JP4759895B2 - フォトレジスト用樹脂およびフォトレジスト組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フォトレジスト用樹脂およびフォトレジスト組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にポジ型フォトレジストには、ナフトキノンジアジド化合物等のキノンジアジド基を有する感光剤とアルカリ可溶性樹脂(例えば、ノボラック型フェノ−ル樹脂)が用いられる。このような組成を有するポジ型フォトレジストは、アルカリ溶液による現像によって高い解像力を示し、IC、LSI等の半導体製造、LCDなどの回路基材の製造に利用されていた。また、芳香環を多く有する構造のためノボラック型フェノ−ル樹脂は、露光後のプラズマドライエッチングに対して、高い耐ドライエッチング性および耐熱性を有していた。これまでノボラック型フェノ−ル樹脂とナフトキノンジアジド系感光剤とを含有する数多くのポジ型フォトレジストが開発、実用化され、0.3μm〜2μm程度までの線幅加工において大きな成果を挙げてきた。
【0003】
しかし、近年、半導体の高集積化の要求が年々高まるにつれ、光源としてより波長の短いKrF、ArF、F2などのエキシマ光の使用が検討されている。これらの光は、各々248nm、193nm、157nmの波長の光であり、フェノ−ル樹脂は、それ自体が有する芳香環による光の吸収により透明度が劣り、光がレジスト底部まで到達しにくい。そのため、レジスト底部での露光量が低下するため、現像後にテーパー等のついた不良パターンしか得られなかった。そこで、ポリヒドロキシスチレン、アクリル系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂などベース樹脂に用いて、光酸発生剤から発生する酸を触媒に利用した化学増幅システムが適用検討されている。
KrFエキシマ光には、主にポリヒドロキシスチレンの適用が検討されているが、ポリヒドロキシスチレンでも透明度が十分というわけではなく、また、非常に高価であることから、安価なフェノ−ル樹脂系で透明性を改良し、感度、解像度等の改善の要求が非常に高くなっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、透明性を改良し、高感度および高解像度のフォトレジスト用樹脂およびフォトレジスト組成物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(7)の本発明により達成される。
(1) ノボラック型フェノール樹脂の水酸基の一部または全部を酸の作用により脱離可能な基で保護してなり、前記ノボラック型フェノール樹脂がメタクレゾールとホルムアルデヒドを酸触媒の存在下で反応して得られるものであり、前記酸の作用により脱離可能な基の一部または全部が、エトキシエチル基であることを特徴とするフォトレジスト用樹脂。
(2) 前記酸の作用により脱離可能な基の、ノボラック型フェノール樹脂の水酸基に対する保護率が、5〜90%である上記(1)に記載のフォトレジスト用樹脂。
(3) 前記酸の作用により脱離可能な基の一部が、tert−ブトキシカルボニル基、テトラヒドロピラニル基、プロピルオキシエチル基、ブチルオキシエチル基及びシクロヘキシルオキシエチル基のいずれか1種以上である上記(1)又は(2)に記載のフォトレジスト用樹脂。
(4) 前記酸の作用により脱離可能な基が、エトキシエチル基とそれ以外の基からなり、その比率が、100/0〜5/95である上記(1)〜(3)のいずれか1項に記載のフォトレジスト用樹脂。
(5) GPC測定により得られる重量平均分子量が1,000〜50,000である上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のフォトレジスト用樹脂。
