JP2553385B2 - 身体の保持装置 - Google Patents

身体の保持装置

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JP2553385B2 JP63258901A JP25890188A JP2553385B2 JP 2553385 B2 JP2553385 B2 JP 2553385B2 JP 63258901 A JP63258901 A JP 63258901A JP 25890188 A JP25890188 A JP 25890188A JP 2553385 B2 JP2553385 B2 JP 2553385B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、例えばベット、椅子等に用いられる装置で
あり、使用者の体形に合わせて、使用者を均一な浮揚力
(圧力)で支持を可能にする身体の保持装置に関するも
のである。
(従来の技術) 身体の保持装置としては、例えば特開昭61−16455号
公報に示されているような発明がある。
この従来装置は、空圧マッサージ用マットと併用され
る補助マットとして開発されたもので、柔軟な気密性袋
体の内部に、ポリスチレン樹脂やポリオレフィン樹脂な
どの小径粒体を無数充填し、該袋体内に存在する空気を
抜気孔から排出させ、低圧力状態に維持することによ
り、気密性袋体に定形性を維持可能な構造となってお
り、体重がかかると、袋体内の小径粒体が使用者の体形
に応じて移動して、袋体の或る部分は凹み、また他の或
る部分は膨らんで、袋体の上面は使用者の体形に合致し
た曲面になり、そのとき、吸引ポンプを起動して、該袋
体内の空気を強制的に排気すると、袋体の内圧が外気圧
より低くなったときに、小径粒体同志の摩擦力により移
動が阻止されて、全小径粒体の相互の位置関係を固定
し、この結果、袋体の表面を体形に合致させることがで
きるようになっている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、斯る従来の身体の保持装置は、袋体内
を減圧することにより、小径粒体の移動を阻止するもの
であるから、高価な吸引ポンプを必要とする上、使用者
が変わったり、姿勢を変えたりした場合に、その変化に
即刻対応できるものでなかった。
(課題を解決するための手段) 本発明は、従来の身体の保持装置が有していた不都合
な点を解消することを目的として開発されたもので、加
圧空気が供給される複数の気密性袋体をベースフレーム
上に並列させて備え、該各袋体は適宜の配管をもって加
圧空気発生供給源に接続されると共に、該空気発生供給
源から供給されて上記各袋体を膨張させた加圧空気の
中、使用者の体重がかかったときに、体形になじまない
過剰な空気を排出させる制御弁装置を備え、また、各袋
体内を体形になじむ量の空気充填量とした後、各袋体を
使用者の体形に対応する状態に維持するための閉鎖弁装
置を備えて、上記課題を解決する手段としたものであ
る。
(作用) 加圧空気発生供給源たる空気ポンプを起動し、各気密
性袋体に対して加圧空気を供給する。次いで、相前後し
て、当該袋体の上に、使用者の体重をかけると、体重の
かかり方の大きい部分は、袋体内の圧力が大きくなるた
めに、制御弁装置の弁体が開いて過剰な空気は排出さ
れ、体重のかかり方の小さい部分は、ひきつづき加圧空
気が供給されるか、または比較的僅かに過剰な量だけが
同様にして制御弁装置を介して排出される。
このようにして、各袋体には体重のかかり方加減によ
って、必要量の加圧空気が充填されて、使用者の体形に
応じた量の加圧空気が各袋体内に充填される。
このようにして、各袋体内に所要量の空気が充填され
たら、別の弁装置の弁体を閉じて、使用時に袋体内の空
気圧が維持されるようにし、これにより、使用者の背部
等は、極めて安定した状態に支持される。
次に、必要に応じて身体の位置や姿勢を変更する場合
には、弁装置の弁体を開いて、上記と同じ順序の操作を
繰り返えし、各袋体内の空気の充填量を調整する。
(実施例) 第1図・第2図は、第1実施例を示したもので、この
第1実施例は、椅子のベースフレームF上に、加圧空気
が供給される複数の気密性袋体1が規則的に整列されて
おり、該各袋体1は、加圧空気発生供給源たる電動空気
ポンプ2に対して、主パイプ3と該主パイプ3から分岐
する枝パイプ4を介して接続されて、空気ポンプ2から
袋体1に向けて供給される加圧空気は、当該袋体1に個
別に供給される構造になっている。
なお、第2図において、5は、上記電動空気ポンプ2
の起動及び停止を制御するマイクロコンピュータ内蔵の
制御装置で、6は、主パイプ3に設けたアキュムレータ
で、空気圧を制御するために設けられている。
また、各袋体1に直接接続された枝パイプ4には、一
