JP2554759B2 - 新規なポジ型ホトレジスト組成物 - Google Patents

新規なポジ型ホトレジスト組成物

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JP2554759B2
JP2554759B2 JP2002433A JP243390A JP2554759B2 JP 2554759 B2 JP2554759 B2 JP 2554759B2 JP 2002433 A JP2002433 A JP 2002433A JP 243390 A JP243390 A JP 243390A JP 2554759 B2 JP2554759 B2 JP 2554759B2
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positive photoresist
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novolac resin
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、新規なポジ型ホトレジスト組成物、さらに
詳しくは、種々の酸や酸化剤、還元剤などを用いる湿式
エッチング処理や乾式エッチング処理用などとして好適
なポジ型ホトレジスト組成物に関するものである。
従来の技術 近年、産業用コンピューターなどの表示体やプリンタ
ーヘッドなどにおいては、大型化、微細化が進んできて
おり、それに伴い、金属や金属酸化物又は窒化物、ある
いはプラスチックスなどの材料に対して施されるホトエ
ッチング加工において精密性が求められるようになって
きた。例えば必要加工精度は10μm程度から5μm程度
となり、このため、この分野におけるポジ型ホトレジス
トに対しては、優れた解像度と他に、エッチング時のサ
イドエッチ量を極力減らすことが要求されている。
ところで、通常のポジ型ホトレジストは、アルカリ可
溶性ノボラック樹脂と、光分解成分、すなわちホトセン
シタイザーとから構成されており、そして、該ホトセン
シタイザーとしてはナフトキノンジアジドスルホン酸エ
ステルが用いられている(米国特許第3,402,044号明細
書)。また、このようなエステル類については、これま
で種々開示されている(米国特許第3,046,118号明細
書、同第3,106,465号明細書、同第3,148,983号明細
書)。
一方、アルカリ可溶性ノボラック樹脂については、例
えばフェノール−ホルムアルデヒドノボラック樹脂の使
用が開示されており(米国特許第3,402,044号明細
書)、またクレゾールノボラック樹脂の使用例が報告さ
れている〔「電気化学および工業物理化学」第48巻、第
584ページ(1980年)〕。さらに、クレゾールノボラッ
ク樹脂製造時に、クレゾール異性体の配合割合を適切に
選ぶことにより、高感度のポジ型ホトレジストが得られ
ることも知られている。
しかしながら、従来のポジ型ホトレジストにおいて
は、耐酸性や基材との密着性が不足しているため、ホト
エッチング加工におけるサイドエッチ量は理論値以上に
大きくなるのを免れないという欠点がある。したがっ
て、例えば現在基材の微細化や大型化が進められている
液晶表示体などの透明導電膜のエッチング加工において
は、サイドエッチ量が極めて少なく、かつ耐酸性に優れ
たポジ型ホトレジストの開発が望まれている。
発明が解決しようとする課題 本発明は、このような従来のポジ型ホトレジストが有
する欠点を克服し、金属や金属酸化膜などの種々の素材
のホトエッチング加工におけるホトレジストのサイドエ
ッチ量を極力減らしうるポジ型ホトレジスト組成物を提
供することを目的としてなされたものである。
課題を解決するための手段 本発明者らは、前記の好ましい性質を有するポジ型ホ
トレジスト組成物を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、
特定の割合のo−クレゾールとp−クレゾールとの混合
クレゾールから得られたものであって、特定の分子量、
分子量分布及び未反応モノマー含有量を有するクレゾー
ルノボラック樹脂を用いることにより、その目的を達成
しうることを見い出し、この知見に基づいて本発明を完
成するに至った。
すなわち、本発明は、クレゾールノボラック樹脂及び
ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルを主成分とす
るホトセンシタイザーを含有して成るポジ型ホトレジス
ト組成物において、該クレゾールノボラック樹脂とし
て、o−クレゾール60〜95重量%とp−クレゾール40〜
5重量%との混合クレゾールから得られたものであっ
て、重量平均分子量(Mw)が5000〜15000、重量平均分
子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比Mw/Mnが2.0〜6.
