚肉化された粗胴壁62の基板部5側
の端部外周に耳部形成用ローラの先尖り成形面(不図
示)を喰い込ませてその部分をすり割りし、それによっ
て粗胴壁62の端部に単層の耳部7を十分な幅を持つ形
に形成することによって製作されている。図12の成形
体A4は、次工程であるV溝やポリV溝を成形する工程
に移され、この工程で厚肉化されている粗胴壁62にV
溝やポリV溝が成形される。
【0004】上述した従来の製造方法において、図10
の成形体A2に厚肉化処理やコーナ処理を行って図11
の成形体A3を製作し、その成形体A3に対して単層の
耳部7を形成するようにする理由は、図10の成形体A
2に対して直接に単層の耳部を形成する工程を行うと、
厚肉化されていない粗胴壁61の端部の耳部形成箇所の
コーナー外面側が円弧状になっていてコーナー外面部の
肉不足が生じるため、先尖り成形面でその箇所のすり割
りを行っても耳部が十分な幅になるまで延びきらないか
らである。すなわち、図10で説明した成形体A2に直
接に単層の耳部を形成する工程を行うときは、その成形
体A2を図13のように回転下型200と回転上型10
0との間に装着し、耳部形成ローラ300の環状の先尖
り成形面310を厚肉化されていない粗胴壁61の端部
に対向させてから、成形体A2を回転させながら耳部形
成ローラ300の先尖り成形面310を粗胴壁61の端
部外周に喰い込ませていくという手順を行うのである
が、そのようにすると、図14のように粗胴壁61の端
部に耳部形成用ローラ300の先尖り成形面310が十
分に喰い込んでも、耳部形成箇所のコーナー外面部の肉
不足により耳部形成箇所で肉が十分に延びなくなって、
形成された単層の耳部7の幅が破線bまで達しないので
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の製造方法による
と、単層の耳部を形成する工程に至るまでに図9のプレ
ス工程、図10のプレス工程、図11の厚肉化およびコ
ーナ処理を行う工程とが必要である。このため、これら
図9〜11のプレス工程を行うために、高価なプレス機
械が3基も必要になるのみならず、それぞれのプレス機
械に装備させる金型数やプレス機械間での成形体などの
搬送に用いる自動搬送ロボットの必要基数が多くなり、
また、製造ラインの全長や段取り時間も工程数に応じて
長くなるという問題があった。本発明は以上の問題に鑑
みなされたものである。すなわち、本発明は、平板状素
材に1段階のプレスを行って成形される成形体の形状に
工夫を講じることにより、従来の製造方法で使われてい
る耳部形成用ローラを利用して耳部形成箇所にコーナー
外面部の肉不足が生じないようにすることによって、従
来の製造方法に比べてプレス機械の必要基数や金型の
数、自動搬送ロボットの必要基数などが少なくて済み、
しかも全工程数が少なくなって製造ラインの全長や段取
り時間を短くすることのできる板金製プーリの製造方法
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の板金製プ
ーリの製造方法は、基板部の外周にベルト掛け用の円筒
状の胴壁が一体に設けられ、この胴壁の上記基板部側の
端部に単層の耳部が環状に張出された板金製プーリの製
造方法において、平板状素材から円形の基板部とその基
板部の外周に軸方向中央部が円弧状に膨らみ出た中膨れ
を一体に備える成形体を形成し、この成形体におけ
る上記中膨れ壁の基板部側の端部外周に、円筒状の成形
面の軸方向の一部に環状の先尖り成形面が突設された耳
部形成用ローラの上記先尖り成形面を喰い込ませて単層
の耳部をすり割り形成しながら、その耳部形成用ローラ
の円筒状の成形面で上記中膨れ壁の外周を半径方向に押
圧することによりその中膨れ壁を円筒状に成形して厚肉
