JP2553117B2 - エチレン系熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

エチレン系熱可塑性樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、柔軟性特に低温柔軟性に富み、加工性にす
ぐれかつブリードを生じないエチレン系熱可塑性樹脂組
成物に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、ポリエチレンをはじめとするエチレン単独重合
又は共重合熱可塑性樹脂は機械的特性にすぐれかつ耐候
性、耐薬品性、経済性等に富んでいるため、広汎な分野
で利用されているが、柔軟性特に低温柔軟性がいまだに
不充分であるとの欠点を有する。
この欠点を解決するための手段も種々講じられてお
り、例えばポリエチレンに低分子量のオイルを添加する
ことにより柔軟性を賦与しうるとの報告もあるが、相溶
性が不足であり、ポリエチレンは結晶性のためオイル等
を排斥し易い性質を有しているため、成形品表面に添加
オイルがブリードするという問題がある。また、パラフ
ィン、ワックスをポリエチレンに添加する方法も検討さ
れており、この場合は、構造が類似のためブリードはほ
とんど生じないが、ワックスも結晶性であるため柔軟性
賦与の観点からは必ずしも充分であるとはいえない。従
って、ポリエチレンに可塑剤を添加することにより柔軟
性を賦与する試みに関し、従来の方法では柔軟性賦与と
ノンブリード性を両立させるものはなかった。
〔発明が解決しようとする問題点〕
かかる状況を解決するため本発明者らはブリードをひ
きおこすことなく柔軟性が賦与できかつ改善された流動
性を有するエチレン系熱可塑性樹脂組成物を得るため種
々検討した結果、エチレン単独又は共重合樹脂と、特定
の分子量とブロック形態を有するイソプレン〜ブタジエ
ン共重合体の水素添加物とからなるエチレン系熱可塑性
樹脂が上記特性を備えていることを見い出し本発明を完
成させるに至った。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は (a) エチレンを単独重合もしくは共重合によって得
られた、エチレン繰り返し単位を30〜100モル%有する
熱可塑性樹脂(ただし、エチレンとプロピレンからな
り、プロピレン繰り返し単位を50〜70モル%含有する共
重合体を除く)と、 (b) 数平均分子量が5,000〜150,000であるイソプレ
ン〜ブタジエン共重合体の不飽和結合の50%以上を水素
添加して得られる共重合体を 両者の割合が前者99〜70重量%、後者1〜30重量%とな
るように含有してなるエチレン系熱可塑性樹脂組成物を
提供する。
以下本発明に関し詳しく述べる。
本発明で(a)成分として用いられる、エチレンを単
独重合又は共重合して得られる熱可塑性樹脂〔ただし、
エチレンとプロピレンからなり、プロピレン繰り返し単
位を50〜70モル%含有する共重合体を除く〕(以下、エ
チレン系樹脂という)は高密度(HD)及び低密度(LD)
ポリエチレンの他、エチレンとエチレン以外の1位に2
重結合を有するオレフィン、特に炭素数20までのもの例
えばプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキ
セン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−
デセン、1−テトラデセン等との共重合体、更にはEPD
M、EVAc、エチレン−ビニルアルコール共重合体等も包
含する。これらのエチレン系樹脂はいずれも公知の方法
で得られるものあるいは市販のものがそのまま使用し得
るが、これらの樹脂のエチレン繰り返し単位の共重合量
は30モル%以上、好ましくは50モル%以上が好適であ
る。
エチレン繰り返し単位が30モル%未満のエチレン共重
合樹脂は、水素化したイソプレン〜ブタジエン共重合体
との相溶性が不足するため、柔軟性賦与はできるもの
の、ブリードが発生するため使用時トラブルをひき起こ
す。
本発明で用いられるエチレン系樹脂のMIは0.1〜60、
好ましくは0.1〜30の範囲で適宜選択し得る。
次に本発明組成物の(b)成分として用いられる水素
添加物の原料として用いられるイソプレン〜ブタジエン
共重合体はそれ自体公知であるか又は当業者に慣用の又
は公知の手法によって容易に製造することができる。重