0の範囲にあり、かつ未反応モノマーの含有量が5重量
%以下のものを用いたことを特徴とするポジ型ホトレジ
スト組成物を提供するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明組成物においては、クレゾールノボラック樹脂
として、o−クレゾール60〜95重量%とp−クレゾール
40〜5重量%との混合クレゾールから得られたものが用
いられる。該o−クレゾールの含有量が60重量%未満で
は、得られる組成物の現象安定性については向上するも
のの、レジストの密着性に劣るし、95重量%を超えると
現像安定性が悪くなる傾向がみられる。また、該クレゾ
ールノボラック樹脂は、重量平均分子量(Mw)が5000〜
15000の範囲にあり、かつ分子量分布の指標である重量
平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比Mw/Mnが
2.0〜6.0の範囲にあって、未反応モノマーの含有量が5
重量%以下であることが必要である。
該重量平均分子量(Mw)が5000未満では得られる組成
物は密着性については向上するものの、耐酸性が不十分
であるし、15000を超えると感度が低下したり、現像残
渣が生じたりする傾向がみられる。また、重量平均分子
量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比Mw/Mnが2.0未満で
は、該組成物は高い解像力が得られるものの、密着性に
劣るし、6.0を超えると解像力が低下したり、現像安定
性や耐酸性が悪くなるなどの傾向がみられる。さらに、
未反応モノマーの含有量が5重量%を超えると得られる
組成物は耐酸性が著しく低下するようになる。
本発明組成物におけるホトセンシタイザーとしては、
ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルを主成分とす
るものが用いられ、このものはナフトキノンジアジドス
ルホン酸とフェノール性水酸基を有する化合物とを、常
法に従ってエステル化反応させることにより、容易に製
造することができる。
該フェノール性水酸基を有する化合物としては、例え
ばフェノールノボラック樹脂やクレゾールノボラック樹
脂などのノボラック樹脂、テトラヒドロキシベンゾフェ
ノンやトリヒドロキシベンゾフェノンなどのポリヒドロ
キシベンゾフェノン、さらにはヒドロキシスチレン、没
食子酸アルキル、トリヒドロキシベンゼンモノエーテル
類、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシジフェニルメタ
ン、4,4′−ジヒドロキシフェニルプロパン、4,4′−ジ
ヒドロキシジフェニルスルホン、2,2′−ジヒドロキシ
−1,1−ナフチルメタン、2−ヒドロキシフルオレン、
2−ヒドロキシフェナントレン、ポリヒドロキシアント
ラキノン、プルプロガリン及びその誘導体、フェニル−
2,4,6−トリヒドロキシ安息香酸エステル、トリスフェ
ノールなどが挙げられる。
本発明組成物においては、前記ナフトキノンジアジト
スルホン酸エステルを主成分とするホトセンシタイザー
は、クレゾールノボラック樹脂100重量部に対し、10〜6
0重量部の割合で配合するのが好ましい。この配合量が1
0重量部未満では感度は上昇するものの、現像時の膜減
りやレジストパターンのプロファイル低下が生じるおそ
れがあるし、60重量部を超えると感度や密着性が著しく
低下し、実用上の問題が生じる。
本発明のポジ型ホトレジスト組成物は、前記クレゾー
ルノボラック樹脂とホトセンシタイザーとを適当な溶剤
に溶解して、溶液の形で用いるのが好ましい。このよう
な溶剤の例としては、アセトン、メチルエチルケトン、
シクロヘキサノン、メチルイソアミルケトンなどのケト
ン類;エチレングリコール、エチレングリコールモノア
セテート、ジエチレングリコール又はジエチレングリコ
ールモノアセテートのモノメチルエーテル、モノエチル
エーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテ
ル、モノフェニルエーテルなどの多価アルコール類及び
その誘導体;ジオキサンのような環式エーテル類;及び
酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチルなど
のエステル類を挙げることができる。これらは単独で用
いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよく、ま
た、特性向上のためにキシレン、トルエンなどの芳香族
炭化水素やアルコール系溶剤などを併用してもよい。
本発明のポジ型ホトレジスト組成物には、所望に応
じ、さらに相溶性のある添加成分、例えば強度を向上さ
せるためのエポキシ樹脂やアクリル樹脂、可塑性を付与
するためのポリビニルエーテル類や各種可塑剤、安定性
を付与するための安定剤、レベリング性向上のための各
種活性剤、あるいは現像した像をより一層可視的にする
ための各種染料や顔料などの慣用されているものを含有
させることができる。
次に、本発明組成物と使用方法の好適な1例について
説明すると、例えばスパッタリング、EB法、CVD法など
によりインジウムとスズの酸化物から成る透明導電膜
(ITO膜)を形成したガラス板上に、前記のクレゾール
ノボラック樹脂とホトセンシタイザー及び所望に応じて
用いられる各種添加成分を適当な溶剤に溶解して調製し
た溶液を、ロールコーターなどを用い、塗布、乾燥して
感光層を形成させたのち、ミラープロジェクション露光
装置などを用い、所要のマスクを介して露光し、次いで
これを1.5〜5重量%濃度のテトタメチルアンモニウム
ヒドロキシドやコリン水溶液、あるいは0.3〜1.5重量%
濃度の水酸化ナトリウムや水酸化カリウム水溶液などの
現像液を用いて現像することにより、露光によって可溶
化した部分を選択的に溶解除去して、マスクパターンに
忠実なレジストパターンを形成する。次にレジストパタ
ーンにより露出された部分のITO膜を塩酸、硫酸、硝
酸、塩化第二鉄などを主成分とする適当なエッチング液
を用いて除去したのち、レジストをアルカリや溶剤など
を用いて剥脱することにより、レジストパターンに忠実
なITO膜透明導電性の配線板を得ることができる。
発明の効果 本発明のポジ型ホトレジスト組成物は、特定の分子量
と分子量分布及び未反応モノマー含有量を有する、所定
と割合のo−クレゾールとp−クレゾールとの混合クレ
ゾールから得られたノボラック樹脂と、ナフトキノンジ
アジドスルホン酸エステルを主成分とするホトセンシタ
イザーとを含有するものであって、その露光、現像処理
により得られたレジストパターンが、種々の酸や酸化
剤、還元剤などを用いる湿式エッチング処理や乾式エッ
チング処理に対する強い耐性と、金属や金属酸化物又は
窒化物などの基材に対する優れた密着性を有しているこ
とから、これらの基材のホトエッチング加工に好適に用
いられる。
実施例 次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明する
が、本発明はこれらの例によってなんら限定されるもの
ではない。
実施例1 o−クレゾールとp−クレゾールとを重量比90:10の
割合で混合し、これにトリオキサンを加え、硫酸触媒を
用いて縮合して得たクレゾールノボラック樹脂100重量
部(Mw10000、Mw/Mn4.0、未反応モノマー含量1重量
%)と、ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホン
酸の2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノンエステル33
重量部とをエチレングリコールモノエチルエーテルアセ
テート300重量部に溶解したのち、このものを孔径0.2μ
mのメンブレンフィルターを用いてろ過し、ホトレジス
ト組成物を調製した。このレジスト組成物を、EB法によ
りガラス板上に厚さ1000ÅのITOを形成し、中性洗剤洗
浄、純水洗浄したのち乾燥後、紫外線を照射することで
表面の有機物を分解除去する前処理を施したガラス板上
に、市販のロールコーター(サーマトロニクス貿易社
製)を用いて、1.5μm厚に均一に塗布したのち、90℃
で180秒間ホットプレートにて乾燥した。次いで、ミラ
ープロジェクション露光装置(ORC社製、HMW−661B)を
用い、5μmのラインとスペースをもつテストチャート
マスクを介して3秒間(ORC社製、紫外線照度計UV−M02
UV35センサーで照度17mW/cm2)紫外線をソフトコンタ
クト露光したのち、1.0重量%KOH水溶液により、25℃、