化することを行って、円筒状の上記胴壁の基板部側の端
部に単層の耳部を環状に張出させるというものである。
請求項2記載の板金製プーリの製造方法は、請求項1記
載の方法において、耳部形成用ローラの先尖り成形面を
中膨れ壁の基板部側の端部外周に喰い込ませて単層の耳
部をすり割り形成しながら、その耳部形成用ローラの円
筒状の成形面で上記中膨れ壁の外周を半径方向に押圧す
るときに、中膨れ壁の端部を位置規制しておくというも
のである。請求項3記載の板金製プーリの製造方法は、
基板部の外周にベルト掛け用の円筒状の胴壁が一体に設
けられ、この胴壁の上記基板部側の端部に単層の耳部が
環状に張出された板金製プーリの製造方法において、
板状素材から円形の基板部とその基板部の外周から延び
出た環状鍔壁を形成し、軸方向中央部が円弧状に凹入し
た中細り成形面を備える胴壁成形用ローラの上記中細り
成形面を上記環状鍔壁の外周部に押し当ててからその環
状鍔壁を半径方向に押圧することによって上記中膨れ成
形面に沿う中膨れ壁を形成し、その中膨れ壁の基板部側
の端部外周に、円筒状の成形面の軸方向の一部に環状の
先尖り成形面が突設された耳部形成用ローラの上記先尖
り成形面を喰い込ませて単層の耳部をすり割り形成しな
がら、その耳部形成用ローラの円筒状の成形面で上記中
膨れ壁の外周を半径方向に押圧することによりその中膨
れ壁を円筒状に成形して厚肉化することを行って、円筒
状の上記胴壁の基板部側の端部に単層の耳部を環状に張
出させると共に、基板部の外周から延び出た上記環状鍔
壁における基板部の軸心に対する開き角度を増減調節す
ることによって、耳部形成用ローラの円筒状の成形面で
中膨れ壁を円筒状に成形して厚肉化される円筒状の胴壁
の肉厚を、上記開き角度に応じた厚さにするというもの
である。請求項4記載のの板金製プーリの製造方法は、
基板部の外周にベルト掛け用の円筒状の胴壁が一体に設
けられ、この胴壁の上記基板部側の端部に単層の耳部が
環状に張出された板金製プーリの製造方法において、上
記基板部側の端部に単層の耳部が張出された胴壁が、中
膨れ壁を形成させた後に、円筒状の成形面の軸方向の一
部に環状の先尖り成形面が突設された耳部形成用ローラ
を用いて、その耳部形成用ローラの先尖り成形面を上記
中膨れ壁の基板部側の端部外周に喰い込ませて単層の耳
部をすり割り形成しながら、その耳部形成用ローラの円
筒状の成形面で上記中膨れ壁の外周を半径方向に押圧し
て中膨れ壁を厚肉化させながら円筒状にすることで形成
されているものである。
【0007】
【作用】請求項1、請求項2、請求項3のいずれかに記
載の発明による板金製プーリの製造方法において、そし
て、上記環状鍔壁を中膨れ壁に形成した後は、直ちにそ
の中膨れ壁を円筒状に成形して厚肉化したり中膨れ壁の
端部に単層の耳部をすり割り形成したりすることがで
き、この場合、中膨れ壁の成形工程や中膨れ壁の厚肉化
および耳部形成工程の時にはプレスを行う必要がない。
つまり、上記中膨れ壁にすると、耳部形成箇所のコーナ
ー外面部において耳部を必要幅に延ばすだけの肉が確保
される。そのため、中膨れ壁を円筒状に成形することと
耳部形成用ローラの先尖り成形面を上記中膨れ壁の基板
部側の端部外周に喰い込ませることとを併行することに
より、中膨れ壁が円筒状に成形されていくに伴って厚肉
化されていくと共に、耳部も必要幅まで確実に延びきる
ようになるのである。また、請求項2記載の板金製プー
リの製造方法によると、耳部形成用ローラの円筒状の成
形面で上記中膨れ壁の外周を半径方向に押圧するとき
に、中膨れ壁の端部を位置規制するようにしているた
め、耳部形成用ローラの円筒状の成形面で中膨れ壁の外
周を押圧する最初から最後まで中膨れ壁の端部は逃げ
