JP2004028270A - 円錐ころ軸受用保持器の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】保持器小径側のリム部の内径寸法を精度良く仕上げる。
【解決手段】円錐ころ軸受用保持器の製造方法であって、板状素材から扇形状の帯状材をプレス成形にて打ち抜くと共に該帯状材に複数のポケットを形成して保持器基材を作成する基材作成工程と、前記保持器基材を成形専用機にて環状に丸めて端部同士を溶接接合することにより円錐筒13を作成する円錐筒作成工程と、円錐筒13の小径側端部をプレス成形にて径方向内方に絞り曲げ加工してリム部14を形成するリム部形成工程と、リム部14の内径部の余肉15を除去して保持器小径側の内径寸法dを得る余肉除去工程とを備える。
【選択図】 図5
【解決手段】円錐ころ軸受用保持器の製造方法であって、板状素材から扇形状の帯状材をプレス成形にて打ち抜くと共に該帯状材に複数のポケットを形成して保持器基材を作成する基材作成工程と、前記保持器基材を成形専用機にて環状に丸めて端部同士を溶接接合することにより円錐筒13を作成する円錐筒作成工程と、円錐筒13の小径側端部をプレス成形にて径方向内方に絞り曲げ加工してリム部14を形成するリム部形成工程と、リム部14の内径部の余肉15を除去して保持器小径側の内径寸法dを得る余肉除去工程とを備える。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、円錐ころ軸受の内輪と外輪との間に配設される複数の円錐ころを周方向に転動可能に保持する保持器の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図9は円錐ころ軸受の一例を示す図であり、この円錐ころ軸受は、内輪1と外輪2との間に複数の円錐ころ3が保持器4を介して周方向に転動可能に配設されている。
従来、このような円錐ころ軸受の保持器4を製造するには、例えば特公昭57−79327号公報に開示されたように、板状素材から扇形状の帯状材をプレス成形にて打ち抜くとともに、この打ち抜きと同期して帯状材に複数のポケットを形成して保持器基材を作成し、次いで、該保持器基材を成形専用機にて環状に丸めて端部同士を溶接接合して円錐筒を作成した後、記円錐筒の小径側端部をプレス成形にて径方向内方に絞り曲げ加工してリム部を形成し、これにより、保持器を製造する方法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特公昭57−79327号公報に開示された円錐ころ軸受用保持器の製造方法においては、前記円錐筒の小径側端部をプレス成形にて径方向内方に絞り曲げ加工してリム部を形成しただけであるため、扇形状の帯状材の打ち抜き工程で発生したバリ、シワ等により該リム部の内径寸法を所定の寸法許容差内にすることが難しいという問題がある。
【0004】
本発明はこのような不都合を解消するためになされたものであり、小径側のリム部の内径寸法を精度良く仕上げることができる円錐ころ軸受用保持器の製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、円錐ころ軸受の内輪と外輪との間に配設される複数の円錐ころを周方向に転動可能に保持する保持器の製造方法であって、
板状素材から扇形状の帯状材をプレス成形にて打ち抜くと共に該帯状材に複数のポケットを形成して保持器基材を作成する基材作成工程と、
前記保持器基材を成形専用機にて環状に丸めて端部同士を溶接接合することにより円錐筒を作成する円錐筒作成工程と、
前記円錐筒の小径側端部をプレス成形にて径方向内方に絞り曲げ加工してリム部を形成するリム部形成工程と、
前記リム部の内径部の余肉を除去して保持器小径側の内径寸法を得る余肉除去工程とを備えたことを特徴とする。
【0006】
請求項2に係る発明は、請求項1において、前記余肉除去工程は、前記リム部形成工程と同時に前記リム部の内径部を打ち抜いて前記余肉を除去するか、又は該余肉をレーザ加工で除去することを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2において、前記基材作成工程における複数のポケットの形成を前記帯状材の打ち抜きと同時に行うと共に、該基材作成工程で各ポケット間の柱部に面押し加工を施すことを特徴とする。