方向弁(逆止弁)7を設けると共に、各袋体1ごとに同
一設定圧の排気用一方向弁(リリーフ弁)8を対にして
設け、空気供給配管側の一方向弁7は、空気ポンプ2か
ら送られてくる加圧空気を各袋体1に供給し、排気側の
一方向弁8は、袋体1の内圧が設定圧に維持されている
時は閉じ、内圧が設定圧以上に上昇すると、開いて過剰
な加圧空気を排出して、常に個々の袋体1内の圧力を所
要の圧力に維持するように構成されている。
次に、上記第1実施例の作用について述べる。
この装置で身体を保持する場合には、第1図に示すよ
うに椅子の座部に座り、座るのと前後して、椅子の上面
を被う全気密性袋体1に空気ポンプ2から加圧空気を供
給し、各袋体1内に空気を充填して、袋体1内の圧力を
上昇させる。
空気が充填されていく各袋体1に使用者の体重がかか
ると、該体重のかかり方により、対応する袋体1の内圧
が上昇する。たとえば、ヘッドレスト部や、背もたれ
部、座部には、大きな荷重がかかり、腰部には、前者に
比べると大きな荷重はかからない。
このように、体重のかかり方によって、袋体1内の空
気圧は大きくなったり、小さくなったりするので、この
ときの圧力が一方向弁8の設定圧を上回るときは、当該
一方向弁8が開いて、過剰な空気を排出し充填空気量を
減らし、袋体1内には体形に応じた空気量に調整され
る。
このようにして、空気量が調整されると、上記排気側
の一方向弁8は自動的に閉じるので、各袋体1に対する
加圧空気の充填量を対応する体形に追随させて変化させ
て、所要の充填量を確実に維持する。
このようにして、各袋体1に供給される加圧空気の量
を調整することにより、使用者の身体は、その体形に即
した極めて安定した状態に保持される。
また、一度調整された各袋体1の内部圧力を、使用者
の交代や姿勢の変更等により、必要に応じて変更したい
ような場合には、再度上記の調整を同じ手順で繰り返
す。
次に、第2実施例を、第3図に基づいて説明する。
この実施例は、基本的には上記第1実施例と構成を一
にするものであるが、異なるところは以下の点にある。
即ち、この実施例は、上記気密性袋体1のうち、特定
の少なくとも1の袋体1′の内部に電磁弁(図示せず)
のスイッチ部センサーとして内蔵し、同スイッチ部を構
成する可動接片9を袋体1′の内面上部に設け、固定接
点10を弾発力を手動的に可能にした圧縮スプリング11を
介在させて、該袋体1′の下部に上記可動接片9に対向
させて設けた構造とし、また、当該スイッチ内臓袋体
1′に設けられている排気用一方向弁8に対して、上記
電磁弁の常開バルブV2を直列的に設けたものである。
なお、前記スイッチ部を内臓する袋体1′には、他の
袋体1よりも横振れしにくい(たわみにくい)ものを用
いるとよいが、この袋体1′は、使用者の体重が一番早
くかかる部位、たとえば椅子にあっては座部に設置され
ている。
また、上記電磁弁の電源回路には、手動的に同回路を
開成できるスイッチSを、自己保持用補助回路を介在さ
せて設ける。
次に、第2実施例の作用について説明する。
この実施例の椅子で使用者の身体を保持する場合に
は、第1実施例と同様に、たとえば椅子の座部や背もた
れ部に添えておき、空気ポンプ2を起動するが、常閉接
点Sを開いて、上記電磁弁の電気回路に電流が流れない
ようにする。
気密成袋体1に加圧空気が供給されると一斉に膨張す
る。この袋体1、1′に使用者の体重がかかると、各袋
体は体重のかかり方により変形するが、袋体1′には最
も早く体重がかかって、比較的早い時期に変形する。袋
体1′が変形すると、可動接片9は降下して固定接点10
に接触して、電磁弁を操作し排気管Tを閉鎖する。
通常の場合、各袋体1に対して空気ポンプ2から加圧
空気の供給が行なわれ、当該袋体1内の圧力が設定圧力
よりも高くなると、ただちに排気用一方向弁8が開い
て、過剰な空気を排出し、充填空気量を減らす。このと
き全袋体内は、体形に応じた空気量に調整されるが、体
重がたとえば標準体重よりも重い場合には、袋体1′内
に設けたスイッチ部が作動して、可動接片9が上記のよ
うに固定接点10に接触して、電磁弁の電源回路を閉成す
るので、排気用一方向弁8の作用前(開成前)に、袋体
1′からの排気が行なわれない。その結果、その後は、
各袋体1、1′内に加圧空気が供給され、袋体1′内が
所要圧力になると、空気ポンプ2の電源回路が切れて、
加圧空気の供給が止まり、全袋体1、1′内は均等圧力
となる。
このようにして、各袋体は使用者の対応する体形に追
随して各部均等圧で変形し、変形後は一定空気圧が確実
に維持されることとなる。
従って、使用者の身体は、その体形に即した極めて安
定した状態に保持される。
又、体重には個人差があるので、袋体1、1′内の維
持内圧の変更が必要なときには、スプリング11の弾発力