ず、確実な厚肉化を実行できる。請求項3記載の発明に
よる板金製プーリの製造方法によると、平板状素材から
円形の基板部とその基板部の外周から延び出た環状鍔壁
を形成する工程は、平板状素材に1段階のプレスを行う
だけで済む。また、環状鍔壁の開き角度を大きくするほ
ど、胴壁成形用ローラの中細り成形面が深い場合でも、
その中細り成形面に沿いやすくなって、径方向外方への
突出量の大きな中膨れ壁を形成することができる。その
ため、この大きな中膨れ壁によりこれを円筒状にして胴
壁にしたとき胴壁をより厚肉化することができる。その
逆に、胴壁成形用ローラの中細り成形面が深い場合に、
環状鍔壁の開き角度を小さくすると、環状鍔壁はその中
細り成形面に沿わなくなって、径方向外方への突出量が
小さな中膨れ壁が形成される。そのため、この小さな中
膨れ壁を円筒状にして胴壁にしたとき胴壁はそれほど厚
肉化されないのである。つまり、環状鍔壁の開き角度に
より胴壁の厚肉化度合いを自由に設定することができる
のである。また、請求項4記載の発明による板金製プー
リの製造方法においては、プレス成形あるいは転造成形
により中膨れ壁を形成させた後に、直ちにその中膨れ壁
を円筒状に成形して厚肉化したり中膨れ壁の端部に単層
の耳部を形成したりすることができ、この場合、中膨れ
壁の厚肉化および耳部形成工程の時にはプレスを行う必
要がない。つまり、上記中膨れ壁にすると、上記請求項
1記載の板金製プーリの製造方法と同じく耳部形成箇所
のコーナー外面部において耳部を必要幅に延ばすだけの
肉が確保されるため、中膨れ壁を円筒状に成形すること
と耳部形成用ローラの先尖り成形面を上記中膨れ壁の基
板部側の端部外周に喰い込ませることで、中膨れ壁は円
筒状に成形されていくに伴って厚肉化されていくと共
に、耳部も必要幅まで確実に延びきるようになるのであ
る。
【0008】
【実施例】図1は本発明方法の出発素材として用いられ
る成形体A5を示している。この成形体A5は、所定厚
さの平板状の鋼材やアルミニウム材などの金属材にプレ
スを行うことにより製作されており、凹入部11とその
周囲の環状の平板部12とを備える円形の基板部1と、
この基板部1の外周から端拡がり状に傾斜状に延び出た
環状鍔壁2(あるいは図示しないが径方向外方に水平に
延び出た環状鍔壁であってもよい)とを一体に有してい
る。図2のように、上記成形体A5は、回転上型100
と回転下型200との間に装着され、胴壁成形用ローラ
400を用いて主に上記環状鍔壁2が後述する中膨れ形
状に成形される。図2で判るように、胴壁成形用ローラ
400は軸方向中央部が円弧状に凹入した中細り成形面
410を備えている。そして、回転上型100と回転下
型200とによって成形体A5を回転させながら、胴壁
成形用ローラ400の中細り成形面410を図2のよう
に上記環状鍔壁2の外周部に押し当ててからその環状鍔
壁2を半径方向に押圧(押圧方向を矢印X1で示してあ
る。)すると、環状鍔壁2の外周部が上記中細り成形面
410を滑りながらその環状鍔壁2が次第に湾曲し、最
終的には図3のように中膨れ成形面410に沿う形状に
変形する。なお、中膨れ壁21を成形するときには、成
形の最終段階で回転下型200に具備された段付面21
0に中膨れ壁21の端部22が当たって位置規制される
ようになっていることが望ましい。
【0009】基板部1の外周に中膨れ壁21を一体に備
えた図3の成形体A6に対しては、次に上記環状鍔壁2
1の厚肉化工程と耳部形成工程とが併行して行われる。
これらの工程は、従来例で説明したものと同じ形の耳部
形成用ローラ300が用いられる。図4で判るように、
この耳部形成用ローラ300は円筒状の成形面320の
軸方向の一部に環状の先尖り成形面310が突設された