合形式としてラジカル重合、イオン重合等の重合法の他
公知の重合形式を用いることができる。なかでも分子量
のコントロールが容易であり、ビニル結合量を少なく抑
えることができ、イソプレン−ブタジエン共重合ゴムの
場合容易に共重合の形態が変えられる等の点からリチウ
ム系開始剤を用いるアニオン重合による方法が最も好ま
しい。
なお、かかるイソプレン〜ブタジエン共重合体は、そ
の分子末端あるいは分子鎖中にカルボキシル基、酸無水
物基、水酸基等の官能基を有していてもよい。
本発明で使用される、水素化イソプレン〜ブタジエン
共重合体の分子量をコントロールすることは本発明にお
いては重要であって、水素化前の該共重合体の数平均分
子量(Mn)は、5,000〜150,000、好ましくは10,000〜10
0,000、更に好ましくは20,000〜80,000の範囲で選択し
得る。該共重合体の数平均分子量が小さ過ぎる場合に
は、該共重合体水素化物をエチレン系樹脂に混合した場
合、混合樹脂から得られる成形物の強度的性質の低下が
大きくなり、また得られた組成物の表面に該共重合体水
素化物が滲出する恐れも生じ、好ましくない。
逆に該共重合体の数平均分子量が大き過ぎる場合に
は、エチレン系樹脂との混合操作において加工性の改善
がみられないのみならず、混合樹脂組成物からなる成形
物の低温柔軟性に改善効果が認められず好ましくない。
尚、ここで数平均分子量とは、ゲルパーシュエーショ
ンクロマトグラフ(GPC)によるポリスチレン換算数平
均分子量を意味する。
本発明においては、イソプレン〜ブタジエン共重合体
が、(I−B)−B、(B−I)−B及び(I−
B)(n=1〜5の整数、ここでIはイソプレンブロ
ックをBはブタジエンブロックを表わす)のいずれかの
形態を有するブロック共重合体であることは極めて重要
である。
イソプレンブロックの水素添加物は、エチレンとプロ
ピレンとが交互に共重合した構造となるため非晶性と柔
軟性特に低温柔軟性発現のため極めて大きな役割を果た
す。一方、ブタジエンブロックの水素添加物は、エチレ
ン重合体と同一の構造を有するためエチレン共重合樹脂
との相溶性を高めるため必須であり、また、このブロッ
クの分子量も比較的低いため柔軟性賦与にも好ましい影
響を及ぼす。
前記ブロック形態を示す式でnが5より大の場合、前
述した各ブロックの特徴が発現しないためnは5以下、
好ましくは3以下であることが必要である。
ブタジエンの共重合量は、好ましくは20〜70重量%の
範囲で好適に選択できる。
更に本発明で使用される、イソプレン〜ブタジエン共
重合体におけるビニル結合量は、30%以下、好ましくは
20%以下であるのが好ましい。ビニル結合量、すなわち
1,2結合および/または3,4結合の量が30%を越えると該
共重合体水素化物とエチレン系樹脂との相溶性が低下す
るのみならず該共重合体水素化物のガラス転移温度(T
g)が高くなり、その結果混合樹脂の低温柔軟性が乏し
くなるので好ましくない。
本発明で用いるイソプレン〜ブタジエン共重合体は、
不飽和結合の50%以上、好ましくは70%以上を水素添加
を用いる必要がある。
水素化率が小さ過ぎると、水素添加物自体の耐熱性が
低下し、高温下にエチレン系樹脂と混合する際または得
られた組成物を成形し、使用する際に水素添加物の熱劣
化により混合樹脂組成物の強度的性質をはじめとする種
々の物性の低下が起こるのみならず、混合の際相溶性が
悪く、得られた組成物表面に該共重合体水素化物が滲出
する恐れも生じる。
なお、上記水素化率は水素添加前のヨウ素価(I0)水
素添加後のヨウ素価(I1)を測定し、次式に従って算出
した。
水素化率(%)=(1−I1/I0)×100 該共重合体は、公知の方法により水素添加される。水
素添加反応の例としては、ニッケル、パラジウム、白
金、ルテニウムもしくはロジウム等の金属をカーボンや
アルミナ等に担持させたもの、ラネーニッケル、漆原ニ
ッケル等の不均一系触媒、または遷移金属ハライドとア
ルミニウム、アルカリ土類金属もしくはアルカリ金属な
どのアルキル化物との組合せによるチーグラー触媒等の
均一系触媒を用い、常温〜200℃で、常圧〜200kg/cm2
水素ガスと0.1〜100時間接触させる方法、あるいはp−
トルエンスルホニルヒドラジドによって環元する方法が
挙げられる。これらの方法のうち、前者の接触水素添加
法が反応の容易さの点から好ましく採用される。
水素添加反応は、イソプレン〜ブタジエン共重合体を