を調整すれば、容易に変更することが出来る。
また、上記第2実施例の応用例として、第4図第5図
に示す如く、必要と思われる袋体の上面適宜位置に、比
較的硬めの押圧子12を設けて、身体の外形に追随させ
て、身体を安定な状態に保持しながら、身体の外形に追
随したマッサージを行なうことができるように構成する
こともできる。
なお、この押圧子12を袋体1′の上面に設ける場合
や、前記電磁弁のスイッチ部を袋体1′に設ける場合に
は、第7図に示す如く、袋体1′の外周に弾性線条16を
内蔵させた蛇腹構造15に形成して、横振れを防止するこ
とが好ましいが、押圧子12を袋体1、1′と別体成形す
る(第6図)か、一体成形する(第7図)かは任意であ
る。
また、第8図に示す如く、上記袋体1のうち、対応す
る身体の部位との関係で、特にマッサージ効果が要求さ
れる所望の袋体1、1に対しては、隣接して対の関係を
なす2個の袋体1、1同士間の適宜位置に、肉厚形状の
押圧子12を順次跨った状態に設け、該対の袋体同士をレ
ギュレータ17を介して第二の加圧空気発生供給源たる第
2空気ポンプ18と個々に連結して、各対の関係にある袋
体1内に対して、加圧空気の供給と排気を交互に行なう
構成すれば、第二空気ポンプ18を駆動させて、押圧子12
が跨った状態に設けられている各対の袋体1、1に対し
て、加圧空気の供給と排出を交互に繰り返すと、この加
圧空気の供給と排出により、各押圧子12は対応する身体
の部位をその体形に追随して押圧しながら、身体の長さ
方向に対して往復動して、対応する身体の部位を効率よ
く揉みほぐすことが可能となる。
上記実施例は椅子に実施した例であるが、たとえば第
9図、第10図に示す如き可動式基台19の上に敷設して使
用することも可能である。
該基台19は、シートバック、シート、フートレスト用
の3枚の折畳み自在のフレーム20、21、22から成り、該
各フレーム同士は、順次歯車機構23やヒンジ機構、リン
ク機構により、第9図において上方又は下方に向けて折
り曲がるように連結されている。また、少なくともフー
トレスト部とシート部のフレーム22、20は、起状力を与
えるエアシリンダ24やリンク機構25で連結されている。
上記可動式の基台19上に、本発明の保持装置を敷設し
た場合には、使用者は基台19上に寝た状態で気密性袋体
1、1′の作用を受けることができるので、、各袋体と
も均一な空気圧によって使用者の身体はその外形に即し
て安定した状態に保持される。また、上記基台19をエア
シリンダ24やリンク機構25の作用で、シートバック部の
フレーム20を持ち上げて、背もたれ状に傾斜させたり、
フートレフト部のフレーム22を下げたりしても上記作用
は変わりがない。
(発明の効果) 本発明の身体の保持装置は、加圧空気の供給された気
密性袋体に使用者の体重をかけると、体重のかかり方の
大きい個所と小さい個所とでは、袋体内の空気圧が一様
でなくとも、過剰な空気を排出することによって、各袋
体ごとの相対空気圧を一定にし、各袋体は使用者の対応
する体形に追随できる空気を確保して、これにより、使
用者の身体を極めて安定した状態に保持することができ
る。
また、たとえば横たえた身体の位置や身体の向きを変
えた場合でも、その都度袋体内の空気圧、空気量を簡単
に変えることができるから、従来の身体の保持装置の不
利は容易に解消することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る身体の保持装置を椅子に実施した
第1実施例を示す側面図、第2図は各袋体と空気ポンプ
との間の給排気構造を示す説明図、第3図は第2実施例
を示す縦断側面図、第4図は第3の実施例を示す側面
図、第5図は同じく斜視図、第6図、第7図、第8図は
押圧子の異なる形成態様を示す断面図、第9図は体位変
更自在なベッドに実施した1例を示す側面図、第10図は
同ベッドの折り曲げ機構の一例を示す側面図である。 1・1′……気密性袋体、 2……空気ポンプ、7……一方向弁、 8……一方向弁。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加圧空気が供給される複数の気密性袋体を
    ベースフレーム上に並列させて備え、該各袋体は適宜の
    配管をもって加圧空気発生供給源に接続されると共に、
    該空気発生供給源から供給されて上記各袋体を膨張させ
    た加圧空気の中、使用者の体重がかかったときに、体形
    になじまない過剰な空気を排出させる制御弁装置を備
    え、また、各袋体内を体形になじむ量の空気充填量とし
    た後、各袋体を使用者の体形に対応する状態に維持する
    ための閉鎖弁装置を備えた身体の保持装置。
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