(6) 厚さ0.5μmの樹脂に対する波長248nmの光の透過率が10%以上である上記(1)ないし(5)のいずれかに記載のフォトレジスト用樹脂。
(7) 上記(1)ないし(6)のいずれかに記載のフォトレジスト用樹脂と光の作用により酸を発生させる化合物とを含有することを特徴とするフォトレジスト組成物。
【0006】
以下に本発明のフォトレジスト用樹脂およびフォトレジスト組成物について、詳細に説明する。
本発明のフォトレジスト用樹脂は、メタクレゾールとホルムアルデヒドを酸触媒の存在下で反応してノボラック型フェノール樹脂(以下、ノボラック樹脂という)を得、このノボラック樹脂の水酸基の一部または全部を酸の作用により脱離可能な基で保護して得られるものである。この場合、水酸基の水素が前記酸の作用により脱離可能な基で置換されることにより水酸基が保護される。また、本発明のフォトレジスト組成物は、上記フォトレジスト用樹脂に光酸発生剤を含むものである。
【0007】
以下、フォトレジスト用樹脂について説明する。初めにノボラック樹脂について説明する。
ノボラック樹脂を得るために用いられるフェノール類は、メタクレゾールである。クレゾールには、オルソクレゾール、パラクレゾール、メタクレゾールがあるが、メタクレゾールは、その分子構造に起因して、酸性度が高くアルカリに対する溶解性に優れることから、フォトレジストの感度を高くすることができ、また、耐熱性にも優れている。
【0008】
また、メタクレゾールと酸による脱離可能な基との組合せで、芳香環の電子密度がバランス良く変化すると考えられ、メタクレゾールの吸収波長を248nmからシフトさせることができる。その結果、フォトレジストの透明性を改良することができ、フォトレジストの感度、解像度を向上することができる。さらに、耐熱性に優れていることから、現像後にシリコン基板表面の酸化膜等を除去する工程で実施されるプラズマドライエッチングに対する耐性も兼ね備えていることも理由の一つである。
【0009】
次に、アルデヒド類は、ホルムアルデヒドが用いられる。数多くあるアルデヒド類の中でもホルムアルデヒドは、フォトレジストの感度を高くすることができるからである。ホルムアルデヒド源としては、特に限定されないが、ホルマリン(水溶液)、パラホルムアルデヒド、アルコ−ル類とのヘミホルマ−ル、トリオキサン等が挙げられる。これらの中でもホルマリン、パラホルムアルデヒドが好ましい。これにより、作業性を向上できる。また、フォトレジスト用樹脂のコストを低減できる。
【0010】
本発明でホルムアルデヒド(F)とメタクレゾ−ル(P)の反応モル比率(F/P)は、特に限定されないが、0.3〜1.2が好ましく、特に0.5〜1.0が好ましい。モル比率を前記範囲内にして反応させるとフォトレジストの感度および耐熱性を更に向上することができる。また、得られるフォトレジスト用樹脂の分子量を制御することができる。
【0011】
本発明において、ノボラック樹脂は、メタクレゾ−ルとホルムアルデヒドの反応に酸触媒を用いて得られる樹脂である。酸触媒としては、例えば、蓚酸、酢酸等の有機カルボン酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の有機スルホン酸、塩酸、硫酸等の無機酸等をあげることができる。なお、前記酸触媒を単独でも2種以上を混合して使用することも可能である。
酸触媒の添加量は、特に限定されないが、メタクレゾ−ル100重量部に対して0.01〜5重量部が好ましく、特に0.1〜3重量部が好ましい。酸触媒が前記範囲内であると、樹脂製造時の安定性に優れ、かつ樹脂の残留触媒を少なくできる。
【0012】
ノボラック樹脂を得るためのメタクレゾールとホルムアルデヒドとの反応について、その一例を簡単に説明する。
