JP2555745Y2 - 自動車用室内灯 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、例えばマップランプの
ように自動車の車室内に設置される室内灯に係り、特
に、自動車の各車種の車室に対して室内灯のユニット部
分を適合せしめ得るように、組立部品の互換性を向上さ
せた自動車用室内灯に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図３は自動車用室内灯の１例としてのマ
ップランプの従来例を示す断面図である。この種の室内
灯は、その投光光束が指向性を有していなければならな
いので次に述べるように構成されている。すなわち、自
動車の車体（詳しくは車室の天井部分）１にランプハウ
ジング２が固定され、このランプハウジング２に対して
リフレクタ３が固定されていて、該リフレクタ３内の中
央付近にソケット４が固定されて光源バルブ５を装着支
承している。前記のリフレクタ３は回転放物面状に構成
されていて、光源バルブ５から矢印ａ，ａ′のごとく出
射した光束を矢印ｂ，ｂ′のごとく平行に反射させる。
そして、この平行光束（矢印ｂ，ｂ′）を所望の投光方
向（矢印ｃ，ｃ′）に向けるためにレンズ６を構成して
ランプハウジング２の開口部に装着してある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】自動車の車室の天井部
分にマップランプを装着する位置は該自動車の車種ごと
に異なっている。そして、このマップランプの投光方向
は運転席もしくは助手席に座っている人の手もとに指向
されなければならない。このため、マップランプは車種
に応じて設計，製作され、異車種間の互換性が無い。各
車種ごとに異なるランプハウジングに対して、それぞれ
の車種専用のリフレクタを構成して一体的に固着するこ
とは製造コストを高め、構成的にも問題が有った。ま
た、図３の従来例に示すごとく矢印ｂ，ｂ′方向の光束
を矢印ｃ，ｃ′方向に屈折させるため、レンズ６のプリ
ズム部分を厚肉にしなければならず、その製造が難しか
った。厚肉のプリズムを合成樹脂材料で射出成形しよう
とするとヒケを生じて所望形状から歪むからである。さ
らに、レンズ６を通してランプハウジング２内の構成部
材が外観に現われ、この内部構成が機種ごとに異なって
いるため外観が不統一で、商品価値を低下させている。
本考案は上述の事情に鑑みて為されたものであって、各
機種間の部品互換性が大きく、レンズ構成が簡単で外観
に現われる内部構成部材の外見に統一性が有る自動車用
室内灯を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに創作した本考案の基本的原理は、各車種に共通する
灯具ユニットを構成する。上記の原理に基づく具体的構
成として本考案に係る自動車用室内灯は、光源バルブ用
のソケットを装着したリフレクタの背後にブラケットを
固定するとともに、車体に固着されるランプハウジング
に上記と別体のブラケットを固定し、かつ、上記双方の
ブラケットを対向当接せしめて相対的回動可能に軸着す
るとともに、上記双方のブラケットそれぞれが相手側ブ
ラケットに当接している面に、該双方のブラケットの相
対的回動を係止する凹凸を設けたことを特徴とする。た
だし、本考案において、前，後の呼称は灯具の投光方向
を前とし、その反対を後とするものとし、この灯具を装
備した自動車の走行方向とは関係が無い。

【０００５】

【作用】上述の手段によれば、リフレクタとソケットと
光源バルブとが灯具主要構成部分のユニットをなし、か
つ、このユニットがブラケットによって回動可能に支承
される。そして、上記の回動がブラケットの凹凸によっ
て係止されるので、該凹凸を当該車種（室内灯の装備対
称である自動車の車種）に適応するように構成しておけ
ば各車種に対するユニットの互換性が得られる。