【0007】
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれか一項において、前記円錐筒作成工程で該円錐筒の大径側に先曲げ加工を施すことを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1〜4のいずれか一項において、前記円錐筒作成工程における前記円錐筒の小径側の溶接終端を前記余肉除去工程で前記リム部の余肉を除去した位置までとしたことを特徴とする。
【0008】
請求項6に係る発明は、請求項5において、前記基材作成工程で板状素材から扇形状の帯状材をプレス成形にて打ち抜く際に、前記円錐筒の小径側の溶接終端より先の余肉に相当する部分を同時に打ち抜いて該部分に切欠き部を形成したことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態の一例である円錐ころ軸受用保持器の製造方法の基材作成工程を説明するための平面図、図2は円錐筒作成工程を説明するための斜視図、図3は円錐筒作成工程での溶接範囲を説明するための斜視図、図4はリム部形成工程を説明するための断面図、図5は余肉除去工程を説明するための断面図、図6〜図8は本発明の他の実施の形態を説明するための斜視図である。
【0010】
本発明の実施の形態の一例である円錐ころ軸受用保持器の製造方法は、基材作成工程、円錐筒作成工程、リム部形成工程および余肉除去工程とを備える。
基材作成工程では、図1に示すように、板状素材から扇形状の帯状材10をプレス成形にて打ち抜くと共に該帯状材10に複数のポケット11を形成して保持器基材12を作成する。複数のポケット11の形成は帯状材10の打ち抜きと同時に行われ、また、各ポケット11間の柱部には、面押し加工が施される。
【0011】
次に、円錐筒作成工程では、図2に示すように、保持器基材12を成形専用機にて環状に丸めて円錐筒13を形成するのと同時に、該円錐筒13の大径側に先曲げ加工13aを施し、次いで、図3に示すように、丸め端部同士を溶接にて接合する。
円錐筒13の大径側に先曲げ加工13aを施すのは、保持器の大径側の寸法は軸受の設計上、指定された寸法内にしなければならず、従って、保持器大径側の指定寸法を超えてしまった場合に該寸法を小さく抑えるためになされる。
【0012】
また、円錐筒13の丸め端部同士を溶接接合する際には、該円錐筒13の小径側の溶接終端が後述する余肉除去工程でリム部14の余肉を除去した位置(溶接長さL参照)とされている。
このように溶接長さをリム部14の途中までとしているのは、溶接長さLをリム部14の小径端縁までとすると、後述するリム形成工程でプレスによる絞り曲げ加工を行った際に、溶接による熱影響部は母材より硬度が高くなって母材の延びの材料特性より低くなるため、プレス加工による塑性流動性が溶接熱影響部で悪くなり、最も加工歪の大きいリム部14の小径端縁でクラックが発生する虞れがあることからこれを防止するためである。
【0013】
次に、リム部形成工程では、図4に示すように、円錐筒13の小径側端部をプレス成形にて径方向内方に絞り曲げ加工してリム部14を形成する。
次に、余肉除去工程では、図5に示すように、リム部14の内径部の余肉15を除去して保持器小径側の内径寸法dを得る。リム部14の内径部の余肉15を除去するには、前記リム部形成工程と同時に打ち抜き型16でリム部14の内径部の余肉15を打ち抜いて除去するか、又は後工程で該余肉15をレーザ加工で除去する。どちらで行うかは、その保持器の大きさ、精度要求、加工数量、加工費用を考慮して決定する。
【0014】
このようにこの実施の形態では、リム部形成工程で円錐筒13の小径側端部をプレス成形にて径方向内方に絞り曲げ加工してリム部14を形成した後に、余肉除去工程でリム部14の内径部の余肉15を除去して保持器小径側の内径寸法を得るようにしているため、保持器内径寸法を所望の寸法に精度良く仕上げることができる。
【0015】
また、円錐筒13の小径側の溶接終端を余肉除去工程でリム部14の余肉を除去した位置(溶接長さL参照)としているので、最も加工歪の大きいリム部14の小径端縁でのクラックの発生を防止することができる。