この反応は、例えば攪拌機、温度計、熱交換機のついた反応容器にメタクレゾール及びホルマリンを仕込み、酸触媒を添加して実施することができる。前記反応において、反応時間は、特に限定されないが、2〜10時間が好ましく、特に3〜8時間が好ましい。また、反応温度は、特に限定されないが、70〜150℃が好ましく、特に80〜120℃が好ましい。また、反応においては、例えば反応溶媒を使用することもできる。反応溶媒としては、例えばエチルセロソルブ、メチルエチルケトン等、反応により得られる樹脂を溶解する溶媒が好ましい。
【0013】
更に前記反応終了後、例えば酸触媒を除去するために塩基性化合物を添加して中和し、中和塩を水洗により除去してもよい。水洗水の量と回数は特に限定されないが、水洗回数は、実質的に影響ないレベルまで樹脂中の中和塩を除去させることと経済的観点から1〜5回程度が好ましい。また、水洗温度は、特に限定されないが、中和塩の除去効率と作業性の観点から40−95℃で行うのが好ましい。
【0014】
最後に前記の反応または水洗終了後、常圧下及びまたは減圧下で脱水・脱モノマ−を行う減圧度は、特に限定されないが、0.1torr〜200torr程度が好ましい。脱水・脱モノマ−後の反応容器からの取り出し温度は、特に限定されないが、樹脂の特性や粘度などにより適宜設定できる。樹脂の安定性の観点からは、150〜250℃が好ましい。
このようにして、本発明のフォトレジスト用樹脂のベースとなるノボラック樹脂が得られる。
【0015】
次に、ノボラック樹脂からフォトレジスト用樹脂を製造する方法について説明する。
上述の反応で得られたノボラック樹脂中の水酸基の一部または全部を酸により脱離可能な基で保護する。こうして得られたフォトレジスト用樹脂は、酸の作用により前記基が容易に脱離して遊離の水酸基を生成させることができ、それによってアルカリ現像液に対する溶解性を変化させてレジスト機能が付与される。また、同様の作用を有する基として、テトラヒドロピラニル基、tert−ブトキシカルボニル基等があるが、酸に対しての易脱離性が不十分であるため、フォトレジストの解像度が不充分となることがある。本発明では、保護基として好ましくはエトキシエチル基を必須成分として使用することにより、その構造上活性化エネルギーが低いため酸に対して脱離しやすいフォトレジスト用樹脂が得られる。その結果、フォトレジストの透明性、感度および解像度を向上する効果に加え、フォトレジスト用樹脂とシリコン基板との密着性を向上することができる。
前記エトキシエチル基は、単独で使用しても、1種以上の他の酸による脱離可能な基と併用してもよい、例えば、メトキシエチル基、プロピルオキシエチル基、ブチルオキシエチル基、シクロヘキシルオキシエチル基等のアルコキシエチル基、エトキシプロピル基、エトキシブチル基、テトラヒドロピラニル基、tert−ブトキシカルボニル基等が挙げられる。
【0016】
前記酸により脱離可能な基による保護の割合は、特に限定されないが、前記ノボラック樹脂の有する水酸基に対して5〜90%であることが好ましく、特に10〜80%であることが好ましい。酸により脱離可能な基による保護が前記下限値未満であると、酸の作用により脱離可能なものが少なくなるためアルカリに対する溶解性抑止の機能が低下する傾向があり、前記上限値を超えるとフォトレジストの感度や耐熱性が向上する効果が低下する場合がある。
なお、酸により脱離可能な基による保護の割合は、例えば熱重量分析装置(SII社製TG−DTA6300)を使用し、得られた結果から、酸により脱離可能な基に対応する重量減少より計算することができる。TG−DTA測定は、昇温速度10℃/分で行った。
【0017】
酸により脱離可能な基で前記ノボラック樹脂の水酸基を保護する方法は、この酸により脱離可能な基により使用される原料及び方法が異なるため特に限定されない。例えばエトキシエチル基により保護する場合は、上述のノボラック樹脂に所定量のエチルビニルエ−テルを室温で添加して酸触媒下で所定時間反応し、その後、ジエチルエーテルを添加し、水洗する方法等が挙げられる。
【0018】
