JP2555565B2 - 化粧板の溝加工方法 - Google Patents

化粧板の溝加工方法

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JP2555565B2
JP2555565B2 JP5153072A JP15307293A JP2555565B2 JP 2555565 B2 JP2555565 B2 JP 2555565B2 JP 5153072 A JP5153072 A JP 5153072A JP 15307293 A JP15307293 A JP 15307293A JP 2555565 B2 JP2555565 B2 JP 2555565B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、床材、壁面材、厨房
機器、家具に用いられる化粧板等の表面に切削溝を形成
する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】合板等の平面基材に、乱尺パターンの化
粧単板を貼った化粧板の表面において、その乱尺パター
ンの化粧単板を構成する小片化粧単板どうしの接合部に
溝を加工する方法として次の方法が知られている。
【0003】(1)まずセンサーで読み取り可能な材料
を含んだ塗料やチョークで、化粧板上の溝を形成すべき
所定の位置に人手で印をつけ、上記材料を読みとり伝達
する装置を用いて、印を付した部分を読み取らせ、つい
でその情報を溝加工機に伝達して、化粧板表面の所定の
位置に溝を切削加工する方法である。(特開平2−第1
5911号)。
【0004】(2)化粧単板を接着した化粧板をNCル
ーターの材料固定台の材料位置決め定規に添わせて固定
し、あらかじめコンピューターに小片化粧単板どうしの
接合部位置を記憶させたプログラムに従って切削回転刃
又は材料固定台を移動させ次々に同一パターンの化粧板
に同一パターンの切削溝を形成する方法。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記(1)の方法は、
溝を形成すべき位置に、人手により印を付さなければな
らず、大量生産に適していないという問題点および、印
を付する作業が人の技量によるため、乱尺パターンの化
粧単板の実際の接合部と人手により付された印との間に
位置のずれが生じ、溝形成位置が所定の位置からずれて
しまって美観を損ねるという欠点がある。また、乱尺パ
ターンを構成する小片化粧単板で色調、木目柄が類似し
ているものが互いに隣合う場合、肉眼では接合部を識別
できにくいため印の付け忘れが発生し、その結果、その
接合部に溝加工が施されず、美観を損ねるという欠点も
ある。更に、人手により付された印は切削溝加工を行う
ことにより、該化粧単板表面から切削除去されてしまう
ため、同じ接合部のパターンを有する化粧板が多数枚あ
る場合でも、1枚毎に人手により印を付さねばならず、
大量生産に適していないという欠点もある。
【0006】次に上記(2)の方法に於いては、コンピ
ュータープログラムに従って溝加工を施すので、加工す
べき溝のパターンのプログラムを予め作成しておかなけ
ればならない。ところが化粧単板の歩留まりを向上させ
るために、一般に有寸(寸法を特定せず、歩留まり優先
で使用可能な部分をできるだけ多く取る)の小片化粧単
板を組み合わせてパターンを構成し使用することが多
い。この場合、これら有寸の小片化粧単板からなる化粧
単板のパターンの数は膨大な数になり、同じパターンの
化粧単板のロットは著しく小さくなる。そのため数多く
のパターンに合わせた数だけのコンピュータープログラ
ムを容易しなければならず、たとえ1枚しかないパター
ンのものであってもそのパターン専用のプログラムを用
意する必要があり、多品種少量生産には適していないと
いう欠点がある。従って、一般には上記(2)の方法に
より溝加工を施す場合は、化粧単板の歩留まりを犠牲に
して溝加工のパターンを幾つかの定型化されたパターン
に絞り込まざるを得ないのが現状である。