更に、基材作成工程で、複数のポケット11の形成を帯状材10の打ち抜きと同時に行うと共に、各ポケット11間の柱部に面押し加工が施し、しかも、円錐筒作成工程では、保持器基材12を成形専用機にて環状に丸めて円錐筒13を形成するのと同時に、該円錐筒13の大径側に先曲げ加工13aを施すようにしているので、工程数が削減されて生産効率の向上を図ることができる。
【0016】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
例えば、上記実施の形態では、円錐筒作成工程での円錐筒13の丸め端同士の溶接位置を各ポケット11間の柱部中央としているが、これに代えて、図6および図8に示すように、該溶接位置をポケット11の中央部(大径円環部、小径円環部)としてもよい。
【0017】
また、図7および図8に示すように、基材作成工程で板状素材から扇形状の帯状材10をプレス成形にて打ち抜く際に、前記円錐筒13の小径側の溶接終端より先の余肉15に相当する部分を同時に打ち抜いて該部分に切欠き部20を形成してもよい。
絞り角の大きい保持器についてはリム部14の小径端縁でクラックが発生する歪が大きくなるので、予め前記切欠き部20を形成しておくことでリム部14の小径端縁でのクラックの発生防止効果を高めることができる。
【0018】
【発明の効果】
上記の説明から明らかなように、請求項1又は2の発明では、リム部形成工程でリム部を形成した後に、余肉除去工程でリム部の内径部の余肉を除去して保持器小径側の内径寸法を得るようにしているため、保持器内径寸法を所望の寸法に精度良く仕上げることができるという効果が得られる。
【0019】
請求項3の発明では、請求項1又は2の発明に加えて、工程数が削減されるので、生産効率の向上を図ることができるという効果が得られる。
請求項4の発明では、請求項1〜3のいずれか一項の発明に加えて、工程数が削減されるので、生産効率の向上を図ることができるという効果が得られる。
請求項5の発明では、請求項1〜4のいずれか一項の発明に加えて、最も加工歪の大きいリム部の小径端縁でのクラックの発生を防止することができるという効果が得られる。
【0020】
請求項6の発明では、請求項5の発明に加えて、リム部14の小径端縁でのクラックの発生防止効果を高めることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例である円錐ころ軸受用保持器の製造方法の基材作成工程を説明するための平面図である。
【図2】円錐筒作成工程を説明するための斜視図である。
【図3】円錐筒作成工程での溶接範囲を説明するための斜視図である。
【図4】リム部形成工程を説明するための断面図である。
【図5】余肉除去工程を説明するための断面図である。
【図6】本発明の他の実施の形態を説明するための斜視図である。
【図7】本発明の他の実施の形態を説明するための斜視図である。
【図8】本発明の他の実施の形態を説明するための斜視図である。
【図9】円錐ころ軸受の要部断面図である。
【符号の説明】
1…内輪
2…外輪
3…円錐ころ
4…保持器
10…帯状材
11…ポケット
12…保持器基材
13…円錐筒
13a…先曲げ加工
14…リム部
15…余肉
20…切欠き部
【発明の属する技術分野】
本発明は、円錐ころ軸受の内輪と外輪との間に配設される複数の円錐ころを周方向に転動可能に保持する保持器の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図9は円錐ころ軸受の一例を示す図であり、この円錐ころ軸受は、内輪1と外輪2との間に複数の円錐ころ3が保持器4を介して周方向に転動可能に配設されている。