本発明のフォトレジスト用樹脂のGPC測定による重量平均分子量は、特に限定されないが、1,000〜50,000が好ましく、特に2,000〜30,000が好ましい。フォトレジスト用樹脂の重量平均分子量が前記下限値未満であると耐熱性が低下する場合があり、前記上限値を超えるとフォトレジスト樹脂の感度が向上する効果が小さくなる場合がある。
フォトレジスト用樹脂の重量平均分子量は、ノボラック樹脂を製造する際のメタクレゾールに対するホルムアルデヒドの反応モル比率を調整することにより制御することができる。
なお、前記重量平均分子量は、ゲルパ−ミエ−ションクロマトグラフィ−(GPC)測定によりポリスチレン標準物質を用いて作成した検量線をもとに計算されたものである。GPC測定はテトラヒドロフランを溶出溶媒として使用し、流量1.0ml/分、カラム温度40℃の条件で実施した。本体:TOSOH製HLC−8020、検出器:波長280nmにセットしたTOSOH製UV−8011、分析用カラム:昭和電工製SHODEX KF−802 1本、KF−803 1本、KF−805 1本、をそれぞれ使用した。
【0019】
本発明のフォトレジスト用樹脂において、厚さ0.5μmの樹脂に対する波長248nmの光の透過率は、特に限定されないが、10%以上が好ましく、特に20%以上が好ましい。透過率が前記下限値未満であるとフォトレジスト用樹脂の感度が向上する効果が小さくなる場合がある。
なお、前記透過率は、例えばUV分光光度計(日立製作所製U−2000)を使用し、波長が248nmの光に対する透過率の測定を行うことにより評価することができる。評価用サンプルは、石英ガラス上に溶剤に溶解した樹脂液をスピンコ−タ−により塗布し、90℃、100秒処理して約0.5μmの厚みになるよう石英ガラス上に樹脂フイルムを形成して作成することができる。
【0020】
次に、フォトレジスト組成物について説明する。
本発明のフォトレジスト組成物は、上述のフォトレジスト用樹脂と光の作用により酸を発生させる化合物(以下、光酸発生剤という)を含むものである。これにより、光の照射により酸を発生し、前記フォトレジスト用樹脂のアルカリ現像液に対する溶解性を変化させることができる。
本発明で用いる光酸発生剤は、例えばオニウム塩、有機ハロゲン化合物、ジアゾメタンジスルホニル骨格を有する化合物、芳香族基を有するジスルホン系化合物、オルトキノンジアジド化合物、スルホン酸系化合物などが挙げられる。これらの中でもオニウム塩、ジアゾメタンジスルホニル骨格を有する化合物が好ましい。
【0021】
また、本発明のフォトレジスト組成物は、その特性を低下させない範囲で、溶剤、界面活性剤、塩基性化合物、増感剤等を添加することができる。
【0022】
【実施例】
以下本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0023】
実施例1
▲1▼ノボラック樹脂の製造
攪拌機、温度計、熱交換機のついた5Lの四つ口フラスコにメタクレゾ−ル1800g、37%ホルマリン1216g(ホルムアルデヒド/メタクレゾ−ルモル比=0.90)、蓚酸9gを仕込み、98〜102℃で4時間反応を行った後、エチルセロソルブ650gを添加して内温170℃まで常圧下で脱水し、さらに80torrで200℃まで減圧下で脱水・脱モノマ−を行い、ノボラック樹脂1850gを得た。
【0024】
▲2▼水酸基の置換反応(エトキシエチル基の場合)
テトラヒドロフランで溶解した前記ノボラック樹脂に、エチルビニルエ−テルを436g添加し、パラトルエンスルホン酸を1.8g添加して、室温で4時間反応した。その後、酸触媒を中和するため、トリエチルアミンを当量加え、所定量のジエチルエ−テルを添加し、さらにイオン交換水を添加して3回水洗し、溶剤分を除去・乾燥することにより、目的とする前記ノボラック樹脂の水酸基中の30%がエトキシエチル基で保護されたフォトレジスト用樹脂を得た。
【0025】
実施例2