【0007】また同一パターンの化粧単板多数を用意し
ても、単板保管中または接着中に化粧単板の乾燥により
収縮が生じたり、あるいは、平面基材に接着する工程に
おいて基材と化粧単板との間に相対的な位置のずれ(い
わゆる貼りずれ)が生じた場合、溝加工を施すべき小片
化粧単板どうしの接合部の位置が、コンピューターの記
憶装置に記憶された位置との間に誤差が生じる。従っ
て、そのような化粧板に正確に溝加工を施すためには、
その単板の収縮具合や貼りずれの大小に応じてコンピュ
ータープログラムの手直しが必要となる。よって、上記
(2)の方法もまた、多品種少量生産には適当でないと
いう欠点がある。
【0008】本発明は、上記問題点を解決し、化粧単板
を貼った化粧板の接合部に正確旦つ遺漏なく溝加工を施
した化粧板の大量生産を可能にしたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、研究を重ねた結果、以下の方法により解決した。即
ち、上記(1)に挙げた従来方法のように溝を形成すべ
き位置を、材料1枚毎に人手により付すという手間のか
かる方法に代えて、生産効率が高くしかも信頼性の高い
方法として、 切削溝を形成すべき位置、即ち小片化粧単板どうしの
接合部(以下、単に接合部ともいう)にセンサーで直接
又は間接に感知できる標識物質(以下、単に標識物質と
もいう)を介在せしめ、 センサーを装備したNCルーターに該標識物質の介在
位置を感知、記憶せしめたうえ、回転切削刃に該標識物
質の介在位置を追跡させることにより効率良く、しかも
確実に所定の切削溝を施すことができるとの結論に至っ
た。
【0010】上記におけるセンサーによる標識物質の
位置の感知、その位置を二次元座標点として記憶し、更
にその座標点を回転切削刃に追跡させる工程は、従来か
ら知られているセンサー、コンピューターによる座標点
記憶装置、回転切削刃に座標点を追跡させるNCルータ
ー等の従来の公知技術の組を組み合わせることによって
実施可能である。しかしながら、上記の具体的実施方
法は従来技術では知られていない。
【0011】本発明は、上記の具体的実施方法を開示
し、公知である上記の方法と組み合わせることによ
り、前記課題を解決しようとするものである。以下に
の具体的実施方法として、次の(1)から(4)の4方
法を挙げる。
【0012】(1)複数の小片化粧単板を組み合わせ接
合することによりパターンを形成する化粧単板を得る工
程において、接合部に標識物質を含む流動体を塗布した
うえで、裏面に粘着テープ等を介して該小片化粧単板を
水平方向に接合するか、又は粘着テープ等のシート状の
接合手段を使用せず、接合部に標識物質を含む流動体を
塗布した後更に接着剤を塗布し、接着剤の接着力により
該小片化粧単板を水平方向に接合してもよい。あるい
は、接合部に直接該標識物資を混入した接着剤を塗布
し、接着剤の接着力により該小片化粧単板を水平方向に
接合して化粧単板を得てもよい。
【0013】次に上記化粧単板を合板等の平面基材に接
着して化粧板を得る。このようにして得た化粧板は、切
削溝を形成すべき位置、即ち接合部に標識物質が介在し
ており、所期の目的を達した化粧板である。
【0014】接合部に標識物質を含む流動体又は標識物
質を混入した接着剤を塗布する方法としては、小片化粧
単板をギロチン式クリッパーで多数枚を重ね切りし、ギ
ロチン式クリッパーの単板圧締装置の圧力を保持しつ
つ、標識物質を含む流動体又は標識物質を混入した接着
剤を塗れば多数枚を一度にしかも接合部にのみ塗ること
ができる。またギロチン式クリッパーで裁断後に別工程
で塗る場合は、同一寸法で同一形状の小片化粧単板を多
数枚を図4のように垂直方向に角部をズレのないように
揃えて重ね単板のほぼ全面にわたって圧締し、圧締した
状態で裁断面に塗布すればよい。ギロチン式クリッパー
の単板圧締装置の圧力を保持したままで塗る理由は、重
ね切りした単板どうしが水平方向にズレるのを防ぐとと
もに、接合部となるべき裁断面付近の単板どうしの隙間
を無くし、接着剤が裁断面以外に浸透して不必要な箇所