加熱溶融下または反応溶媒に溶解し溶液状態で行なわれ
るが、反応の制御の点から溶液状態で行なうのが好まし
い。反応溶媒は水素添加反応に対して不活性なものであ
ればいずれでもよいが、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族
炭化水素またはシクロヘキサン等の脂環族炭化水素が最
も好ましく用いられる。また、反応条件によってはベン
ゼン、トルエン等の芳香族炭化水素も好ましく使用しう
る。
水素添加反応後、常法により反応生成物から触媒を分
離、除去することによりイソプレン〜ブタジエン共重合
体の水素添加物が得られる。
該水素添加物はそのまま使用してもよいが、水素添加
物をさらに変性して分子末端または側鎖に水酸基、カル
ボキシル基、ハロゲン基等の極性基を含有させて使用し
てもよい。
このようにして得られるイソプレン〜ブタジエン共重
合体の水素添加物はエチレン系樹脂の可塑剤として好ま
しく使用される。
本発明の樹脂組成物において、イソプレン〜ブタジエ
ン共重合体の水素添加物の混合量は、一般には従来の可
塑剤と同様少量でよいが、目的に応じ樹脂組成物中の
(a)+(b)成分の合計量の1〜30重量%の範囲内で
好適に選ぶことができる。該水素添加共重合体の添加量
が1重量%未満では、加工性の改善、得られた混合樹脂
組成物の柔軟性賦与共に充分な効果が発現し得ない。ま
た、該水添共重合体の添加量が3重量%を越えると、得
られた混合樹脂組成物からなるフィルム、シート等の成
形品が充分な強度を有しない欠点が現われてくる。従っ
て、該水添共重合体の混合量は、樹脂組成物中の(a)
+(b)成分の合計量の1〜30重量%、特に2〜20重量
%の範囲が好適である。
熱可塑性樹脂とイソプレン〜ブタジエン共重合体の水
素添加物との混合は、バンバリーミキサー、ニーダー、
ヘンシェルミキサー等の密閉式混合機、オーブンロー
ル、または二軸スクリュー押出機等を用いて行なわれ
る。得られた混合物は、プレス成形、射出成形、トラン
スファー成形、カレンダー成形等によりフィルム、シー
ト、管、棒または種々の形状に成形される。
なお、混合の際には必要に応じ他の添加物を加えても
よい。例えば老化防止剤、紫外線吸収剤等の安定剤、滑
剤、顔料等を(a)+(b)成分の合計量に対し10重量
%以下の範囲で添加してもよい。また、タルク、マイ
カ、ガラス繊維等の充てん材あるいは補強のための繊維
等を(a)+(b)成分の合計量に対し1〜50%、より
好ましくは5〜35重量%の範囲で必要に応じ添加しても
よい。
本発明のエチレン系熱可塑性樹脂組成物は限定された
分子量及び構造を有する水素添加されたイソプレン〜ブ
タジエン共重合体を含有しているため柔軟性、特に低温
柔軟性にすぐれかつ印刷性も向上するが、相溶性が良好
なためブリードは発生しない。
さらに本発明の樹脂組成物は、流動性が改良され、優
れた成形加工性を示す。このため成形時に要するエネル
ギーコストの低減が可能となる。また成形時間を短縮す
るとが可能となり、生産性が向上する。さらには流動性
に優れることから複雑な形状の金型を使用しても細部に
まで十分充填することが可能となり、微細な形状を有す
る成形物の製造が容易にしかも高い歩留まりで行なうこ
とができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本
発明はこれらの実施例によって何等制限されるものでは
ない。
(実施例) 以下の実施例及び比較例において、各種の評価に用い
た試験方法は以下の方法である。
(1) 引張強度(kg/cm2)及び引張伸度(%) ブラベンダーオートグラフによる混練で得られた混合
物を、プレス成形により2mm厚のシートを成形し3号形
ダンベル試験片を作成する。この試験片をJIS K7113準
拠の方法により測定。
(2) 混練時の流動加工性 ブラベンダーオートグラフによる混練終了直前のブラ
ベンダー回転軸のトルクを測定し、流動加工性の目安と
した。
(3) ブリード性 混合物から成形した2mm厚シートの上に上質紙を貼り
つけ80℃、3日間オーブ中に放置し、上質紙へのしみ出
し、及び上質紙をはがしての手の感触により判定した。
実施例1 n−ブチルリチウムを触媒として用い、75gのイソプ
レンを重合し、次いで25gのブタジエンを追加添加し重
合することにより数平均分子量25,000のI−B型ジブロ
ック共重合体を得た。この共重合体をオートクレープ中