形状になっている。回転上型100や回転下型200に
は図3で説明したものと同じものがそのまま用いられ
る。
【0010】図4のように、上記の厚肉化工程や耳部形
成工程は、回転上型100と回転下型200とによって
成形体A6を回転させておき、耳部形成用ローラ300
の先尖り成形面310を上記中膨れ壁21の基板部1側
の端部外周に押しつけることにより先尖り成形面310
を中膨れ壁21の端部外周に喰い込ませながら、耳部形
成用ローラ300の円筒状の成形面320で中膨れ壁2
1の外周を半径方向に押圧することにより行われる。こ
のようにすると、先尖り成形面310が中膨れ壁21の
端部外周に次第に深く喰い込んで行くことによりその部
分がすり割りされ、しかも、そのようにすり割り形成さ
れる耳部形成箇所には、中膨れ壁21が次第に円筒状に
変形されるのに伴ってその中膨れ壁21から余剰の肉が
流動してくるので、耳部形成箇所の肉が先尖り成形面3
10の外面に沿って次第に延び出し、図5や図6に示し
たように環状でしかも十分な幅に張出された単層の耳部
3が形成される。また、円筒状の成形面320が中膨れ
壁21の外周を半径方向に押圧することにより、その中
膨れ壁21が次第に円筒状に変形される。この場合にお
いて、実施例のように回転下型200に具備された段付
面210に中膨れ壁21の端部22が予め当たり位置規
制されていると、中膨れ壁21の円筒状成形時に中膨れ
壁21の端部22は最初から最後まで逃げず、中膨れ壁
21が次第に円筒状に成形されるのに伴って中膨れ壁2
1が確実かつ十分に厚肉される。なお、中膨れ壁21は
最終的には図5のような円筒状の胴壁4となる。
【0011】このように上記環状鍔壁2を中膨れ壁21
に形成すると、耳部形成箇所のコーナー外面部において
単層の耳部を必要幅に延ばすだけの肉が確保されので、
その中膨れ壁21の形成後に、厚肉化工程や耳部形成工
程を行うことで、図6に詳細に示したように胴壁4の厚
肉化のみならず、単層の耳部3が先尖り成形面310の
外面に沿って十分な幅になるまで延びきるようになる。
【0012】図5や図6に示してある成形体A7は、円
筒状の胴壁4がベルト掛けに用いられ、また、単層の耳
部3がベルト外れを防ぐことに役立つ。また、この成形
体A7は、胴壁4が厚肉化されているので、その胴壁4
の外周面に次工程でV溝やポリV溝を成形することがで
き、そのようにすることによって板金製Vプーリや図8
に示した板金製ポリVプーリA8を製作することができ
るようになる。
【0013】図5の成形体A7の円筒状の胴壁4の肉厚
は、図1に示した成形体A5を成形する工程で調節する
ことが可能である。すなわち、図7に拡大して示したよ
うに、環状鍔壁2における基板部1の軸心に対する開き
角度θを増減調節すると、上記の胴壁成形用ローラ40
0や耳部形成用ローラ300の金型は変更することな
く、図5の成形体A7の円筒状の胴壁4の肉厚を変更す
ることが可能となる。すなわち、環状鍔壁の開き角度θ
を大きくするほど、胴壁成形用ローラ400の中細り成
形面410に沿いやすくなって、径方向外方への突出量
の大きな中膨れ壁21を形成することができる。そのた
め、この大きな中膨れ壁21によりこれを円筒状にして
胴壁4にしたとき胴壁4をより厚肉化することができ
る。その逆に、環状鍔壁2の開き角度を小さくすると、
環状鍔壁2は上記中細り成形面410に沿わなくなっ
て、径方向外方への突出量が小さな中膨れ壁が形成され
る。そのため、この小さな中膨れ壁を円筒状にして胴壁
4にしたとき胴壁4はそれほど厚肉化されないのであ
る。
【0014】この実施例において、成形体A5はその基
板部1が凹入部11と平板部12とにより形成されてい
るけれども、基板部は円形でありさえすれば、凹入部1