に標識が付されるのを防止するためである。
【0015】なお、この場合に使用する接着剤として
は、尿素樹脂系、酢酸ビニル系、ポリオレフィン樹脂
系、エポキシ樹脂系、ゴム系等一般に木材接着に使用さ
れる接着剤が挙げられるが、ゴム系接着剤が最適であ
る。ゴム系の接着剤を上記方法で塗り、半乾きの状態で
クリッパーの圧締装置の圧力を解き、小片化粧単板の裁
断面どうしを軽く接触させれば、ゴム系接着剤の粘着力
で簡単に接合できる。
【0016】(2)複数の小片化粧単板を組み合わせる
ことによりパターンを形成する化粧単板用のフリッチを
得る工程において、該化粧単板用のフリッチを構成する
ラミナ(ラミナとは、集成フリッチの素材となるひき
板。)どうしの接着面に標識物質を含む流動体を塗布し
た後ラミナどうしを接着剤で接着するか、又は該標識物
質を混入した接着剤でラミナどうしを接着し、フリッチ
を得る。次に上記フリッチを従来技術によりスライサー
でスライスし、化粧単板を得て、該化粧単板を合板等の
平面基材に接着し、化粧板を得る方法。
【0017】上記(1)及び(2)の両方法とも、化粧
単板を基材に接着する前に、予め接合部に標識物質を介
在させるという点において同じであるが、(1)の方法
は主として比較的厚みの厚い単板に適しており、(2)
の方法は比較的厚みの薄い単板に適している。
【0018】(3)次に、化粧単板を基材に接着してか
ら、化粧単板の接合部に標識物質を介在せしめる方法が
ある。即ち、先ず複数の小片化粧単板の一方の表面に粘
着テープ等を貼り、該粘着テープ等を介して互いに水平
方向に接合することにより得たパターンを有するの化粧
単板を、粘着テープ等を貼った方の表面を接着面として
合板等の平面基材に接着し、化粧板を得る。次に標識物
質を混入した塗料を上記化粧単板の表面に塗工するとと
もに該化粧単板における小片化粧単板どうしの接合部の
間隙に浸透させる。該塗料を硬化させた後、化粧板表面
を研削し、化粧単板表面及び化粧単板表面の導管溝等の
凹部に浸透した上記塗料を除去すると、該標識物質は、
化粧単板接合部だけに残り、切削溝を形成すべき位置、
即ち単板どうしの接合部に標識物質を介在せしめるとい
う目的を達成することができる。化粧単板の接合方法、
基材に接着させる方法、標識物質を混入した塗料の塗装
方法及び化粧板表面の研削方法は、従来技術によって行
えばよい。ただし、標識物質を混入した塗料は、通常よ
りも希釈率の高くした方が、化粧単板接合部によく浸透
する。標識物質としては、蛍光物質の外に、小片化粧単
板の色と明瞭に識別できる物質、例えば緑色の顔料等が
挙げられる。
【0019】(4)上記(3)と同様に、化粧単板を基
材に接着してから、化粧単板の接合部に標識物質を介在
せしめるもうひとつの方法である。即ち、複数の小片化
粧単板の一方の表面に粘着テープを貼り、該粘着テープ
等を介して互いに水平方向に接合することにより得たパ
ターンを有する化粧単板を、粘着テープ等を貼っていな
い方の表面を接着面として合板等の平面基材に接着して
化粧板を得る工程において、標識物質を混入した接着剤
を用いて該化粧単板における小片化粧単板どうしの接合
部の間隙に該接着剤を浸透させながら該化粧単板を合板
等の平面基材に接着し化粧単板を得る。
【0020】次に上記化粧板表面を研削し、小片化粧単
板どうしの接合部を経由して浸透し化粧単板表面を被覆
した接着剤及び化粧板表面の粘着テープ等とを除去す
る。この方法によっても、該標識物質を、化粧単板接合
部だけに残すことができ、所期の目的を達成することが
できる。
【0021】化粧単板の接合方法、及び化粧板表面の研
削方法は、慣用の技術によって行えばよい。標識物質と
しては、上記(3)の方法と同様に蛍光物質の外に、化
粧単板の色と明瞭に識別できる例えば緑色の顔料等が挙
げられる。また、化粧単板を基材に接着するにあたって
小片化粧単板どうしの接合部に該接着剤を浸透させる方
法は、浸透性のよい接着剤、例えば一般に使用されてい
る尿素樹脂、酢酸ビニル樹脂の混合接着剤において比較