でシクロヘキサンに溶解し、20重量%の溶液とした。こ
の溶液に、カーボンに担持したパラジウム(5重量%)
触媒を2重量%/ポリマー添加分散させ、水素50kg/cm2
加圧下、80℃で水素添加反応を行なった。反応終了後、
触媒を過により分離し、真空乾燥することによりイソ
プレン〜ブタジエンブロック共重合体の水素添加物を得
た。ヨウ素価測定により求めた水素化率は99%であっ
た。
この水添ブロック共重合体3重量%と市販ポリエチレ
ン(三菱油化(株)製、ユカロンYF−30、MFR 1.0)97
重量%をブラベンダーオートグラフにより190℃、80rpm
の回転数で5分間混練し、柔軟化したポリエチレン混合
物を得た。得られた混合物からのシート引張強度伸度を
前記の方法により測定した。その他の測定結果と併せて
表1に示した。
対照物として、ここで用いたポリエチレン単独の物性
を評価し、対照例1に示した。
実施例2 n−ブチルリチウムを触媒として、25gのブタジエン
を重合し、次いでイソプレン50g、最後に25gのブタジエ
ンの順序で重合することにより数平均分子量45,000のB
−I−B型ブロック共重合体を得た。この共重合体を実
施例1と同様の方法により水素添加し、水素化率97%の
ワックス状水添ブロック共重合体を得た。この水添共重
合体10重量%と市販ポリエチレン(三菱油化(株)製、
ユカロンYF−30)90重量%を実施例1と同法により混
練、物性評価を行なった。結果を表1に示した。
実施例3 実施例2で述べた方法により得た水添ブロック共重合
体7重量%と市販EPR(日本合成ゴム(社)製、EP11、
ムーニー粘度(at100℃)40)93重量%をブラベンダー
オートグラフにより150℃、80rpmの回転数で5分間混練
し、混合物を得た。この混合物を実施例1と同様の方法
により物性評価を行ない結果を表1に示した。
対照としてここで用いたEPR単独を物性を評価し、表
1の対照例3に示した。
実施例4 実施例2で述べた方法により得た水添ブロック共重合
体5重量%と市販高密度ポリエチレン(三井石油化学
(株)製、ハイゼックス3300F、MFR1.1)95重量%をブ
ラベンダーオートグラフにより210℃、80rpmの回転数で
5分間混練し、混合物を得た。この混合物を事施例1と
同様の方法により物性評価を行ない、結果を表1に示し
た。
表1の対照例2に高密度ポリエチレン(HDPE)単独の
物性を示した。
実施例5 n−ブチルリチウムを触媒として、25gのブタジエン
を重合し、次いでイソプレン25g、ブタジエン25g最後に
イソプレン25gの順序で逐次添加重合することにより数
平均分子量30,000のB−I−B−I型ブロック共重合体
を得た。この共重合体を実施例1と同様の方法により水
素添加し水素化率98%のワックス状水添ブロック共重合
体を得た。この水添共重合体10重量%と市販ポリエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体EVAc(三井デュポンポリケミカ
ル(株)製、エバフレックス560、MFR 3.5)90重量%を
170℃、80rpmで5分間混練し混合物を得た。この混合物
からの成形物の物性測定を行ない、結果を表1に示し
た。
実施例6〜9 各種水添ブロック共重合体を実施例1と同法により重
合し、低密度ポリエチレン(LDPE)と混練成形し、成形
物の物性評価を行なった。得られた結果を表1に示し
た。
比較例1〜7 表1に、実施例1に述べたのと同法により得た水添ブ
ロック共重合体の物性を示した。この水添ブロック共重
合体所定量と、低密度ポリエチレン所定量を実施例1と
同様の方法により混練し、混練物から成形したシートの
物性を測定し結果を表1に示した。
比較例1,2の結果より数平均分子量が小さすぎる場合
は、強度的性質が劣り、ブリードも生じるため好ましく
ないし、大きすぎる場合はブリードは生じないが、流動
性に大きな改善は認められず、強度的性質も劣ることが
判る。
比較例3では、イソプレン〜ブタジエンランダム共重
合体水添物を用いたが、強度的性質は劣ることが判っ
た。
比較例4では、水添率の低いブロック共重合体を用い
た場合、相溶性が悪いためか強度的性質が劣りブリード
も発生する。また、混練の際熱劣化を生じ混練物の着色
が大であった。
比較例5では水添ブロック共重合体の配合量が多すぎ
るため、混練後の成形物の強度的性質が極めて低くなっ
ている。これは、この混練温度での溶融粘度の小さい水