従来、このような円錐ころ軸受の保持器4を製造するには、例えば特公昭57−79327号公報に開示されたように、板状素材から扇形状の帯状材をプレス成形にて打ち抜くとともに、この打ち抜きと同期して帯状材に複数のポケットを形成して保持器基材を作成し、次いで、該保持器基材を成形専用機にて環状に丸めて端部同士を溶接接合して円錐筒を作成した後、記円錐筒の小径側端部をプレス成形にて径方向内方に絞り曲げ加工してリム部を形成し、これにより、保持器を製造する方法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特公昭57−79327号公報に開示された円錐ころ軸受用保持器の製造方法においては、前記円錐筒の小径側端部をプレス成形にて径方向内方に絞り曲げ加工してリム部を形成しただけであるため、扇形状の帯状材の打ち抜き工程で発生したバリ、シワ等により該リム部の内径寸法を所定の寸法許容差内にすることが難しいという問題がある。
【0004】
本発明はこのような不都合を解消するためになされたものであり、小径側のリム部の内径寸法を精度良く仕上げることができる円錐ころ軸受用保持器の製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、円錐ころ軸受の内輪と外輪との間に配設される複数の円錐ころを周方向に転動可能に保持する保持器の製造方法であって、
板状素材から扇形状の帯状材をプレス成形にて打ち抜くと共に該帯状材に複数のポケットを形成して保持器基材を作成する基材作成工程と、
前記保持器基材を成形専用機にて環状に丸めて端部同士を溶接接合することにより円錐筒を作成する円錐筒作成工程と、
前記円錐筒の小径側端部をプレス成形にて径方向内方に絞り曲げ加工してリム部を形成するリム部形成工程と、
前記リム部の内径部の余肉を除去して保持器小径側の内径寸法を得る余肉除去工程とを備えたことを特徴とする。
【0006】
請求項2に係る発明は、請求項1において、前記余肉除去工程は、前記リム部形成工程と同時に前記リム部の内径部を打ち抜いて前記余肉を除去するか、又は該余肉をレーザ加工で除去することを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2において、前記基材作成工程における複数のポケットの形成を前記帯状材の打ち抜きと同時に行うと共に、該基材作成工程で各ポケット間の柱部に面押し加工を施すことを特徴とする。
【0007】
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれか一項において、前記円錐筒作成工程で該円錐筒の大径側に先曲げ加工を施すことを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1〜4のいずれか一項において、前記円錐筒作成工程における前記円錐筒の小径側の溶接終端を前記余肉除去工程で前記リム部の余肉を除去した位置までとしたことを特徴とする。
【0008】
請求項6に係る発明は、請求項5において、前記基材作成工程で板状素材から扇形状の帯状材をプレス成形にて打ち抜く際に、前記円錐筒の小径側の溶接終端より先の余肉に相当する部分を同時に打ち抜いて該部分に切欠き部を形成したことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態の一例である円錐ころ軸受用保持器の製造方法の基材作成工程を説明するための平面図、図2は円錐筒作成工程を説明するための斜視図、図3は円錐筒作成工程での溶接範囲を説明するための斜視図、図4はリム部形成工程を説明するための断面図、図5は余肉除去工程を説明するための断面図、図6〜図8は本発明の他の実施の形態を説明するための斜視図である。
【0010】
本発明の実施の形態の一例である円錐ころ軸受用保持器の製造方法は、基材作成工程、円錐筒作成工程、リム部形成工程および余肉除去工程とを備える。
基材作成工程では、図1に示すように、板状素材から扇形状の帯状材10をプレス成形にて打ち抜くと共に該帯状材10に複数のポケット11を形成して保持器基材12を作成する。複数のポケット11の形成は帯状材10の打ち抜きと同時に行われ、また、各ポケット11間の柱部には、面押し加工が施される。
【0011】
次に、円錐筒作成工程では、図2に示すように、保持器基材12を成形専用機にて環状に丸めて円錐筒13を形成するのと同時に、該円錐筒13の大径側に先曲げ加工13aを施し、次いで、図3に示すように、丸め端部同士を溶接にて接合する。
円錐筒13の大径側に先曲げ加工13aを施すのは、保持器の大径側の寸法は軸受の設計上、指定された寸法内にしなければならず、従って、保持器大径側の指定寸法を超えてしまった場合に該寸法を小さく抑えるためになされる。