的浸透性のよい尿素樹脂の混合比率を高くした接着剤を
用いる方法、又は接着剤の塗布量を通常よりも多くする
方法、あるいは、接着の際の圧締圧力を通常よりも高く
設定する方法など慣用の技術が知られており、これらの
慣用の技術を化粧単板の厚みに応じて一つ又は二つ以上
組み合わせて行えばよい。
【0022】なお、小片化粧単板どうしを水平方向に接
合する手段は、上記(3)、(4)に挙げた粘着テープ
の外に、接着剤で薄葉紙を単板表面に貼り該薄葉紙を介
して接合する方法、接着剤を含浸させた糸状物を相隣接
する両単板を跨ぐように接合部付近熱圧固定し、該糸
状物を介して接合する方法等の慣用技術が挙げられる。
(3)及び(4)の方法においてどの接合手段を採用す
るかは自由である。
【0023】上記4方法のいずれかの方法により、化粧
単板の接合部に標識物質を介在させた化粧板を、以下に
述べるNCルーターにより溝加工を施せば、化粧単板の
接合部に正確旦つ遺漏なく溝加工を施した化粧板の大量
生産を可能にし、かつ多品種少量生産をも可能にすると
いう課題を解決出来る。
【0024】次に溝加工の方法を詳述する。先ず、該化
粧板を、ルーターヘッドに上記識標物質を感知できるセ
ンサーを装備したNCルーター材料固定台上の材料位置
決め定規に沿わせて固定し、該ルーターヘッドに化粧板
の全表面を走査させ、該標識物質の位置を多数の水平2
次元座標点の数値データとしてNCルーターの記憶装置
に記憶させ、続いて該座標点の数値データを、コンピュ
ーターにより複数の直線又は曲線の数値データに変換し
記憶させる。次に上記直線又は曲線の数値データに基ず
くコンピューターからの指令により、ルーターヘッドに
装備した回転切削刃に該直線又は曲線を逐次追跡させ化
粧板に切削溝加工を施す。1枚目の切削溝加工が終了
後、同様の方法で次々に、多数枚の化粧板に切削溝加工
を施すことができる。ただし、同一の化粧単板接合部パ
ターンを有する多数の化粧板を貼った化粧板に同一のパ
ターンの切削溝を連続して施す場合には、2枚目以降
は、該センサーによる走査は必要ない。1枚目の切削溝
加工の際にコンピューターに記憶されたデータを2枚目
以降もそのまま利用できるからである。
【0025】なお、同一の化粧単板接合部パターンを有
する化粧板が1枚しかない場合、又は同一のパターンの
化粧単板を使用したにもかかわらず接着の際の貼りずれ
等により、溝加工を施すべき位置がずれた化粧板の場合
は、ます該化粧板の全面をセンサーに走査させ、前記と
同様の方法で該標識物質の位置をコンピューターにより
複数の直線又は曲線の数値データに変換し、該数値デー
タに基ずくコンピューターからの指令により、ルーター
ヘッドに装備した回転切削刃に該直線又は曲線を逐次追
跡させ化粧板に切削溝加工を施せばよい。該化粧板の全
面をセンサーで走査することにより、その化粧板のパタ
ーン専用ののコンピュータープログラムが完成するから
である。
【0026】また、標識物質を接合部に介在させる方法
として、前記(1)又は(2)の方法によるならば、以
下に述べる応用も可能である。
【0027】1枚の化粧板に断面形状の異なる複数の型
の溝を施したいときは、感知原理が異なるか、あるいは
感知原理が同じでも感知範囲が相互に重複しない標識物
質とその標識物質を感知するセンサーを、溝形状にたい
して1対1で対応させればよい。例えば、1枚の化粧板
に凹型溝とV型溝をほどこしたいときは、凹型溝を施す
べき接合部には蛍光物質を、V型溝を施すべき接合部に
は緑色顔料を介在させ、一方ルーターヘッドには、該蛍
光物質を感知するセンサー及びそれに対応した回転切削
刃と、緑色顔料を感知するセンサー及びそれに対応した
回転切削刃を取り付ければ良い。
【0028】さらにまた、本発明により施した溝に塗装
を施したいときは、一方のルーターヘッドに回転切削刃
を、他の一方のルーターヘッドに溝型に応じた溝塗装機
を取り付け、両方のルーターヘッド又は材料固定台を同
一のコンピュータープログラムで順次動かせばよい。
尚、当然のことながら、接合部であっても、化粧板のデ
ザイン面から溝を施したくない部分があれば、その接合
