JP2552182Y2 - 内燃機関のピストン - Google Patents

内燃機関のピストン

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JP2552182Y2
JP2552182Y2 JP1988097425U JP9742588U JP2552182Y2 JP 2552182 Y2 JP2552182 Y2 JP 2552182Y2 JP 1988097425 U JP1988097425 U JP 1988097425U JP 9742588 U JP9742588 U JP 9742588U JP 2552182 Y2 JP2552182 Y2 JP 2552182Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、内燃機関のピストンに関し、特にキャビィ
ティの外周側に冷却用の空洞を有したピストンに関す
る。
〈従来の技術〉 内燃機関のピストンにおいて、ピストン内部に空洞を
設け、該空洞内にオイルを導いてピストンを冷却するよ
うにしたものがある(例えば、実開昭58−48952号公報
等参照)。
また、ピストンリング溝、特にトップリング溝は、耐
摩耗或いは断熱のため、アルミ合金等のピストン本体と
は別材料を鋳込んでリングトレーガを形成することが一
般に行われている(同上公報及び実開昭59−68860号公
報等参照)。
〈考案が解決しようとする課題〉 しかしながら、特に頂壁にキャビィティを有した直噴
式内燃機関の場合は、キャビィティの外側に空洞を設け
ようとすると、一般にキャビィティはピストン中心軸に
対して偏心して形成されているものについては、該偏心
方向に形成された空洞とピストンリングが嵌挿されるリ
ングトレーガとの内周面との距離が要求値以上に近接し
てしまい、レイアウト上、空洞の形成を困難なものとし
ていた。
このため、ピストン本体を高圧鋳造或いは溶湯鋳造で
形成することにより、空洞とリングトレーガとの要求距
離を小さくして、空洞を形成するようにしたものもある
が、コスト高につくことは否めなかった。
本考案は、このような従来の問題点に鑑みなされたも
ので、キャビィティ付ピストンにおいて安価な構造で冷
却用の空洞を形成できるようにした内燃機関のピストン
を提供することを目的とする。
〈課題を解決するための手段〉 このため本考案は、ピストンの頂壁にピストン中心軸
と偏心してキャビィティが形成されると共に、該キャビ
ィティの外側にリング状の冷却用空洞が形成され、且つ
ピストン本体とは異なる材料でピストンリングが嵌挿さ
れるリングトレーガが形成された内燃機関のピストンに
おいて、前記リングトレーガは、その外周面がピストン
外周面と一致し、且つその内周面がキャビィティの偏心
方向を長軸とする長円又は楕円形状であって、長軸上に
おけるリングトレーガの内周面と外周面との距離がその
両端部において略同一となる構成とする。
〈作用〉 ピストンリングが嵌挿されるリングトレーガは、その
外周面がピストン外周面と一致し、かつ、その内周面が
キャビィティの偏心方向を長軸とする長円又は楕円形状
であって、長軸上におけるリングトレーガの内周面と外
周面との距離がその両端部において略同一となるため、
キャビィティの偏心側に設けられる空洞とリングトレー
ガとの距離を十分大きく採ることができ、以て通常の重
力鋳造によって空洞を有したピストンの形成が可能とな
る。
〈実施例〉 以下に、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。
一実施例の構成を示す第1図において、直噴式内燃機
関のピストン1は、頂壁にキャビィティ2がピストン1
の中心軸OPに対して所定量ΔL偏心して形成されてい
る。
又、前記キャビィティ2の外周側にはリング状の空洞
3が形成されており、該空洞3は数箇所で孔4を介して
ピストン1頂壁の底面と連通し、機関の運転時には、ピ
ストン1の下方から噴出供給されたオイルを前記孔4を
介して空洞3内に導きピストン1を冷却する。
かかるキャビィティ2,空洞3等を有したピストン本体
は、アルミ合金等で形成される。そして、図示しないピ
ストンリング(トップリング)を嵌挿するトップリング
溝を形成される部分を、ピストン本体とは別のニレジス
ト等の材料で鋳込むことによってリングトレーガ5を形
成する。
ここで、前記リングトレーガ5は、その外周面がピス
トン外周面と一致し、且つその内周面がキャビィティ2
の偏心方向を長軸とする長円又は楕円形状であって、長
軸上におけるリングトレーガ5の内周面と外周面との距
離がその両端部において略同一となるように形成され
る。
これにより、リングトレーガ5の内周面はキャビィテ
ィ2と同一の偏心側では、ピストン1の中心軸から遠ざ
かるように形成されるので、空洞3の同一側部分がキャ
ビィティ2の偏心によって同じくピストン1の中心軸か
ら遠ざかる位置にあっても、第2図に示すように、リン
グトレーガ5内周面と空洞3との距離Lを十分に採るこ
とができる。
即ち、上記のようにリングトレーガ5の内周面と、空
洞3との距離Lを十分大きく(例えば5mm以上)確保で
きることによって、ピストン本体とリングトレーガ5と
を重力鋳造で十分良好に一体成形でき、コスト低減を図
れるのである。
又、リングトレーガの内径を全周にわたって一律に大
きくすることにより空洞との距離を確保する構成では、
リングトレーガによる断熱や補強が不充分となることが
あるが、本考案では、リングトレーガの外周面がピスト
ン外周面と一致し、かつ、その内周面がキャビィティの
偏心方向を長軸とする長円又は楕円形状であって、長軸
上におけるリングトレーガの内周面と外周面との距離が
その両端部において略同一となるため、長軸上以外の部
分でリングトレーガの厚さを確保することができ、断熱
や補強も十分確保できる。
尚、上記のようにキャビィティ2の偏心側でリングト
レーガ5の内周面とピストン中心軸OPとが遠ざけされる
結果、第2図に示すようにリングトレーガ5の形成後に
加工されるトップリング溝6の内周面はリングトレーガ
5の内周面より内側のピストン本体まで突き出して形成
されるが、バリの発生を防止するため、突き出し量Δt
を所定量(例えば0.5mm)以上大きくするのがよい。
又、本実施例では、リングトレーガ5をニレジストで
形成したが、ニレジストはセラミックスや発泡金属等に
比較して安価でありながら、信頼性に優れており、且つ
耐摩耗性にも優れるものである。
〈考案の効果〉 以上説明したように本考案によれば、リングトレーガ
の構造を変更することにより、重力鋳造による安価な製
造方法でキャビィティ付ピストンに冷却用の空洞を設け
ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図(A)は、本考案の一実施例に係るピストンの平
面図、同図(B)は、同上のピストンの縦断面図、第2
図は、同上ピストンの要部拡大断面図である。 1…ピストン、2…キャビィティ、3…空洞、5…リン
グトレーガ

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】ピストンの頂壁にピストン中心軸と偏心し
    てキャビィティが形成されると共に、該キャビィティの
    外側にリング状の冷却用空洞が形成され、且つピストン
    本体とは異なる材料でピストンリングが嵌挿されるリン
    グトレーガが形成された内燃機関のピストンにおいて、 前記リングトレーガは、その外周面がピストン外周面と
    一致し、且つその内周面がキャビィティの偏心方向を長
    軸とする長円又は楕円形状であって、長軸上におけるリ
    ングトレーガの内周面と外周面との距離がその両端部に
    おいて略同一となることを特徴とする内燃機関のピスト
    ン。
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