ホルマリンを1243g(ホルムアルデヒド/メタクレゾ−ルモル比=0.92)添加し、エチルビニルエーテル218g(水酸基のエトキシエチル基による保護率15%)添加した以外は、実施例1と同様にした。
【0026】
実施例3
ホルマリンを1243g(ホルムアルデヒド/メタクレゾ−ルモル比=0.92)添加した以外は、実施例1と同様にした。
【0027】
実施例4
エチルビニルエーテル218g(エトキシエチル基保護率15%)と3,4−ジヒドロピラン291g(テトラヒドロピラニル基保護率15%)添加した以外は、実施例1と同様にした。
【0028】
実施例5
メタクレゾールとホルムアルデヒドのモル比を0.45にした以外は、実施例1と同様にした。
【0029】
実施例6
メタクレゾールとホルムアルデヒドのモル比を1.05にした以外は、実施例1と同様にした。
【0030】
実施例7
エトキシエチル基の保護率を95%にした以外は、実施例1と同様にした。
【0031】
実施例8
エトキシエチル基の保護率を8%にした以外は、実施例1と同様にした。
【0032】
実施例9
エトキシエチル基(保護率15%)とイソプロピルオキシエチル基(保護率15%)を用いた以外は、実施例1と同様にした。
【0033】
実施例10
エトキシエチル基の保護率を15%とした以外は、実施例1と同様にしてフォトレジスト用樹脂を得た。これに、ジ−tert−ブトキシジカーボネート660gをトリエチルアミンの存在下で反応させ、反応終了後、酢酸によりトリエチルアミンを中和し、所定量のジエチルエ−テルを添加し、さらにイオン交換水を添加して3回水洗し、溶剤分を除去・乾燥することにより、ノボラック樹脂中の水酸基のうち、エトキシエチル基の保護率が15%、tert−ブトキシカルボニル基の保護率が15%であるフォトレジスト用樹脂を得た。
【0034】
比較例1
メタクレゾールを810g、パラクレゾール990g(メタクレゾール/パラクレゾール(重量比)=45/55)、ホルムアルデヒド946g(ホルムアルデヒド/クレゾ−ルモル比=0.70)とした以外は、実施例1と同様にした。
【0035】
比較例2
実施例1のノボラック樹脂に、ジ−tert−ブトキシジカーボネート1320gをトリエチルアミンの存在下で反応させ、反応終了後、酢酸によりトリエチルアミンを中和し、所定量のジエチルエ−テルを添加し、さらにイオン交換水を添加して3回水洗し、溶剤分を除去・乾燥することにより、ノボラック樹脂中の水酸基のうち、tert−ブトキシカルボニル基の保護率が30%のフォトレジスト用樹脂を得た。
【0036】
比較例3
エチルビニルエ−テルの代わりに3,4−ジヒドロピラン581g(テトラヒドロピラニル基による保護率30%)のみを用いた以外は、実施例1と同様にした。
【0037】
比較例4
樹脂として日本曹達(株)製ポリヒドロキシスチレン(VP−8000、重量平均分子量=約12,000)をそのまま使用した以外は、実施例1と同様にした。
【0038】
得られたフォトレジスト用樹脂の分子量およびフォトレジストの特性を表1に示す。
フォトレジスト用樹脂の光透過率は、UV分光光度計(日立製作所製U−2000)を使用し、波長が248nmの光に対する透過率の測定を行うことにより評価した。評価用サンプルは、石英ガラス上に溶剤に溶解したフォトレジスト用樹脂液をスピンコ−タ−により塗布し、90℃、100秒処理して約0.5μmの厚みになるよう石英ガラス上に樹脂フイルムを形成して作成した。
耐熱性は5μm幅のパターンを有するフォトレジストを100〜150℃の所定温度に設定したオーブンで3分間加熱した後のパターンの形状を電子顕微鏡で観察することにより評価した。表1にパターン形状が変化しない最低の温度を示す。
【0039】
また、フォトレジストの特性評価は、以下のように行った。
▲1▼サンプルの作成