部の接合に使用する接着剤等に標識物質を混入しなけれ
ばよい。
【0029】以上(1)から(4)に示したように、本
発明は、複数の小片化粧単板からなる化粧単板を貼った
化粧板の小片化粧単板の接合部に、極めて生産効率よく
多種多様の溝を形成するとともに、連続作業で該溝に塗
装をも施すことが可能で、建材、家具工業等の産業分野
において、広範な用途が期待できる。
【0030】
【発明の効果】切削溝を施すべき位置、即ち小片化粧単
板の接合部にセンサーで直接又は間接に感知できる標識
物質を介在せさせ、該標識物質をセンサーにより感知
し、切削回転刃にそれを追跡させることによって切削溝
を施す方法は、従来の技術に比較して次のような優れた
効果がある。
【0031】(1)従来の技術に挙げた、化粧板1枚毎
に手作業で標識物質を付する方法と比較すれば、機械
又は機械的方法により標識物質を化粧単板の接合部に介
在させるため、大量生産に適する、標識物質の付し忘
れを生ずる余地がない、化粧単板の接合部と標識物質
の付された位置との間のずれが生じる余地がないため、
溝加工を正確に小片化粧単板の接合部に施すことができ
る。
【0032】(2)予め作成されたコンピュータープロ
グラムに従って切削回転刃を移動させることにより切削
溝加工を行う従来方法と比較して、化粧単板の接合部
パターンに適合したコンピュータープログラムを溝加工
前に予め作成しておく必要がない。つまり、センサーで
化粧板表面を走査することにより、その化粧板のパター
ンのコンピュータープログラムが自動的に作成される、
従って、1枚毎にパターンが異なる化粧板に対しても
効率よく切削溝加工を施すことができ、また化粧単板の
貼りずれを生じた化粧板でも、同様にコンピュータープ
ログラムの手直しという手数のかかる作業を必要とせず
に溝加工を施せる。
【0033】
【実施例1】図1は、かば材の積層フリッチを製造する
工程において、ラミナどうしを接着する接着剤中に、日
本化薬株式会社製蛍光増白剤カヤホールSを0.1%
(重量%)混入した接着剤を用いて接着した積層フリッ
チである。この積層フリッチをスライサーで、厚み0.
3mmにスライスして得た複数の小片単板からなる乱尺
パターンの化粧単板を図2に示す。この化粧単板を厚み
12mmの合板にホットプレスで接着して化粧合板を得
た。
【0034】次に、この化粧合板を、2次元のNCルー
ターの材料固定台に材料位置決め定規に沿わせて固定し
た。このNCルーターは、2基のヘッドを装備してお
り、第1のヘッドには、主として波長350nmを中心
として380nm以下の非可視領域の光を発する光源
と、主として可視領域の波長430nmから440nm
の青白色光を感知するセンサーを取り付けてあり、セン
サーには、該光源からの直接光を遮断するカバーが取り
付けられている。第2のルーターヘッドには、V型溝を
切削する回転切削刃を持った溝加工装置が装備されてい
る。
【0035】先ず第1のヘッドに上記化粧合板の全表面
を走査させた。この走査中、化粧単板の接合部はその中
に含まれる蛍光増白剤により、光源から受けた非可視領
域の光を可視領域の青白色として反射したが、接合部以
外の木質部は、光源からの光を吸収してしまいほとんど
反射しないため、センサーは、光源からの光を受けてそ
の反射光を発する点、即ち小片単板の接合部のみを感知
し、コンピューターはそれを水平2次元座標における多
数の座標点として数値データの形で記憶装置に記憶し
た。
【0036】化粧合板の全表面走査後直ちに、該座標点
の多数の数値データをコンピューターにより、化粧板の
長手方向に平行なる3本の直線と長手方向に直交する1
5本の直線計18本の直線の数値データに変換し、それ
ぞれの数値データに初期値1から始まる整数の順位を付
し、その順位に対応する直線の数値データと共に記憶装
置に記憶させた。なお、座標点の数値データの採取間隔
は、水平方向の縦軸及び横軸ともに0.2mmとした。
また、各直線の数値データは、各直線毎に始点及び終点
の座標に加えて始点から5mm毎に中間点の座標をと