45秒間浸せき揺動現像を行ったところ、5μmのライン
とスペースをマスクと同幅で再現した。
このホトレジストがパターニングされたガラス板を、
純度35%塩酸45重量部と、純水45重量部との混合物に、
塩化第二鉄・六水塩10重量部を溶解したものを50℃に温
めたエッチング液に静かに投入し、180秒間浸せきエッ
チング処理を行ったのち、ガラス板を水洗し、NaOH3重
量%水溶液50℃中で60秒間レジストの剥離処理を行い、
次いで純水で洗浄し、さらに温風乾燥して、5μmのラ
インについて、サイドエッチ量を測定したところ1.5μ
mであり、良好た結果が得られた。
なお、比較のために、m−、p−クレゾールノボラッ
ク樹脂から成る市販のOFPR−800〔東京応化工業(株)
製〕を使用したところ、サイドエッチ量は3.0μmであ
った。
実施例2 o−クレゾール60重量%とp−クレゾール40重量%と
の混合クレゾールを用い、実施例1と同様にして製造し
たクレゾールノボラック樹脂(Mw11000、Mw/Mn5.0、未
反応モノマー含量1重量%)を使用した以外は実施例1
と同様にしてホトレジスト組成物を調製したのち、この
組成物を用い、ガラス板上に厚さ1500Åのクロム被膜が
蒸着された基材上に、実施例1と同様に方法によりパタ
ーニングし、次いで、硝酸第二セリウムアンモニウム及
び純度50%の過塩素酸を、それぞれ12重量%及び7重量
%の割合で純水に溶解したエッチング液にて、40℃、3
分間の浸せき法により、エッチング処理を行ったのち、
実施例1と同様にしてレジストの剥離処理を行った。
この場合のサイドエッチ量は0.5μmであり、5μm
のレジストラインは4.5μmのストレートなクロムのラ
インとなった。
実施例3 実施例1で得られたクレゾールノボラック樹脂100重
量部と、ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホン
酸の没食子酸プロピルエステル15重量部を、乳酸エチル
300重量部に溶解して得られたホトレジスト組成物を用
い、ガラス板上にアルミニウム被膜が蒸着された基材上
に、実施例1と同様の方法でパターニングし、さらに12
0℃で3分間ホットプレートでポストベークを行い、次
いで純度85%リン酸95重量%と純度70%の硝酸5重量%
とを含有するエッチング液にて、40℃、1分間の浸せい
法により、蒸着アルミニウムのエッチング処理を行った
のち、ストリッパー10〔東京応化工業(株)製〕を用
い、70℃にてレジストの剥離処理を行い、アセトン洗浄
後、純水洗浄した。
この場合、サイドエッチ量は1.0μm以下であり、ガ
タツキもなく良好な結果が得られた。
実施例4 実施例1のホトレジスト組成物を用い、シリコンウエ
ハー上にレジストコーター(ミカサ社製、1H−36S型)
を用いて1.5μm厚に均一に塗布したのち、90℃で180秒
間ホットプレートにて乾燥した。次いで実施例1と同様
の方法でミラープロジュクション露光装置を用い、露光
し、現像を行ったのち、ホットプレートにより140℃で
5分間のポストベークを行った。
次に、パターニングされたシリコンウエハーを、プラ
ズマエッチング装置OPM−EM−600〔東京応化工業(株)
製〕を用い、ガスとして酸素5容量%を含有する四フッ
化炭素ガスを導入し、エッチングパワー100Wにてドライ
エッチング処理を行ったところ、レジストに変質はな
く、良好な結果が得られた。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】クレゾールノボラック樹脂及びナフトキノ
    ンジアジドスルホン酸エステルを主成分とするホトセン
    シタイザーを含有して成るポジ型ホトレジスト組成物に
    おいて、該クレゾールノボラック樹脂として、o−クレ
    ゾール60〜95重量%とp−クレゾール40〜5重量%との
    混合クレゾールから得られたものであって、重量平均分
    子量(Mw)が5000〜15000、重量平均分子量(Mw)と数
    平均分子量(Mn)との比Mw/Mnが2.0〜6.0の範囲にあ
    り、かつ未反応モノマーの含有量が5重量%以下のもの
    を用いたことを特徴とするポジ型ホトレジスト組成物。
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