実施例及び比較例で得られたフォトレジスト用樹脂を15%の樹脂濃度になるようにプロピレングリコ−ルモノメチルエ−テルアセテ−トに溶解し、光酸発生剤として、みどり化学製 DAM−301を樹脂固形分に対して1%及びTPS−105を樹脂固形分に対して0.19%を添加してレジスト特性評価用サンプルを作成した。
【0040】
▲2▼現像
上記サンプルをスピンコ−タ−を使用して5インチのシリコンウエハ上に塗布し、ホットプレ−ト上で90℃、60秒間プリベ−クした。塗布したサンプルの膜厚が、約0.5μmになるようにスピンコ−タ−の回転数を調節した。
プリベ−ク後、露光装置リソテックジャパン製UVES−2000を使用して光の露光量を何点か変化させて露光を行い、ホットプレ−ト上で110℃、90秒間ポストベ−クした。その後、膜厚測定装置で露光部分の膜厚を測定し、現像装置リソテックジャパン製RDA−790を使用し、2.38%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を使用して現像速度の測定を行った。
【0041】
▲3▼感度等の特性評価
現像装置リソテックジャパン製RDA−790を使用して、上記のとおりに現像し、膜厚の減少量及び速度の測定を行い、その測定結果をもとに、計算プログラムLeapSetでtanθ、感度(露光量)を求めた。また、フォトレジスト特性のシュミレ−ションソフトProlith/2を使用して、パターン幅(L)及び間隔(S)0.18μm、L&S=1/1の条件でフォトレジストの限界解像度の評価を行った。
【0042】
【表1】
【0043】
表1に示すように、実施例1〜10はいずれも、光透過率が高く、感度、限界解像度に優れている。このことから本発明のフォトレジスト用樹脂およびフォトレジスト組成物は、透明性が改良され、高感度、高解像度であることが明らかになった。さらに、実施例1,2,3,4及び9は、高感度、高解像度であることに加え、耐熱性が優れている。この中で、実施例1及び2は、特に高耐熱性、高感度、高解像度であった。
【0044】
【発明の効果】
本発明により、透明性を改良し、高感度、高解像度であるフォトレジストの製造を可能にするフォトレジスト用樹脂およびフォトレジスト組成物を提供することができる。
また、酸により脱離可能な基としてエトキシエチル基を必須成分とした場合、特に透明性が改良され、高感度化がはかれ、かつフォトレジストとシリコン基板との密着性を向上できる。
Claims (7)
- ノボラック型フェノール樹脂の水酸基の一部または全部を酸の作用により脱離可能な基で保護してなり、前記ノボラック型フェノール樹脂がメタクレゾールとホルムアルデヒドを酸触媒の存在下で反応して得られるものであり、前記酸の作用により脱離可能な基の一部または全部が、エトキシエチル基であることを特徴とするフォトレジスト用樹脂。
- 前記酸の作用により脱離可能な基の、ノボラック型フェノール樹脂の水酸基に対する保護率が、5〜90%である請求項1に記載のフォトレジスト用樹脂。
- 前記酸の作用により脱離可能な基の一部が、tert−ブトキシカルボニル基、テトラヒドロピラニル基、プロピルオキシエチル基、ブチルオキシエチル基及びシクロヘキシルオキシエチル基のいずれか1種以上である請求項1又は2に記載のフォトレジスト用樹脂。
- 前記酸の作用により脱離可能な基が、エトキシエチル基とそれ以外の基からなり、その比率が、100/0〜5/95である請求項1〜3のいずれか1項に記載のフォトレジスト用樹脂。
- GPC測定により得られる重量平均分子量が1,000〜50,000である請求項1ないし4のいずれかに記載のフォトレジスト用樹脂。
- 厚さ0.5μmの樹脂に対する波長248nmの光の透過率が10%以上である請求項1ないし5のいずれかに記載のフォトレジスト用樹脂。
- 請求項1ないし6のいずれかに記載のフォトレジスト用樹脂と光の作用により酸を発生させる化合物とを含有することを特徴とするフォトレジスト組成物。
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