【0012】
また、円錐筒13の丸め端部同士を溶接接合する際には、該円錐筒13の小径側の溶接終端が後述する余肉除去工程でリム部14の余肉を除去した位置(溶接長さL参照)とされている。
このように溶接長さをリム部14の途中までとしているのは、溶接長さLをリム部14の小径端縁までとすると、後述するリム形成工程でプレスによる絞り曲げ加工を行った際に、溶接による熱影響部は母材より硬度が高くなって母材の延びの材料特性より低くなるため、プレス加工による塑性流動性が溶接熱影響部で悪くなり、最も加工歪の大きいリム部14の小径端縁でクラックが発生する虞れがあることからこれを防止するためである。
【0013】
次に、リム部形成工程では、図4に示すように、円錐筒13の小径側端部をプレス成形にて径方向内方に絞り曲げ加工してリム部14を形成する。
次に、余肉除去工程では、図5に示すように、リム部14の内径部の余肉15を除去して保持器小径側の内径寸法dを得る。リム部14の内径部の余肉15を除去するには、前記リム部形成工程と同時に打ち抜き型16でリム部14の内径部の余肉15を打ち抜いて除去するか、又は後工程で該余肉15をレーザ加工で除去する。どちらで行うかは、その保持器の大きさ、精度要求、加工数量、加工費用を考慮して決定する。
【0014】
このようにこの実施の形態では、リム部形成工程で円錐筒13の小径側端部をプレス成形にて径方向内方に絞り曲げ加工してリム部14を形成した後に、余肉除去工程でリム部14の内径部の余肉15を除去して保持器小径側の内径寸法を得るようにしているため、保持器内径寸法を所望の寸法に精度良く仕上げることができる。
【0015】
また、円錐筒13の小径側の溶接終端を余肉除去工程でリム部14の余肉を除去した位置(溶接長さL参照)としているので、最も加工歪の大きいリム部14の小径端縁でのクラックの発生を防止することができる。
更に、基材作成工程で、複数のポケット11の形成を帯状材10の打ち抜きと同時に行うと共に、各ポケット11間の柱部に面押し加工が施し、しかも、円錐筒作成工程では、保持器基材12を成形専用機にて環状に丸めて円錐筒13を形成するのと同時に、該円錐筒13の大径側に先曲げ加工13aを施すようにしているので、工程数が削減されて生産効率の向上を図ることができる。
【0016】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
例えば、上記実施の形態では、円錐筒作成工程での円錐筒13の丸め端同士の溶接位置を各ポケット11間の柱部中央としているが、これに代えて、図6および図8に示すように、該溶接位置をポケット11の中央部(大径円環部、小径円環部)としてもよい。
【0017】
また、図7および図8に示すように、基材作成工程で板状素材から扇形状の帯状材10をプレス成形にて打ち抜く際に、前記円錐筒13の小径側の溶接終端より先の余肉15に相当する部分を同時に打ち抜いて該部分に切欠き部20を形成してもよい。
絞り角の大きい保持器についてはリム部14の小径端縁でクラックが発生する歪が大きくなるので、予め前記切欠き部20を形成しておくことでリム部14の小径端縁でのクラックの発生防止効果を高めることができる。
【0018】
【発明の効果】
上記の説明から明らかなように、請求項1又は2の発明では、リム部形成工程でリム部を形成した後に、余肉除去工程でリム部の内径部の余肉を除去して保持器小径側の内径寸法を得るようにしているため、保持器内径寸法を所望の寸法に精度良く仕上げることができるという効果が得られる。
【0019】
請求項3の発明では、請求項1又は2の発明に加えて、工程数が削減されるので、生産効率の向上を図ることができるという効果が得られる。
請求項4の発明では、請求項1〜3のいずれか一項の発明に加えて、工程数が削減されるので、生産効率の向上を図ることができるという効果が得られる。
請求項5の発明では、請求項1〜4のいずれか一項の発明に加えて、最も加工歪の大きいリム部の小径端縁でのクラックの発生を防止することができるという効果が得られる。
【0020】