り、これら複数の座標点を一括して一つの直線の数値デ
ータとした。
【0037】次にコンピューターからの指令により、数
値データとして記憶された直線をその付された順位に従
って次々に第2のルーターヘッドのV溝型用の回転切削
刃に追跡させ、溝切削加工を行わせ、図3の化粧合板を
得た。
【0038】
【実施例2】厚み2mm×長さ225mm×巾75mm
のかば材小片化粧単板(A)4枚と、厚み2mm×長さ
150mm×巾150mmのかば材小片化粧単板(B)
1枚を図4に示すように角部をそろえて重ね、上からほ
ぼ全面に圧力をかけたまま、単板裁断面に市販のゴム系
接着剤に標識物質として日本化薬株式会社製蛍光増白剤
カヤホールSを0.5%(重量%)混入した接着剤をハ
ケで塗り、10分間放置し該接着剤を半乾燥させた。次
に、裁断面に接着剤が塗られた該単板どうしの裁断面
を、水平方向に軽く接触させ、接着剤の粘着力により接
合させ、図5に示すパターンの化粧単板を得た。この化
粧単板を厚み12mm、辺長300mm×300mmの
合板にホットプレスで接着し、図6に示す化粧合板を得
た。続いて実施例1と同様の方法で、NCルーターのセ
ンサーに小片化粧単板どうしの接合部に介在した標識物
質を感知させた後、切削溝加工を施し、図7の化粧板を
得た。
【0039】
【実施例3】図5は、前記実施例2における図4の小片
化粧単板(A)4枚と小片化粧単板(B)1枚を組み合
わせ、表面に貼られた粘着テープを介して互いに水平方
向に接合して得た化粧単板である。ただし、粘着テープ
は図面から省略してある。この単板を、粘着テープを貼
った方の面を接着面にして、厚み12mmの合板に接着
し、図6の化粧板を得た。さらに該化粧合板に、固形分
50%のウレタン樹脂塗料を該ウレタン樹脂塗料と同量
のシンナーで希釈した塗料に更に標識物質として市販の
緑色顔料10%(重量%)を混入し、該塗料をリバース
コーターで3回塗り、1平方メートル当たり30g塗工
し、乾燥炉に入れ1時間乾燥させた。図8は、この化粧
合板の断面図を示す。(A)及び(B)は小片化粧単板
であり、(C)は小片化粧合板の接合に使用した粘着テ
ープである。(D)は(A)、(B)間の間隙である。
標識物質を含んだ塗料は、化粧単板の表面被覆し、かつ
一部は小片化粧単板どうしの接合部の間隙及び導管溝に
浸透している。
【0040】上記により得た塗装化粧板を、3つのヘッ
ドを持つワイドベルトサンダーにて、砥石粒度#60、
#80、#100のサンドペーパーを用いて表面を研磨
した。研磨後の状態を示すと図9のように、化粧板表面
の塗料及び導管溝に浸透した塗料は研削により除去され
たが、間隙(D)には、依然として、標識物質を含んだ
接着剤が残存しており、化粧単板接合部の位置を示す標
識の役割を果たしている。次に、緑色を感知するセンサ
ーを装備した実施例1に記述した2次元のNCルーター
の材料固定台に材料位置決め定規に沿わせて固定し、実
施例1と同様の方法で、センサーに小片化粧単板どうし
の接合部に介在した標識物質を感知させた後、切削溝加
工を行わせた結果、実施例2と同様に、図7に示す化粧
板と全く同様の切削溝加工を施した化粧板を得ることが
できた。
【0041】
【実施例4】前記実施例3における図5(粘着テープは
図面から省略してある)の化粧単板を、粘着テープを貼
った方の面を表面にして厚み12mmの合板にホットプ
レスで接着して化粧合板を得た。該接着に使用した接着
剤は、尿素樹脂90%,小麦粉10%を主成分とし、日
本化薬株式会社製蛍光増白剤カヤホールSを0.5%
(重量%)が混入されている。他の接着条件は、接着剤
塗布量1平方メートル当たり200g、接着温度110
℃、圧締圧力1平方センチメートル当たり15kgとし
た。図9にその断面図を示す。化粧単板は複数枚の小片
化粧単板で構成されているが、(A)、(B)はその小
片化粧単板である。(A)、(B)は表面に貼られた粘
着テープを介して互いに水平方向に接合されているとと
もに、裏面は合板に接着されている。接着後、(A)、
(B)の間隙(D)には、化粧単板と合板の接着の際に