添ブロック共重合体が海島構造の海成分になっているた
めではないかと考えられる。
比較例6,7ではそれぞれブタジエン及びイソプレン単
独重合体の水添物を配合した例であるが、水添ブタジエ
ンポリマーを配合するとブリードは生じないが、低温で
の強度的性質に、特に破断伸度の向上がみとめられず低
温柔軟性が賦与されていないことが判る。一方、水添イ
ソプレンポリマーを配合した場合、低温柔軟性は発現し
ているが、ブリード性が大きく好ましくないことが判っ
た。
(発明の効果) 本発明のエチレン系熱可塑性樹脂組成物は、エチレン
共重合樹脂の優れた性質を有したままで、改善された柔
軟性特に低温柔軟性を有し、かつ熱劣化等による樹脂表
面への水添ブロック共重合体の滲み出し移行のないもの
である。さらに成形加工性も優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C08L 23/04 53:00) (C08L 23/04 47:00) (72)発明者 西川 亮 茨城県鹿島郡神栖町東和田36番地 株式 会社クラレ内 審査官 杉原 進 (56)参考文献 特開 平1−197505(JP,A) 特開 平1−168743(JP,A)

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)エチレンを単独重合もしくは共重合
    して得られる、エチレン繰り返し単位を30〜100モル%
    含有する熱可塑性樹脂〔ただし、エチレンとプロピレン
    からなり、プロピレン繰り返し単位を50〜70モル%含有
    する共重合体を除く〕(以下エチレン系樹脂という)
    と、 (b)数平均分子量が5,000〜150,000であるイソプレン
    〜ブタジエン共重合体の不飽和結合の50%以上を水素添
    加して得られる共重合体を、両者の割合が前者99〜70重
    量%、後者1〜30重量%となるように含有してなるエチ
    レン系熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】エチレン系樹脂がエチレンとエチレン以外
    の1位に2重結合を有する炭素数20までのオレフィンと
    の共重合体、EPDM、EVAc又はエチレン−ビニルアルコー
    ル共重合体である特許請求の範囲第1項記載の組成物。
  3. 【請求項3】エチレン系樹脂のMIが0.1〜60である特許
    請求の範囲第1項記載の組成物。
  4. 【請求項4】イソプレン〜ブタジエン共重合体の数平均
    分子量が10,000〜100,000である特許請求の範囲第1項
    記載の組成物。
  5. 【請求項5】イソプレン〜ブタジエン共重合体の数平均
    分子量が20,000〜80,000である特許請求の範囲第1項記
    載の組成物。
  6. 【請求項6】イソプレン〜ブタジエン共重合体がブロッ
    ク共重合体であって、ブロック形態が(I−B)
    I、(B−I)−B及び(I−B)(ここでnは1
    〜5の整数であり、又Iはイソプレンブロックを、Bは
    ブタジエンブロックを表わす)のいずれかである特許請
    求の範囲第1項記載の組成物。
  7. 【請求項7】nが1〜3の整数である特許請求の範囲第
    6項記載の組成物。
  8. 【請求項8】イソプレン〜ブタジエン共重合体中のブタ
    ジエン成分が10〜90重量%である特許請求の範囲第1項
    記載の組成物。
  9. 【請求項9】イソプレン〜ブタジエン共重合体中のブタ
    ジエン成分が20〜70重量%である特許請求の範囲第1項
    記載の組成物。
  10. 【請求項10】イソプレン〜ブタジエン共重合体中のビ
    ニル結合量が30%以下である特許請求の範囲第1項記載
    の組成物。
  11. 【請求項11】イソプレン〜ブタジエン共重合体の水素
    添加率が70%以上である特許請求の範囲第1項記載の組
    成物。
  12. 【請求項12】(a),(b)両成分の割合が前者98〜
    80重量%、後者2〜20重量%である特許請求の範囲第1
    項記載の組成物。
  13. 【請求項13】安定剤、滑剤、顔料、又は充填剤もしく
    は補強のための繊維を含有する特許請求の範囲第1項記
    載の組成物。
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