請求項6の発明では、請求項5の発明に加えて、リム部14の小径端縁でのクラックの発生防止効果を高めることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例である円錐ころ軸受用保持器の製造方法の基材作成工程を説明するための平面図である。
【図2】円錐筒作成工程を説明するための斜視図である。
【図3】円錐筒作成工程での溶接範囲を説明するための斜視図である。
【図4】リム部形成工程を説明するための断面図である。
【図5】余肉除去工程を説明するための断面図である。
【図6】本発明の他の実施の形態を説明するための斜視図である。
【図7】本発明の他の実施の形態を説明するための斜視図である。
【図8】本発明の他の実施の形態を説明するための斜視図である。
【図9】円錐ころ軸受の要部断面図である。
【符号の説明】
1…内輪
2…外輪
3…円錐ころ
4…保持器
10…帯状材
11…ポケット
12…保持器基材
13…円錐筒
13a…先曲げ加工
14…リム部
15…余肉
20…切欠き部
Claims (6)
- 円錐ころ軸受の内輪と外輪との間に配設される複数の円錐ころを周方向に転動可能に保持する保持器の製造方法であって、
板状素材から扇形状の帯状材をプレス成形にて打ち抜くと共に該帯状材に複数のポケットを形成して保持器基材を作成する基材作成工程と、
前記保持器基材を成形専用機にて環状に丸めて端部同士を溶接接合することにより円錐筒を作成する円錐筒作成工程と、
前記円錐筒の小径側端部をプレス成形にて径方向内方に絞り曲げ加工してリム部を形成するリム部形成工程と、
前記リム部の内径部の余肉を除去して保持器小径側の内径寸法を得る余肉除去工程とを備えたことを特徴とする円錐ころ軸受用保持器の製造方法。 - 前記余肉除去工程は、前記リム部形成工程と同時に前記リム部の内径部を打ち抜いて前記余肉を除去するか、又は該余肉をレーザ加工で除去することを特徴とする請求項1記載の円錐ころ軸受用保持器の製造方法。
- 前記基材作成工程における複数のポケットの形成を前記帯状材の打ち抜きと同時に行うと共に、該基材作成工程で各ポケット間の柱部に面押し加工を施すことを特徴とする請求項1又は2記載の円錐ころ軸受用保持器の製造方法。
- 前記円錐筒作成工程で該円錐筒の大径側に先曲げ加工を施すことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の円錐ころ軸受用保持器の製造方法。
- 前記円錐筒作成工程における前記円錐筒の小径側の溶接終端を前記余肉除去工程で前記リム部の余肉を除去した位置までとしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の円錐ころ軸受用保持器の製造方法。
- 前記基材作成工程で板状素材から扇形状の帯状材をプレス成形にて打ち抜く際に、前記円錐筒の小径側の溶接終端より先の余肉に相当する部分を同時に打ち抜いて該部分に切欠き部を形成したことを特徴とする請求項5記載の円錐ころ軸受用保持器の製造方法。
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004028270A true JP2004028270A (ja) | 2004-01-29 |
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JP (1) | JP2004028270A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014167307A (ja) * | 2013-02-28 | 2014-09-11 | Jtekt Corp | 円すいころ軸受およびディファレンシャル装置 |
CN111649070A (zh) * | 2019-02-07 | 2020-09-11 | 斯凯孚公司 | 片材金属保持架的轴承保持架分段 |
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2002
- 2002-06-27 JP JP2002188213A patent/JP2004028270A/ja active Pending
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