使用した接着剤が浸透、硬化し、該間隙は該接着剤で満
たされた。また、間隙近辺で粘着テープで被覆されてい
ない化粧単板表面には該間隙を経由して接着剤が溢出し
ているが、図面では省略してある。
【0042】上記により得た化粧板を、3つのヘッドを
持つワイドベルトサンダーにて、砥石粒度#60、#8
0、#100、のサンドペーパーを用いて表面を研磨し
た。研磨後の状態を図11に示す。研磨前の、粘着テー
プ及び化粧板表面に溢出した接着剤は研磨により除去さ
れ、間隙(D)には、依然として、標識物質を含んだ接
着剤が残存しており、化粧単板接合部の位置を示す標識
の役割を果たして入る。次に、実施例1に記述した2次
元のNCルーターの材料固定台に材料位置決め定規に沿
わせて固定し、実施例1と同様に切削溝加工を行わせた
結果、図7に示す実施例3の化粧板と全く同様の切削溝
加工を施した化粧板を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、乱尺パターンの化粧単板用の積層フリ
ッチの斜視図である。
【図2】図2は、図1の積層フリッチをスライスして得
た化粧単板の平面図である。
【図3】図3は、図2の化粧単板を接着して得た化粧板
を、本発明による方法で溝加工を施した化粧板の平面図
である。
【図4】図4は、同一形状、同一寸法の複数枚の小片化
粧単板の角部をそろえて重ね合わせた状態を示す斜視図
である。
【図5】図5は、寸法の異なる2種類の小片化粧単板
を、水平方向に接合し、パターンを形成した化粧単板の
平面図である。
【図6】図6は、図5の化粧単板を合板に接着して得た
化粧板である。
【図7】図7は、図6の化粧板に本発明による方法で、
溝加工を施した化粧板である。
【図8】図8は、実施例3の化粧板断面図である。
【図9】図9は、実施例3の化粧板断面図である。
【図10】図10は、実施例4の化粧板断面図である。
【図11】図11は、実施例4の化粧板断面図である。
【符号の説明】
A 小片化粧単板 B 小片化粧単板 C 粘着テープ等 D 小片化粧単板どうしの間隙

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(ア)複数の小片化粧単板を組み合わせ接
    合することによりパターンを形成する化粧単板を得る工
    程において、 小片化粧単板どうしの接合部にセンサーで直接又は間接
    に感知できる標識物質を含む流動体を塗布した後裏面に
    粘着テープ等のシート状接合手段を介して該小片化粧単
    板を水平方向に接合するか、又は標識物資を混入した接
    着剤で該小片化粧単板を水平方向に接合して化粧単板を
    得る工程。 (イ)上記化粧単板を合板等の平面基材に接着し、化粧
    板を得る工程。 (ウ)ルーターヘッドに上記識標物質を感知できるセン
    サーを装備したNCルーター材料固定台上の材料位置決
    め定規に沿わせて化粧板を固定し、該ルーターヘッドに
    化粧板の全表面を走査させ、該標識物質の位置を多数の
    水平2次元座標点の数値データとしてNCルーターの記
    憶装置に記憶させ、続いて該座標点の数値データを、コ
    ンピューターにより複数の直線又は曲線の数値データに
    変換し記憶させる工程。 (エ)上記直線又は曲線の数値データに基ずくコンピュ
    ーターからの指令により、ルーターヘッドに装備した回
    転切削刃に該直線又は曲線を逐次追跡させ化粧板に溝加
    工を施す工程。 の4工程からなる化粧板の溝加工方法。
  2. 【請求項2】 (カ)複数の小片化粧単板を組み合わせ
    接合することによりパターンを形成する化粧単板を得る
    工程において、 該化粧単板用のフリッチを構成するラミナどうしの接着
    面にセンサーで直接又は間接に感知できる標識物質を含
    む流動体を塗布した後ラミナどうしを接着剤で接着する
    か、又は該標識物資を混入した接着剤で接着してフリッ
    チを製造し、続いて上記フリッチをスライサーでスライ