1がなくてもよく、また、凹入部11を図1のものとは
反対側に凹入させてその凹入部をベアリングの嵌合保持
部として利用できるようにしておいてもよい。本発明に
よる板金製プーリの製造方法は、上記の板金製Vプーリ
や板金製ポリVプーリのほか、板金製背面プーリの製造
にも適用することができる。
【0015】
【発明の効果】請求項1、請求項2、請求項3記載の発
明による板金製プーリの製造方法によれば、成形体の中
膨れ壁の厚肉化と必要幅まで延びる耳部の形成を同時に
行えるため、冒頭で説明した従来の製造方法のように、
図11のプレス工程(厚肉化とコーナの角出し)や単層
の耳部を形成するための耳部形成単独工程が不要にな
り、プレス機械の必要基数や金型の数、自動搬送ロボッ
トの必要基数などが少なくて済み、全工程数も少なくな
って製造ラインの全長や段取り時間を短くすることがで
きる。また、請求項4記載の発明による板金製プーリの
製造方法の場合も、中膨れ壁を形成した後に、厚肉化と
必要幅まで延びる耳部の形成を同時に行えるため、従来
の製造方法のような、図11のプレス工程(厚肉化とコ
ーナの角出し)や単層の耳部を形成するための耳部形成
単独工程が不要になり、プレス機械の必要基数や金型の
数、自動搬送ロボットの必要基数などが少なくて済み、
全工程数も少なくなって製造ラインの全長や段取り時間
を短くすることができる。なお、請求項1,4の発明に
よって製造される板金製プーリは、胴壁が厚肉化されて
いるため、その胴壁にV溝やポリV溝を形成して板金製
Vプーリや板金製ポリVプーリとして用いることも可能
である。
【0016】請求項3記載の発明による板金製プーリの
製造方法によれば、平板状素材から出発して厚肉化され
た胴壁の端部に単層の耳部が環状に張出された形の板金
製プーリを製造するまでの工程において、プレス機械が
必要になるのは、平板状素材から円形の基板部とその基
板部の外周から延び出た環状鍔壁を形成する工程だけで
ある。また、胴壁成形用ローラや耳部形成用ローラの金
型を変更することなく、プレス機械で平板状素材から円
形の基板部と環状鍔壁を形成するときに、その環状鍔壁
の開き角度を変えるだけで肉厚の異なる胴壁を備えた板
金製プーリを製造することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】平板状素材をプレスして製作された成形体の断
面図である。
【図2】上記成形体の環状鍔壁の外周部に胴壁成形用ロ
ーラの中細り成形面を押し当てた状態を示す断面図であ
る。
【図3】中膨れ壁を成形した状態を示す断面図である。
【図4】耳部形成用ローラを中膨れ壁に対向させた状態
を示す断面図である。
【図5】耳部と胴壁を形成した状態を示す断面図であ
る。
【図6】図5のVI部を示す拡大断面図である。
【図7】図1のVII部を示す拡大断面図である。
【図8】板金製ポリVプーリの断面図である。
【図9】従来例の中間工程で製作された成形体の断面図
である。
【図10】従来例の中間工程で製作された他の成形体の
断面図である。
【図11】従来例の中間工程で製作されたさらに他の成
形体の断面図である。
【図12】従来例の中間工程で製作されたさらに他の成
形体の断面図である。
【図13】従来例の問題点を説明するための断面図であ
る。
【図14】従来例の問題点を説明するための断面図であ
る。
【符号の説明】
1 基板部 2 環状鍔壁 3 単層の耳部 4 胴壁 21 中膨れ壁 300 耳部形成用ローラ 310 先尖り成形面 320 円筒状の成形面 400 胴壁成形用ローラ 410 中細り成形面 θ 開き角度 A6 成形体

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板部の外周にベルト掛け用の円筒状の