【０００６】

【実施例】図１は本考案に係る車両用室内灯の１実施例
を示し、（Ａ）は要部分解斜視図である。リフレクタ３
の内面中央付近にソケット４が装着され、このソケット
４によって光源バルブ５が支承されている。そして上記
リフレクタ３の背後に板状のリフレクタ側ブラケット７
が一体に連設して固定され、上記リフレクタ３と光源バ
ルブ用ソケット４と光源バルブ５とリフレクタ側ブラケ
ット７とによって組立部品のユニットを形成している。
上記リフレクタ側のブラケット７には軸支用の透孔８が
設けられるとともに、該透孔８の周囲に係合溝９ａ〜９
ｄが放射状に形成されている。上記リフレクタ側のブラ
ケット７は、軸支用の透孔１０を設けた板状のハウジン
グ側ブラケット１１と重ね合わされ、前記双方の透孔
８，１０に挿通した取付ネジ１２にナット１３を螺合し
て締め付けられる。図１（Ｂ）に示すように前記ハウジ
ング側ブラケット１１はランプハウジング１４に固定さ
れ、該ランプハウジング１４は自動車の車室の天井１に
取り付けられる。１５は、上記ランプハウジング１４の
前面開口部を覆って装着されたレンズである。前記のハ
ウジング側ブラケット１１には、前記の係合溝９ａ〜９
ｄの何れか一つに係合する突起１６が設けられていて、
この突起１６を係合溝９ｄに係合させると、取付ネジ１
２を中心とする組立部品ユニット（リフレクタ３，ソケ
ット４，光源バルブ５およびブラケット７より成る）の
回動角位置が図１（Ｂ）に示した状態に規制される。本
実施例においてはリフレクタ側ブラケット７に複数個の
係合溝９ａ〜９ｄを設けるとともにハウジング側ブラケ
ット１１に１個の係合用突起を設けたが、本考案を実施
する場合、リフレクタ側ブラケットに突起を設けるとと
もにハウジング側ブラケットに係合溝を設けても良い。
また、リフレクタ側ブラケットとハウジング側ブラケッ
トとのそれぞれに係合溝と突起とを併設することもでき
る。さらに、双方のブラケットのそれぞれに設ける係合
溝の数や突起の数は任意に設定することができる。

【０００７】図２は前記の実施例と異なる実施例を示し
ているが、リフレクタ３とソケット４と光源バルブ５と
リフレクタ側ブラケット７とよりなる組立品ユニット
は、図１（Ｂ）に示した実施例におけると同様の組立部
品ユニットである。本例のハウジング側ブラケット１１
は前記実施例（図１（Ｂ））におけるハウジング側ブラ
ケット１１に対応する類似の構成部材であるが、本例の
ランプハウジング１８に固定されたハウジング側ブラケ
ット１１′に設けられている突起１６′は、リフレクタ
３の光軸を所望の方向（矢印Ｄ）に向けるように配置し
てある。すなわち、リフレクタ３が所望の方向（矢印
Ｄ）を向いたときリフレクタ側ブラケット７に設けられ
ている係合溝９ａ〜９ｄ（図１（Ａ）参照）の何れか一
つと係合するように、突起１６′が配設されている。こ
のようにして、同一組立部品ユニット（リフレクタ３，
ソケット４，光源バルブ５およびリフレクタ側ブラケッ
ト７）に互換性を与え、組み付け相手部材であるハウジ
ング側ブラケットの突起位置によって取付角（例えば図
２の角θ）が自動的に調節され、各種の車種に適合し得
る。さらに、図１（Ｂ）の実施例においても図２の実施
例においても、リフレクタ３が自動的に所望の方向に向
くように取り付けられるので、図１（Ｂ）におけるレン
ズ１５や図２におけるレンズ１７は通過する光束の向き
を変える必要が無い。このため、図３に示した従来例の
レンズ６のような厚肉のレンズを構成する必要が無く、
レンズが軽量，安価であり、厚肉のためのヒケの問題に
煩わされるおそれも無い。さらに、図１（Ｂ）の実施例
においてレンズ１５を通して外観に現われる内部構造
と、図２の実施例におけるレンズ１７を通して外観に現
われる内部構造とは外見が類似であって外観に統一性が
有り、商品価値が高い。

【０００８】

【考案の効果】以上に説明したように本考案に係る自動
車用室内灯は、これを自動車の各車種に適用する場合に
主要構成部分の互換性が大きい。しかもレンズ構成が簡
単で足り、外観に統一性が有って商品価値が高い。

【図面の簡単な説明】

【図１】（Ａ）は本考案の１実施例を示す要部分解斜視
図、（Ｂ）は同じく垂直断面図である。

【図２】上記実施例におけると同様の組立部品ユニット
を用いた、上記と異なる実施例の断面図である。

【図３】従来例の自動車用室内灯を示し、構造と問題点
とを説明するための断面図である。

【符号の説明】

１…自動車の車室の天井、２…ランプハウジング、３…
リフレクタ、４…ソケット、５…光源バルブ、６…レン
ズ、７…リフレクタ側ブラケット、８…透孔、９ａ〜９
ｄ…係合溝、１０…透孔、１１…ハウジング側ブラケッ
ト、１２…取付ネジ、１３…ナット、１４…ランプハウ
ジング、１５…レンズ、１６，１６′…突起、１７…レ
ンズ、１８…ランプハウジング。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 光源バルブ用のソケットを装着したリフ
   レクタの背後にブラケットを固定するとともに、車体に
   固着されるランプハウジングに上記と別体のブラケット
   を固定し、かつ、上記双方のブラケットを対向当接せし
   めて相対的回動可能に軸着するとともに、上記双方のブ
   ラケットそれぞれが相手側ブラケットに当接している面
   に、該双方のブラケットの相対的回動を係止する凹凸を
   設けたことを特徴とする、自動車用室内灯。