    スして化粧単板を得る工程。 (キ)上記化粧単板を合板等の平面基材に接着し、化粧
    板を得る工程。 (ク)ルーターヘッドに上記識標物質を感知できるセン
    サーを装備したNCルーター材料固定台上の材料位置決
    め定規に沿わせて化粧板を固定し、該ルーターヘッドに
    化粧板の全表面を走査させ、該標識物質の位置を多数の
    水平2次元座標点の数値データとしてNCルーターの記
    憶装置に記憶させ、続いて該座標点の数値データを、コ
    ンピューターにより複数の直線又は曲線の数値データに
    変換し記憶させる工程。 (ケ)上記直線又は曲線の数値データに基ずくコンピュ
    ーターからの指令により、ルーターヘッドに装備した回
    転切削刃に該直線又は曲線を逐次追跡させ化粧板に溝加
    工を施す工程。の4工程からなる化粧板の溝加工方法。
  3. 【請求項3】 (サ)複数の小片化粧単板の一方の表面
    に粘着テープ等を貼り、該粘着テープ等を介して互いに
    水平方向に接合することにより得たパターンを有する化
    粧単板を、粘着テープ等を貼った方の表面を接着面とし
    て合板等の平面基材に接着し、化粧板を得る工程。 (シ)センサーで直接又は間接に感知できる標識物質を
    混入した塗料を上記化粧単板の表面に塗工することによ
    り該化粧単板における小片化粧単板どうしの接合部の間
    隙に浸透させる工程。 (ス)上記化粧板表面を研削し、化粧単板表面及び化粧
    単板の導管部に浸透した上記塗料を除去する工程。 (セ)ルーターヘッドに上記識標物質を感知できるセン
    サーを装備したNCルーター材料固定台上の材料位置決
    め定規に沿わせて化粧板を固定し、該ルーターヘッドに
    化粧板の全表面を走査させ、該標識物質の位置を多数の
    水平2次元座標点の数値データとしてNCルーターの記
    憶装置に記憶させ、続いて該座標点の数値データを、コ
    ンピューターにより複数の直線又は曲線の数値データに
    変換し記憶させる工程。 (ソ)上記直線又は曲線の数値データに基ずくコンピュ
    ーターからの指令により、ルーターヘッドに装備した回
    転切削刃に該直線又は曲線を逐次追跡させ化粧板に溝加
    工を施す工程。の5工程により得られる化粧板の溝加工
    方法。
  4. 【請求項4】(タ)複数の小片化粧単板の一方の表面に
    粘着テープ等を貼り該粘着テープ等を介して互いに水平
    方向に接合することにより得たパターンを有する化粧単
    板を、粘着テープ等を貼っていない方の面を接着面とし
    て合板等の平面基材に接着し化粧板を得る工程におい
    て、センサーで直接又は間接に感知できる標識物質を混
    入した接着剤を合板等の平面基材に塗り、小片化粧単板
    どうしの接合部の間隙に接着剤を浸透させながら、接着
    し化粧単板を得る工程。 (チ)上記化粧板表面を研削し、上記小片化粧単板どう
    しの接合部を経由して浸透し化粧単板表面を被覆した接
    着剤と化粧板表面の粘着テープを除去する工程。 (ツ)ルーターヘッドに上記識標物質を感知できるセン
    サーを装備したNCルーター材料固定台上の材料位置決
    め定規に沿わせて化粧板を固定し、該ルーターヘッドに
    化粧板の全表面を走査させ、該標識物質の位置を多数の
    水平2次元座標点の数値データとしてNCルーターの記
    憶装置に記憶させ、続いて該座標点の数値データを、コ
    ンピューターにより複数の直線又は曲線の数値データに
    変換し記憶させる工程。 (テ)上記直線又は曲線の数値データに基ずくコンピュ
    ーターからの指令により、ルーターヘッドに装備した回
    転切削刃に該直線又は曲線を逐次追跡させ化粧板に溝加
    工を施す工程。の4工程からなる化粧板の溝加工方法
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