    胴壁が一体に設けられ、この胴壁の上記基板部側の端部
    に単層の耳部が環状に張出された板金製プーリの製造方
    法において、 平板状素材から円形の基板部とその基板部の外周に軸方
    向中央部が円弧状に膨らみ出た中膨れ壁を一体に備え
    る成形体を形成し、この成形体における上記中膨れ壁の
    基板部側の端部外周に、円筒状の成形面の軸方向の一部
    に環状の先尖り成形面が突設された耳部形成用ローラの
    上記先尖り成形面を喰い込ませて単層の耳部をすり割り
    形成しながら、その耳部形成用ローラの円筒状の成形面
    で上記中膨れ壁の外周を半径方向に押圧することにより
    その中膨れ壁を円筒状に成形して厚肉化することを行っ
    て、円筒状の上記胴壁の基板部側の端部に単層の耳部を
    環状に張出させることを特徴とする板金製プーリの製造
    方法。
  2. 【請求項2】 耳部形成用ローラの先尖り成形面を中膨
    れ壁の基板部側の端部外周に喰い込ませて単層の耳部を
    すり割り形成しながら、その耳部形成用ローラの円筒状
    の成形面で上記中膨れ壁の外周を半径方向に押圧すると
    きに、中膨れ壁の端部を位置規制しておく請求項1記載
    の板金製プーリの製造方法。
  3. 【請求項3】 基板部の外周にベルト掛け用の円筒状の
    胴壁が一体に設けられ、この胴壁の上記基板部側の端部
    に単層の耳部が環状に張出された板金製プーリの製造方
    法において、 平板状素材から円形の基板部とその基板部の外周から延
    び出た環状鍔壁を形成し、軸方向中央部が円弧状に凹入
    した中細り成形面を備える胴壁成形用ローラの上記中細
    り成形面を上記環状鍔壁の外周部に押し当ててからその
    環状鍔壁を半径方向に押圧することによって上記中膨れ
    成形面に沿う中膨れ壁を形成し、その中膨れ壁の基板部
    側の端部外周に、円筒状の成形面の軸方向の一部に環状
    の先尖り成形面が突設された耳部形成用ローラの上記先
    尖り成形面を喰い込ませて単層の耳部をすり割り形成し
    ながら、その耳部形成用ローラの円筒状の成形面で上記
    膨れ壁の外周を半径方向に押圧することによりその中
    膨れ壁を円筒状に成形して厚肉化することを行って、円
    筒状の上記胴壁の基板部側の端部に単層の耳部を環状に
    張出させると共に、 基板部の外周から延び出た上記環状鍔壁における基板部
    の軸心に対する開き角度を増減調節することによって、
    耳部形成用ローラの円筒状の成形面で中膨れ壁を円筒状
    に成形して厚肉化される円筒状の胴壁の肉厚を、上記開
    き角度に応じた厚さにする板金製プーリの製造方法。
  4. 【請求項4】 基板部の外周にベルト掛け用の円筒状の
    胴壁が一体に設けられ、この胴壁の上記基板部側の端部
    に単層の耳部が環状に張出された板金製プーリの製造方
    法において、上記基板部側の端部に単層の耳部が張出さ
    れた胴壁が、中膨れ壁を形成させた後に、円筒状の成形
    面の軸方向の一部に環状の先尖り成形面が突設された耳
    部形成用ローラを用いて、その耳部形成用ローラの先尖
    り成形面を上記中膨れ壁の基板部側の端部外周に喰い込
    ませて単層の耳部をすり割り形成しながら、その耳部形
    成用ローラの円筒状の成形面で上記中膨れ壁の外周を半
    径方向に押圧して中膨れ壁を厚肉化させながら円筒状に
    することで形成されていることを特徴とする板金製プー
    リの製造方法。
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